2018年8月27日(月)
2018年8月21日から25日まで開催されていたGamescom2018は、欧州最大級のユーザー向けゲームイベント。会場規模も非常に大きく、並びさえすれば発売前のビッグタイトルなどが遊び放題のイベントです。
筆者は今回、たまたま編集部からGamescomの取材をするよう編集部からドイツへと派遣されたのですが、悲しいことに調べないと読めないぐらいの英語力しかありません。リアルタイムでの受け答えなんてサッパリ。ちなみにドイツ語はもっとできません。これは困りました。つまり、ゲームの試遊は時間が限られているので、満喫できない……。
というわけで今回注目したのが、ノンバーバルなゲーム。そもそも言葉による説明が最小限のゲームなら、ローカライズの予定があるなしに関わらず、ゲームが好きだという気持ちさえあれば楽しめるハズ! 本記事では、Gamescomの会場で出会った、“英語ができなくても遊べる海外ゲーム”をいくつかピックアップして紹介していきます。
戦時中の国を舞台に少年と少女が街を巡っていくアドベンチャーゲーム。おじいさんの回想という形で物語は進行していくのですが、絵本のような雰囲気なので何が起こってどうなったのかは大体わかります。
絵柄を見ておわかりいただけるかと思いますが、こちらはかなり『夜廻』や『ロゼと黄昏の古城』『嘘つき姫と盲目王子』といったゲームに雰囲気が近いです。実際の遊んでみた手触りとしても、少年と少女が二人一組で行動し、少年は忍び歩き、少女はダッシュ、というように“それぞれの力を合わせて状況を突破していく”というゲームデザインは『ロゼ』『嘘つき姫』に通じるところがあります。
ゲーム中に必要な操作やギミック解除に必要な手順のヒントは、ほとんどアイコン化されているので、基本的に迷うことはなく、今回のプレイ範囲で言語がわからず詰まる箇所はありませんでした。
非常に雰囲気がよく、外国の絵本をめくっているような気分にひたれること間違い無しの本作。PS4とXbox ONEでも発売を予定しているようですが、まずはSteamで10月に発売される予定だそうです。
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こちらは狼となり、赤いシンボルを追っていくことで、失われた文明の痕跡を辿っていく……といったようなゲーム内容。『大神』や『風ノ旅ビト』といったゲームが好きな方なら問題なく楽しめると思います。
大自然をのんびり自分のペースで味わうことができる本作。基本的に赤いシンボルを追えば先に進めるのですが、赤いシンボルは“なんとなく”しかプレイヤーをリードしてくれません。つまり急いで先を進むタイプのゲームではない、ということですが、実際グラフィックはかなり美しく、いろんなところを眺めながらのんびり進んでいきたいなぁと感じる作りになっています。
特徴的な点は、プレイヤーは狼だけではなく、鳥や魚などに憑依して操作することもできる点。先に進むためにも必要な要素ではあるのですが、作り込まれた本作の“世界”を違った動物の視点で楽しめるという点は、あまりほかのゲームでは体験できない要素です。狼で美しい大地を駆ける爽快さや、鳥として羽ばたいて空を飛ぶ自由さなど、大自然に対するアプローチが異なるだけでも、結構新鮮です。
今回プレイできたのはアルファ版だそうで、Steam版は2019年春発売予定。PS4やXbox ONEでのリリースも予定しているそうです。なお、Steam版は日本語にも対応するらしく、PS4版も日本語に対応する可能性は高そうです。
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こちらは少女を操作してポストアポカリプスの世界を文字通り“FAR”、遠くへ遠くへと進んでいく2Dスクロールタイプのゲーム。
少女は蒸気機関や帆を搭載した乗り物に乗ってどんどんと遠くへ向かいます。干上がった海を超えたり、雨や雷が降ったり、または旧文明の名残をみつけたり……とさまざまな障害を乗り越えて先に進みます。
道に落ちている水を拾って蒸気機関に投げ込んだり、帆を張ったりと、いう操作で先に進んでいくのですが、基本的にシンプル。しかしこのゲームも抜群に雰囲気がよく、また風景に物語性を感じることもできるので基本的には飽きがくることはなく、先が気になるつくり。テイストとしては『INSIDE』に近いものを感じました。
本作はPS4、Xbox ONEでの配信も予定されていますが、Steamで今すぐ遊べるゲーム。また、日本語にも対応しているようです。
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こちら、じつは結構文字があるゲームです。ただ、どんなゲームかは画像を見ればわかっていただけると思います。
そう、本作はSFの世界を舞台にした“ソウルライク”なゲームで、プレイフィールは初代『DARK SOULS』にかなり近いもの。イベントによる文字も少ないので、英語がわからなくても『DARK SOUL』シリーズが好きな人ならゲームプレイに支障はないでしょう。
▲『Bloodborne』の狩人さんも興味津々。 |
挙動のレスポンスは若干の重たさを感じますが、基本的には1対1のシチュエーションを作れるように慎重に進み、いわゆる篝火的なチェックポイントを起動して拠点に戻って自分を強化……というサイクルで進みます。
とはいえ違う点ももちろんあって、L2で銃を構えることができます。R1、R2にはそれぞれ弱・強攻撃が割り振られており、青色のゲージを消費して使用できます。青ゲージは銃の使用に限っては時間経過で自動回復するので、遠距離からチクチクと攻撃していくことも可能です。
また、敵は倒すと何らかの素材をドロップ。素材を集めると拠点で武器が作れるようでした。ちなみに自分が死んでしまうといわゆるソウルと素材はすべてその場にドロップ。素材はすべて回収できるようですが、ソウルは一定量しか回収できない仕組みのようでした。
▲よりハクスラ感が強調されているようです。 |
本作はPS4やXbox ONEでのリリースも予定されているようですが、8月28日からキックスターターを開始するようで、登録すると今回試遊できたバージョンをPCですぐにプレイできるようです。ソウルライクなゲームがお好きな方はぜひチャレンジしてみてください。
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こちらも少女と少年を操作して進んでいくゲーム。基本的な操作は方向キーの左右しか使いません。右を押せば時間が進み、左を押せば時間が戻る、という仕組み。少年と少女に直接インタラクトすることは出来ないのですが、その周りのギミックに介入することで、少女と少年を導いていきます。
▲コンセントを入れるとビデオデッキに電源が入り、先に進めるようになります。 |
やはり特徴的なのはその世界。小型のジオラマのように、小島にギュッと要素が込められているので情報量はなかなか多く、少女と少年がなぜこの不思議な世界に迷い込んでしまったのか、先が気になる作りになっています。
▲いくつかステージをクリアすると回想シーンが流れます。 |
こちらはPC、PS4、Nintendo Switchで9月20日に発売予定です。
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ここまでノンバーバルなゲームをご紹介してきましたが、やっぱり物語が言語を介して描かれるタイトルや、操作が複雑なストラテジータイプのゲームも遊びたい。そんなわけでここからは現地で感じたローカライズ希望タイトルをピックアップしてお届けします。もういっそ、ゲームしながら英語を勉強してみちゃう?
舞台は核戦争後にミュータントが跋扈しているロシア。人類は地下鉄内に逃げ延びて劣悪な生活を行っており、そこでさまざまなドラマが描かれます。基本的にはオープンワールドのFPSですがロシアの小説が原作というだけあってシナリオがしっかりしていると評判です。海外では2019年2月22日に発売予定。なお日本では『METRO REDUX』がPS3・PS4で発売になっていますので、ローカライズの芽はあるかも……?
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ストラテジー要素や戦略シミュレーション的な要素などが満載の『Total War』シリーズ最新作。今回は三国志の時代がテーマです。海外では2019年春発売予定。余談ですがこのシリーズ、海外のパブリッシャーはSEGAなんですよね……。日本語でも遊ばせてくれないかなぁ。
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海外では2019年3月21日に発売となるクトゥルフ神話をモチーフにしたゲーム。ある都市を舞台にしたオープンワールドで、ガッツリとクトゥルフ神話の世界に没入できるようです。インディーありなーブースでストーリー賞にノミネートされていたのも気になる! 名状しがたいものは国境を超えて襲ってくるので、このゲームもローカライズされないかなぁ……。
ちなみに、同じくクトゥルフ神話をモチーフとしたアドベンチャーゲーム『Call of Cthulhu』は10月30日発売。公式サイトが日本語にも対応しており、こちらがローカライズされるのはほぼ確実のようです。
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海外ではすでに発売済みの中世ヨーロッパが舞台のオープンワールドRPG。結構内容がハードらしく、人糞を投げつけられたりできるらしいんですよね……。こちらは公式による日本語化はないとのことですが、有志による日本語化MODがPC版には存在しているようです。