前野智昭さんのリアルな現在の心境とは。インタビュー企画“KEY”連載2回目
対象者のパーソナルな部分をひも解いていく、オリジナルインタビュー企画“KEY”。前回に続き、前野智昭さんの内面に迫っていきます。
今回は“現在”がメインテーマ。今というテーマだからこそ、等身大の前野さんの姿がそこにはありました。
■第1回目:ガルスタオンラインオリジナルインタビュー企画“KEY”始動。記念すべき第1回目は前野智昭さんの記事はこちら
■トークテーマは“過去”“現在”“未来”の3つ。
■BOXからワードの書かれたカードを引き、テーマと掛け合わせて語ってもらう。
インタビュアー・原 常樹さん:数多くの取材を担当しているライターさん。モンジェネおじさんとしても大活躍。前野さんとも旧知の仲。
マネージャーSさん(以下マネ):前野さんをデビューのころからよく知るマネージャーさん。大人気な前野さんの日々のスケジューリングを華麗にこなす。
横手さん(以下横手):前野さんのメイクをよく担当しているメイクさん。ガル天で大好評のふわふわ前野さんは、この方の魔法の手によって生み出される。
編集A(以下編集):ガルスタ編集部在籍歴7年目に突入した編集。1人でも多くの女子を笑顔にしたいをモットーに日々奮闘中。ブラックコーヒーがお友だち。
──さて、ここからは前野さんの現在、近況にスポットライトを当てたいと思います。最初のキーワードは「Sweet(甘いもの)」です。
前野:甘いものはあんまり食べないですね。
編集:じゃあ好きなケーキは?
前野:ショートケーキ! そういえば料理にハマっていたころはチーズケーキなんかを作っていたりもしたんですが、今は家に砂糖もありません。甘いものが好きなキャラクターを演じるときは、それに合わせて人工甘味料でちょっとコーヒーを甘くしたりすることはあります。
──役に合わせて気持ちをトレースする?
前野:そんな感じですね。『うたの☆プリンスさまっ♪』のQUARTET NIGHTのライブ用に映像を撮るときに、甘党のカミュに合わせて、コーヒーに角砂糖を10個ぐらい入れて飲んだこともありましたが、さすがに口の中がジャリジャリしてトラウマになりかけました(笑)。
僕にとって甘いものは果物ぐらいで十分。実家から毎年のように梨とそら豆を送ってもらえるので、ありがたくいただいています。
──次は「Rain(雨)」です。
前野:基本的に僕は雨男。雨の予報が出ているときは車で移動するようにすることが多いんですが、ゲリラ豪雨だけはどうにもならないですね(笑)。
先日も2時間ぐらい仕事と仕事の隙間ができて「家に荷物を置きに帰ろうかな~」と家に戻ったところで雷雨にあってギリギリでした。ゲームの台本をもらった帰りだったので、危なかった……。僕らは外を移動する時間も多いんで、わりと雨に遭いやすいです。マネさんとかこの前の日、大変だったんじゃ?
マネ:ちょうどその雨の日はどの駅からも15分ぐらいかかるスタジオだったので、傘で荷物を濡らさないようにするのが大変でした。全身はびしょ濡れになりましたけど。
前野:台本もそうだし衣装もそう。撮影の前なんかはかなり大変です。ヘアメイクさんもいますし、僕自身は濡れても大丈夫なんですけど(ヘアメイクの横手さんの方を眺めつつ)。
横手:そうですね。前野さんは乾かせばなんとかなりますから(笑)。
前野:某作品では「雨の日だっていいことはある」みたいなセリフもありましたが、お仕事的にはいやなことしかありません(笑)。なるべく降らないでほしいです。
──雨は天敵なんですね。さて、次は「Television(テレビ)」。
前野:基本的にはプロ野球中継を観ています。あと、先日『ダウンタウンなうはしご酒!』は普段から好きなので、先日、野沢雅子さんが出演されていたのはビックリしました。
もちろん、アニメも音や絵が完成したものを観るとだいぶ印象も変わったりしますから自分の出演作はチェックするようにしています。ただ、自分が顔出しをしている番組を観るのは苦手で……。
──『鳥海浩輔・前野智昭の大人のトリセツ』もですか?
前野:はい。映像チェックで事前に確認はしているんですが、リアルタイムで自分の顔がテレビに映るっていうのはまったく慣れません。なんか違和感があるというか(笑)。ですがまぁ、声優がこうやって普通に顔出しで活躍できるような時代というのはありがたいことだと思います。
以前にNHKの『双方向クイズ 天下統一』に出演させていただいたときもものすごい勉強になりました。僕らの世界は役者といってもイベントでもない限り楽屋のない世界なので、ほかの名だたる出演者の方々がわざわざ挨拶をしに来てくださったのは恐縮でしたね。
──次は「Zenith(頂点)」。すごいワードが出ました。
前野:現在の頂点? 現時点ではまったく頂点とは無縁です(笑)。頂点を取りたいというのとはまたちょっと意味合いが違いますが、将来のビジョンについて考えることはあります。同世代の役者でも先のことを考えて活動している人は尊敬できますし。後進の育成のことを考えたり、事務所からの独立を視野に入れていたり、そういうことを語り合えるぐらいの年齢にはなりました。
──独立ですか?
前野:僕はあんまり起業してどうこうしようとか考えるタイプの人間ではないです、ということは事務所にも話しています。将来どうなるかはわかりませんが、現時点ではまだ後進の育成について回ることも考えていないので、当面はプレイヤーとして現場でがんばりたいなと。
マネ:事務所と役者との間ではよくそういう話をしますよ。
前野:あらかじめ話しておかないと後から何かあったときに大変ですから。個人的な印象ですが、タレントや役者は多少なりとも野心があった方がいい気はするんです。ただ僕の場合は、それが独立とか起業とかそういう方向じゃなくて別の方向に向いているという感じでしょうか。
──“現在編”も次がラストのお題です。「NOW(現在)」ですか……。
前野:現在の今ということはインタビューしている状態っていうことですかね。今回はいつもいろいろなお仕事でお世話になる顔なじみのスタッフさんばかりなので、すごくリラックスしています。変なことを言っても言われても大丈夫だな~とか。
──とくに変な話題はまだ出ていませんが(笑)。
前野:それぐらいの気持ちということで(笑)。長年この仕事を続けていて、顔なじみのスタッフさんも増えましたし、現場で戦うことも減りました。以前は横手氏と前髪のことで戦ったりもしていたのに。
横手:ありましたね! あのときは「クリンとさせた方がいい!」って主張したんです。やっぱり男性のメイクに入るときは、姿を見た女子に恋をしてほしいぐらいの心持ちで入るので“女性目線だとこっちの方がいい”と意見が食い違った場合はバトルになることもあったりはします。
前野:異性と「かっこいい」や「かわいい」の基準は違うことはわりとよくありますからね。
横手:でも前野さんは、ファンの方に「その髪型いいです」と言われると素直にやってくれるので、そこはすごいと思います。
前野:ええ。だって、喜んでくれる人がいるならがんばりたいじゃないですか。
──髪型ではありませんが、前野さんはメガネをかけた姿が見たいという方と、メガネをかけない方が好みだという方で意見が割れているという話を聞く気がします。
前野:『声優グランプリ』さんの方で『まえののえま』という連載をさせていただいているんですが、わりと半々ぐらいのペースのような気がします。編集さんも「どちらの意見も聞く」とおっしゃっていましたし。皆さん、いろいろと考えて僕の良いところを引き出そうとしてくださるのは本当にありがたいし、おかげで僕も毎日楽しくお仕事をさせていただいてます。
“現代”編は以上となります。次回はラストテーマ“未来”にスポットを当てたお話をうかがいます。お楽しみに☆
インタビュアー:原 常樹
ヘアメイク:横手寿里
撮影:編集部