2018年4月28日(土)
Switch『ドンキーコング トロピカルフリーズ』をレビュー。ドンキーコングと仲間を使いこなし島を取り戻そう
『ドンキーコング』シリーズの最新作であるNintendo Switch用ソフト『ドンキーコング トロピカルフリーズ』が5月3日に発売されます。シリーズを遊んできた筆者が、進化した『ドンキーコング』のレビューをお届けします。
本作は、Wii Uで発売された横スクロールアクションゲーム『ドンキーコング トロピカルフリーズ』に、追加要素が加わったNintendo Switch版です。過去作に登場したディディーコングやディクシーコングだけでなく、クランキーコングがドンキーコングをサポートします。また、サングラスがよく似合うファンキーコングがプレイアブルキャラとして仲間入りしています。
プレイヤーが操作するのはドンキーコングかファンキーですが、後に解放されるハードモードやNintendo Switch版の新要素“おすそわけプレイ”では、ディディーたちも操作できます。
なお、ファンキーはドンキーコングをサポートする他の仲間とは異なり、Wii U版と同じ内容の“オリジナルモード”ではなく、新モードの“ファンキーモード”でのみ操作できます。
ドンキーコングの住処が氷漬けに!? 仲間とともに島を取り戻せ!
物語は、北の海のバイキング“ザ・スノーマッズ”がドンキーコングの住処の島・ドンキーコングアイランドに襲来するところから始まります。
▲“ザ・スノーマッズ” |
ドンキーコングたちが“ザ・スノーマッズ”によって遠くへ吹き飛ばされてしまったため、島を乗っ取られてしまいます。ドンキーコングらは島を救うべく、6つの島から“ザ・スノーマッズ”の一味を追い出す冒険へ旅立つのです。
ムービーパートが終わると、シリーズおなじみの横スクロールアクションが展開されていきます。プレイヤーはドンキーコングを操作し、さまざまな障害物をよけつつゴールを目指すのが本作の基本的な流れとなります。
従来のアクションがパワーアップ! 仲間たちと協力して、道行く敵を退けよう
『ドンキーコング』シリーズは一部を除いて、“わかりやすさ”が前面に出た作品。スタート地点から始まりゴールを目指すというゲームの目的が非常にわかりやすいため、シリーズ初心者でも遊びやすいです。
ステージを攻略して物語を進めていくと、それぞれの島の最後に“ザ・スノーマッズ”のボスが待ち受けています。しかし、ボス戦といえども特殊な操作は必要なく、通常のステージと同じ感覚で遊べます。
ステージ中には、平坦な道を歩く敵や空中に停滞する敵などが登場。プレイヤーはドンキーコングを操って敵を踏んずけたり、投げ飛ばしたり、時にはスルーしたり、さまざまな方法でゴールを目指します。
それだけでなく、特別なアクションも存在。地面を叩けば敵がひっくり返り無防備な状態に。“つかむ”アクションを使えば、無防備の敵を持ち上げられ、投げ飛ばして別の敵を倒せ、爽快です。
▲中には爆弾を抱えた敵や槍で攻撃してくる敵が待ち構えていることもあります。 |
バナナを100本集めることで使用できる必殺技や、転がって敵を倒せるローリング攻撃を使って進んでいきましょう。
さらに本作には、サイのランビやトロッコなど、シリーズでおなじみの乗り物が登場。筆者は、過去作でお世話になったサイのランビの登場シーンで大興奮し、胸が熱くなってしまいました。
本作で楽しめるアクションは、先述したドンキーコングの技だけではありません。仲間が入ったタルを壊し、登場した仲間を背中に乗せることで、そのキャラ特有のアクションを使えるようになるのです。
以下では、本作の魅力と言える仲間との共闘について紹介していきます。
空中で動きを制御できる“ディディーコング”
ドンキーコングの相棒であるディディーコングは、背負ったバレルジェットでジェット噴射を行い、ジャンプ後に少しの間ホバリングできます。一度のジャンプでは届きそうにない敵を狙う時や、少し先の足場に着地したい時に活用すると、スムーズにステージを攻略できます。
▲小回りがきくディディーは、動きの鈍いドンキーコングの相棒です。 |
水中ではジェット噴射によって推進力を高め、高速移動ができます。動きが制限されてしまう水中で、もっとも気持ちよくステージを進行できるアクションかと。しかし、小回りがややきかない一面もあります。
ドンキーコングの相棒といえばやはりディディーというイメージが強いです。大きく動きが変化することはありませんが、かゆい所に手が届くアクションを使用できる仲間です。
癖は強いが爽快感バツグンの“ディクシーコング”
ディディーのガールフレンドであるディクシーコングは、少し癖が強いアクションを使えるようになる仲間です。ドンキーコングがジャンプした後に、自慢のポニーテールを使ってもう一度高度を上げてくれるアクションが追加されます。ドンキーコングやディディーでは叶わなかった、より高いところに着地できる利点を持っています。
▲ポニーテールが特徴のとってもキュートな彼女がディクシーコングです。 |
水中では、ポニーテールをプロペラのように回転させて、ディディーと似た高速移動が可能。ディクシーも細かい操作が苦手なので、使う場合は注意が必要です。
動きこそディディーより派手ですが、使いこなすにはテクニックが必要なディクシーコング。うまく使用できた時の爽快感は随一です。
老いぼれとは言わせない! 杖を駆使する“クランキーコング”
がんこなおじいちゃん“クランキーコング”も、所持している杖を駆使してドンキーコングをサポートしてくれます。杖をばねのようにしてはねながら、ハイジャンプを繰り返すアクションを行います。杖で敵を踏みつけて敵を倒せるだけでなく、ダメージ床である“トゲ”の上を進めることも大きな特徴となっています。
▲やさしい顔をしたクランキーですが、たびたび怒りの表情を見せます。 |
水中では、ディディーやディクシーのような高速移動はできませんが、杖を振り回して目の前の敵を攻撃してくれます。よいこはマネしないように。老いを感じさせないクランキーを背中に乗せて、少し変わったアクションでステージを攻略しましょう。
ゲーム初心者でも安心。アイテムを使えば苦手なポイントを対策できる
さて、ここまで数多くのアクションの解説をしてきましたが、「使いこなせる自信がない……」、「なんだか難しそう……」という人に朗報です。本作にはプレイヤーに追加効果を付与してくれる“アイテム”が存在し、ステージ突入前に設定できます。
アイテムは、ファンキーが運営する“アイテムショップ”で、ゲーム中のさまざまな場面で入手できる“メダル”で購入できます。残機である“レッドバルーン”やダメージを受けた時から一定時間無敵になる“バナナジュース”など、役に立つものが存在します。
他にも仲間を呼び出せる“タル”や乗り物に乗っている時のダメージを1回だけ回避できる“クラッシュガード”、ライフを直接増やして、ミス回数制限である2回を3回に増加できるものも……。クリアできない場面が出てきてしまった時には積極的に活用していきましょう。
Nintendo Switch版の新要素としてファンキーコングがプレイアブルに!
Wii U版から進化したNintendo Switch版では、アイテム購入時にお世話になる“ファンキーコング”がプレイアブルキャラクターとして操作できるようになりました。
▲イカしたグラサンとサーフィンボードで、数々のアクションを使いこなすゴキゲンなキャラクター。それがファンキーコングです。 |
ファンキーは、サーフィンボードを使うことで1人でホバリングが可能なうえに、“トゲ”を常時回避可能。水中の動きもドンキーコングよりスムーズです。ドンキーコングが仲間と協力して使えるアクションと大差ない動きを、ファンキー1人で行えます。
さらに“アイテム”はオリジナルモードとは異なり、値段が安く、かつ効果が上昇! どこをとってもオリジナルモードより難易度が下がっており、至れり尽くせりの内容となっています。
オリジナルモードでどうしてもクリアできないプレイヤーにオススメのモード。一方で、クリアを余裕で目指せるプレイヤーが遊べば、より爽快感を味わえることでしょう。
おすそわけプレイが可能!
Nintendo Switch版では、Joy-conを分け合って気軽に2人同時プレイを楽しめます。2人同時プレイでは、1Pがドンキーコングかファンキーを操作し、2Pは仲間を操作可能です。もしミスをしてしまったとしても、どちらか片方がステージに残っていれば復帰できます。
基本的に1Pと2Pは別々に移動しますが、ドンキーコングやファンキーの背中に乗ることもできます。誰かと一緒に遊ぶ『ドンキーコング』は、1人プレイとはまた違ったプレイを楽しめます。
1人でも、友だちとでも、家族とでも楽しめる
思えば幼いころの筆者は、シリーズの最初に体験した『スーパードンキーコング2』で、普段ゲームをしない父親とともに、悩み笑いながら最高に楽しい時間を過ごしました。本作も、そのような親子でのコミュニケーションを育めるような、素晴らしい作品であることは言うまでもありません。
とはいえ、本記事を書いている筆者は1人でプレイしていますし、決して1人プレイに不満があるわけではありません。むしろ2人で攻略できないため、やりごたえのある『ドンキーコング』を堪能できると言えるでしょう。
ゲームに対して目の肥えている人でも、アクションゲーム初心者でも、1人でも、2人でも、さまざまシチュエーションで楽しめるタイトルとなっています。ぜひ一度、体験してみてください。
(C)2014‐2018 Nintendo
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