江口拓也さんが原作者目線で連載やアフレコのウラ話を語った『江口拓也の概念惑星図鑑』発売記念イベント
電撃ガルスタオンラインで連載されていた声優・江口拓也さんによる描き下ろし4コマ漫画を1冊にまとめた著書『江口拓也の概念惑星図鑑』の発売記念イベントが5月30日に、アニメイト新宿店にて開催されました。
漫画や本にまつわる裏話が飛び出したトークパートと、お遊び企画で大盛り上がりしたSNS禁止パートで構成されていた今回のイベント。残念ながらSNS禁止パートの模様はレポートできませんが、今回は概念たちの生みの親、原作者・江口拓也さんの貴重なお話がたっぷりつまった第1部、2部のトークパートについてお届けします!
ドラマCDのキャスティングは江口さんもびっくり!!【第1部】
イベントの司会を担当する放送作家のゆーやん氏が登場し江口さんを呼びこむと、ゆーやん氏が『江口拓也の概念惑星図鑑』を読んだ感想などについてのトークで盛り上がりました。
『江口拓也の概念惑星』の連載がスタートすることになった経緯は?
最初の質問は、『江口拓也の概念惑星』の連載がスタートすることになった経緯やきっかけについて。もともと絵を描くことが好きで、とくに4コマ漫画を読んだり書いたりすることが小さいころから大好きだった江口さん。“絵や漫画の連載をするのはどうですか?”とガルスタ編集部からお話があったときにテーマに沿ってキャラクターを作るのはおもしろそうだと感じたからオファーを受けたそう。
「細かい設定があるキャラクターが多いよね」というゆーやん氏に対して、江口さんはキャラクターをどのように生み出すかを細かく説明。「最初にどんなテーマにするかを決めてから、概念キャラクターをインスピレーションで一発書きします」と、江口さんが具体的に作業過程を明かすと、“一発書き”という点には会場から驚きの声も!
連載中、約2~3時間でキャラクターのイメージイラストと4コマ漫画を3本分仕上げていた江口さん。「筆が勝手に(動く)……。概念が描かせてくれるんだよ」と江口さんがおどけた調子でいうと「ゴッホなの!?」とゆーやん氏からツッコミが入っていました(笑)。
ドラマCDを制作するに至った経緯は? キャスティング裏話
次のトーク内容は、書籍に付属しているドラマCDについて。まずは木村良平さん、岡本信彦さん、津田健次郎さんという豪華キャスティングになった経緯について「僕がびっくりしたよ!」と江口さんが言うと、会場は大爆笑。
概念たちのキャスティングは編集部が行ったと話し「想像していたよりもずっといいものになった」と江口さん。ただ、細かい設定などしっかり監修はやらせてもらったと江口さんが原作者らしい発言すると、ゆーやん氏が「めんどくさいこと言ったんじゃないの?」と茶化す場面も。
長年の付き合いがあるお2人らしい、仲のよさが垣間見える会話に笑いがおきるなか、話はやがて『江口拓也の概念惑星』の世界進出の野望に発展……!? 「愛やお金、こういった概念は世界共通だと思うんですよ!」と江口さんがいうと「確かにメッセージ性はあって、共感できるところがたくさんあるよね」とゆーやん氏。また、ドラマCDに出演している木村さんにも「(江口さんの考え方に)共感できる」と感想をもらったことをうれしそうに江口さんが語っていました。
最後は、『江口拓也の概念惑星』の世界発信を目指して今後の展開も楽しみにしていてくださいと笑顔で江口さんが締めくくり、インタビューパートは終了。終始、和やかな雰囲気の第1部でした!
概念について語る江口さんは、まさに“えぐ教”の教祖様!? 【第2部】
オープニングで銀色の髪についていじられた江口さんは「銀髪に憧れた時代を思い出して、エネルギーがあるうちにやってみようかなと思って」と語り2部のトークパートへ!
『江口拓也の概念惑星図鑑』で気に入っている箇所は?
こちらの質問で、江口さんからいち早く挙がった概念が“愛”。というのも、こちらで描かれている“水を上げすぎて枯れてしまうサボテン”は、江口さんの実体験からきているそう。この話をしている時に「思い出した!」と、江口さんは4コマ漫画の解説コメントを『江口拓也の概念惑星図鑑』のために書き下ろした時のエピソードについて。
“死ぬまで生きるだけの時間は無限にある”(“仕事”の解説コメント)と“時間は有限”(“時間”の解説コメント)について 「じつは、“仕事”と“時間”の概念についてのコメントに、矛盾していませんか? と編集さんから指摘があったんです」と裏話を披露。
「でも、わがままをいって訂正せずにそのままにしてもらいました(笑)」と江口さんが笑うと「どうやって説得したの?」とゆーやん氏。それに対し、「時間の観点から見れば有限、でも“生きている”と認識している自分視点で見た場合、自分の時間は無限に感じるでしょ」と、力説する江口さん。その一生懸命な姿を、笑顔でみつめる会場のみなさんが印象的でした。
江口さんが原作者の気持ちを実感したアフレコ現場秘話
ドラマCDの感想について聞かれた江口さんが、開口一番に「他人を巻き込むつもりはなかった」と話すと、会場からはどっと笑いが! 今回、キャストが全員そろった状態でアフレコに臨めたことに触れたあと、アフレコテスト中にたくさん笑っていたためか、「先生、よろこんで頂けてうれしいです!」とほかのキャスト陣に先生扱いをされたというエピソードについても語ってくれました。
また、“愛”を演じた岡本さんに「汚ねえ愛だな!」と言った木村さんに対し、岡本さんが「だって、“愛”ってキレイなだけじゃないですよ!」と返していたというアフレコ秘話に、会場は大爆笑。このやりとりから、江口さんは原作者の気持ちを実感したそうで「声がつくことへの感動って、こういう気持ちなんだな」としみじみ。
それを聞いたゆーやん氏の「で、概念のイメージ絵を描くのにどのくらいかかるんだっけ?」という問いに対し、「10秒くらい!」と答えたのは江口さん。あまりの短さに、会場はびっくりしていましたよ。
「アニメ化したり、ドラマCD化した作品の原作者の人たちは、作品がそこまで大きくなるまでに長い年月がかかってるんだよ」とゆーやん氏が言うと、「時間は関係ないよ! 30年間生きてきたからこそ生み出される概念だよ!?」と江口さんも負けじと反論。
さらに「30年間の人生で感じたこと、いろいろと経験してきたからこその自分の考え方を言葉にするようにしている」と、『江口拓也の概念惑星』のルーツを語る江口さん。江口さんの言葉にじっと耳を傾ける会場の様子に、ゆーやん氏は「まるで“えぐ教”の教祖様だね」と思わずひとこと。すると今度は、教祖っぽい口調で「十人十色の考え方があっていいのです!」と江口さんの講話がはじまりそうになったところで、トークは終了となりました(笑)!
SNS禁止パートのあとは、両部ともエンディングに。最後は江口さんの挨拶で締めくくります。「フォトブックでもない終始ヤバイ絵とコラム『概念惑星図鑑』よく手にとっていただけました。(笑)自分の考えていることをなんとなく聞いてもらうことが好きで、また飲むときもお互いの価値観を共有して、こういう考えもあるんだなとすり合わせるのが好きなんです。なので、今回の本もそういうものだと思っていて、これがすべてではないので、みなさんの人生のスパイスになればいいなと思います。」と、本を購入された方への感謝のメッセージが会場のみなさんにおくられ、イベントは終了しました!
『江口拓也の概念惑星図鑑』現在好評発売中です。まだ読んでいないという方はぜひ手にとってみてください!
商品概要
『江口拓也の概念惑星図鑑』(えぐちたくやのがいねんぷらねっとずかん)
■発売・発行元:KADOKAWA
■発売日:好評発売中
■定価:3,500円+税
(C)2017 81PRODUCE/Takuya Eguchi