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2018年11月30日(金)

『オルサガ』第三部完結記念特集。外伝&騎士伝を通して紡がれる歴史の裏側をチェック!

文:ライターM

 セガゲームスが配信するiOS/Android用アプリ『オルタンシア・サーガ ‐蒼の騎士団‐(以下、オルサガ)』。本作のメインストーリー第三部の完結を記念した、特集連載企画の第4回をお届けします。

『オルサガ』第三部完結記念特集

 現在『オルサガ』では、第三部“終章前編”までのシナリオが公開中。因縁の宿敵と共闘し、ついにダーイラ帝国皇帝・アスルへと肉薄する主人公――ヒロイックサーガならではの盛り上がりは、最高潮を迎えています。しかし、配信開始から3年半を経たロングランタイトルともなると、小休止されている方もいることでしょう。

 電撃オンラインでは『オルサガ』第三部のクライマックスを徹底的に楽しむべく、キャラクターの掘り下げやストーリーの振り返り記事などを、短期集中連載という形でお届けしています。

 特集の1回目2回目は、主要キャラクターの魅力を第三部での各勢力の実情なども交えて紹介。3回目では、第三部までのストーリーをダイジェストで振り返りました。第4回では、本編だけでは味わい尽くせない歴史の裏側まで、外伝や騎士伝の内容を織り交ぜつつ、振り返っていきましょう。

【注意】記事の内容は『オルサガ』のストーリーに関するネタバレを多分に含んでおりますので、ご注意ください。

『オルサガ』第三部完結記念特集記事

過去の『オルサガ』プレイバック記事

オーベル騎士団との別離

 解放軍を語るうえで欠かせないのが、ラビやファイザ、ドルフ兄弟など、かつてオーベル騎士団に身を置いていた騎士の存在です。

 ラビとファイザは騎士団を去った理由を「ダーイラ所縁の者として、疑惑の視線を向けられるのは耐えられない」とも告げていますが、オーベル騎士団へ向けられるかもしれない嫌疑の火種を消しておきたいというのが最大の理由でした。

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▲特にファイザの場合は憧れをもってオルタンシアを訪れ、ダーイラ人であることも厭わず受け入れてくれたオーベル騎士団を離れることに無念の思いもあったのでしょう。

 ギルバードの口利きで事なきを得たものの、カメリア国境付近ではあらぬ疑いをかけられるひと幕も……。オルタンシアがダーイラと事を構えようとしている時期に越境など、故郷の危機に馳せ参じようとしていると疑われても無理からぬ話です。

 そんな2人が帝国領内でダーイラ人同士の小競り合いを仲裁したところ、奇しくも解放軍を助ける形となってデフロットやロイと合流するのですから、数奇な運命というほかありません。

『オルサガ』第三部完結記念特集
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▲「魂はすっかりオルタンシア人」や「何かをしたいという思いは、身体じゃなくて心が決めること」というフレーズが、なんとも2人らしい清々しさを感じさせます。

 ジャンヌやランディなど、主人公と行動を共にしてきた歴戦の騎士たちもそれぞれの目的のため立ち去ってしまいます。そんな中、数少ない癒し(?)となったのが“ドルフ兄弟”ことルドルフ&チェドルフの2人。

 彼らの場合はなんとなくカッコイイからという理由の退団で、予想に反して引き留められなかったため、やむなく騎士団を去ったというトホホな結末に(笑)。

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▲シリアスが続いたところでのこの展開、モーリスでなくとも吹き出してしまいます。

名匠ギュスターヴの鎧をまとう3人

 オリヴィエの陥落から奪還に至るまでの課程で押さえておきたいのが、呪鎧をまとったメビウスとシグマの活躍で、外伝では彼らの鎧に関する出自も詳しく描かれます。

 いわく、かつて英雄たちとは異なる手段で世界を救おうとした名匠ギュスターヴがマゴニア世界から持ち帰った3つの鎧であることや、“悪しき者どもを討つ”という目的から外れたときは、他の鎧がそれを討つという呪いで縛られていることなども明かされました。

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 皇帝アスルがまとっていたのは、3つの鎧の中でも最高傑作とされる“支配者の鎧”で、装着者の器に応じて性能が強化されるというから、組み合わせとしてはまさに最凶最悪。シグマとメビウス、2人の呪鎧の力を合わせてどうにか打ち砕いたものの、アスルの桁外れな“器”の大きさが窺えます。

 なお、オリヴィエの港でメビウスが庇った紅獅子傭兵団のフレデリカについて「どんなキャラだっけ?」と忘れている方は、メビウスとの出会いが描かれている第二部 5章あたりを読み返してみるといいでしょう。

書物から紐解かれる歴史の真実

 オリヴィエ奪還後、本編ではオーベル騎士団がダーイラ帝国へと潜入していく様子が描かれます。ここで触れておきたい外伝として、王都の図書館での一件があります。

 ダーイラ帝国の歴史書を手に入れたウィルとヴェラは、“群体神霊”やアルシャムス王国の歴史の真相に迫っていました。

 いくつかの手がかりをつなぎ合わせた結果、「オルタンシアの初代国王カエサルに命を狙われた王弟ユリウスが、禍々しい“群体神霊”の力をもってアルシャムス王国を滅ぼしてダーイラ帝国を建国した」などと、オルタンシアに伝わるものとは異なる歴史の存在を嗅ぎつけて、真実を知るラクロワを狼狽させます。

 相変わらず無謀な対抗意識を燃やすヴェラの姿は微笑ましい限りですが、底抜けの探求心って恐ろしい……。

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 ちなみに、アルシャムス王国の運命については十五章の外伝で当事者である皇帝アスルの口から語られていたりします。長年オルタンシアへの復讐を画策してきたことや、なぜ700年もの時を経て行動を起こしたのかなど、興味深い理由も明かされました。

物語の舞台はダーイラ帝国領内へ

 オリヴィエ奪還やグラナダ陥落についてはこれまでにも触れてきたので、ここからは解放軍として行動する主人公たちがアルマースと接触して以降、拠点の1つであるサディークを起点としたエピソードに注目します。

 少し流れを整理しておくと……。

・アルマースが聖遺物の欠片を奪ったことで皇帝への裏切りが決定的となる。
・アルマースの弟子・エロディが解放軍と接触。
・マフムード率いる金獅子隊がサディークを襲撃。
・隊長マフムードとの対決により形見の剣が破損。
・皇帝の勅命によりダーイラ軍が完全撤退。
・アルマースの案内でアルシャムス遺跡を訪れ、歴史の裏側を知らされる。
・ひび割れたフェルナンドの形見の剣を修理するべくマンジャム集落へ。
・皇帝アスルの命により、ダーイラ辺境民への粛清開始。
・ダーイラ軍がサディークへ再度侵攻。
・スレヴィ王子ら連合軍が介入し、解放軍は防衛戦に辛勝。
・ダーイラ帝都へ進軍開始。

 といった具合に怒涛の展開を見せます。

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 その裏側では、聖遺物を狙っていたディディエが返り討ちに遭い、ついに皇帝アスルはふたつの聖遺物を手中に収めます。

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 破損してしまった剣の修理をめぐっては、主人公に好意を抱く少女ミリュエとの出会いや、刀鍛冶として成長を遂げたロッゾやルフェーブルの活躍もありました。それらを差し置いてなお印象的だったのは、とある丘で再びマリエル王女に忠誠を誓う主人公の姿です。

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 これは第一部で描かれた夕日の丘での誓いと被る、主人公とマリエル王女の深い絆を象徴する名シーンの1つ。今回は傍観者の視線もあったようで、その後のロッゾとミリュエのやり取りでは、主人公とマリエルの間に入り込む余地がないとあきらめる、ちょっと切ないエピソードも見逃せません。

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▲戦記物然とした展開が続く中、ふと癒しのように織り込まれる色恋沙汰。これまでの妹VS王女といった笑いの要素はなく、ストレートに少女の儚い失恋が描かれるため思わず泣けてしまいます。

ダーイラ皇帝に弓引く者たち

 規模を増して同盟軍となった主人公が帝都まで迫ったところで待ち受けていたのは、虜囚となったはずのフレーゲルとの対決と、金獅子隊を率いるマフムードの叛乱でした。

 本編を集中して進めていた人にとっては「なにごと!?」という感じですが、フレーゲルとマフムードの因縁めいた背景は、15章の外伝やマフムードの騎士伝で厚く描かれています。

 帝国最強を誇るマフムードが唯一勝てなかった敵、オルタンシアにその名を轟かす不死身の英雄バルトハウザー。2人が刃を交えたのは聖権奪還戦争以前、762年のセルマン山脈攻防戦まで遡り、ルギスに手を貸したバルトハウザーの圧倒的な強さが描かれています。

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 バルトハウザーの戦死によって再戦は叶わなかったものの、マフムードの心にはかの騎士の鋭い眼光や気迫が刻み付けられていました。

 そして十数年後、忘れ得ぬ気迫をフレーゲルに見出したマフムードは、アルマースの語っていた“惨劇を止める者”ではないのかと問いただします。かくしてフレーゲルは「自分ではないが、惨劇を止め得る者が誰なのか心当たりがある」という言葉を証明すべく、マフムードが見守る中、主人公と刃を交えることとなるのです。

『オルサガ』第三部完結記念特集
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 ゲームとしてはフレーゲルとの対決に続き、マフムードとの一騎打ち、さらに彼の右腕である将軍ウルビという手ごわいボス戦が続いたのは記憶に新しいところ。

 ここからは前回触れたアルマースとラエドの師弟対決を経て、決戦の部隊となる帝都へと肉薄。主人公たちは使徒の力によって傀儡と化したマフムードやウルビとの戦いを仲間に託し、居城で待ち受けるダーイラ皇帝アスルと対峙します。

 2つの聖遺物と融合して消えた守護聖獣クーは二度と戻らないのか、瞳に“聖王の証”を宿したシャルロを待ち受ける運命はなど、数々の謎と伏線を抱えつつ、第三部は終章後編へと突入していきます。

(C)SEGA / f4samurai

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