2018年9月15日(土)

『STEINS;GATE』の基礎知識をお届け。初プレイでもこれさえ抑えておけばOK【電撃PS】

文:電撃PlayStation

 エ、エ、エル・プサイ・コ、コ、コンガリィ! どうも! 『科学アドベンチャー』シリーズファンのライター・カワチです!!

 いよいよ『STEINS;GATE ELITE』が発売間近ということで、ここでは『STEINS;GATE』の魅力をわかりやすく説明する記事をお届けしたいと思います!

 個性的なキャラクターやロマンあふれるストーリーが魅力の『STEINS;GATE』。キャラクターたちのやり取りを見ているだけでも楽しいですが、複雑に入り組んだ設定や用語を理解することでさらに作品を楽しむことができます。そこで、ここではアニメ版を見ているだけでは見落としがちな部分などをフォローしていきたいと思います。

【注意】なお、本記事には細部は伏せているものの、大枠のストーリーに関するネタバレが含まれています。本作をまったく予備知識ゼロの状態でプレイしたい人はご注意ください。

世界線:ストーリーのどの部分がどの世界線?

 『STEINS;GATE』でよく混乱してしまうのが世界線ですね。世界線に関してはパラレルワールドと理解しておけば概ねOKです。1つの世界から分岐し、かつ並行して存在しつつ別の歴史を歩む世界、それがパラレルワールドですね。ただし、補足すると『STEINS;GATE』で解説されるアトラクタフィールド理論では、世界線は1本しか存在せず、過去から未来まですべての出来事が決まっています。

 ただし、何かのきっかけで別の世界線に移ることがあり、このとき元にあった世界線は消えて新しい世界線しか存在しなくなります。そのため、世界線を移動しても、それまでの記憶がハッキリと残っている岡部は特殊な人物なんですね。

『STEINS;GATE』

 『STEINS;GATE』では世界線のうち、似たような世界線をα世界線やβ世界線と呼んでいます。以下でどの世界線がどのストーリーなのか解説しましょう。

α世界線

 まゆりを死なせないために岡部が奔走する世界線。『STEINS;GATE』本編は主にこのα世界線が舞台となります。(ちなみに岡部がα世界線に移動したのは、血だまりの中で倒れている紅莉栖を岡部が発見してダルに偶然Dメールを送ったためだが、この時点ではまだDメールの機能は発見されていなかった)

『STEINS;GATE』
▲血だまりで倒れている紅莉栖を発見した岡部がDメールを送って世界線が変わったため、紅莉栖が刺されることはなくなりました。

 Dメールによって秋葉原から萌えが消失したり漆原るかが女性になったりもしますが、それもすべてα世界線です。

 このα世界線で重要なのはまゆりが死んでしまうことと、SERNがタイムマシンを独占してディストピアを構築するということですね。本編中、岡部はまゆりの死やディストピアの未来を回避するため、SERNのデータベースをハッキングするキーとなるIBN5100を探しだし、β世界線を目指すことになりますが……?

α世界線の出来事
・まゆりが死ぬ
・SERNによるディストピアの未来

β世界線

 物語が始まった直後の世界線で、終盤でも戻ってくることになる世界線。まゆりの死を回避するために岡部はこの世界線を目指しますが、じつは紅莉栖は死んでしまい、第3次世界大戦が巻き起こる世界線です。

 『シュタインズ・ゲート ゼロ』はこのβ世界線を舞台にしたストーリー。紅莉栖を救うことを諦めてしまった岡部が、彼女を救うことを決意するまでの物語が描かれていきます。

『STEINS;GATE』
▲SERNのデータベースをハッキングすることでまゆりを救うことができますが、紅莉栖は死んでしまう世界線。

 また、鈴羽はSERNによるディストピアを回避するため、α世界線からやってきて岡部にβ世界線を目指してもらおうとしていましたが、β世界線では第3次世界大戦が起きてしまうため絶望に変わりはなく、この世界線でも未来からやってくることになります。

β世界線の出来事
・紅莉栖が死ぬ
・第3次世界大戦が起きる未来

シュタインズゲート世界線

 本編のトゥルーエンディングとなる世界線です。『ROBOTICS;NOTES』や『CHAOS;CHILD』といったほかの科学アドベンチャーシリーズにも繋がっていく世界線になります。

シュタインズゲート世界線の出来事
・未来は確定していない

 『STEINS;GATE』は多彩なメディアで展開しているため、ほかにもいろいろな世界線が登場しますが、基本的にはこの3つを抑えておけば物語を楽しむことができます。ということで、基本の流れを解説したあとはキーワードについて解説していきましょう。

専門用語がたっぷり! 『STEINS;GATE』によく出てくる単語を解説

 『STEINS;GATE』には多彩な専門用語が登場します。これらはゲーム内やTVアニメ公式サイトのTIPSで意味や内容を確認することができます。ただ、その量は膨大であるため、ここでは物語を楽しむためにぜひ覚えておいたほうがいいものをピックアップして紹介しましょう。

【Dメール】

 過去にメールを送信することができるシステム。携帯電話から電話レンジ(仮)を経由して、過去にメールを送ると、そのメールを受け取った人間の行動によって世界が再構築される。

『STEINS;GATE』
▲Dメールを送るためにはブラウン管工房の42型ブラウン管が必要。

【タイムリープマシン】

 人間の記憶を過去の自分に送る方法。基本原理はDメールと同じだが、記憶データを36バイト+αまで圧縮する必要がある。

【リーディング・シュタイナー】

 Dメールを送ったあとに世界が再構築されたときに岡部に発動される現象。世界が再構築されたときにそれまでの世界線はなかったことになるが、岡部は過去の記憶をハッキリと維持することができる。逆に再構築された世界の記憶は持っていないため、世界線を飛び越えると周囲の人たちとの記憶に食い違いが生じる。

【世界線変動率】

 ダイバージェンス。世界線が移って世界が再構築されたときのの差異を数値として表したもの。未来から鈴羽が持ってきた“ダイバージェンスメーター”で数値がわかる。

『STEINS;GATE』
『STEINS;GATE』
▲現在の世界線が数値でわかる。

【タイムマシン】

 未来の鈴羽が乗ってきたもの。α世界線とβ世界線でそれぞれ違い、α世界線はSERN以外の人間がタイムマシンを使用することは禁止されているため、岡部とダルが秘密裏に作っていた未完成のもの。こちらは過去方向にしか跳躍できない。一方のβ世界線は、過去と未来のどちらにも跳躍できる。どちらの世界線でも岡部は完成前に亡くなるが、β世界線ではダルが完成させる。

【SERN】

 作中に登場する架空の研究機関(元ネタとなるものは存在)。ヨーロッパ原子核共同研究機関で、世界最大規模の素粒子物理学研究所。「ミニブラックホール創成は成功していない」と発表していたものの、ダルのハッキングによって2005年に成功していることが判明。秘密裏にタイムトラベル実験をしていた。

『STEINS;GATE』
▲タイムトラベルが可能かどうかの人体実験をしており、世界線によっては未来を支配する。

 天王寺と萌郁はSERNに属する下部組織・ラウンダーの一員。彼らの目的は世界中に散らばったレトロPCの回収であり、とくにIBN5100を重点的に探している。

『STEINS;GATE』
▲下部組織であるラウンダーはSERNの目的までは知らない。

 SERNの中枢を管理するコンピューターはIBN5100で使える特殊なコンピュータ言語を使っており、これを独占してハッキング対策とSERN中枢のスタンドアロンを狙っているためである。

【ディストピア】

 楽園を意味するユートピアと対局にある世界。徹底的な管理で人々の自由が奪われた社会である。

【IBN5100】

 1975年にIBNが発売したコンピューター。APLやBASICが普及する前に書かれたIBNのプログラミング言語が解読可能で、この機能を使うことでSERNにあるサーバーのデータも解読できる。

『STEINS;GATE』
▲もともとは柳林神社にあったが世界線の変動によって居場所が変わってしまった。

ゲームには、アニメで描かれなかった各キャラのエンディングが!

 原作ゲームのエピソードを丁寧に映像化しているTVアニメ版ですが、物語の性質上、各キャラクターとのエンディングが描かれることはありませんでした。ここではその内容について紹介していきましょう。ちなみに『STEINS;GATE ELITE』では各ルートも新規アニメで描かれることになります。そのため、原作ゲームをプレイ済みの人も新鮮な気持ちでプレイすることができます。

鈴羽ルート

 IBN5100を手に入れるために鈴羽がタイムマシンで旅立つ前の2日間を繰り返すストーリー。鈴羽の絶望やまゆりの死を防ぐために何度も同じ時間を繰り返す岡部だが、心が疲弊していき……。

『STEINS;GATE』
▲何度も同じ2日間を繰り返す岡部は心が病んでしまい………。

フェイリスルート

 IBN5100を手に入れるため、世界線変動率を変更したDメールをすべて打ち消すことにした岡部。フェイリスが送ったメールは父親が死んだことをなかったことにするものであり、元に戻すことは父親を殺すことにほかならなかった。ためらいを覚えた岡部はIBN5100を手に入れつつフェイリスの父が死なないようなDメールを送ることに変更。その結果、移動したのはΩ世界線。これまでとは人間関係が大きく異なる世界線だった。

『STEINS;GATE』
▲最初は自分が送ったDメールを思い出せないフェイリスだが………。

るかルート

 Dメールによって性別がかわった漆原るか。鈴羽とフェイリスの思い出を犠牲にして世界線変動率を変化させた岡部は、るかの思い出までは消すことができず、るかを男に戻すためのDメールを送らないことを決める。ただし、それはまゆりを見捨てることを意味するのだった……。

『STEINS;GATE』
▲“男の娘”だったるかが女性になる世界線。

まゆりルート

 まゆりにこれまでの経緯を話し、2人でアメリカに帰る紅莉栖を見送った岡部。彼はIBN5100を使ってSERNのサーバーから最初のDメールを削除し、α世界線からβ世界線に移動し、まゆりとともに生きていく道を選ぶのだった。

『STEINS;GATE』
▲まゆりとともに生きることを選ぶルートだ。

 いかがだったでしょうか? 『STEINS;GATE』には奥深い設定があり、知れば知るほど楽しめる作品となっています。はじめて遊ぶというひとはもちろん、TVアニメを鑑賞した人やオリジナル版のゲームをプレイした人も記事の内容を参考に『STEINS;GATE ELITE』をプレイしてみてはいかがでしょうか?

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