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2018年5月20日(日)

『勇者ネプテューヌ』開発チームインタビュー。地球規模で制作を進める究極のRPG

文:電撃PlayStation

 『ネプテューヌ』シリーズ最新作となるPS4用ソフト『勇者ネプテューヌ 世界よ宇宙よ刮目せよ!! アルティメットRPG宣言!!』。最高のRPGを目指して制作が進められている本作について、エグゼクティブプロデューサーの東風輪敬久氏、プロデューサーの水野尚子さん、イラストレーターのつなこさん、アシスタントプロデューサーの五十嵐智樹氏、シナリオを手がけた霧海正悟氏にお話をうかがった。

『ネプテューヌ』

 ※本インタビューは4月26日発売の電撃PS Vol.661に掲載されたものの全文転載です。

15作品目となる『勇者ネプテューヌ』はそれぞれにとってどんな存在?

――『ネプテューヌ』シリーズは今年で8年目、本作で15作目になりますが、これまでを振り返ってみていかがでしょうか。

東風輪敬久氏(以下敬称略):1作品ごとに気持ちを込めて作ってきました。シリーズとしては8年ですが、並行して制作していた作品もあるので、体感としては15年以上くらいの密度ですね。

つなこさん(以下敬称略):作品数の話が出るたびに「そんなに出してたっけ!?」と思いますね。本作で15作目ですか……1つのシリーズでこの作品数を発売できるものは多くはないと思うので、ユーザーのみなさんには感謝しています。

水野尚子さん(以下敬称略):これまでゲームのいろいろなジャンルや世界観で『ネプテューヌ』のゲームを作ってきたんですが、『ネプテューヌ』だからできたことなんだなと感じています。世界観やゲームのジャンルを変えるということは、本来なかなかできることではないと思います。

 通常は世界観が決まったら、それがシリーズ通しての統一のものになることが多いですからね。いろいろなことにチャレンジできる土壌があるのは、『ネプテューヌ』シリーズならではだと思います。そういう背景もあり、最近はほかの作品とコラボさせていただく機会が増えました。

五十嵐智樹氏(以下敬称略):僕は13作目の『四女神オンライン』から加わったので本作で2本目になるのですが、15作も続いてきたことを考えると、それだけ愛されるシリーズなのだと思います。今後シリーズに携わっていくうえで、今まで培ってきたものをできるだけ守りつつ、新しい『ネプテューヌ』を作っていきたいと思っています。

『ネプテューヌ』
▲シリーズの顔・ネプテューヌ

――これだけ長い期間携わってきた『ネプテューヌ』ですが、みなさんにとってはどのような存在でしょうか?

東風輪:とにかく、すごく大事な存在ですね。でも、子どものような存在という感じではないですし……つなこ的にはどうなのかな?

つなこ:“友だちの娘”という感じですね(笑)。もちろん、ネプテューヌは私が描いているキャラクターではあるのですが、声は声優の方が演じていますし、作品ごとに違うライターさんがシナリオのなかで多彩なネプテューヌを作ってくれるわけでして、自分1人で作ったという感じがしないんです。

水野:私は、ネプテューヌというキャラクターというよりは『ネプテューヌ』というタイトルそのものの、いろいろなものを含めてなのですが、“恩師”だと感じています。『ネプテューヌ』を通していろいろな人と出会ったり、さまざまなことを学んだりしてきました。そういう体験をさせてもらえたので、私にとっての『ネプテューヌ』は恩師なのかなって感じます。

五十嵐:僕にとっては“ライバル”です。『ネプテューヌ』シリーズに関わっているときは、いい『ネプテューヌ』作品を作らないといけないですけど、もし今後、別の作品を作るときには『ネプテューヌ』を超えないといけないと思っています。ですから、『ネプテューヌ』はライバルです。

ネプテューヌが“勇者”に! 地球規模で制作する究極のRPG

――いろいろな想いが詰まったシリーズの最新作『勇者ネプテューヌ』ですが、開発会社のArtisan Studiosさんと初めてお会いした際はいかがでしたか?

東風輪:“海外のアーティスト”という印象が強かったのを覚えています。ゲームについていろいろと熱く語り合ったのですが、Artisan Studiosさんもキャラクターに対する愛やRPG論を語ってくれました。日本のゲームに対してすごく熱い想いのある方たちだったので、意気投合して、「一緒に仕事をしよう」という話になりました。

 その後、デモなどを見せていただいたのですが、日本人の感性だと作れないようなものを作っていただけそうだと思いました。「今までとは少しテイストの違う『ネプテューヌ』を」という気持ちがあったので、そこは合致しましたね。

――「ゲームの電撃 感謝祭2018」で公開されたPVでもArtisan Studiosさんが登場しました。

五十嵐:PVでは、「海外のスタジオと一緒に制作していること」を推すことになりました。そこで、ワールドワイド感とネプテューヌらしさを出すためにあの形にしました。ファンの間では「どこまで本当なんだ?」と話題になったのですが、まさか疑われるとは思いませんでした(笑)。

『ネプテューヌ』
▲「ゲームの電撃 感謝祭2018」で公開されたPVに使用された、どこか見覚えのあるような気がするロゴ。

――『勇者ネプテューヌ』の“勇者”というコンセプトはどのようにして生まれたのですか?

五十嵐:制作にあたり、世界観の案を50個くらい出したのですが、そのなかに“ネプテューヌが記憶を失っている”というものがありました。もし記憶のないネプテューヌがスライヌを倒したら、絶対調子に乗って自分を勇者だと思うだろうという話になったのが、“勇者”というコンセプトが生まれたきっかけです。

つなこ:今回公開したイベントCGはまさにそのシーンで、ネプテューヌが勇者ネプテューヌになる瞬間なんですね。

『ネプテューヌ』
▲ネプテューヌが勇者に!

――サブタイトルからも強いメッセージを感じます。

東風輪:本作は海外の開発会社さんと一緒に作っているので、地球規模で開発していると言えると思うんです。このプロジェクトの巨大さを表現しつつ、「究極のRPGを作るぞ!」という宣言をしたかったんです。

――本作に2Dを採用した理由を教えてください。

五十嵐:Artisan Studiosさんが2Dゲームを得意としていたからです。

東風輪:2Dになったことで、アート面での新鮮さが出ました。自分たちでは描けないものが出てきましたね。

つなこ:今までの背景とはかなり印象が違います。これまでのアドベンチャーパートの背景はアニメ的な背景でしたが、本作では絵画的で、1枚のアートの中でいろいろなコントラストがあると思います。

東風輪:色使いも違いますよね。「この部分でこの色を使うのか!」という驚きがありました。

『ネプテューヌ』
▲ダンジョン中の画面カット。2Dであるだけでなく、アート面でも新鮮な印象に。

――ちなみに、本作の舞台はどこなのでしょうか?

五十嵐:アートのテイストの違いでそう見えないかもしれませんが、ゲイムギョウ界が舞台です。ただ、これまでとは別の次元のゲイムギョウ界ですね。公開している画面カットの街はラステイションです。

水野:Artisan Studiosさんが、アートのなかにいろいろと仕込んでくれています。今回公開したなかでですと、街の入口(下の画面カット)がコントローラのようになっていますね。

『ネプテューヌ』

東風輪:ちなみに、本作の物語、世界観をファンタジー色の強いものにしたのは、Artisan Studiosさんのイラストを見たときにアート性を強く感じたからなんです。

記憶を失ってしまったネプテューヌたち個性的な新キャラクターたちも注目

――物語はどのような内容になるのでしょうか?

五十嵐:記憶を失ったネプテューヌが、謎の女性・クロムと出会って不思議な本・イストワールを手渡され、冒険をしていくお話です。そして、ネプテューヌは、世界がシルクワァムという組織に支配されており、そのシルクワァムが3Dを悪としていることに気づいていきます。

 でも、ネプテューヌたちは3Dも2Dもどっちもいい、おもしろければそれでいいと考え、シルクワァムを倒しに行くことになります。ちなみに、記憶を失っているのでノワールやブラン、ベールと出会う際は、初対面の関係性から始まるんです。ここは、これまでのナンバリングなどにはない新鮮な絡みが見られるポイントだと思います。

――霧海さんは今回シナリオを担当されてみて、いかがでしたか?

霧海正悟氏(以下敬称略):ファンの多いシリーズですので、仕事として参加することになった際はプレッシャーを感じました。これまでの作品よりもおもしろいものを作りたいと思い、いろいろと試行錯誤しましたね。

――クロムや三銃士はどう個性付けしていかれましたか?

霧海:ネプテューヌたちがすでに個性の強い魅力的なキャラクターなので、彼女たちと絡んでも負けないような魅力を出すためにはどうしたらいいかと考えました。ネプテューヌたちに比べると出番も少ないのでインパクトを出す必要があります。そのために、言い回しは特徴的にしました。

――三銃士それぞれの性格を教えてください。

霧海:鳶八クケイは、3人のなかで一番年上です。言ってることもまじめだし、指示を出したりもするキャラなのですが、ずれている部分があって、もしかしたら一番バカなんじゃないかと(笑)。ナルシストで変な奴という部分がにじみ出るようにシナリオに落とし込んでいますね。

『ネプテューヌ』
▲鳶八クケイ

霧海:神村まいはわかりやすく悪いです。中途半端にちょっといいやつにするより、ストレートに悪いやつにしているので、逆に爽やかに受け取ってもらえるんじゃないかと思います。

『ネプテューヌ』
▲神村まい

霧海:出田すららはマスコット的なポジションで、「ほよよ」とか言ったり「だよだよ」のように語尾を繰り返したりするので、子どもっぽさや天然っぽさが感じられると思います。

『ネプテューヌ』
▲出田すらら

五十嵐:ちなみに、すららはロボットを背負っていますが、当初からの設定ではないんです。メカや研究が好きなキャラという設定をすららのデザイン担当のスタッフに伝えたところ、上がってきたデザインにロボットが入っていました(笑)。

――本作ではイストワールが本になっていますね。

五十嵐:なぜそうなっているかなど、ゲームをプレイすればわかってくることもありますので楽しみにしていてください。ちなみに、イストワールとは会話ができないのですが、意思疎通はできます。本にネプテューヌたちが読解できない謎の文字が浮かび上がるのですが、文末にある顔文字で感情だけはわかる、という感じです。性格は、おなじみのイストワールと同じですね。

『ネプテューヌ』
▲本の形で登場するイストワール

――謎の少女・クロムも気になります。

つなこ:クロムのデザインについてなのですが、もしかしたらシリーズファンの方は何か気づくことがあるかもしれません。直接関係があるわけではなく、あくまでデザインに関してなのですが、じっくり観察してみてください。

五十嵐:ヒントは『Re;Birth1』ですね。

『ネプテューヌ』
▲クロム

――今回パッケージイラストも公開されています。

つなこ:入っているキャラ数が過去最多かと思います。いつもは2、3キャラを大きく描いていますが、今回はファンタジーの世界観を表現するためにキャラ数を多くしています。人間関係なんかもわかる内容になっていますね。

『ネプテューヌ』
▲『勇者ネプテューヌ』の通常版パッケージイラスト。

――ちなみにこのイラストの後方にある城のような建物はなんですか?

つなこ:この建物を見ている、うしろ向きのキャラクターもいますよね。いったい誰なんでしょう(笑)?

“2D横スクロール”のRPGになった新鮮な『ネプテューヌ』に刮目せよ!

――ゲーム画面も公開されていますが、2Dになったことでキャラの頭身が低くなっています。

つなこ:最初にいくつか頭身パターンを作った際は、今より頭身が低かったです。ただ、子どもに見えすぎるという意見もあって頭身を上げました。

『ネプテューヌ』
▲ゲーム中でのノワール

水野:こちらはゲーム内で動くイラストなので、かなり細かくパーツが分かれているんです。イラスト自体は一枚絵になってるんですが、画像を開くとレイヤーの数がすごく多くて……。

つなこ:パンツなどの見えないところまで描き込んでいるんです。実際に見えるシーンがあるかどうかはわからないですけどね(笑)。このイラストを別のツールで組み上げたうえでゲーム中で動かしているのですが、顔だちを元の絵に合わせてもらうのが大変で、現在はクオリティを上げようとがんばっている段階です。

――ダンジョンには独自のギミックが入れ込まれているのでしょうか?

つなこ:プリンですね(笑)。まだ詳細は言えないのですが、Artisan Studiosさんがいきなりプリンのギミックを追加していたんです。

五十嵐:そうなんですよ。いきなりプリンが出せるようになってました(笑)。ちなみにダンジョンは2Dですが、一本道で進んでいくわけではなく、奥に移動できるポイントもあって、2D面が複数存在しているようなイメージです。迷路状になっているので、探索しがいがあると思います。

――限定版と予約特典についても教えてください。

水野:限定版特典はビジュアルアートブックとサウンドトラック、つなこ描き下ろし特製BOX、予約特典はPS4用ダイナミックテーマ(背景が動くテーマ)です。特製BOXは製作中ですが、某レトロゲーム風モチーフのイラストです。

――最後にユーザーにメッセージをお願いします。

水野:いよいよ『勇者ネプテューヌ』の内容をお見せできるところまで来ました。開発側としてはまだまだやらなきゃいけないことがたくさんありますが、この作品の最新情報を電撃さんを通してお伝えしていきますので、どうぞ応援のほどよろしくお願いします。

霧海:私はRPGのシナリオを書くのは初めてだったので手探りも多かったですけど、RPGのシナリオを書くという夢が叶って楽しかったです。みなさんにもぜひ楽しんでいただけたらと思っています。私は『ネプテューヌ』シリーズのなかではネプテューヌが好きで、ノリノリで書きました。その結果、今までで一番底抜けに明るくなったような気がします(笑)。

五十嵐:今回はシナリオもビジュアルもシステムも、今までの『ネプテューヌ』とはひと味違うものになっていると思います。新キャラクターも愛していただき、人気が出たら今後の作品にも登場させたいと思います。ぜひよろしくお願いします。

つなこ:今回は新しい世界観になっているので、本作から『ネプテューヌ』をプレイしていただいても大丈夫です。気になったらぜひ遊んでいただきたいなと思っています。ビジュアルも新しい世界観に合わせて試行錯誤して、塗り方から何から、新しいものを作れるように最後の追い込みをがんばっていきたいと思います。

東風輪:今回はRPGというだけでなく、“2D横スクロール”のRPGです。今までにはない、新鮮な『ネプテューヌ』にご期待ください。

【予約受付中】『勇者ネプテューヌ』電撃スペシャルパックには超豪華特典が付属!

 『ネプテューヌ』シリーズ最新作、PS4用ソフト『勇者ネプテューヌ 世界よ宇宙よ刮目せよ!! アルティメットRPG宣言!!』の電撃スペシャルパックが、電撃屋にて予約受付中です。

 電撃スペシャルパックには、4月26日発売の電撃PlayStation表紙を飾ったつなこさん描き下ろしイラストを使用したB2タペストリー、オリジナルDLC、特製スチールケース、特別小冊子が付属します。

『勇者ネプテューヌ』
▲タペストリーに使用されるイラスト。ネプテューヌと謎の女性キャラが印象的な、つなこさんが手掛けた渾身の1枚です!

 さらに今回は、超特別な特典が付いた“ファイナルアルティメット版”もご用意! こちらは、これまで最上位だった電撃スペシャルパック限定版のさらに上位にあたる究極バージョンで、予約特典、限定版(ヒーローエディション)特典、電撃スペシャルパック特典に加え、ファイナルアルティメット版特典が付いてきます。

『勇者ネプテューヌ』
▲ファイナルアルティメット版特典の1つ“復刻版プレミアムTシャツ”。電撃PS 555号記念に掲載した『ネプテューヌ』イラストをあしらったTシャツがプレミアム復刻版として特典に!

 もう1つのファイナルアルティメット版特典“特製アナログゲーム”もファン必携のアイテムになること間違いなし! その詳細は続報をお待ちください。

電撃スペシャルパック ファイナルアルティメット版 同梱内容

◆ ゲームソフト

◆限定版(ヒーローエディション)
特典1:つなこ描き下ろし特製BOX
特典2:ビジュアルアートブック
特典3:サウンドトラック

★電撃スペシャルパック特典アイテム
特典1:オリジナルDLC
特典2:B2タペストリー
特典3:特製スチールケース
特典4:特別小冊子

★ファイナルアルティメット版特典アイテム
特典1:特製アナログゲーム
特典2:復刻版プレミアムTシャツ

◆予約特典
プロダクトコードカード:「オリジナルダイナミックテーマ」が手に入るプロダクトコード付きイラストカード

電撃スペシャルパック 限定版(ヒーローエディション) 同梱内容

◆ ゲームソフト

◆限定版(ヒーローエディション)
特典1:つなこ描き下ろし特製BOX
特典2:ビジュアルアートブック
特典3:サウンドトラック

★電撃スペシャルパック特典アイテム
特典1:オリジナルDLC
特典2:B2タペストリー
特典3:特製スチールケース
特典4:特別小冊子

◆予約特典
プロダクトコードカード:「オリジナルダイナミックテーマ」が手に入るプロダクトコード付きイラストカード

電撃スペシャルパック 通常版 同梱内容

◆ ゲームソフト

★電撃スペシャルパック特典アイテム
特典1:オリジナルDLC
特典2:B2タペストリー
特典3:特製スチールケース
特典4:特別小冊子

◆予約特典
プロダクトコードカード:「オリジナルダイナミックテーマ」が手に入るプロダクトコード付きイラストカード

 なお、1次予約の締切は7月8日(日)まで。『勇者ネプテューヌ』の展開とあわせて、刮目せよ!

⇒4月26日発売の電撃PS『勇者ネプテューヌ』特集の告知はこちら

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