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2018年7月19日(木)

『ハースストーン』開発者インタビュー! 新拡張版“博士のメカメカ大作戦”メカニクスの魅力とは!?

文:電撃オンライン

 ブリザード・エンターテインメントが展開しているiOS/Android/PC用オンライン対戦カードゲーム『Hearthstone(ハースストーン)』。基本無料の手軽さと、ユニークなビジュアル、高い競技性などが人気を博し、世界的にも成功を収めている作品です。

『Hearthstone(ハースストーン)』

 8月8日には新たな拡張版“博士のメカメカ大作戦”が配信予定。この新拡張版について、複数メディアによる合同インタビューが開催されました。リードイニシャルデザイナーのPeter Whalen氏とプリンシパル ゲーム デザイナーPat Nagle氏の2人が登場し、“博士のメカメカ大作戦”の世界観やメカニクスついて、さまざまな疑問に答えていただいています。

『Hearthstone(ハースストーン)』
▲今回のインタビューは、都内のオフィスからビデオチャット形式で行われました。
『Hearthstone(ハースストーン)』
▲リードイニシャルデザイナーのPeter Whalen氏。2015年に『Hearthstone』チームに加わり、“Heroes of Warcraft”のシニアデザイナーなども務めた。
『Hearthstone(ハースストーン)』
▲プリンシパル ゲーム デザイナーのPat Nagle氏。『World of Warcraft』や『Diablo III』などの制作にも深くかかわった重鎮。

――今回の拡張ではドクター・ブームというキャラクターが中心となっていますが、その理由を教えてください

Peter Whalen氏(以下、Peter):ドクター・ブームは非常に素晴らしいキャラクターですよ! もともと、サイエンスをテーマにした拡張を作りたかったんです。このテーマにふさわしいキャラクターを考えた時に、コミュニティでドクター・ブームが人気があったことを思い出しました。これ以上ない組み合わせだと思いましたよ。ヴィランとしてもおもしろく、目を惹くキャラクターだと思います。

もともとドクター・ブームは『World of Warcrft』に登場していたキャラクターですが、そこまでフォーカスされているキャラクターではありません。それが『ハースストーン』で登場し、大きな人気を得たんですよ。

――今回の拡張の世界観は、過去にリリースされた拡張『ゴブリンvsノーム』に近いように感じられますが、『ゴブリンvsノーム』との関連性などはありますか?

Peter:ドクター・ブームが再登場するなど、確かに『ゴブリンvsノーム』を連想させるものはありますが、『ゴブリンvsノーム』が“爆弾”というテーマが中心だったのに対し、今回は“サイエンス”という科学全体を表現したかったんです。“博士のメカメカ大作戦”では、各ヒーローがそれぞれ研究所を担当しています。例えば、ドルイドは生物学、ほかのヒーローは天文学、というように、サイエンスがテーマらしい世界観を表現しました。

――“プロジェクト”や“オメガカード”、“超電磁”というさまざまな新しいメカニクスが追加されると思いますが、こういった要素がどのように環境の変化をもたらすと想定してデザインしたのでしょうか?

Pat Nagle氏(以下、Pat):“超電磁”にはいろんな効果が詰まっています。例えば、場に出ているミニオンの右側に置いたらなにも効果は発揮しないけど、左側に置いたらほかのカードをバフするなど、サイエンスらしいメカニクスになっていると思いますよ。

Peter:例えばメックであれば、ロボットが合体していくようにじょじょに強力になっていく……そういったクレイジーサイエンス的なおもしろさがあります。

“生物学プロジェクト”は、両プレイヤーがマナクリスタルを得るという効果ですが、2人のプレイヤーがいっしょに研究するというイメージを持ってもらえると思います。たった1コストで2人のプレイヤーがそれぞれ2つのマナクリスタルを獲得できますが、相手にもアドバンテージを与えてしまうので、使い方を少し考える必要があるでしょう。

“オメガカード”は、マナクリスタルが10個以上あるときに場に出すとパワーアップするカードで、それもサイエンスやメックといった世界観にマッチしていると思います。当然終盤では非常に強力なカードになりますが、そうでなくとも十分に役立つ性能を持っているので、頻繁に使われるかもしれませんね。どんなメタになるか、今からとても楽しみにしています。

――開発者として好きなカードはどれですか?

Peter:公開されているもので言うと“マイラの不安定元素”がおもしろいと思います。今回の拡張では、初めて呪文のレジェンドカードが登場しますので、これからどんな作戦が生まれるのか、楽しみですね。

『Hearthstone(ハースストーン)』

Pat:私はドクター・ブームですね。今回の拡張では、各ヒーローにレジェンドカードが追加されているんですが、ウォーリアのレジェンドカードはヒーローカードのドクター・ブームとなっています。ヒーローパワーが非常におもしろいんですよ。

――ドクター・ブームといえば、過去の拡張のヒーロー的なカードでしたが、なぜ今回はウォーリア限定にしたんでしょうか?

Peter:1つは、ドクター・ブームが巨大なメックに乗っているのが理由です。どれかって言われたら、ウォーリアが一番“らしい”でしょう? もうひとつは、“ゴブリンvsノーム”での登場時、すべてのヒーローが使えたことでバランスが大きく崩れてしまったのが理由です。ヒーロー限定のほうがバランスを崩壊させにくいだろうということで、今回は限定になりました。もちろん、オーバーパワーにならないようにウォーリアに合わせて調整しています。

――特徴的なカードが多く感じたのですが、カードを作っていく際に意識したことや、影響を受けたものなどはありますか?

Peter:『World of Warcraft』に、ネザーストームというドクター・ブームの研究所がある場所があるんですが、そこからインスピレーションを受けています。紫がかった地域で、雷が鳴っているような場所で……各ヒーローに研究所を担当させるうえで、どのようにそれを表現するかを考えました。例えばパラディンなら光のイメージがありますよね。それに加え、ネザーストームにはクリスタルがあるのですが、そういった組み合わせを考えました。今の例でいうと、光とクリスタルを組み合わせるとレーザーになるんじゃないかと考えて、レーザーを作る研究所を作ったんです。

Pat:魔法のレジェンダリーカードはデッキに1枚しか入れらないんです。ドクター・ブームはクレイジーなサイエンティストなので、カードの効果もちょっとクレイジーにしたかったんですよ。全部のデッキのカードを手札に入れて爆発する、みたいなね。

――“超電磁”について、特定のミニオン同士を合体させることでさらなる効果が得られるのか、メック以外のすべてのミニオンを合体させることができるのかなど、詳細な能力について教えてください

Peter:“超電磁”のカードが組み合わせられるのはメック同士になります。ステータスは合体させたメックの合算で、特定の組み合わせで特殊なボーナスが発生することはないのですが、一度合体させると分離させることができないので、使いどころが重要ですね。

――“オメガカード”はマナ加速を持っているドルイドが有利になる印象を受けるのですが、そのあたりのバランス調整はどのように行っているのでしょうか?

Peter:あまりドルイドがオーバーパワーになる心配はしていません。というのも、“オメガカード”は中立のものもありますが、使えるヒーローが固定されているものも多いんです。社内のテストプレイでもいろいろ試していますし、ほかのクラスの“オメガカード”も独特の特性を持っていて、非常に強力なものも多いので、そこでバランスをとっています。

――例えばミニオンヘッドなど、合体アニメーションが凝ったミニオンがいたりなどしましたが、残念ながらスタンダード落ちしてしまいました。ドクター・ブームのように、そういった“ゴブリンvsノーム”で出てきたカードが形を変えて出てくることはありますか?

Peter:残念ながら、ドクター・ブームのように舞い戻ってきたカードはないんですが、ちょっと参考にしたようなカードがある……かもしれません(笑)。

――初心者や復帰したユーザーにも今回の拡張は楽しめますか? どのようにアピールしていくのでしょうか?

Pat:“サイエンス”というテーマが誰にでも理解できるものなので、初めての方でも馴染みやすいと思います。また、ドクター・ブームはコミュニティの中で人気がでたキャラクターということで、ユーザーに愛されるキャラクターであるという自信もあります。何も知らない人でも気に入るくらい、キャラクター性が強いんですよ。

Peter:ドクター・ブームが乗るメックはコミカルで、見た目的にもおもしろいですよ。拡張のリリースから2週間後にはソロモード“パズル研究所”が追加されます。研究生としていろんな研究をパズルゲームとして達成していくという流れのモードで、初めての方にも安心して楽しんでもらえると思います。

――最後に、楽しみにしている日本のファンにメッセージをお願いします

Pat:研究ということで、コミュニティでどんなメタが出てくるか、とくに日本では日本人しか考えたことのない作戦などが出てくるので、そういうのも楽しみにしています。

――ありがとうございました!

(C)2018 BLIZZARD ENTERTAINMENT, INC.

データ

▼『ハースストーン』
■メーカー:ブリザード・エンターテインメント
■対応機種:iOS
■ジャンル:TCG
■配信日:配信中
■価格:基本無料/アイテム課金
▼『ハースストーン』
■メーカー:ブリザード・エンターテインメント
■対応機種:Android
■ジャンル:TCG
■配信日:配信中
■価格:基本無料/アイテム課金
▼『ハースストーン』
■メーカー:ブリザード・エンターテインメント
■対応機種:PC
■ジャンル:TCG
■配信日:配信中
■価格:基本無料/アイテム課金

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