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2018年7月4日(水)

『FF14』紅蓮編のサントラ予約会&THE PRIMALS札幌ライブレポート。祖堅氏インタビューも!

文:電撃PlayStation

 6月23日、札幌。この日、光の戦士たちの間では著名な“聖地”HMV札幌ステラプレイスにて、『ファイナルファンタジーXIV(FFXIV)』パッチ4.0~4.3までの計105曲をBDM1枚に詰めたサウンドトラック“STORMBLOOD: FINAL FANTASY XIV ORIGINAL SOUNDTRACK”(7月4日発売)の予約会が開催されました。

『ファイナルファンタジーXIV』

 翌日24日はご存知『FFXIV』の公式バンド“THE PRIMALS”のZeppツアー最終日ということで、なんと本イベントにはバンドメンバーが全員集合&登壇することに! というわけで今回は、予約会イベントおよび翌日のライブ(THE PRIMALS Zepp Tour 2018 - Trial By Shadow - [SAPPORO])のフォトレポートをお届けします。加えて、『FFXIV』サウンドディレクター・祖堅正慶さんへの単独インタビューも掲載していますので、少々長くなりますが、ぜひ最後までご覧ください。

 なお、祖堅さんのインタビューをすぐに読みたい方はコチラをクリックしてください。

『ファイナルファンタジーXIV』
『ファイナルファンタジーXIV』
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▲そのときどきのネタによって激しくデコられた『FFXIV』専用の巨大な棚(通称:祭壇)があるのが“聖地”たる所以。今回はナマズオ成分が多めですね。
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▲「さっきまでラーメン共和国で食事していた」という祖堅さんがイベントスタートと同時に登場。入場曲が異なっていたため再入場する一幕もありました。相変わらず細部にネタを仕込んできますな。
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▲質問コーナーのあとで、祖堅さんによるパフォーマンスも。ヤンサの曲の伴奏をピアノで、胡弓の主旋律をなぜか裏声で披露し……といった様子に来場者からは大きな拍手が贈られました。まさかこれがライブでの伏線になるとは……。
『ファイナルファンタジーXIV』
『ファイナルファンタジーXIV』

 そしてTHE PRIMALSメンバーが登場。バンドの大黒柱・ドラムのたちばな哲也さん(“SPARKS GO GO”)が北海道・俱知安町(くっちゃん町)出身であるのは周知ですが、ボーカルのマイケル・クリストファー・コージ・フォックスさん(『FFXIV』ローカライズディレクター)が過去に7年函館に住んでいたなど、北海道との縁深さを明かしました。

 その後はメンバー1人ずつコメントを残し、イベントは祖堅さんのサントラ予約会(+サイン会)に移行。たちばなさんと、ベースのイワイエイキチさん(“チリヌルヲワカ”)のコメントでは、「1カ月ぶりのツアーとなので翌日は早めに集合してリハを……」といった話題も出ました。そして、祖堅さんの本イベント締めの言葉がコチラ。

『ファイナルファンタジーXIV』

祖堅正慶氏(以下、敬称略):THE PRIMALSライブだったりオケコンだったり新サントラの発売だったり……これだけ音楽関係のイベントが出来るのは、本当にみなさんのおかげなんです。これからもこういった楽しいイベントができるように、『FFXIV』をたくさん遊んでいただけるとうれしいです。そして……明日のTHE PRIMALSライブもぜひ来てください! 楽しいから絶対!

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『ファイナルファンタジーXIV』

 そして夜は明け、Zepp札幌でのライブ当日。この日は風が強く、ときおり小雨もパラつく肌寒い一日でしたが、会場に入ってしまえば熱気で汗が出るほど、客席はギッシリでした。

『ファイナルファンタジーXIV』
『ファイナルファンタジーXIV』

 今回のツアーで話題になった、いわゆるシャキ待ちの画面演出も健在。注目を集めるボーカルはタンク、バンドを支える屋台骨であるドラムはヒーラー、感情のままにかきならしオーディエンスの心をわしづかみにするギター&ベースはDPS、と納得できるロール割りですね。その後は、光の戦士たちのテンションが自動的に上がる “シャキーン”音ののち、黒装束(アシエン衣装)をまとったTHE PRIMALSが登場。その後、こちらもおなじみ戦闘開始のカウントダウンとともに第1曲目がスタート!

『ファイナルファンタジーXIV』

======================SET LIST======================
01.原始の審判 ~蛮神イフリート討伐戦~
02.混沌の渦動 ~蛮神リヴァイアサン討滅戦~
03.英傑 ~ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦~
04.逆襲の咆哮
05.雷光雷鳴 ~蛮神ラムウ討滅戦~
06.堕天せし者 ~蛮神ガルーダ討伐戦~
07.忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~(Vo.GUNN Ver )

08.おたまトーンによる“父の誇り”(ヤンサ:昼)

09.イマジネーション ~蒼天聖戦 魔科学研究所~
10.曲がらぬ刃 ~蛮神ラーヴァナ討滅戦~

11.メタル ~機工城アレキサンダー:起動編~
12.女神 ~女神ソフィア討滅戦~

(インターミッションショー)

13.善王モグル・モグXII世 ~善王モグル・モグXII世討滅戦~
14.美の謀略 ~蛮神ラクシュミ討滅戦~

15.アンブレーカブル ~博物戦艦 フラクタル・コンティニアム~
16.魔神 ~魔神セフィロト討滅戦~
17.過重圧殺! ~蛮神タイタン討滅戦~
18.忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~

19.忘却の彼方 Never Let it Go
20.指数崩壊 ~機工城アレキサンダー:天動編~
21.ライズ ~機工城アレキサンダー:天動編~
22.メタル:ブルートジャスティスモード ~機工城アレキサンダー:律動編~
23.ローカス ~機工城アレキサンダー:起動編~

『ファイナルファンタジーXIV』
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 7曲目の“忘却の彼方”は、今回のライブが初公開となるGUNN(“DEPTH”)さんボーカルver。GUNNさんの歌声もそうですが、より激しく暴れるイメージでアレンジされた楽曲がとにかくカッコよかった!

 そして8曲目、今回のインターミッションショーでは、祖堅さんがおたまトーンを手にヤンサの曲を奏でました。首を傾げつつ、あれ? 音が外れて……といったところでおもむろに床から♪マーク型の段ボールを持ちあげ……裏声で主旋律を演奏(?)。祖堅さん自身がおたまトーンに変身した形に。ライブでもちゃんとネタで散らかしにくるあたり、職人魂を感じます。

『ファイナルファンタジーXIV』
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 ゲストボーカル・ユウさん(“チリヌルヲワカ”)の歌声も今回のライブツアーのスペシャルな売り。こちらは“美の謀略 ~蛮神ラクシュミ討滅戦~”で魅了された光の戦士たちが北海道産高級昆布と化した1シーン。

『ファイナルファンタジーXIV』
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 ライブ後、ギターのGUNNさんと祖堅さんがねぎらいの握手を交わす一幕も。実現に向けて相当前から想いを込めて準備をしてきたライブだけに、やり切った感覚もひとしおだったはずです。

 ……こうしてTHE PRIMALSのZeppライブツアーは全行程が終了し、祖堅さんのあいさつで〆に。「また絶対やりたいから、気長に待ってて!」との声に、オーディエンスも大歓声&拍手で応えていました。

サントラ“STORMBLOOD”と『FFXIV:紅蓮編』にまつわるサウンドディレクター・祖堅氏インタビュー

『ファイナルファンタジーXIV』

 時間が前後しますが、こちらではライブ前夜にとあるホテルで行われた祖堅さんインタビューを掲載。主に“STORMBLOOD: FINAL FANTASY XIV ORIGINAL SOUNDTRACK”についての内容となっていますので、いよいよ発売となったこのタイミングでぜひ見てみてください!

――パッチ4.3の開発、オケコンやライブ、新たなサウンドトラックの発売等、多くのタスクがひと段落したタイミングだと思いますが、『紅蓮のリベレーター』から今日までを振り返ってみて、いかがですか?

祖堅正慶氏(以下、敬称略):去年に『紅蓮編』が始まって、今年ももう半分ぐらいすぎましたが……。これまで経験したことがないくらいの過密スケジュールでしたね。

――新生するときと比べてもですか!?

祖堅:ヤバいですね~。制作やらイベントやらが立て続けにあって……。

――主にライブ、オケコン関連でしょうか?

祖堅:と思いきや、それも氷山の一角で。オーケストラのディスクも作っていましたし、このサントラも合間の作業でやっていましたし。『新生編』が始まってから全力疾走でやってきて、『蒼天編』になった直後の2週間くらいは一度落ち着いたのですが。それ以降は走りっぱなしで、しかも加速していますね(笑)。

去年から音楽興行が一気に増えました。日本でのオケコンにはじまり、その後は"THE PRIMALS"のライブもあり、その合間に海外のオケコンもあって、それが終わったら「FFXIV FAN FESTIVAL 2018-2019(ファンフェス)」が始まります。多いですね! もちろん、僕はゲームサウンドの制作がメインなので、それらの部分は担保したうえで余った時間を使ってコンサートやライブの準備をしていました。『モンスターハンター:ワールド』とのコラボもありますしね。あと、じつはほかのタイトルの仕事もあったりするので。

――ほかのタイトルといいますと?

祖堅:まだ言えないです(笑)。

――これだけモチベーションが続いて、ずっと走り続けられているのはスゴイと思います。

祖堅:予約会のイベントでも軽く話しましたが、僕自身がゲーマーなので、単純に仕事が楽しいというのもあります。だけど、やっぱりサウンドスタッフのサポートが日増しによくなっていて、すごく仕事を回せるようになりました。前はあまり人もいなくて火の車だったんですけど(笑)、だんだん仕事ができるスタッフが増えてきて、順調に回るようになりました。

――それはうれしい要因ですね。

祖堅:そうですね。全員が光の戦士で、彼らも“自分たちが遊ぶゲームをより良くしよう”という思いが強いので、常にモチベーション高く仕事をしてくれています。

――『蒼天編』のころから、髙田(有紀子)さんの曲も増えてきました。彼女の作る曲は、『FFXIV』の世界にマッチしつつも祖堅さんのものとは違う味わいがあります。『紅蓮編』も、かなりいい曲ぞろいで感動しました。

祖堅:彼女は、最近バケましたね。すごくコンテンツを読み取る力が高まっていて、ゲームにマッチした曲をしっかり作れるようになってきています。自分の部下を褒めるのは、なんかむずがゆいけど(笑)。

――こういう場ならいいのでは?(笑)

祖堅:そうですね(笑)。彼女はかなりのやり手ですからね。僕もウカウカしてられないですよ。

――ピアノの曲は、本当にドラマチックなメロディで驚きます。

祖堅:感性豊かな感じがピアノに出ていて、素晴らしいです。なかなか、ああいうものは作れないです。僕はムリですね。彼女がきてから、作品の幅が広がりました。髙田がいてくれて、本当に助かってます。

――ベタ褒めですね! と、話を戻しまして……。やはりモチベーションを保つうえでは、自分の好きなゲームを作っているという感覚がすごく大きいですか?

祖堅:そうですね。僕的には、『FFXIV』に+αで『オーバーウォッチ』ですかね(笑)。

――予約会で『オーバーウォッチ』を毎晩2~6時ぐらいまで遊んでいるというお話をしていましたが、いつ寝ているのでしょうか?(汗)

祖堅:3時間も寝られれば十分なので。お休みにガッツリ寝る……そんな感じですかね(笑)。睡眠も大事ですけど、何も考えずに無心で遊ぶというのも大事だと思います。

――精神的なリフレッシュですもんね。

祖堅:会社では、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」という状態が続きますけど、それを1回リセットして、無心で遊べるというのは大事です。僕自身ゲームが好きなので、ゲームで遊んでいるとリフレッシュできますね。

――同じように楽しんでゲームをやっているんだなと、そういうコメントはいちゲーマーとしてもうれしくなります。

祖堅:やっぱり、楽しくないと! と思いますよ。パッチ4.3がぜんぜんプレイ出来てなかったんですけど、ロサンゼルスでオケコンのリハーサルが始まる前に空き時間があって、そこで一気にプレイしました。“極ツクヨミ討滅戦”もそこでクリアしました(笑)。

――ロサンゼルスといえば、今年のE3はいかがでした?

祖堅:アメリカには何度か行っているのですが、じつはE3への参加は初めてだったんですよ。刺激をすごく受けました。ただ、今回はインタビューが多くて、ゲームを触りにいけてないんですよ。なので、雰囲気だけ味わってきました。『BO4』(Call of Duty: Black Ops 4=コール オブ デューティ ブラックオプス 4)はすごく気になりますね。あとは、『サイバーパンク2077』は、純粋におもしろそうだなと。

――E3後には北米でのオケコン公演がありました。そこで大きな話題となったのが、2日目に行われた“ハリウッド・レッドカーペット・コスプレウォーク”です。レッドカーペットを歩くというのは、普通の人生ではほとんどない経験だと思いますが、いかがでしたか?

祖堅:もうないでしょうね(笑)。二度とないような貴重な経験が出来ました。楽しかったです。あとは"ドルビー・シアターでのレッドカーペット"というところに価値があったな、とも思います。アメリカのコスチュームプレイヤーの方々がテンション高く参加してくださりましたし。

――みんな楽しそうでしたね。

祖堅:彼らも楽しそうでしたし、僕らも楽しみました。

――オケコン公演での、観客のみなさんの反応はいかがでしたか?

祖堅:「音楽に国境はない」とはよく言ったもんだなと思います。日本と同じように盛り上がってくれましたね。“希望の都”でまずハッとして、“忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~”の弦楽四重奏でみんな泣いてくれて。“天より降りし力”でスタンディングオベーションをしてもらえるというところまで、何から何まで「同じだったな」という感じでしたね。

――同じゲームを楽しんでいるからこそ、共有できる何かがあるんでしょうね。

祖堅:本当にそうだと思いますよ。海外の方って「ちょっとした感動くらいじゃ動じないぞ!」みたいな方が多いのかなと勝手なイメージを持っていましたが、日本とまったく同じリアクションなんですよ(笑)。スタッフが3階席で音のチェックをしていて、“忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~”弦楽四重奏の際は嗚咽を漏らして鼻をすする音があちこちから聞こえて、「大変な事になっていた」と言ってました。

――僕も、日本での公演のときに鼻をすすりすぎて、隣の人からティッシュ勧められました(笑)。

祖堅:サウンドを作ってきた身としては、すごくうれしかったです。音を聴いて、当時の冒険に思いを馳せて泣くとか笑うとか、感動してもらえるというのが、ゲームサウンド冥利に尽きるなという感じですね。

――あえて簡単に言っちゃいますが……個人的には、『紅蓮編』も楽しみにしております。

祖堅:ですよね。今日のイベントでもみなさん口々に言うんですよ(笑)。要望があることはわかっています。でも僕らはゲーム制作が第一で、それをやりながら準備をするのは、なかなか難しくて。会場が押さえられるかという問題もありますので、すぐには難しいところがあります。僕もぜひまたやりたいと思ってますので、気長に待っていてほしいです。

――さて、いよいよ明日がファイナルですが…ここまでのZeppライブを振り返ってみて、いかがでしたか?

祖堅:充実してました。楽しかったです。実はツアーが始まるまで、こんなに各地の会場が超満員になるとは思っていませんでした。来てくださって本当にありがたいなと思っています。しかも、みなさん「めちゃくちゃ楽しかった」と言ってくれて。

 じつはこういうライブって珍しいんですよ。普通のアーティストさんのライブだと、それぞれの曲に対して、聴く人それぞれが異なるシチュエーションが結びついていて、ライブで音楽を聴いて、その感情や記憶を思い出したりするんです。つまり、"同じ曲を聴いていても、人それぞれで思い描くイメージが違う"のが、通常の音楽のライブなんですね。

 ですが、"THE PRIMALS"のライブは、みなさんが同じコンテンツに行って、同じ思いで勝ったり負けたりしているんですよ。それゆえに、通常のライブではありえない一体感があるんです。音を浴びること以外の楽しみを、こんなにたくさんの人と共有して、一緒になって叫んだり楽しんだり泣いたりする一体感。これが、ハンパないですね。

――共通のゲーム体験という認識があるからこそ、思い起こされる感情の渦みたいなものはありますね。

祖堅:それを何千人というお客さんと共有できることなんて、そうそうないと思うんです。だからこそ楽しい。僕らも、お客さんの顔を見てそれをすごく感じるので、ライブをやれて良かったとすごく感じます。

 声をあげていただければ、またいつかこういうツアーが実現できると思っています。僕らとしてもまたやりたいので、「“THE PRIMALS”のツアーは次いつだ?」というのは声高に言い続けてほしいですね。何も声があがらないことには、やろうという企画も立ち上がらないので、ぜひぜひお願いします。

――次は……当面はファンフェスでしょうか?

祖堅:そうなんですよ。遠からずファンフェスがやってくるので、じつは今日、メンバーとその話をし始めました(笑)。札幌のセットリストを見つつ、11月のライブのセットリストをどうするかという議論をしています。

――楽しみにしております(笑)。これが終わってから、すぐにリハーサルみたいな感じですか?

祖堅:ファンフェスなのでピアノを使うことも考えていたりするのですが、そちらはまだ未定です。ただ、ライブは静と動なので、実現させたいですね。いつもと違った形の音楽興行を、みなさんに味わっていただきたいなと考えています。

――『紅蓮編』では、尺八や胡弓といった和系や大陸系の楽器が多く使われていますよね。『FF』のナンバリングで、こういった楽器が使われることは少ないと思いますが、『紅蓮編』はチャレンジ的な意味合いが強かったのでしょうか?

祖堅:『ファイナルファンタジー』というナンバリングタイトルの曲の発注内容としては、“壮大・王道・荘厳”といったものが言われがちなんです。こういったものは、もう300~400ぐらいは作っているのですが、そこから飛躍して“東方のファンタジー”を“王道のナンバリングタイトル”として恥じないクオリティ"に仕上げなければならないというのは、やはり難度はとても高かったですね。

 もちろん、過去のナンバリングタイトルで東方系の曲はいくつかありましたが、足元からてっぺんまで東方系でまとめて起承転結を表すという物語はなかったので、すごく難しかった。

 ただ、1回きっかけをつかんだら、残りはスルスルスルっと出来たんですよね。それは今まで培ってきた、『新生編』と『蒼天編』のノウハウが生きたのかなという気がしています。“『FFXIV』ならではの東方感はこうだろう”という感覚は、研ぎ澄まされてきていたのかなと思いますね。

――以前お聞きしたときはヤンサがお気に入りの曲とのことでしたが、それは今も変わらずでしょうか?

祖堅:今のところはヤンサですね。この曲は、"東方の曲"の特徴づけというか、きっかけというか……。はじめにオープニングムービーへクガネの元となっている“STORMBLOOD”のメロディを乗せたときは、そこまで東方感への具体的なメッセージというのは存在していなかったんです。その後にヤンサを作ったことによって、“音の、東方へのファンタジーの飛躍”がポーンッとできたんですよ。そういう曲なので、やっぱりヤンサかなぁ。結局、”ツクヨミ討滅戦”の曲もその派生ですし。

――ちょうど、“ツクヨミ討滅戦”の曲についてもお伺いしたかったんです。これまで、蛮神の曲は前半と後半に分かれていましたよね。ですが、“ツクヨミ討滅戦”は、いろいろな『紅蓮編』の曲がアレンジして使われていて、一切合切含めて「これが“紅蓮だ”!」という印象で、とても感動しました。これも、発注段階で細かなやり取りを行ったのでしょうか?

祖堅:具体的な話をすると、“ツクヨミ討滅戦”の戦闘は3つの段階に分かれます。まず発注としては、前半は“Revolutions”と『紅蓮編』のメインテーマを掛け合いしてアレンジしてくれということでした。

 後半の発注は「おまかせします」という感じだったので、ヨツユの心情の“こうであったらよかったんだろうな”というのと、それに相反する"彼女に対する抑圧"の2つを軸にしました。ここは、ヤンサとドマの曲をアレンジして使っています。そして、その中間である心象風景時は、とくに曲を用意するわけではなく前半と後半の曲のどちらかを使おうという話でして、つまり、最初は2曲発注だったんですね。

――なるほど。後半は、公式Blogに歌詞の詳細が載っていましたね。

祖堅:そして、その歌詞を乗せるメロディとして最適な解として思いついたのが、“彼女が幼少期を過ごしたヤンサと、大人の時代に君臨し続けたドマの2つの要素が相反する形で1つの輪になる”というアイデアだったんです。これが、ストーリーのプロットを見た段階から自分の中にイメージとして落ちていたので、すぐに形にできましたね。

 また、途中の心象風景時も後半戦と同じヤンサとドマの曲のアレンジなんですけど、ここで意識したのが“参照する部分を、履行中と後半で違う場所にする”ことです。つまり、アレンジ元は同じ曲なんですけど、違う曲に聞こえるようにしています。

――それで、より一体感が出ていたんですね。

祖堅:"思いと行動の裏腹"というのを、曲でも表せないかなとトライしてみました。見ている場所が真逆、行動することが真逆、アレンジ元も真逆みたいな感じですね。

 さらに言うと、ヤンサのメロディにヨツユの心境を語った詩を、ドマのメロディにヨツユを見ていた周囲の人間の詩を乗せて……そこも裏腹、と。その"裏腹"をうまく紡いでいって曲にするという、けっこう凝ったことをしています。

――スゴイですね。そこまでは読み取れませんでした。ちなみに、発注は石川(『FFXIV』メインシナリオ担当、石川夏子さん)さんですか?

祖堅:そうです。引用元については、「これがいいんじゃないかな?」というところまで、石川と一緒に練りました。石川からは、ストーリープロットとヨツユの裏腹の心情を事細かにヒアリングして、どうすればいいかを考えていった感じです。そのあとからは、ひたすら僕が作業して仕上げました。

――ちなみに、パッチ4.0から見ていて、“Revolutions”が使われる機会が意外と少ないなと感じていたのですが、“ツクヨミ討滅戦”で使われていて「ここで持ってきたか!」という想いでした。

祖堅:個人的には、もっとしっかり使いたかったんですよ。僕としては『蒼天編』の“Dragonsong”の思い出があるので、いいところで主題歌を"ドン!"と乗せたい願望がすごくありました。ですので、かなりギリギリまでバトル班に「アレンジじゃなくてそのまま使いたい」と粘ったんですけど(笑)。曲調とバトルの内容が、当初想定していたものと乖離してしまいました。そもそも“Revolutions”の発注が2年前で、当時と比べるとストーリーラインも少し修正が入っていますしね。最終的には、ゲームバランスを著しく崩すのはゲーム体験としては良くないのでアレンジする方向に修正したのですが、これはこれですごく難しかったですね。

――そのぶん、『紅蓮編』の総集としてキレイにまとまったいいバトルになったように感じました。

祖堅:逆に、蓋を開けてみたらうまくまとまった感じですね。

――ヨツユの歌を歌っているのは、どなたですか?

祖堅:プロットを作って、モックアップで仮歌を入れてみようという段階で、いつものように社員が歌えるような曲ではないのではないかと思い、今回は社外の方にお願いしました。

――それはユウさんではなく、まったく別の方です……よね?

祖堅:そうですね。ユウさんは、ちょっとタイミングが合わなくて。雅な歌が歌える方を探したところ、ピッタリな方がいらしたので、その方にお願いしました。すごく、上手な方ですよね。『FFXIV』の使用にも快諾いただき、契約周りもクリアになったので、動画などでアップしても問題ない状態で録音できました。

――本当にステキな歌声でした。個人的には、かなり好きな曲です。

祖堅:雅でしょ? あれがやりたかったんです。じつは、日本語&女性ボーカルをずっとやってみたかったんですよ。やっとね、なんとか実現できたって感じですね。

――プロデューサーレターライブでもお話がありましたが、バトルエリアもかなりキレイですよね。コンテンツリプレイの実装が待たれます。

祖堅:そうですね~。そんな難しい蛮神ではないので“極ツクヨミ撮影ツアー”とか募集組んだら、集まるんじゃないですかね(笑)。開発環境ではよく撮ってます。ついつい床を見てしまいますけど、背景がとてもキレイなんですよ。

――そうですね。地面の月の満ち欠けに合わせて、空の月も変化していますよね。

祖堅:そうなんですよ。色も変わったりしています。あれはみんなに見てほしいですね。

――ちなみに、今現在で興味がある・使ってみたい楽器はありますか?

祖堅:とくに、「これをすごく使いたい」というものは今はあまりないですね。実は、東方に限った話ですが、和楽器は音階を鳴らせるものが少なくて、尺八や横笛といったウインド系と、琴ぐらいしかないんですよ。音階を出せる楽器というのはそれぐらいで、あとはほぼ打楽器なんですね。和の楽器だとリズムを奏でる楽器だらけで、音階がないものが多いんですよ。だから、もう出し尽くしちゃっていて、「これを使ってみたい」という楽器がない状態なんです(笑)。あとは笙(しょう)という楽器もありますが、あれも音階ないですから。

――和で音階のある楽器……と考えると、意外と種類が少ないんですね。尺八は、先日放映されたとあるTV番組で『FFVII』の“コスモキャニオン”の曲を尺八で演奏しているのを見て、素晴らしくカッコイイと思った記憶があります。

祖堅:尺八はクガネの曲のメインに使ってるんですよ。いいですよね。あれも生レコーディングで録って実装してあるので、今回のサントラをハイレゾで聞けば、息遣いまで聞こえると思いますよ。

――そんな感動的な曲もある反面、ナマズオ族の拠点で流れる曲はいい感じに気が抜けるものになっていますね。

祖堅:あれは、髙田がナマズオを愛しているので、彼女にまかせました。一発OKでしたね、ハッハッハ(笑)。あと、ナマズオのマウントにもBGMがあるじゃないですか。あれも当初は付ける予定がなかったのですが、あれだけスペシャルなマウントなので、自然に「曲も特別ななにかを付けないとおかしいじゃん」という話になって。

 でも、そこにあてるコストを捻出する時間がまったくなかったので、「ナマズオ拠点のBGMをそのまま乗せたい」と織田(万里さん。メインシナリオ担当)から打診があったのです。ただ、あの曲は“音頭”であって“お祭り”じゃないんですよ。あのマウントは「祭だワッショイ」をしているのに、そこに盆踊りの音頭を乗せるのは違うと。それが原因で、織田とけっこう言い合いが始まってギスギスしたりして(笑)。

――ええっ!?

祖堅:僕の要望は、お祭りといえば“スサノオ討滅戦”の祭り囃子が曲調としては正しいと思ったので、“スサノオ討滅戦”の序盤を使えるようにストーリープロットを辻褄合わせ出来ないかと織田に頼んだんです。でも、織田は「そんなことは出来ない!」の一点張り。「いいからナマズ音頭を実装しろ」「いや、ナマズ音頭は祭り囃子ではないから違う、スサノオの祭り囃子にしてくれ」の繰り返しが、ずーっと続いたんです。ですが、ある日、名案を思いついたんですよ。

 “スサノオ討滅戦”の祭り囃子のプロジェクトファイルを改造しやすいように編集して、それをそのまま髙田に渡したんです。「ここをダブルクリックすれば祭り囃子のデータが並んでるから、あとはナマズオのメロディを乗せてくれ!」と(笑)。それがドーンと帰ってきたのが、あの神輿マウントで流れる祭り囃子です。

――なんという連携(笑)。ただ、今はマウントBGMをオフにしている人も少なくないでしょうし、意外と気づいていない人もいるかも?

祖堅:いるかもしれないですね。ぜひ、オンにして聞いてほしいですね。もしくは、オリジナル・サウンドトラックで「あるんだ」と気づいてもらっても(笑)。まぁ、BGMは聞くことがマストではないので。僕も、どちらかと言えば環境音だけで世界に浸るほうが好きなタイプですし。なんで、BGMを切るのもアリだと思っています。

――“絶アルテマウェポン破壊作戦”について、お伺いします。イフリートやガルーダ、タイタンとの戦闘で、まさか“THE PRIMALS”の曲が入ってくるとは。まぁ、期待していなかったと言えば嘘になりますが(笑)。

祖堅:ただ原曲流すだけじゃおもしろくないし、「“THE PRIMALS”の曲を入れてみるか!」とやってみたら、思いのほか盛り上がりましたね。やっぱり、特別感がちょっと出たんですかね。実装前に、とりあえず開発内で実験してみようという機会があり、そこでも好評だったので「そのままいこう」と。ただ、以前のプロデューサーレターライブでも話した気がしますが、ガルーダ戦冒頭のコージのラップ部分は消しました。アッハッハ(笑)。

――サントラで聞くとカッコイイんですけどね。

祖堅:リトライするたびにあのラップを聞いているとイラッとしちゃうんですよ。これは、僕らが開発のときに経験済みなので、申し訳ないですがコージにはいなくなってもらいました(笑)。

――今回は、ガルーダ・イフリート・タイタンと目まぐるしく切り替わるじゃないですか。そこの曲の切り替えがかなりスムーズで驚きました。この調整は難しかったのでは?

祖堅:今回は、「この敵を倒したら曲もチェンジ」と、けっこう素直に調整していますよ。もう収録済みの音源のため、大きく改変するわけにもいかないという理由もあります。もともと同じバンドが出している音というのも功を奏してか、そんなに違和感なく切り替わるようになったので、いい感じにまとまってよかったかな、と。

 あとこだわった点としては、アルテマウェポンが出てくる前は一旦BGMを途切れさせたうえで、「ここは、やっぱりオーケストラバージョンを入れよう」と。ここはゲームで聞いても遜色ないように、音質調節をしています。オーケストラバージョンにした理由は、“THE PRIMALS”バージョンとの対比といいますか(笑)。

――『モンスターハンター:ワールド』とのコラボが公開されました。さきほど、そちらにもかかわっているとお話されていましたが、どれぐらいタッチしているのでしょうか?

祖堅:もちろん、『FFXIV』用にチューンナップはしていますが、大幅な改変は行っていないです。あちらの世界を、そのまま『FFXIV』に持ってくることが目的なので、何か劇的なアレンジをしているということはないです。今回、すごく双方がモチベーション高くコラボレーションができました。先方から、ものすごい量のサウンドデータがドカーンと納品されてビックリしました(笑)。

 「こんなに出してくれるの!? こりゃ負けてられないぞ!」みたいな。普通だったら、「これは渡したくないな」みたいな部分があったりするんですよ。でも、お互いが丸裸で全データをドーンとやり取りし合って、お互いに「好きにやっちゃってください!」と、今回はそういう感じでやらせてもらってます。

――提供された曲を元にリファインして、さらにリオレウスの咆哮などもあらためて作った感じですか?

祖堅:どちらかといえば、先方の音そのままを、どう『FFXIV』に乗せるかという部分に注力しています。ただ、そのままでは難しいという部分はどうしても出てくるので、そこを馴染ませるように工夫はしてます。だから、自然と『モンスターハンター:ワールド』の世界が『FFXIV』にきているように感じるはずです。やってみればわかりますよ。アッハッハ(笑)。……なってるといいな。

――個人的には、"肉焼きの音楽"があるのかどうかが気になります。

祖堅:どうでしょうね(笑)。もう間もなく情報も出るはずなので、もう少しお待ち下さい。「アイルーの声は、どうしたらいいの?」とか「喜怒哀楽にバリエーションはあるの?」とか、そういうところまで全部、カプコンの開発サイドと相談して作っています。「こういうときには、どういう鳴き声にすればいいのか」とか、けっこう細かく話し合いました。でも、アイルーは意外となんでも大丈夫みたいです(笑)。

――それは意外ですね。逆に、ベヒーモスを輸出する側としては、何かかかわったりしたのでしょうか?

祖堅:もちろん、ありました。足音から咆哮までいろいろと。実は、ベヒーモスにも咆哮あるんですよ。知ってました?

――セリフで「グガアァァァ」とか言っていたのは知っていますが……。

祖堅:『新生編』のオープニングムービーを見てもらえれば、わかると思いますよ(笑)。

――ああ!! そういえば吠えていました!

祖堅:そんな感じのいろいろを、包み隠さず全部渡しています。なので、先方にどう料理していただけたかは、僕らもすごく楽しみです。

――向こうも、かなりガチという話をしていましたしね。

祖堅:『FFXIV』の開発チームにも、ハンターがたくさんいるんですよ。逆に『モンスターハンター:ワールド』の開発チームにも、実は光の戦士がいらっしゃって。お互い、モチベーション高くコラボレーションできたんじゃないかと思います。ただ、これは戒厳令が敷かれていたので……。内心、はやく発表されないかなとワクワクしていました(笑)。かなり前から準備と実装を進めていたので、いろいろネタがありますよ。

――『紅蓮編』が始まってからですか?

祖堅:具体的なタイミングは、ちょっと覚えてないですけど。いろいろ実験的なこともやっていましたよ。

――では、最後に2つのメッセージをいただきたいなと。まずは、これまでのライブを見にきてくれたファンに向けてお願いします。

祖堅:繰り返しになってしまいますけど、もし“THE PRIMALS”が好きになってくれたとしたら、「次やれるように声をあげてくれ! たのむ!」という感じですかね(笑)。僕らもやりたいので。次は、もっといっぱい回りたいですね。今回、韓国でもライブをやりましたけど、「海外もいけるな!」という手応えも感じましたし。

――ソウルのYes24 LiveHallを日本のアーティストで全席埋めるというのは、かなり前代未聞だ、というお話は耳にしました。

祖堅:らしいですね。韓国のプロモーターも興奮気味に教えてくれました。

――オケコンにしてもそうですが、『FFXIV』は再演を望む声が本当に多いですね。

祖堅:ありがたいことです。ですが、何度も話しているのですが、僕はゲームサウンドクリエイターであって、ライブ屋ではありません。そんなに矢継ぎ早に何度も興行が出来るわけでもありませんので、そこはゴメンナサイ……。サントラとかもありますし、他のいろいろな音源の施策も進んでいますので、それもやりつつライブだ、コンサートだ、インストアイベントだ~とやっているので、お待たせしてしまい申し訳ありませんが、気長に待っていてくださるとうれしいです。

――次に、『紅蓮編』の曲すべてをひっくるめて楽しんでくれた光の戦士たち、サントラの発売を心待ちにしているプレイヤーに向けて、メッセージをお願いします。

祖堅:オンラインゲームで、これだけサウンドを作れることを、とてもうれしく思っています。それだけでなく、光の戦士のみなさんがもれなく・こよなく愛してくれて、音に興味を持ってくれているというのは、とてもありがたみを感じています。店舗イベントをやるたびに、あんなに多くの人がきてくれるなんて、普通ありえないですから。

 しかも、先日のイベントで「音楽がステキだったから『FFXIV』を始めてみました」という人もいらっしゃって。僕らは、最終的にゲーム屋なので、ゲームを遊んでくれることが一番の喜びなんです。「そのきっかけが音楽でした」と言われると、本当にありがたいというか……とてもうれしかった。ちょっとでもゲームに触れるきっかけとして自分が貢献できたとしたら、それはクリエイター冥利に尽きると思います。

 これはサウンドに限った話ではないかもしれないですけど、長く続いていると、どうしても愛や熱は冷めてくるものだと思っていました。『FFXIV』も同じだと思っていました。ですが、その熱気がなくなっていくどころか、逆に増えていっているというのは、すごくありがたいことだと思っています。『紅蓮編』の音楽も、幸いなことにみなさんに愛されているので、引き続き走り続けてみようと、サントラを出してあらためて思いました。ぜひ、これからもサウンドともども『FFXIV』をよろしくお願いします。

――ありがとうございました。とにかく過密スケジュールになりがちだと思うので、お体だけには気をつけてください!

祖堅:はい! 大丈夫だい!

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