2018年9月22日(土)
技術の発展とソーシャルコミュニケーションの変化によって数を増やすVTuber。彼らによって導びかれる未来はどのようなものなのでしょうか?
そんなVTuberについての専門セッションが“東京ゲームショウ2018(TGS2018)”で行われました。
これまでもその存在が主にネットワーク上で取りざたされていたVtuberですが、2018年になって加速度的に増えています。その背景と可能性について、日経ビジネス副編集長山中浩之氏と日経xTECH記者東将大氏によるセッションが行われました。
山中氏は長らく日経ビジネスで編集を務めている経歴を持ち、ビジネスの側面からネットワークを概略的に理解されていますが、VTuberは専門外のようです。そこで詳しい東氏を招いてVTuberとXRの現況について説明が行われました。
ちなみにXRというのは、Virtual Reality(仮想現実)、Augmented Reality(拡張現実)、Mixed Reality(複合現実)などを総称するために作られた言葉だそうです。これらはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのハードウェアやソフトウェアとともに発展してきました。
通常生身で配信を行うYouTuberの存在がバーチャルになったので、VirtualYouTuberでVTuberというわけです。2018年に入って、その数は大きく増加しており、新たな傾向として個人のみならず、企業や自治体などこれまでネットワークに保守的だった層も積極的にその存在を利用しています。
▲2018年になって加速度的に増えたVTuberの推移。9カ月で20倍以上になっています。 |
▲VTuber人気とともに、企業や自治体などもオフィシャルVTuberを展開しています。 |
その魅力は、キャラクターの持つ世界観だと東氏は分析しており、世界観をファンと作り手が共有することで人気を得ているとのことです。
概略説明の後は、山中氏が実際にアバターを制作してVTuberとトークセッションを行いました。
▲アバターは山中氏が直接制作したとのこと。デザインは、キレイな女の子にしたほうが見苦しくないだとうという判断だそうです。 |
仮想空間内に登壇したのは電脳少女シロさんとばあちゃるさん。人気も認知も高い彼らに山中氏が素朴な疑問をぶつけるのですが、操作に慣れていないため、アバターの挙動が不審であったり、「シロさんかわいいですね」といった眼前に見える光景への素直な感想が会場の笑いを誘っていました。
VTuberはバーチャルな存在であるため、空間を超越できる点、さらには生身ではないことで現実に対して1つファンクションを隔てている点がメリットであるとばあちゃるさんは語っていました。
山中氏は「アイドルなどもこの先にバーチャルになっていくのか」と質問を投げていましたが、そういった未来も夢物語ではなさそうです。企業の宣伝としても生身でないことのメリットは大きく、企業イメージを損なうことなく発信していける点は今後ますます企業系VTuberが増えていくことを示唆しています。
2018年加速度的に増えたVTuberが来年にはどうなっているのか? またこのようなセッションを設けたいと山中氏が希望を述べてセッションは終了しました。
▲VTuberとXRの可能性として挙げられた可能性です。学会ではVTuberによる研究発表も行われているとか。 |
■東京ゲームショウ2018 開催概要
【開催期間】
ビジネスデイ……9月20日~21日 各日10:00~17:00
一般公開日……9月22日~23日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料