2018年12月5日(水)

『バイオ RE:2』再考証されたストーリーとこだわりの演出に感動! こちらを探すタイラントは新たな脅威に

文:Z佐藤

『バイオハザード RE:2 Z Version』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。

 カプコンから、2019年1月25日に発売されるPS4/Xbox One/PC用ソフト『バイオハザード RE:2』、『バイオハザード RE:2 Z Version』。本作をプレイしたレビューを担当ライターのZ佐藤がお届けします。

『バイオハザード RE:2』

 本作は、サバイバルホラーゲーム『バイオハザード2』のすべてを一新したタイトル。キャラクターや背景の構成の他、物語も一から再考証が行われており、まったく新しい“恐怖の惨劇”が繰り広げられます。

『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』

 先日大阪・カプコンにて、メディア向けの体験会が行われ、レオン編とクレア編の一部をプレイすることができました。その手ごたえを交えつつ、新たな見どころについて解説していきます。

グラフィックの向上で臨場感と“恐怖”体験は最大に!

『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』
『バイオハザード RE:2』

 『バイオハザード RE:2』の開発には、『バイオハザード7』で高い評価を得たゲームエンジン“RE ENGINE”を採用。『バイオ7』の開発経験を踏まえて進められていることもあり、迫真のフォトリアル世界の中で圧倒的な没入感が得られるのはもちろん、ゲーム自体の作りもより熟成されたように感じられる完成度になっています。全体的な造形のリアリティは、凄まじいの一言では片づけられないレベルです。

『バイオハザード RE:2』
『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』

 静まり返った警察署内の通路を歩いたり、ドアを開けたり、階段を上ったり……そのような動作の1つ1つをプレイヤー自身がその場にいるかのように感じながらプレイできました。屋外には雨が降っていて、歩くと服が濡れて、雫が滴り、さらにプレイヤーキャラが水滴をはらうというアクションとボイスが入ったりすることで臨場感を増幅してくれます。

『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』

 クリーチャーの造形では、とにかくゾンビがフレッシュ&ジューシー! ハンドガンで撃つと、その部分の衣服に血がにじんだり、体組織が破壊されたりして、ものすごくリアルでした。画面にアップになった時には、直視するのに勇気がいるほど生々しく、この完成度は20年以上の歴史を持つ『バイオハザード』シリーズの中で、間違いなく“最凶”のクオリティです!

『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』

 生々しいといえばリッカーも外せません。表皮がテカテカ・ヌメヌメした感じで、筋繊維やら脳のシワやらがクッキリと見えちゃっていて、こちらも脱帽モノの化け物っぷりでした。

『バイオハザード RE:2』

 化け物といえば、トラウマになっている人も多いかも知れませんが、原作とは違ってどこまでも追いかけてくるタイラントにも遭遇しました。自分のイメージとしては、もう少し頭から顔にかけてさっぱりしている印象でしたが、今回のタイラントは顔にシワが描かれ、死んだ魚のようなゾクッとする瞳がしっかりと見えています。

『バイオハザード RE:2』

 また、コスチュームが軍服のような姿から一般的なロングコートっぽいデザインになっていて、メチャクチャ強いんですけど、歩く姿がカッコイイです。じっくり見ていると、グングン近づかれて軽くぶっ飛ばされますけど(笑)。

再考証されたストーリーと、こだわりの演出に期待!

『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』

 ストーリーやキャラクター設定は、改めて1から再考証。新たに構築されたラクーンシティで、懐かしくもまったく新しい恐怖の惨劇を体感することができます。本筋は『バイオハザード2』に沿った展開で、ラクーンシティの市街地でパンデミックが発生。

『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』

 赴任先のラクーンシティ警察署へ向かう新人警官レオン・S・ケネディと、特殊部隊隊員である兄の安否を確かめるため、ラクーンシティへと向かう女子大学生のクレア・レッドフィールドが、状況を確認しつつ、脱出を目指します。

『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』

 ですが内容的には、キャラクター同士の出会い方がよりドラマチックに演出されていたり、新たなシーンが追加されていたりと、見ごたえたっぷりに作り上げられています。特に印象深い場面としては“ガンショップKENDO”でのデモシーン。

『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』

 原作では少し言葉を交わす程度でしたが、まるで映画や海外ドラマのワンシーンを見ているような、緊迫感あふれる展開になっています。登場キャラクターが増えていて、“突如発生した惨劇の被害者”という部分がクローズアップされた印象で、思わず見入ってしまいました。

レベルデザインにもこだわりがギッシリで、驚きと新発見が満載!

『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』

 ストーリーと同様に、建物のデザインは『バイオハザード2』を踏襲していますが、新たな通路や仕掛けなどが多数追加されています。原作をプレイしている人は昔を懐かしみつつ、新しさも味わいながら探索できると思います。実際のところ、あらかたクリーチャーを倒してから建物をひと回りしましたが、「あぁ、あの通路が、こうなって……」とか、「ここで追い詰められたっけ」といった思い出がよみがえってきましたし。

『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』

 例えるならば“子どものころに入ったことのある遊園地のお化け屋敷が、現在の技術でリニューアルされたと聞いたので行ってみた”的な感覚でしょうか。

 それと、かなりビックリしたのが、警察署のホールにゾンビやタイラントが入ってくること。原作と同じくデータをセーブするタイプライターがありますが、タイプライターがある場所でも完全に安全な場所と、そうでない場所があるようです。

『バイオハザード RE:2』

 あと、ゾンビやタイラントは扉を開けて入ってきます! ただタイラントは身長が高いため、一般的なサイズの扉を通ろうとすると確実に顔をぶつけそう。ならば入ってこないだろうと思っていたら、なんと扉を開けたあと、頭を下げて入ってくるからもう大変! まったく油断できない相手になっています。

レオン、クレア、そしてエイダを操作して危険だらけの街へ

『バイオハザード RE:2』

 操作方法は、初期状態の場合、以下のようになっています。なお、ボタンはPS4版のもの。

左スティックで移動(押し込みながら倒すと走る)
右スティックでカメラ操作
方向キーの上下左右で装備変更
〇ボタンでアクション
△ボタンでステータス画面を開く
□ボタンでリロード
左スティック↓+×ボタンでクイックターン

メインウェポンとなる銃火器は、L2ボタンで構えてR2ボタンで射撃
サブウェポンは、L1ボタンで構えてR2ボタンで使用
タッチパッドボタンでマップを開く

 オーソドックスなもので、変更しなくても快適に操作できました。ただ、他にも操作タイプは用意されているので、お好みで選べます。

 レオンのハンドガンとして“マチルダ”が登場しているのは懐かしかったです。カスタムパーツの“バーストストック”と組み合わせると3点射撃が可能に。さらに、跳ね上がりを抑え、命中精度を上げる“マズルブレーキ”、装弾数を増やす“ロングマガジン”を装着できるなど、銃器のカスタマイズも幅広く楽しめそうです。

『バイオハザード RE:2』

 また、“コンバットナイフ”は緊急回避用のアイテムですが、サブウェポンとして装備することも可能。ただし、何度も使っていると耐久度が減少し、最終的には失われてしまいます。

 その他に“ガンパウダー”と“強化火薬”の組み合わせ方によって、ハンドガンの弾やショットガンの弾などが作成できました。もちろん“グリーンハーブ”、“ブルーハーブ”、“レッドハーブ”の組み合わせは可能です……が、本作では“ブルーハーブ”と“レッドハーブ”を組み合わせることで、一定時間防御力がアップするという効果に! 詳細な時間は記しませんが、効果時間はわりと長めのため、強敵と戦う時には重宝しそうです。

『バイオハザード RE:2』

 あと、エイダといえば秘密兵器のイメージがありますが、エイダを操作するパートでは“EMFスキャナープロジェクター”というものが登場します。これは微量なEMF(電磁界)を検知して、隠れた配線を壁に投影する装置で、特殊な干渉波で一部の機器を遠隔操作することも。これをうまく使って、先に進む場面も用意されているので、お楽しみに!

『バイオハザード RE:2』
『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』

 また、最初に公開されたエイダはコートにサングラス姿で、なじみのない見た目でしたが、コートを脱いでサングラスを外した彼女は、皆の連想するであろうエイダでした。そして、個人的にはものすごい美人だと感じました!

ゾンビが怖いし強いし、なかなか死んでくれない(すでに死んでいますが)

『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』

 クリーチャーとの戦いですが、今回のゾンビはマジで怖くて強いです! 生気を感じられないゆら~~っとした歩き方もコワイですし、うめき声もかなり不気味でドキッとさせられますし、胴体を撃ってもなかなか倒れませんし、横を通り抜けようとしても捕まる可能性が高いです。地面に倒れても活動中だと“ガシッ!”と足をつかまれたり、場合によっては足からグイグイと体をよじ登ってきて、首筋に噛みつかれたりします。

 しかもしかも! 同時に2体以上のゾンビに襲われた場合、驚異の“ツープラトンアタック(?)”が発生! 2体のゾンビにのしかかられ、めでたく“仲間入り”という事態に!! まさにシリーズ史上“最凶”の存在になっていますが、その歩き方とか、細かな挙動とか、一連のアクションに“重量”みたいなものが感じられて、その点においてもこれまでのゾンビと違いました。こちらに体重を預けてくる感じで、ググーーーーッと押してくるような。そんな印象も受けました。

『バイオハザード RE:2』

 一方でゾンビの各部位を攻撃することで、対策することが可能。手を破損させればつかまれなくなり、足を破壊すれば這いずり回り、歩いて追ってこられなくなります。頭を狙って倒すことだけでなく、各部位を狙って無力化させることも本作では重要になっていると感じました。

『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』

 あとは、脅威となるのはリッカーです。かなりタフなので、対処方法を知っていてもダメージを受けがち。しかも鋭利なツメから繰り出される一撃がとってもイタイ! 遭遇した時は、臆病なくらいがよさそうです。

『バイオハザード RE:2』

 そして忘れてはいけない相手となるのがタイラント。もちろん強さは圧倒的ですが、もっとコワイのはドンドンドンと響かせる足音。ヘッドフォンでプレイしていると、左ナナメ上のほうから足音が聞こえてきたら「隣のフロアの上の階にいる!」とか、右側から聞こえてくると「すぐ右の通路にいる!!」とか、わりとしっかり推測できるほど。

 ただ、こちらを見失うと歩くのをやめて、フロアや通路を見回してこちらを探します。そう! その時は足音がしなくなるんですよ!! 遠くに行ったのかと推測して、扉を抜けて通路に出てみると目の前にいることも!! コワイやら、パニックになるやら、ガツーンと強烈なパンチを食らうわで、アイテムボックスの中に逃げ込みたくなるレベルでした。

『バイオハザード RE:2』
『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』

 また、とある場所で“G成体”と遭遇。オリジナル版でも不気味な姿をしていましたが、その姿はさらに醜悪となり、最初に出会った際には驚きから逃げてしまったほど。ちょうど、弾数に余裕が出てきそうなタイミングだと思われますが、このように強力なクリーチャーが出てくることを考えると、そこまで余裕はなさそうです。

“怖いが楽しい”エンターテイメント作品として完成間近

『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』

 クリーチャーとのバトルについては歯ごたえを感じましたが、アクションが苦手な人のために“ASSISTED”の機能も搭載されています。この機能を利用すると照準操作がアシストされ、銃器を構えた時にクリーチャーの弱点を狙いやすくなります。さらに、大ダメージを受けてもしばらくすると体力が一定値まで回復したり、敵の強さが下がったりと、かなり進めやすくなりました。

『バイオハザード RE:2』

 まだまだ隠されている要素があると思いますが、プレイした部分の感触としては冷や汗がとまらないほどの没入感が味わえました。原作の『バイオハザード2』に引っ張られすぎるとあまり変わらない印象になりますし、かといって新しくなりすぎると原作とは違うものになりますし。その部分でかなりの試行錯誤があったと思われますが、そこが絶妙のバランスに仕上げられている印象ですね。

『バイオハザード RE:2』

 『バイオハザード2』のプレイ経験がある人はもちろん、初めてシリーズに触れる人も、『バイオハザード』ならではの恐怖体験、そして手に汗握るスリリングなサバイバル体験が満喫できると思います。ゾンビに関しても「これでもかっ!」ってほど、怖く、強く仕上げられていますので、その点を心配されている方も納得できる完成度だと感じられましたので、お楽しみに!

データ

▼『バイオハザード RE:2 DELUXE EDITION』
■メーカー:カプコン
■対応機種:PC
■ジャンル:アクションADV
■発売日:2019年1月25日
■希望小売価格:8,148円+税
▼『バイオハザード RE:2 Z Version DELUXE EDITION』
■メーカー:カプコン
■対応機種:PC
■ジャンル:アクションADV
■発売日:2019年1月25日
■希望小売価格:8,148円+税
▼『バイオハザード RE:2』
■メーカー:カプコン
■対応機種:PC
■ジャンル:アクションADV
■配信日:2019年1月25日
■希望小売価格:7,222円+税
▼『バイオハザード RE:2 Z Version』
■メーカー:カプコン
■対応機種:PC
■ジャンル:アクションADV
■配信日:2019年1月25日
■希望小売価格:7,222円+税

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