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2018年8月27日(月)

『ダークソウル』企画書籍の発売迫る。編集部の勝手考察記事の内容をチラ見せ【電撃PS】

文:電撃PlayStation

 8月31日に発売となる『ダークソウル』シリーズの魅力をまとめて俯瞰した“DARK SOULS TRILOGY -Archive of the Fire-”。この本はゲームの舞台となったロードラン、ドラングレイグ、ロスリックという土地をこだわりのアングルで撮影した写真や、そこで出会う人物たちの言葉をまとめた1冊です。

 ところで『DARK SOULS』といえば、ただゲームを進めているだけではなかなかわからないことが多いタイトル。それゆえにファンの間での考察も盛んです。この本には、そんな考察がもっと盛んになることを期待して、編集中に突然「わかったぞ!」と言いはじめたスタッフたちが書き綴った“考察亡者の『DARK SOULS』語り”という企画が収められています。今回は発売前企画として、その内容紹介と、第1回のほんのさわりの部分をWEB用に調整し、本書の発売に先駆けてお届けします。

⇒そのほかの内容紹介はこちら

『ダークソウル』
▲企画を担当したスタッフが撮影した“自分が天啓を受けた”イメージ図。
『ダークソウル』
▲傍から見たスタッフが撮影した“そのスタッフが啓蒙を得た”イメージ図。
『ダークソウル』
▲啓蒙を彼は明け方このようなメモを作業スペースに残し、編集部で寝ていました。

 はじめにおことわりしなければならないのは、これらの考察はすべて、フロム・ソフトウェアから設定をいただいて制作したものではないということです。そのため本考察はただの“説”であり、正しいかどうかは担当したスタッフも一切わかりません。実際スタッフ間で解釈の違いによる議論も行われました。それでも収録したのは、ファンの間で考察がより盛んになってほしい、ストーリーがよくわからなかった人も『DARK SOULS』シリーズの面白さを別の角度から感じてもらいたい、という理由によるものです。

 本パートでは4つのテーマを設けて考察を語っています。1つめは、はじまりの火と人間性。はじまりの火と篝火の比較などを通じて、この世界がどのように成立しているのか、そしてこの世界を構成するイメージについて考えました。

 2つめは、主要な登場人物。グウィンに代表される神族や、薪の王たち、そして火の影に隠れた深淵の落し子たちのプロフィールを振り返ることで、本作内ではあまり語られることがない、登場人物たちが紡いだ壮大な大河ドラマを想像します。ロスリックとイルシールの関係や、罪の都の住人たちが犯した罪、といったところにも想像を馳せています。

 3つめは、エンディング。シリーズの全エンディングを一気に振り返ることで、火継ぎの物語に隠されたロマンを探ります。このパートではまた、火継ぎのパートナー的な存在としてプレイヤーをサポートする、火防女についても触れています。

 4つめは、絵画世界。冷たく優しいこの世界を調べているうち、グウィンドリンではない、とある神の痕跡を見つけました。その神が何を成したかなどを、多分な想像も交えて語っています。

 ページ数としてはそこまで多くありませんが、以下のような考察がだいたい3.5万字ほど続きますので、もしご興味が湧いた方は、ぜひ本書をご予約いただけますと幸いです。

光と闇――火に惹かれその影に潜むもの、人間

 『DARK SOULS』シリーズにおいて、人間とはなんでしょう。どんな性質・特徴を持つものなのでしょうか。カアスに曰く、

…かつて火のはじまり、貴公ら人の先祖は
古い王たちの後に、四つ目のソウルを見出した
闇のソウルだ
貴公らの人の先祖は、闇のソウルを得て、火の後を待った

 ……とされています。“闇のソウル”とは、英語で“The Dark Soul”。『DS1』のオープニングにて、ソウルを見出したのは4人です。太陽の光の王グウィン、墓王ニト、イザリスの魔女、そして誰も知らぬ小人。小人は人間の先祖と考えられます。では人間のみが持つという“人間性”とは具体的にどういう性質を持つのか。それらを考えるために、まずは“火の時代”の契機となった“はじまりの火”の特徴から考えます。

火の種類

 まず前提としてこの世界の成り立ちから考えてみましょう。『DS1』のオープニングにて、“古い時代、世界は分かたれず、霧に覆われ、灰色の岩と大樹と、朽ちぬ古竜ばかりがあった”とありました。そして“はじまりの火”がおこり、この世界に火と共に差異がもたらされました。熱と冷たさ。生と死。光と闇。はじまりの火の特徴をシリーズで描かれたことからまとめると、下記のようになります。

 1.世界に差異をもたらし、概念を定義する存在
 2.単純な火。熱くて明るい
 3.はじまりの火が陰ると差異がなくなる
 4.はじまりの火が陰ると世界も暗くなる
 5.選ばれたものが薪の王として、はじまり火の薪になることができる
 6.そもそもはじまりの火が点いた要因は不明(ビッグバン? 灰に由来?)

 はじまりの火に似ているであろう火として、“篝火”が挙げられます。この火の特徴を以下にまとめておきます。

 1.不死人が癒やされる(HPが回復する)
 2.単純な火。熱くて明るい
 3.篝火間で転送ができる(一部を除く)
 4.不死人の骨をくべる、人間性を捧げることで火力が上がる
 5.不死人は篝火に惹かれる、あるいは篝火が不死人の故郷となる
 6.はじまりの火のシンボルと、同じ見た目をしている

 ポイントは、はじまりの火と篝火のビジュアル。“骨が燃えて剣が刺さっている”というビジュアルが共通しています。これを根拠にするのは少し弱い気もしますが、ここで“はじまりの火と篝火は親子的な関係だった”と仮定すると、はじまりの火を成り立たせているのは、単純に“強いソウルを持つものが薪になること”だけではないと考えられます。

 この後は、はじまりの火の誕生によって生まれた“闇”という概念についても、人間性を調べることで語っていきます。もしご興味が湧かれた方は、ぜひこの続きを8月31日に発売される“DARK SOULS TRILOGY -Archive of the Fire-”にてお楽しみいただけますと幸いです。

(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc. / (C)2011-2018 FromSoftware, Inc.

データ

▼『DARK SOULS TRILOGY -Archive of the Fire-』
■発行:株式会社KADOKAWA
■発売日:2018年8月30日
■定価:4,000円+税
 
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Amazon.co.jp

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