2018年9月27日(木)
スクウェア・エニックスより12月6日に発売されるPS4/Xbox One/PC(Steam)用ソフト『ジャストコーズ4』。先日開催された東京ゲームショウ(TGS2018)に合わせて行われた、開発スタッフによる本作のプレゼンテーションの模様をお届けします。
『ジャストコーズ4』は、広大なオープンワールドを舞台に、混乱と破壊の英雄“リコ・ロドリゲス”の冒険を描く、人気アクションアドベンチャーシリーズの最新作です。
TGS2018に合わせて、本作の開発を担当するアヴァランチ・スタジオのフランチェスコ・アントリーニさんが来日。アントリーニさんは『ジャストコーズ3』でリードデザイナーを務めたのち、本作ではゲームディレクターに就任しています。
今回のプレゼンテーションでは、開発を指揮するゲームディレクターが自ら、本作のゲームプレイの核となっている、物理演算を駆使したユニークなアクションの数々を紹介してくれました。
▲ゲームディレクターのフランチェスコ・アントリーニさん |
なお、以下で使用している画面写真には動画から切り出したものが含まれています。また、画面写真は開発中のものとなっています。
『ジャストコーズ』の主人公であるリコはシリーズを通して、独裁者の支配する国家から人々を解放するために戦っています。4作目となる本作の舞台は、南米にある架空の大国“ソリス”です。
アントリーニさんによると、イタリアの地中海を舞台にした前作『ジャストコーズ3』は、「景色は非常に美しかったものの、変化に乏しかった」とのこと。そこで本作の舞台であるソリスには、ジャングル、草原、砂漠、雪山という4つの地域が存在しており、それぞれの特徴に応じたプレイが楽しめるそうです。
▲砂漠の地域では、砂丘を越えた先にオアシスのような街を発見。本作では「プレイヤー自身が探索していろいろなものを発見できる楽しみが味わえます」とのこと。 |
また前作にもミッション自体は豊富に用意されていたものの、「その内容は物を壊すミッションが多かった」とアントリーニさん。そこで『4』ではさまざまなアクティビティや収集要素など、破壊だけではないバラエティに富んだ遊びを用意しているそうです。
▲本作では敵の建物を破壊したりするだけでなく、乗り物を使った“スピードスタント”など、さまざまなアクティビティを楽しむことができます。 |
そんな本作の遊びのカギとなっているのが、シリーズではおなじみの“グラップリングフック”です。
ワイヤーを発射して建物や乗り物に引っかけることのできるグラップリングフックは、高所に登ったり、移動する自動車に引っかけてパラシュートで浮かび上がったりといった形で、リコが広大なオープンワールドを自由に移動するために活用できました。
『3』ではさらにリコ本人だけでなく、オブジェクト同士をワイヤーでつなぐことができるように進化。建物と乗り物をつないで衝突させたり、鉄塔同士をつないでまとめて倒したりといった、破壊と混乱を引き起こすことのできるガジェットになりました。
ファンにも人気の高いグラップリングフックが、本作ではさらに進化しています。従来のワイヤーだけでなく、風船のようなエアリフターと、ロケットのようなブースターをオブジェクトに装着できるアタッチメントが用意されているのだそうです。
エアリフターをオブジェクトに向けて発射すると、ドラム缶から自動車まで、いろいろなものを空中にフワフワと浮かせることができます。オブジェクトにはエアリフターをいくつもつけることができるので、重い物でも空中に軽々と浮き上がるのです。
また、ブースターをオブジェクトに向けて発射すると、命中したブースターがジェットエンジンのような役目を果たして、オブジェクトを吹き飛ばすことができます。
▲ドラム缶に向かってブースターを発射すると、炎を上げて推進するブースターの勢いによって、ドラム缶は空中高く舞い上がっていってしまいました。 |
つまり、本作ではエアリフターで空中に浮かせたオブジェクトにブースターを命中させれば、なんでもかんでも空中を飛行させることができるのです!
ここでアントリーニさんが紹介してくれたのが、戦車にエアリフターとブースターを発射して、空中を飛行させる様子です。
巨大な戦車が空を飛んでいる光景だけでも十分にインパクトがあるのですが、もちろん宙に浮いている状態でも、戦車としての能力は変わりません。空中を飛行しながら地上にある敵の基地を砲撃して破壊するといったことも思いのままなのです!
エアリフターで空中に浮かび上がった戦車が、ブースターの推進力によって飛行中。この状態で戦車の上に立って移動したり、戦車を操作して主砲を発射したりすることも可能です。
アントリーニさんによると、グラップリングフックのアタッチメントはさらに、カスタマイズでさまざまな機能を付加できるそうです。たとえばエアリフターにリコを追従させる機能を付加すると、空中に浮かび上がったオブジェクトが、パラシュートやウイングスーツで飛行するリコの後ろをついてくるようになるのだとか。
「たとえば」とアントリーニさんが見せてくれたのが、爆発物の入ったドラム缶をいくつも浮かせてリコの後ろをついてこさせる様子です。そして、ちょうど敵の頭上まで来た時にエアリフターを破裂させると、地上の敵にドラム缶が落下して大爆発! 本作ではアタッチメントとカスタマイズの組み合わせによって、こんな遊びが自由自在に実現できるのです。
▲エアリフターでドラム缶を引き連れて移動したリコが、地上を爆撃! どのタイミングでエアリフターを破裂させるかといったことも、カスタマイズにより操作できるそうです。 |
しかもこうした遊びはあらかじめ用意されたものではなく、あくまで物理演算によって実現していることを、アントリーニさんは強調していました。
「たとえばこの敵のレーダーは、カタパルトのような形をしていますよね」と語ったアントリーニさんは、このレーダーの先端にグラップリングフックのワイヤーで自動車をつなぎました。
この状態でさらにレーダーの先端をグラップリングフックで引っ張ってしならせた後、それを解除すると、まるで投石器で発射されたかのように、自動車が投げ飛ばされていきました。もちろんこうしたユニークなアクションも、物理演算によって生み出されたものです。
クレーンのように伸縮するレーダーに、ワイヤーで自動車をつなぐと、カタパルトのように投げ飛ばすことができます。本来は破壊する目標である建物や設備も、アイデア次第でユニークな遊びに利用することができるのです。
「プレイヤーの皆さんに物理の法則を使って、クリエイティブに楽しんでもらいたいんです」とアントリーニさん。オブジェクトとアタッチメントを組み合わせて複雑でおもしろいアクションを作ることができたら、その様子を実況動画でシェアする人も出てくるはず、と期待しているそうです。
『ジャストコーズ4』で新たな遊びを生み出しているのは、グラップリングフックのアタッチメントだけではありません。激しい気候の変動も、本作で新たに登場した要素です。
本作が最初に発表された“E3 2018”では、マップ上に巨大な竜巻が発生して、地上の建物を破壊したり、自動車を空中に舞い上げたりする様子が紹介されていました。
「リコがパラシュートやウイングスーツで空中を移動する本作では、風は重要な要素です」とアントリーニさん。しかし、本作では竜巻のような自然の風だけでなく、人工の風も利用できるとのこと。
たとえば建物の換気扇から吹き出す風を使って、リコが空中に舞い上がることも可能です。さらに“ウインドガン”と呼ばれる新武器は、文字通り風を起こすことのできる銃です。この銃を使って敵を吹き飛ばすだけでなく、パラシュートで浮かんでいる状態でこの銃を発射すると、巻き起こった風を推進力にして移動する方向を変えたりすることができるのです。
上記画像でリコが手にしているのが、新武器のウインドガンです。ちなみに本作では、ウインドガンをはじめとするすべての銃にセカンダリーショットが用意されており、2種類の攻撃を使用できます。
また、気候の変動は竜巻だけではありません。アントリーニさんは今回、激しい雷が発生する光景を紹介してくれました。この雷は一番高いところにあるものを狙うようにして落ちてくるため、高所にいる際はすばやく飛行して避ける必要があるとのこと。映像では、敵のヘリコプターに雷が落ちて爆発する様子も確認できました。
▲空が真っ黒な雲に覆われると、強烈な落雷が発生! 雷に打たれてしまうと、当然ながら大ダメージを受けることに……。 |
アントリーニさんは「天候が変化すると、マップ自体は同じでも、ゲームが変化します」と話しました。通常のゲームプレイに、強風による動きの変化や落雷のスリルが加わることで、新たな楽しみを味わえるようになるわけです。
こうした激しい天候によるプレイ感覚の変化も、物理演算をはじめとするゲームの複雑な要素が絡み合って、その瞬間だけで生み出されるリアルタイムなものであることを、アントリーニさんは強調。「エクストリームな環境で、いろいろな実験にチャレンジしてほしい」と語っていました。
ここからは、アントリーニさんが取材陣からの質問に回答することに。「シリーズ1作目の舞台だった南米が、本作で改めて舞台となった理由は?」との質問に対しては、「ストーリーにより深みを出したいと思いました」との答えが返ってきました。
過去作で主人公やリコは、仲間のキャラクターや民衆のために戦ってきましたが、本作ではリコ自身のために戦う理由が用意されているとのこと。故郷の南米に帰ってきたリコは、今回、自分の父親の濡れ衣を晴らすために戦うことになるのだそうです。
また、「本作はシングルプレイ専用とのことですが、将来的にマルチプレイに対応する予定は?」との質問に対しては、「マルチプレイ自体は自分も好きなんです」との回答が。
ただ、本作はこれまで説明してきたように複雑な物理演算を駆使しているため、まずはシングルプレイでゲームの基礎を固めることに専念したかったとのこと。「過去作のようにPC専用のMODでマルチプレイに対応することは将来的に可能かもしれませんが、コンシューマでは難しいかもしれません」と語っていました。
最後に日本のファンに向けてのメッセージとして、「いろいろなことを延々と試してみて、結局はゲームがあまり進んでいないというのが、『ジャストコーズ』ではよく起こるんです(笑)」と、ユニークなエピソードを話し始めました。
「でも、何も達成してないのにもかかわらず、すごく満足感が得られることが本作なんです。爆発や破壊はもちろんですが、この世界の中で物理演算を使ってどんなことができるのか、そしてそれがどんなに楽しいかをぜひ追求してみてください」と語り、プレゼンテーションを締めくくりました。
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