植田圭輔さん×なるせゆうせいさん×伊勢直弘さんクロストーク掲載! 舞台『pet』開幕
記憶を操る力を持ち、裏の世界で暗躍している者たち──通称「pet」。ときに彼らは、人の記憶を破壊し、廃人に追い込むような荒んだ生活を強いられていた……。
小社より原作コミックス(全5巻)が絶賛発売中、ショッキングな設定や愛憎渦巻く人間関係を描いた衝撃作、『ペット リマスター・エディション』。そのメディアミックスプロジェクト第1弾となる舞台、『pet -壊れた水槽-』が現在公演中です。
ガルスタオンラインでは、主人公・ヒロキを演じる植田圭輔さん、総合監修のなるせゆうせいさん、そして演出・脚本を担当する伊勢直弘さんの御三方のクロストークを掲載。本公演への意気込みを、お話していただきました!
原作の難しい世界観に挑む
――今回の『pet』ですが、舞台化の依頼があった際の感想は?
なるせゆうせいさん(以下、なるせ):三宅先生の作品は、舞台と相性がいいなと思っていたんですよ。だから『pet』に関しても、難しい世界観ではあるけれども舞台化をする意味はあるかなと。
伊勢直弘さん(以下、伊勢):まず世界観が難解だったので、作品を理解するのにだいぶ時間がかかりましたね。でもなるせさんも仰っているように、複雑な世界観ではあるけれどもストレートプレイとしてはとてもやりがいがあるし、楽しみだった。
植田圭輔さん(以下、植田):難しい言葉は出てくるけれど、作中で描かれているのはハートのお話じゃないですか。だから舞台における僕の『pet』のイメージって、“会話劇”なんです。人と人との会話から生まれる関係性を描いていると思います。
伊勢:作品としてキーになってくる“人の記憶の中に入り込む”という部分をどれだけショーアップできるかというところは念頭に置きつつも、一番重きを置きたいところは登場人物たちの重厚な会話劇。それをどうやって魅せるか……挑戦しがいがありますね。
――伊勢さんからありましたが、原作での記憶世界の描き方が独特なので、舞台では美術が大変そうですね。
植田:かなり色鮮やかですからね。原作コミックって“原色で殴り描き”しているような雰囲気がある。その原作の生々しさを舞台上でそのまま表現するのか、それとも最新技術を駆使して色鮮やかな世界をさらに盛り上げるのか……。役者としては、制作陣がどう魅せてくるのかが楽しみ。
なるせ:でも基本的には、メインとなる人と人の心の動きを美術で邪魔したくはないんだよね。なるべくシンプルで、役者の息遣いが聞こえるような……そういう美術を目指したい。
伊勢:ただ、“ヤマ”や“タニ”(※)という重要なシーンは盛り上げたいとも思っていて。もともとヒロキや司って空っぽだった子たちじゃない? だから、どうしても心の中の表現が重要になってくる――そういうところを鮮やかさで表現したい。
なるせ:『pet』って、役者もお客さんも想像力が必要になる作品だよね。舞台の良さって、観客と作り手が想像を共有できるところにあると思ってるんだけど、原作のあの色鮮やかな世界を共有できるものにするのは、大変だけどとてもやりがいがある。
植田:舞台『pet』としてのルールをカンパニーで共有する。そしてそれを提示しきれば、たぶん難しい話ではないと思います。
伊勢:そうだね。戦術だけきちんと意識できれば、役者陣はそれを表現できるメンバーが揃っているので問題ないと思う。
――『pet』プロジェクトとして、アニメと舞台、両作品を楽しむためのギミック的なものは何かあるんですか?
なるせ:特にないです。舞台は、アニメは完全に別作品として作っているので。むしろアニメとの繋がりでいえば、間違いなく植ちゃんが密に関わるでしょ。
植田:僕としては、舞台とアニメ、両方のメディアでヒロキを生きることになりますから。もちろん、アニメではお相手となるのが声優さんだし、音響監督からのオーダーも伊勢さんの要求とは違ってくるかもしれないので、同じヒロキ役と言えども違ったアプローチのものになるかと。
なるせ:完全に別制作になるからこそ、俺たちはアニメがどういった魅せ方で来るのかすごい楽しみ!
――上演を楽しみにしているガルスタオンライン読者に、メッセージをお願いします。
伊勢:原作物であるということにあぐらをかかず、純粋な会話劇を作っていきたいと思っています。演劇を好きになってもらえるような作品を目指しておりますので、楽しみに待っていてください。
なるせ:古き良き演劇の血が通っている雰囲気や熱量、そこに現代のスタイリッシュなエンタメ要素が融合された作品になると思います。どうぞよろしくお願いします。
植田:いい意味で“原作物ではない作品”と思わせたいですね。観てくださる方にゆだねられる舞台作りをしていけたらと思っていますので、ぜひ原作を知らない方も楽しみにしていてください。よろしくお願いします!
なお、本インタビューの全文は、『pet -壊れた水槽-』公式パンフレットに掲載されています。観劇のおともに、ぜひご覧くださいね!
■撮影/NK.Shimabukuro
※作中において、もっとも幸福な記憶が集まる場所=ヤマ、もっともツラい記憶が集まる場所=タニ、と呼ばれている。
『pet』プロジェクト概要
■原作:三宅乱丈『ペット リマスター・エディション』
(ビームコミックス/KADOKAWA 刊)
■舞台
『pet -壊れた水槽-』
公演期間:2018年12月5日~12月9日
会場:草月ホール 〒107-0052 東京都港区赤坂7-2-21
【スタッフ】
協力:TVアニメ『pet』
総合監修:なるせゆうせい
演出・脚本:伊勢直弘
制作:オフィスインベーダー
製作:舞台「pet」製作委員会
【キャスト】
ヒロキ:植田圭輔、司:桑野晃輔、悟:谷佳樹、林:萩野崇
■TVアニメ
【スタッフ】
監督:大森貴弘
シリーズ構成:村井さだゆき
キャラクターデザイン:羽山淳一
制作:ジェノスタジオ
製作:ツインエンジン
【キャスト】
ヒロキ:植田圭輔、司:谷山紀章、悟:小野友樹、林:加瀬康之
(C)三宅乱丈・KADOKAWA /舞台「pet」製作委員会
(C)三宅乱丈・KADOKAWA/ツインエンジン