2018年8月28日(火)

『デモンエクスマキナ』は人を強化するとメカも強化される。改造やマルチプレイについて佃Pが語る

文:kbj

 ドイツのケルンで開催されていたコンピュータゲームの見本市“gamescom(ゲームズコム) 2018”にて、Nintendo Switch用ソフト『DAEMON X MACHINA(デモンエクスマキナ)』の開発者インタビューが行われた。

 本作は、メカ同士が迫力のバトルを繰り広げる完全新作のメカアクションゲーム。メカのスタイリッシュな動きや、美麗なグラフィックが特徴だ。

『DAEMON X MACHINA(デモンエクスマキナ)』

 会場で本作のプロデューサー佃健一郎氏へのインタビューを実施。公開された新情報や、開発進捗などについてうかがった。

――E3でのタイトルコール後、帰国されて周りの反響はいかがでしたか?

 楽しみにしていただけているようです。開発スタッフもいい刺激を受けたようで、意見を見て、どう伸ばすのか、どう変えるのかを考えているようです。

――前回のインタビューでお聞きできていなかったのですが、タイトル『デモンエクスマキナ』について、“デウスエクスマキナ”ではなく、あえて“悪魔”にしたところを含めて、由来をお話しいただけますか?

『DAEMON X MACHINA(デモンエクスマキナ)』

 もともとの“デウスエクスマキナ”はラテン語で“機械の神”という意味。それを“デモン”にすることで、“機械の悪魔”になります。エクスはスペルからEを削ることで、“悪魔”ד機械”とも見えるし、“機械の悪魔”にもなる。“デウスエクスマキナ”というもとの単語を知っていると、主人公が悪魔にもなるし、神にもなるというようにも表現できます。

 さらに、敵のAI(機械)は、人間にとって悪魔になり、一方で機械にとっての悪魔は主人公たちアーセナルを操るアウターです。アウターたちにとっては自分たちを疎む旧人類達が悪魔でしょうし。このように複数の意味が込められています。

――今回、人で出撃できることが発表されました。人でも変わらぬアクションができるのでしょうか?

『DAEMON X MACHINA(デモンエクスマキナ)』

 普通に戦えます。そのうえで人も改造することができます。改造・強化することで、足が速くなったり、ブレードが強化されたりとスキルが解放されていきます。

 新しいアクションが追加された状態で、アーセナルを着こむと状態が引き継がれて強化されます。

――メカアクションゲームでは、メカから降りることはできるけど、キャラとメカがバラバラなものが多いという印象です。

 キャラはプレイヤーのアバターなので、自分が強くなった気持ちを味わえるように本作ではリンクさせています。例えば、ブレードを強化して達人になれば、アーセナルのレーザーブレードのリーチがのびて強くなります。

――デメリットはないのでしょうか?

 見た目ですね。人間ではなくなるので、それに抵抗を覚える人は嫌かもしれません。ただ、もとに戻せるようにしています。

 スキルを解放して強くなることは普通に考えるといいことですが、プレイヤースキルを誇りたい人は改造せずに進めていけば、それは誇れると思います。

――コクピットから降りて、人でのクリアも可能?

『DAEMON X MACHINA(デモンエクスマキナ)』

 可能です。ただし、プレイヤースキルに依存するので簡単ではありません(笑)。見た目だけが変わる要素もあるので、そういう遊びも可能です。

――物語にからみそうなキャラが出てきましたが、キャラクター数はどれくらいいるのですか?

 詳細な数は言えないのですが、かなりの数のキャラがいます。キャラクターデザインのコザキユースケさんに描いていただいているキャラが多数出てきます。現在はすべてのモデルを作っています。

――例えば主人公がNPCのいる傭兵団に参加するということはできるのでしょうか?

『DAEMON X MACHINA(デモンエクスマキナ)』

 主人公は解放旅団という、世界を解放していくメンバーの一員として活動していきます。そのため、多数のキャラと物語上で関係していく形になっていますので、特定の傭兵団に属することはありません。

――マルチプレイについても発表されました。大きなボスに立ち向かうタイプの遊びでしょうか?

 巨大ボスには弱点があるので、破壊するとスタンします。本作では、ボスの武器を使うこともできます。戦闘中に入手しておくと、持ち帰って開発することで、アーセナル用の大きさに直して使えるようになります。素材を集めるのではなく、武器を直接手に入れるようなイメージです。

 ただ、武器を破壊してしまうと手に入りません。破壊しないということは、強力な攻撃をずっと使ってくるため、苦労します。そのため、壊して弱くさせるのか、そのまま倒して武器を手に入れるのかを選んでいただくことになります。

――1人で遊んだ時とマルチでの強さは変わるのでしょうか。

 現在検討中です。我々もテストプレイをしながら、どういう形がベストなのかを模索しています。ただ、テストで繰り返し遊んでいると、うまくなってしまうので、そこのバランスを見つつ今後調整していきます。

――開発でもっとも意識しているところはどこですか?

『DAEMON X MACHINA(デモンエクスマキナ)』

 自分たちのオリジナル性を出せるようにがんばりたいと思っています。

 初報でもお話ししましたが、多くのゲームがフォトリアルに進んでいる中、そうではないアートワーク表現にしたり、メカとキャラが一体になることで、スーパーヒーロー感を出したり……世の中にはいい作品が山のようにあるのですが、それの真似をしていてもそのどれにもなれません。

 自分の仕事は、オリジナリティを追及するために旗を振る係。自分の信じたものをしっかり進めていきます。

――これまでの情報で、伝えたい方向と少しずれていると感じる要素はありますか?

『DAEMON X MACHINA(デモンエクスマキナ)』

 難しいゲームにしたいのではなく、遊び応えのあるゲームにしたいと考えています。とはいえ、かなり強い敵も出てくるとは思います。例えばストーリー中のステージで麻痺の攻撃を使ってくる敵が登場します。その際には麻痺ガードを装備すれば麻痺しなくなるという、RPG的な考え方で作っています。

 これはメカアクションゲームが好きな人以外にも遊んでほしいと思っているためです。間口を狭くするつもりはなくて、遊んでいるとすごく楽しくて、プレイ中にうまくなって、深さが見えてくるゲームになるように考えています。皆さんで楽しんでもらえるとうれしいです。

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