2018年10月8日(月)
アニメ&ゲームで展開する『あかねさす少女』。本作のキャラクター原案を手がけた桂正和さんへのインタビューを掲載する。
『あかねさす少女』は、アニマックス開局20周年記念作品として、TVアニメとゲームで展開する。シナリオ原案を打越鋼太郎さんが、キャラクター原案を桂正和さんが浅田弘幸さんと共同で担当するなど、豪華スタッフの起用が話題となっている。
桂さんには、メインヒロインを制作した際のエピソードについて語っていただいた。同作品を見ている人だけでなく、同氏のファンもぜひチェックしてもらいたい。
――最初に本作の設定をお聞きした時の印象をお聞かせ下さい。
キャラについていろいろな指定があったのですが、どういうストーリーになるのかは、まったく想像できませんでした。そのため、TVアニメが始まるのが楽しみですね。
――キャラクターのデザインは、テキストの設定を見て、そこからイメージを膨らませていったのでしょうか。
そうですね。いただいたト書きを参考にしました。また、いちど監督にお会いする機会があり、その時に説明を受けたり要望を聞いたりしたりしました。
――監督からの要望はどんなものがありましたか?
ヒロインである明日架の髪型ですね。「ポニーテールにしてほしい」と強くお願いされました。ただ、普通のポニーテールだと個性を出すのが難しいと思い、前髪を丸みが帯びたものにしてショートボブに見えるようなデザインにしました。その後、もう少し特徴を付けたいと思って大きなリボンも入れることにしました。
――以前に行った監督のインタビューでも「外見を見ただけで性格や動きを想像できるキャラクターにしてほしいとオーダーしています」と語られていました。
そうですね。その点については自分も監督のこだわりを感じました。シルエットでわかるように心掛けてデザインしましたが、複雑にするとアニメーターさんが描きづらいかなと思って、シンプルにできるところはシンプルにしています。他には「体型にむっちり感が欲しい」とも言われましたね(笑)。
――むっちり感ですか(笑)。
この年ごろの女の子を表現したかったんですかね。他の要望として『D・N・A2 ~何処かで失くしたあいつのアイツ~』のころの絵柄にしてほしいというのもあり、なるべく近くなるように心がけました。
――昔の絵柄に戻すのは難しいのでは?
難しいですね、絵柄は変わっていくものですから。等身やデフォルメの具合を当時と同じぐらいになるように意識しました。あとはキャラの“目”ですね。当時のように大きくなるように心がけました。
――5人の少女たちはひとりずつ順番に描かれたのでしょうか?
そうですね。基本はひとりずつデザインしていったのですが、全体のバランスを見ながら調整もしました。
――デザインに時間がかかったキャラクター、逆にすんなりイメージできたキャラクターは誰でしょうか?
優は少し苦労しましたね。監督からは「全員が印象に残るキャラクターにしてほしい」とお願いされましたが、彼女はメガネをしているし、どうしても地味になってしまうと感じました。個性を出すのがちょっと難しかったです。あと、みあも普段の自分が描く外国人とは違うタイプなのでイメージを掴むのに苦労しました。
描いていて楽しかったのは奈々ですかね。奈々は指定されていた靴と、自分がイメージする靴が異なったので、2パターンほど提出しました。
――普段も資料の内容からデザインを変更することはあるのでしょうか?
それがわたしの仕事であると思っています。100求められているところを、こちらでアイデアを加えて120にして戻す。ただ、この『あかねさす少女』はキャラクターのイメージが制作側で固まっていたため、こちらでイマジネーションをふくらませる必要はあまりなく、やりやすかったです。
具体的に変えた部分といえば、先ほどの靴とソックスです。テキストの資料では奈々がニーソで、みあが短い靴下だったのですが、ギャルにニーソは似合わないかなと思って逆にしました。
――ご自身の漫画作品でキャラクターを生み出す時と、アニメのキャラクターをデザインする時では、感覚は違いますか?
まったく違いますね。漫画はアドリブで描くことが多いです。それに対して、アニメのキャラデザであれば、デザインをスケッチして書き出しますし、パターンも多く用意します。スケッチと言っても現在はiPadで作業するようになりましたが。
――今回は制服も桂さんがデザインされているとお聞きしました。
はい。リアルでも着れるようなものを意識して作りました。色まではお願いされていなかったのですが、キャラのイメージカラーとのかぶりをなくすことを加味してグレーに色づけしてデザインしました。
――PVでキャラクターが動いているところはご覧になりましたか?
予想以上にアクションが激しくてビックリしました。先にその雰囲気、展開を知っていたらデザインが変わっていたかもしれません(笑)。ただ、先ほどの話ともかぶるのですが、他の作品でデザインをする時は何も決まっていない状態から絵を描かなければいけないことも多いので、細かい指示をいただくことができた本作はとてもイメージしやすかったです。
――作中にはさまざまなパラレルワールドが存在しますが、どんな世界にいってみたいですか?
もっと自分に体力がある世界にいってみたいです。ヒーローになって悪いヤツらを倒してみたいですね(笑)。
――明日架たちは“鉱石ラジオ研究会”のメンバーですが、学生に戻れるとしたらどんなサークルに入りたいですか?
学生のころは美術部でしたが、コンピュータで音楽を作れる部活に入りたいですね。編曲に興味があるので本格的に勉強したいです。
――『あかねさす少女』ではよく“ちくわ”がフィーチャーされますが、好きなちくわ料理やオススメのレシピなどがあれば教えてください。
普通かもしれませんが、中にキュウリを入れたものが好きです。おいしいですよね(笑)。
――最後に『あかねさす少女』の注目してもらいたいポイントを教えてください。
制服にも注目してほしいです。先ほども言ったように現実にあってもおかしくないデザインにしているうえに、色のバランスだったり、ボタンのようでいてファスナーになっていたりと細かいところまでかなり凝っています。キャラクターだけでなく、そちらもぜひ楽しんでください。
――本日はありがとうございました。
■アニメ『あかねさす少女』作品概要
【放送情報】
TOKYO MX:毎週月曜日 22:30より放送中
読売テレビ:毎週月曜日26:29より放送中
BS/CSアニマックス:毎週月曜日19:30より放送中
AbemaTV:毎週月曜日 23:00より放送中
他
【キャスト(敬称略)】
土宮明日架:黒沢ともよ
灯中優:Lynn
みあ・シルバーストーン:東山奈央
七瀬奈々:小清水亜美
森須クロエ:井上麻里奈
橘田蔵人:平川大輔
谷治雄大:山口太郎
千波トモヤ:河西健吾
迫間仁:大塚明夫
氷石紗呂:勝生真沙子
ホワイトゴート:宮本充
月見里真結希:楠木ともり
桜賀輝:河瀬茉希
松朱子:鈴代紗弓
大久保大地:久保田梨沙
アニー真楠田:久保ユリカ
土宮今日平:桑島法子
虻田四億:清川元夢
【アニメメインスタッフ(敬称略)】
監督:玉村仁
シナリオ原案:打越鋼太郎
シリーズ構成:ヤスカワショウゴ
キャラクター原案:桂正和
コンセプトアーティスト・キャラクター原案:浅田弘幸
キャラクターデザイン:原田大基
メインテーマ作曲:伊藤賢治
音楽プロデューサー:Ryu☆
他
【アニメ主題歌(敬称略)】
オープニングテーマ:『ソラネタリウム』/歌:MICHI(10月24日発売)
エンディングテーマ:『壊れかけのRadio』/歌:和島あみ(10月24日発売)
【ゲームプロジェクト主題歌(敬称略)】
主題歌:『いけない世界』/歌:MICHI
(C)Akanesasu Anime Project
(C)Akanesasu Game Project
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