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2018年9月21日(金)

TGS体験版を出展中! 『ネルケと伝説の錬金術士たち』のアレコレを細井P&菊地Pに直撃【電撃PS】

文:電撃PlayStation

 歴代『アトリエ』シリーズで主人公を務めた伝説の錬金術士たちが、主人公のネルケたちと協力して街づくり! シリーズ20周年記念作品として12月13日にPS4、PS Vita、Nintendo Switchでコーエーテクモゲームスから発売される『ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~』が、9月20日~23日に開催中の東京ゲームショウ 2018にて体験版を出展中。

『ネルケと伝説の錬金術士たち』

 そこで今回はTGS会場にて、総合プロデューサーの細井順三氏と、開発プロデューサーの菊地啓介氏にインタビューを実施。体験版の注目ポイントや開発状況などをうかがった。

『ネルケと伝説の錬金術士たち』
▲細井総合プロデューサー(右)と菊地啓介開発プロデューサー(左)。

――発売日が12月13日に決まり、今回体験版も出展され、いよいよ発売に向けて加速してきた『ネルケと伝説の錬金術士たち(以下ネルケ)』ですが、開発は順調ですか?

菊地啓介氏(以下、敬称略):ゲームとしてはだいぶ前に完成していて、今はシミュレーション部分での調整を繰り返している状態です。例えばUI周りではもっと遊びやすいようにならないか、ゲームバランスでは“ここはグッと抑える”などのメリハリをどう付けるべきか、などですね。

――街づくりは『アトリエ』シリーズで初のジャンルだけに、調整はとても大変そうですね。細井さんは手ごたえ的にいかがですか?

細井順三氏(以下、敬称略):20周年作品ということもあり、キャラクターが大勢登場しますし、ゲームとしておもしろいものができたと思っています。ただ、やはり最後の調整が大変ですね(笑)。毎回そうですが、『アトリエ』シリーズは最後の調整でおもしろさが全然違ってくるので、本作も同様にとにかく最後まで調整を行って、手触り感を含めてよりいいゲームになるように、尽力している状況です。

――12月13日の発売までまだ時間がありますが、今回のTGS体験版を配信されて、ユーザーから意見を聞くようなことは行う予定はあるのでしょうか?

細井:現時点では体験版の配信は検討していないです。

菊地:TGSの体験版は大半がチュートリアルになりまして、本格的にお客様が何かをやって街づくりの変化を楽しむという部分が少ないんですね。ですが、会場にいらっしゃったお客様のご意見も聴ければと思っています。

――では、ぜひ会場に来て体験したいところですね。22日にはイベントステージで何か発表があるとのことですが、ゲーム内容にかかわる発表になるのでしょうか?

細井:ゲーム内容といえばゲーム内容……でしょうか。たぶんファンの方ならば「そうだよね」と思っていただけるんじゃないかな?(笑)

菊地:大小さまざまな情報を出させていただければと思っています(笑)。

細井:『ネルケ』以外にも、ほかのプロジェクトでの発表も予定していますね。現状で1つ言えることは、今回は『アトリエ』シリーズの20周年ではありますが、ガストブランドとしての25周年でもあるということです。それにちなんだ発表をさせていただく予定なので、ぜひご来場いただくか、配信をご覧になってください。

――体験版の範囲では街づくりの触りを体験できましたが、思った以上にこのゲームはお金を稼ぐことが大事で、いろいろなことにつながっていくと感じました。今回はRPGからシミュレーションにゲーム性が変わったことで、やはり難易度の調整は大変ですか?

菊地:最初にお話したように、調整1つでバランスが全然変わるので難しいですね。今は序盤をゆるめというか、優しめには作ってあります。今回は物語の要所要所に乗り越える壁があって、それを錬金術士たちの力を借りて突破していく感じです。

 そこまで到達できれば少し余裕が生まれてきて、例えばこのキャラクターはこのキャラクターのそばに配置するなど、自分の好みのカスタマイズができるようになります。

 最終的に『ネルケ』では“キャラクター性でごっこ遊びができるようにする”“シミュレーションとして手ごたえがあるものにする”を目指していて、細井の全体的な監修を受けながら、現場で修正を繰り返している状況です。ただ、思った以上にシミュレーション系の調整には時間がかかるなというのが、私の実感ですね(苦笑)。

――今回は時間制限がひさびさに復活したようですが?

細井:そうですね。ただ、すべてをやり込もうとしたら時間制限は厳しくなりますし、物語を追ってクリアだけを目指すならば、それほど厳しくはならないと思います。『ネルケ』はプレイヤーのプレイスタイルで難易度が変わるのではと、個人的には思っています。

 全員が全員がプレイをして「難しい!」という感じはなく、簡単に感じる方は簡単でしょうし、すごくやり込む方はすごく難しく感じるようなバランス調整を、現状では目指している形です。

 『ネルケ』はキャラクターゲームでもあるので、「この子のキャラクターイベントだけを見たい」というところも含めて、手ごたえはある程度は残しているけれども、過度な難しさにはしていないつもりです。

――キャラクターの掛け合いはかなり表情がコロコロ変わって、見ていてとてもにぎやかな感じです。NOCOさんのイラストでの掛け合いは、最初から決めていた流れでしょうか?

細井:これは初期から決めていたことなんです。近年の『アトリエ』シリーズはイラストを使わずに、3Dモデルでイベントを表現していますが、そことは明確に分けたいなと考えまして。

 理由としては、昔のシリーズは立ち絵で表現されていた作品が多かったんですね。そのため、イラストの掛け合いならばなつかしさを感じたり、戻ってきたいなと思ったりしていただけるんじゃなかと考えました。

 あとはイラストだとすごくわかりやすいじゃないですか。イラストがコロコロ変わるとにぎやかさも伝わりますし、それをNOCOさんのイラストでやれば魅力的な雰囲気になりますからね。

――NOCOさんにお話をうかがったとき、細井さんに乗せられていつのまにか全員描くことになった……と苦笑いされていましたが?(笑)

細井:「NOCOさんならできる!」と言って、描いてもらっちゃいました(笑)。

菊地:どんどん描くキャラクターが増えていっちゃいましたからね(笑)。

細井:でも、本当にNOCOさんにはがんばっていただきました。プレイをしていただければわかると思いますが、軽快で楽しいイベントとして見せることができたのではと思います。

 やはりキャラクターが多いので、3Dモデルでイベントを演出するとすごく長いイベントになってしまうんですよ。『ネルケ』では“小気味のいいイベント”というのを意識していたので、そこは楽しんでいただけると思います。

――ちなみに、最初に出会う錬金術士がマリーとエリーなのは、やはりナンバリングを意識されたのでしょうか?

細井:そこはすごく意識しています。やはり『アトリエ』シリーズの始まりでもある『ザールブルグの錬金術士』シリーズの主人公ですから。

――戦闘は従来のMP制ではなく、攻撃するとたまる“バースト”使って技を発動する形になりました。このシステムを採用した理由を教えてください。

菊地:今回は街づくりをメインに楽しんでいただくゲームなので、戦闘はアクセントの1つになります。ゲーム進行は平日と休日で構成されていて、戦闘は休日にできることの1つとして、アクセント的に用意してあるんです。だから自分の力を試したいとか、仲間の力を試したいという部分を担保しつつ、遊びやすさやテンポ感を重視した形でこのシステムになりました。

細井:テンポ感ですが、1作目の『マリーのアトリエ』では採取地に移動して、“●●を採取した”という結果が表示される合間に敵に遭遇すると、戦闘が発生していましたよね。イメージとしてはアレに近いです。昔のシリーズ遊んでいただいた方は“なつかしいな”と感じていただけると思いますし、そうでない方も“新しいな”と感じていただけると思います。

――あとは平日と休日の切り替え時に1枚絵が表示されますが、こちらはバリエーションはどのくらいあるのでしょうか?

細井:ある程度はありますが、できるだけ増やしたいとは考えています。

『ネルケと伝説の錬金術士たち』

――体験版ではどんな部分に注目してプレイしてほしいですか?

菊地:『ネルケ』は従来の『アトリエ』シリーズと異なり、ガラッとゲームサイクルが変わっています。“平日に何ができて、休日に何ができる”というサイクルと、“どこに何を置きます、誰に何をお願いします”というシステム的なさわりの部分を体験できますので、街を発展させていく流れをわかっていただけると思います。

 また、歴代の錬金術士がやって来て、作品の枠を超えた掛け合いがどんな感じに行われるのかもぜひ体感してみてください。

細井:今回一番感じていただきたいのが「新しいんだな、違うんだな、こんな“アトリエ”シリーズもありだな」ということですね。以前、ニンテンドーDSで発売した『アトリエ』シリーズも、違った切り口で作ったゲームでした。それとは少し意味合いは違いますが、ターニングポイントとなるシリーズとなる作品として、この『ネルケ』は作っています。

 本作が評価をいただければ、当然のことながらこのシリーズをもっと生かせるでしょうし、いろいろな可能性のある作品だと考えています。だからぜひプレイをして、評価をしていただきたいですね。

――今後は発売前の試遊体験会などの予定はありますか?

細井:TGSでの反応を見てから、今後考えていきたいと思います。

――最後に発売を待つファンへメッセージをお願いします。

菊地:20年間のタイトルの重みを感じつつ、登場してきたキャラクターを大切にしながら、街づくりという新しいゲームサイクルに乗せて鋭意制作中です。たくさんのキャラクターたちのエピソードも“なつかしいな”と味わっていただけるものになっていますので、ぜひお楽しみにお待ちください。

細井:20周年を迎えられたのは、応援してくださったユーザーさんのおかげです。もちろん開発陣の頑張りもありますが、やはりユーザーさんがあってこその作品です。それに恥じることのない作品にしようと、開発は尽力しています。ぜひお手に取っていただき、反応や感想、自分の街づくりの結果をSNSなどでアップして、みなさんとつながっていけたらいいなと思っています。

――そうなると、作った街はテンプレート的な形ではなく、個人差がけっこう出る感じでしょうか?

細井:単にクリアするだけならば、テンプレート的になるかもしれませんが、絶対に個人差は出ると思いますよ。例えば“この区画は『黄昏』シリーズだけでまとめよう”とか、極端な話“錬金術士は配置しない”なんて遊び方をされる方もいると思います。

 そこはユーザーさんの想いですよね。私たちも20周年だからと、単に作品をごちゃ混ぜにしたかったわけではありません。街づくりをジャンルに決めた理由は、シリーズごとの愛を形にしやすかったからなんです。

 もちろんユーザーさんが持つすべての愛を内包するのは難しいですが、ユーザーさんごとに違う愛を担保できる作品にはなったと思います。先ほど菊地も“ごっこ遊び”と表現しましたが、自分なりの遊びを担保できる作りにしたかったから、街づくりを選びました。

 あとは『マリーのアトリエ』『ロロナのアトリエ』『リディー&スールのアトリエ』というように、シリーズを飛び飛びで遊んでいる方もいらっしゃると思います。そんな方も「私はこのシリーズしか遊んでいないから、こんな街にしてみました」と遊べるもの、今回のおもしろさの1つだと思います。

――発売後は「どんな街にした?」などのやり取りで盛り上がりそうですね。

細井:ぜひTwitterなどに投稿してほしいですね。私たちも楽しみにしています。

(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved. ※画面はすべてPS4で開発中のものです。

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