2018年8月10日(金)
アニメとゲームで展開するオリジナル作品『あかねさす少女』。本作を手掛ける開発スタッフへのインタビューを掲載する。
『あかねさす少女』は、アニマックス開局20周年記念作品として、TVアニメとスマートフォンゲームで展開する。シナリオ原案を打越鋼太郎さんが、キャラクター原案を桂正和さんが担当するなど、豪華スタッフの起用が話題となっている。
今回、『Ever17 -the out of infinity』や『極限脱出』シリーズなどの名作アドベンチャーゲームで知られる打越鋼太郎さんと、ゲーム版プロデューサーの須田浩行さんへのインタビューをお届け。謎のベールに包まれた『あかねさす少女』の内容と魅力に迫っていく。
▲左が打越さんで、右が須田さん。 |
なお、インタビュー中は敬称略。
――打越さんはゲームとアニメで展開するタイトルのシナリオ原案として本プロジェクトに参加されていますが、どのような経緯で参加することになったのでしょうか?
打越:須田さんと食事に行く機会があり、その時に「いっしょに作品を作りませんか?」と説得されました。
須田:もともとわたしは打越さんの作品が好きで一緒にお仕事をしたいと思っていました。間に入っていただいたスタッフにもそう伝えていたのですが……もしかして、食事する時まで………?
打越:はい。その時に初めて聞きました(笑)。
須田:自分がはじめてプレイした恋愛アドベンチャーゲームが打越さんが以前に手がけた『Memories Off』シリーズでした。その後も打越さんの作品をプレイして感銘を受けていました。打越さんは名作と呼ばれるSFテイストのアドベンチャーゲームを多数手掛けられているので、今回の企画に参加してもらいたいと思ったんです。
打越:その食事会で企画の概要などをお聞きしたのですが、スケジュールが厳しかったこともあってシナリオを手掛けることは不可能でした。そのため、原案という形で参加させてもらうことになりました。
――その時は世界観は、どこまでできあがっていたのでしょうか?
須田:“ヒロインがパラレルワールドを冒険する”という部分が決まっていました。
打越:そうですね。それでまずは土台となるアニメの原案を作りました。そこからゲームのほうの設定を膨らませることになりました。ただ、スケジュールの都合もあってゲームの方は主に須田さんにお任せする形になっています。
――アニメとゲームではストーリーが異なるのでしょうか?
須田:はい。ネタバレになるのでまだ詳しく語れないのですが、ゲームはアニメとは違うパラレルワールドを冒険することになります。
――本作品は“パラレルワールド”=“いろいろな可能性の世界”が登場するということですが、お話としては現代が舞台になるのでしょうか?
打越:はい。基本的に年代は変わりません。ただ舞台となるパラレルワールドは、それぞれ歴史が違うので文化が大きく変わっています。いろいろな“街の可能性”が登場しますので、ヒロインたちの冒険する舞台によって雰囲気はガラリと変わりますね。
▲土宮明日架 | ▲七瀬奈々 | ▲みあ・シルバーストーン |
▲森須クロエ | ▲灯中優 |
――須田さんは、SFテイストの設定のため打越さんを起用されたとのことですが、ストーリーはシリアスになるのでしょうか?
打越:いえ。女の子たちの青春ドラマが主軸になりますね。SFの要素はありますが、そこまで複雑な設定ではないです。そうですね………『時をかける少女』のようなものを想像していただければわかりやすいと思います。あの作品と同じぐらいのバランスです。
――打越さんは物語に驚く仕掛けを用意していることが多いという印象ですが、今回の作品はいかがでしょうか?
打越:アニメにもゲームにもギミックを用意しています。アニメのほうは物語の中に仕込んでいますが、ゲームのほうは少し複雑な仕掛けがあります。
――須田さんは打越さんの原案をご覧になっていかがでしたか?
須田:素直に「おもしろい!」と思いました。ただ、アニメのラストの展開をどうするかは、打越さんも含めたスタッフでだいぶ議論しましたね。
打越:本読み(プロットや脚本を読んで話し合うシナリオ会議)は毎週のようにあったのですが、ラストはなかなか決まりませんでしたね。
――さまざまな可能性の世界を冒険するということですが、作品全体のテーマはあるのでしょうか?
打越:“可能性はあったほうが楽しい”ということです。人生には苦しみや悲しみがたくさんありますが、それでもひとつしか可能性がない世界よりも多くの可能性があったほうがいい………そういう想いが物語を通じて伝わればいいなと思っています。
→17日掲載予定の後編に続く
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