2018年9月21日(金)
コーエーテクモゲームスが9月27日にPS4/Nintendo Switch版を発売し、9月21日からPS4ダウンロード版予約特典として神速版を配信する『無双OROCHI3』のプレイレポートをお届けします。
本作は、『真・三國無双』と『戦国無双』の武将らが一堂に会し、魔王・遠呂智の創り出した融合世界で戦いを繰り広げるアクションゲーム『無双OROCHI』シリーズの最新作です。
今作では、オリュンポスの主神・ゼウスやアースガルズを統べるオーディンなど西洋の神々が新キャラとして参戦し、『無双OROCHI』シリーズを含めた3作品からおよそ170名の無双キャラが登場します。
▲新キャラの1人であるアテナ。ゼウスの娘であり、裏切ったペルセウスを追って融合世界に降り立ちます。 |
無双キャラごとに個性的なアクションが使えるだけでなく、新要素の神術アクションで戦いの幅が広がり、いろいろなキャラを操作するのが楽しいゲームになっています。お気に入りのキャラを使って楽しむだけでなく、新たにお気に入りのキャラを見つけられるようなタイトルでしょう。
本記事では、ストーリーや新アクションのおもしろさを中心に、ゲームの魅力を紹介したいと思います。
▲新アクションは派手なものが多め。群がる敵を蹴散らす爽快感を得られます。 |
前作では、女仙・かぐやの力を借り、時を渡って戦いを繰り広げた三国志と戦国時代の武将たち。その彼らの活躍に目を留めたゼウスが興味を示し、再び世界を融合して遠呂智の世界を復活させるところから、『無双OROCHI3』のゲームが始まります。
イベントシーンが終わるとそのままゲーム画面に移行し、異世界に迷い込んだ本多忠勝、井伊直政、井伊直虎を操作して戦います。立ちはだかる相手は呂布軍で、いきなり呂布と忠勝が矛を交える展開に。しかも呂布には奥の手が……!!
そんな熱いシーンから始まる物語は、猛将同士のぶつかり合いや軍師の共演、時代を超えて生まれる新たな友情やライバル関係など、『真・三國無双』と『戦国無双』の枠を超えたオリジナルの展開とエピソードを十分に楽しめます。
単にオリジナルストーリーというだけでなく、諸葛亮の木像が司馬懿を退かせた逸話をアレンジした策略や、赤壁の戦いを彷彿とさせる火計など、歴史にひねりを効かせた展開もあるので、『無双』シリーズのキャラが好きな人、歴史ゲームとして『無双』が好きな人、どちらの人も楽しめる作品でしょう。
▲神速版の範囲では、蹴鞠に誘われる今川義元が「嬉しすぎるの!」と喜ぶステージや、長坂の戦いを思わせるような劉備の撤退戦などをプレイできます。 |
なお、今作はストーリーとゲームの両面で“神の力”が重要な意味を持ちます。特に、遠呂智の大鎌で鍛えたという8つの“ウロボロスの腕輪”がカギをにぎり、一部の武将がド派手に変身する“神格化”も腕輪の力に由来しています。
▲腕輪をはめている信長。神格化は、神の力を人に宿す能力で、まさに一騎当千の力を誇ります。 |
神格化したキャラの前に敗れ、悪戦苦闘の末に神格化を会得するドラマがあり、神格化したキャラ同士がぶつかり合う。言わば王道少年漫画のようなノリがストーリーに加わって、ステージ中の展開やカットシーンを見ては思わず興奮する場面がたくさんあります。やっぱり変身モノって熱い!
▲パッケージビジュアルを彷彿とさせる幸村と趙雲のぶつかり合いも! |
また、10話までにはおなじみの妲己も姿を見せます。相変わらずな彼女を見ると『無双OROCHI』をプレイしている実感がわき、「新作を何年も待った甲斐があったなぁ……」と妙に感慨深くなりました(笑)。彼女の活躍ならぬ暗躍が本格的に見られるのは中盤以降ですが、妲己にも見せ場がある、シリーズファン納得のストーリーになっています。
▲公式サイトのキャラリストに載っていますが、それでも姿を見ると「やはり彼女が黙っているわけないよね」という思いがする妲己。相変わらず、いいキャラしてます。 |
前述の神格化と並んで大きな新要素となるのが、新たな武器“神器”による専用アクションを繰り出す“神術”です。こちらは神格化と違って、どのキャラも使える能力になっています。
▲神術は、攻撃する範囲を自分で指定できたり、時にイノシシを操作したり、アクション自体がユニークなのも特徴です。なお、使用時には神術ゲージを消費します。 |
神術は、通常、チャージ、固有の3種類あって、通常&チャージ神術は武器ごとに共通の、固有神術はキャラによって違うアクションを繰り出します。ヒット数が一定値を超えた時に威力が上がるので、ヒット数を稼ぎながら使うのがポイントになってきます。
武将を相手にした時に使い勝手がいい、雑兵を蹴散らす時に便利など、神術ごとに有効な場面があるので一概に言えないものの、個人的に使いやすいと感じるのは、トライデント、グレイプニル、グリンブルスティなどの通常神術です。
▲トライデントの通常神術は、移動しながら敵を巻き込む波乗り攻撃なので、敵兵を集めるのにも使えます。 |
▲移動したくない場合は、敵を引き寄せるグレイプニルの通常神術が使いやすいです。既に敵が集まっているなら、グリンブルスティなどの通常神術でもラクにヒット数を稼げます。 |
これらはヒット数を稼ぎやすいので、通常アクションのコンボと絡めて使い、ヒット数が1,000を超えたら、好きなキャラにスイッチして固有神術を叩き込むと強力です。ド派手なアクションで敵を蹴散らした時は超気持ちいい!
▲井伊直政の固有神術です。戦隊モノのような爆発で敵を吹き飛ばす! |
そして、気持ちよさの点でさらに上回る超絶威力の攻撃が、チームメンバー全員で繰り出す“合体神術”です。広範囲の敵を巻き込むので、画面を埋め尽くすぐらいの敵兵がいても一掃可能。攻撃自体もさることながら、大量の巻物がキャラに吸い込まれていく見栄えに爽快感があります。
▲合体神術を使うと、メンバー全員が集結。そこから跳躍して神術を放ちます。ヒーローモノのようなポーズとアングルがかっこいい! |
神格化については、神力の雫というアイテムを所持している時だけ使え、一時的にキャラ性能が爆発的に上昇します。しかも、神術の発動に必要なゲージが減らなくなるうえ、専用の固有神術を使えるように。神格化していられる時間もそこそこ長めで、非常に強いです。
とはいえ、一番大きなフィーチャーは“変身”できることかなと。ここぞという時に使う切り札なので、やはり見た目が変化すると気分が高揚して熱くなります!
▲直虎が神格化を発動! 見た目が変わって強くなると、操作する側も気分が切り替わります。 |
正直、筆者のお気に入りキャラである真田信之が神格化しないのは少し寂しいですが……一応、神力の雫を使った性能強化は他のキャラにも存在するので、神格化には劣るものの、戦力的に差が出すぎるということはないです。
ただ、変身するのはやっぱり特別ですよね! 使えるキャラが限られているから、特別でもあるのですが(笑)。
▲神格化できないキャラは、神力の雫を使って覚醒や無双極意を発動できます。 |
お気に入りキャラの話を書き出すとまとまらないので、アクションの話に戻すと、キャラそれぞれの個性を維持したまま、今作は使えるキャラと新アクションが増えているので、戦闘での引き出しが増えて非常におもしろくなっています。何より、新要素はどれも強いので、使ってみての爽快感がハンパないです。
3人のキャラを使い分けて戦うシステムと掛け算になって、非常に幅のあるキャラ選択とバトルを楽しめるので、遊びが深いですよ!
▲キャラ数が膨大で、それぞれに個性があるので、1人1人のアクションや3人1組での戦い方を考えた時に、いろいろ試したくなります。 |
拠点では、チーム編成の他、キャラや武器のカスタマイズ、会話イベントの閲覧などを楽しめます。地味にうれしい要素も含め、ゲームシステムをいくつかピックアップして紹介します。
▲拠点はメニュー式で、お手軽にキャラを管理できます。数は多いですが(笑)。 |
▲陣地強化というシステムもあり、お金代わりの貴石などを用いて、拠点機能の充実や味方能力の底上げを図ることができます。 |
チーム編成は、ステージで切り替えて使用できるメンバー3名、チームメンバーの能力を底上げできるサポートメンバー4名を自由に選択できます。
仲間になったキャラは、戦闘でレベルアップすると成長し、スキルポイントを入手します。そのポイントを割り振って、スキルツリーから任意にスキルを獲得できるので、プレイヤーの好みに合わせてカスタマイズ可能です。
なお、自軍で保有するストック経験値を割り振ったり、武者修行に出したりすることでも、キャラをレベルアップをさせられます。
▲武者修行は、規定の回数ぶんステージをクリアすると戻ってきます。 |
各キャラは、友好度が設定されていて、チームメンバーとして出撃したり、戦闘に友軍として登場したり、あるいは武者修行に出すと友好度が上昇します。友好度が上がると、戦闘終了後にランダムで武器を貰えるなど、恩恵を得ることができます。
▲通常はチームメンバーの武器しか獲得できないものの、福引券はランダムで武器を入手できます。 |
また、特定のキャラ同士には友好度イベントが用意されており、チーム編成画面などでイベントを閲覧可能です。イベントの会話は、歴史上の逸話やゲームのキャラクター性に基づいた内容になっていて、人物像にさらなる深みを加えるエピソードとして楽しめます。
友好度イベントは数が多いだけでなく、友好度が最高になった時に続きの会話を見られるので、とにかくボリュームがあります。内容もいいので見ごたえがありますよ!
▲昼寝好きという共通点を持つ司馬昭と竹中半兵衛は、友好度イベントで意気投合。 |
▲先陣を切ることにこだわる井伊直政と楽進。友好度イベントとは別に、中盤になると1番槍を信条とする武将らのサイドストーリーも解放されます。 |
武器は使うほど“馴染み”が上昇し、攻撃力がアップします。また、武器錬成によって、属性(特殊効果)の付与・レベルアップを行え、自分好みにカスタマイズ可能です。
なお、属性の付与やレベルアップは、属性パーツと呼ばれる素材を消費して行う形になっていて、パーツは属性付き武器を分解したり、戦闘や武者修行を行ったりすることで手に入ります。
▲武器錬成の画面です。空いているスロットがあれば属性を付与でき、希少石というレアなアイテムを使えば、新しいスロットを開けられます。 |
最後に、実際にプレイしていると地味にうれしい、初見プレイヤーにもやさしいであろう便利要素を紹介します。
1つはローディング中に過去作のあらすじを読めること。前作『無双OROCHI2 Ultimate』が最初に発売されたのは5年前なので、ストーリーの記憶があやふやになっている人も少なくないと思います。また、本作が初めて遊ぶ『無双OROCHI』だという人もいるでしょう。ローディングの時間を使って、無駄なくあらすじを読めるのは超便利です!
2つめは、無双キャラが新しく仲間になる際、プロフィールも合わせて表示されることです。過去作からの登場キャラだけで160名以上いるわけで、プレイしていないシリーズ作品がある人や、今作から『無双OROCHI』に入る人にとっては、きっとうれしい機能になるのではないかと。
また、ステージ中で自キャラが倒されてしまった時、チェックポイントから再開できる機能もありがたいと思います。ストーリーの山場になるステージは、プレイ時間がわりと長めにになるので、仮に油断してあっさり死ぬことがあっても、めげずに済むでしょう。
本作を遊んでもう1つ強く感じたのは、ストーリー性とタクティカル性が非常にうまく一体化し、1つ1つのステージで濃い体験が味わえるということです。
個人的に、『無双』のおもしろさは、一騎当千の爽快感だけでなく、そこにタクティカル性が加わっていることが重要だと考えています。敵味方の互いに戦術が存在し、相手の策を破り、自軍の策を遂行すること、つまりプレイが戦況を変える。そこまでを含めた戦場体験に、ゲームのユニークさがあると思うのです。
また1つの戦場の中で、戦いの流れとともに、物語の流れも描かれていきます。ステージの合間だけに話があるわけでなく、インターバルとステージのすべてを含めて物語になっていることも、『無双』シリーズの特徴でしょう。
そうした『無双』のおもしろさを土台に、オリジナルストーリーとバラエティに富んだキャラの数、そのアクションやカスタマイズ、イベントを楽しめる。『無双OROCHI』シリーズの新作として、すべての要素が正統進化した作品だと感じました。
▲過去作に登場したオリジナルキャラもきちんとストーリーに絡んで、登場人物が多いにもかかわらず、うまくまとまった物語が展開します。 |
正直、ゲームをプレイする前は神格化が作品に合うのかやや不安もあったのですが、ストーリー中で、神格化がどんなものか、それに対してキャラはどう思っているかなど、丁寧な描写があるため、すんなりと受け入れることができました。システム的には覚醒や無双極意の延長線上にあるので、触っていてすごく楽しいですし。
初めて『無双OROCHI』を遊ぶ人でも楽しめるような丁寧な作りで、シリーズファンなら、期待していたぶんだけ楽しめる『無双OROCHI』の新作になっていると思います。筆者も記事を放り出して趣味プレイしたいくらいなので、素直におすすめできる1本です!
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