2018年6月18日(月)
あの名作の発売から、5年、10年、20年……。そんな名作への感謝を込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中です。
第75回でお祝いするのは、1998年6月18日にソニー・コンピューターエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)から発売されたパズルゲーム『XI[sai]』。クリエイター発掘オーディション“ゲームやろうぜ!”の第1回にて採用されたタイトルで、続編も制作された人気作です。
本作は小悪魔のアクイちゃんを操作して、次々とフィールドに出てくるダイスを消していくちょっと不思議なパズルゲーム。私がこの作品と出会ったのは、学生時代の夏休みのことでした。従兄弟がPlayStationを持って祖母のもとに帰省してきて、対戦機能があるこのゲームを一緒に遊ばせてもらったんです。
当時対戦といえば格闘ゲームが多く、コマンド入力が苦手な私には敷居が高すぎて見ているばかりでした。でも“知能格闘ゲーム”であるこの作品は、年齢、性別問わず遊べてすごくおもしろかったんです。その出会いが印象的で自分でもゲームを買い、それに携わるような仕事をするようになりました。本当に思い出深い作品です。
プレイキャラクターである小悪魔アクイちゃんを操作すると、玉乗りのようにコロコロとダイスを転がすことができます。その動きが何ともかわいくて楽しそうで、大好きです。
ダイスはタテヨコに、同じ目の数以上につなげることで消すことができます。2なら2個、6なら6個という感じです。そろったダイスはフィールドに消えていくので、それに同じ目を繋げてチェイン(連鎖)させたり、1の目をあわせてフィールド上の1の目を全部消したり(ハッピーワン)、臨機応変にダイスを動かしてハイスコアやライバルの撃破を目指すゲームです。
モードはハイスコアを目指すトライアルモード、ダイスの目の権利を奪い合うバトルモード、5人同時プレイのウォーズモード、ダイスをすべて決すパズルモードの4つがあります。1人でもくもくと遊びたい時はトライアルモード、友だちと遊ぶ時はウォーズモードと、場面にあわせた遊び方ができるのもとても魅力的でした。
ステージが進んでいくと、特殊なダイスが登場。スタンダードなNORMAL、軽くて押しても玉乗りのように転がせるWOOD、押すとぶつかるまで滑っていくICE、押せない&ライバルを即死させられるSTONE、重すぎて動かせないIRON。それぞれのダイスにクセがあって、難易度がグッとアップします。
ウォーモードでは、STONEを取ったプレイヤーが他のキャラを追いかけるなんてエゲツナイ光景もよく見られました。STONEダイスの上のアクイちゃんは、いつもより生き生きとして見えたものです。もちろん、錯覚ですが(笑)。
パズルは決められた手数で条件を満たしていく詰め将棋のようなモードです。最初は適当に転がすだけでもサクサクとクリアできるのですが、レベルが上がるとかなり頭を使います。ただパズルを解くだけでなく、他のモードで活用できるテクニックを学べるという面も大きいです。一定数クリアするとGALLERYにアイテムが追加される、コレクション要素も!
久しぶりにトライアルモードに挑戦してみたのですが、気がついたら3時間くらい経っていて驚きました。シンプルなゲームですが、今遊んでも十分におもしろいし時間泥棒だと思いました。
ちなみに私はゲームが好きでもプレイがうまいタイプではないので、フィールドがダイスだらけになるピンチが何度となく起こるわけです。でもうまく消せるダイスを見つけたり、ハッピーワンで大量にダイスが消せたり、起死回生の一手を見つけられた時の爽快感がたまらないです。知能格闘ゲームと聞くとひらめきやすさが重要そうなジャンルに思えますが、何となくプレイしていても意外に遊べるのもこの作品のよさだと思います。
ウォーズモードでは、赤、青、緑、黄、桃の5色のアクイちゃんが登場します。私はカラーバリエーションだとばかり思っていたのですが、1999年『XI JUMBO』以降には、それぞれに名前や能力差があることが判明! ちゃんと、それぞれが独立した小悪魔だったことを改めて認識しました。
2001年に発売されたワンダースワンの『XI Little』ではダンスモード、2002年のPS2用ソフト『XIゴ』では祖父に会うために冒険するストーリーまで追加され、どんどんキャラ立ちしていく姿は印象的でした。これを書いていたら『XIゴ』をまた遊びたくなりました!
個性を持っているアクイちゃんたちの活躍を、ゲームアーカイブスで今でもお手軽に見ることができます。短時間で手軽にプレイできるので、気になる方はぜひ遊んでみてください。
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