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2018年12月20日(木)

『FFXIV』生活を楽しむ特別企画――憩いの場“BAR Lambda”に見る人と人のつながり【電撃PS】

文:電撃PlayStation

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 『ファイナルファンタジーXIV』が新生して5年。いくつものダンジョンやレイドが実装されるなか、プレイヤーのみなさんは多くの人と出会い、ときに別れつつコンテンツに挑んできたことと思います。メインストーリーも含むゲーム内コンテンツに絡んだ記憶が『FFXIV』の主要な思い出となっている方はとても多いはず。しかしその一方で、路地を歩いて景観を眺めているとき、スクリーンショットを撮っているとき、そして他のプレイヤーさんとの会話など、特定のコンテンツに紐づかない時間に多くの思い出を有している方も、また多いように思います。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 さて、前置きが長くなりましたが……本企画は、そんな『FFXIV』での“生活”を楽しんでいる方々にスポットライトを当てて、彼らの日々の営みに耳を傾けるもの。 今回お話をうかがったのは、公式ネタにも取り上げられるなど『FFXIV』内で多くの人が知るお店“BAR Lambda”の方々です。「自分たちじゃなく、お客さんこそが主役」と語る彼らがこれまでどういった想いで『FFXIV』での日々をすごし、どのようにほかのプレイヤーさんとの時間を楽しんできたか――。その一端と『FFXIV』ライフの楽しみ方を、言葉の端々から感じ取ってもらえればと思います。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

◆BAR Lambdaホームページ

ラムダママ氏(以下、ラムダママ):
BAR Lambda・Mandragora本店の店長。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
【ゴブレットビュート1区8番地 毎週土曜日24:00~27:00】

めてゐ氏(以下、めてゐ):
BAR Lambda・Durandal支店長。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
【ミスト・ヴィレッジ12区53番地 毎週金曜日22:00~25:00】

うさぎおじさん氏(以下、うさぎおじさん):
BAR Lambda・Ridill支店長。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
【ミスト・ヴィレッジ9区34番地 毎週木曜日22:30~25:00】

マツリ氏(以下、マツリ):
BAR Lambda・Yojimbo支店長。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
【ラベンダーベッド3区28番地 毎週日曜日22:00~25:00】

――BAR Lambdaを始めたのはいつ頃だったのでしょう。

ラムダママ:4年前くらいですね。当時、大迷宮バハムート:真成編3 のフェニックス戦でヒーラーをやっていたんですが、私の中で完全に何かが尽きて「あ、これ以上レイドをやったら自分が自分じゃなくなる……」と(笑)。それで固定パーティを抜けたのですが、私以外のFCメンバーは攻略を続けているので、“帰ってきた彼らがちゃんと休める場所を作ろう”と思ったのがきっかけですね。みんなががんばっているからこそ、“帰って来られるところがあったらいいな”と考えて、FCハウスの個室を購入し、FCメンバーやフレンドを招いたら思いのほか、ウケがよくて。

めてゐ:みんなほしかったのかもね。そういう場所。

――たしかに、自分で作ろうとしない限りそういう場所はないですからね。

ラムダママ:よいタイミングだったのかもしれません。個室を買って数日後、フレンドから「悩みがあるから相談にのってほしい」という話が何度かあったんです。最初のうちはそういうフレンドの悩み相談の場としても提供していたところ、今度はフレンドがフレンドを呼び、さらにそこから新しい方々が……といった具合に徐々に遊びに来てくださる方が増えていきました。

 また、私がログインしているかどうかにかかわらず、常に個室を開放していたら、FCメンバーが「暇なときはラムダが作った個室でぼけっとしてる。なんか落ち着くんだ」と話をしてくれたなんてこともありました。

――そうして“お店”が生まれたわけですね。

めてゐ:ウチのリピーターさんって、“おもしろいから”っていうより、“落ち着くから”来てくれる方が多いんですよね。

ラムダママ:“実家のような安心感”というか(笑)。

めてゐ:なので、なるべく休まず営業したいですね。例えお客さんがいなくても店員の私たちはいるわけで、「この曜日に行けば必ず開いてる」と認識していただくことが、安心を感じてもらうことや、落ち着く場所というイメージにつながると思っています。

――そういう意味では、現実の都合もあるなかで支店も含めてよく恒常的に欠かさず続いているなと感心します。支店の営業についてはどのようにやっているのでしょうか。

ラムダママ:ほぼお任せです。共通でお願いさせてもらったのは、床や壁などの内装のみで、制服や接客のスタイルに関しては、支店長1人1人に決めてもらっています。そうするとそれぞれのお店の個性が出てきて、おもしろいんですよね(笑)。例えばYojimbo支店だったら、ダルメルの剥製でインパクトを出してみたりとか、Ridill支店だったら内装もばっちり決めつつ、ゲストを呼んで催しをやってみたりだとか。あくまでも“BAR Lambda”は名前だけのものとして、“主役であるお客さんに楽しんでもらう”っていうのが共通の信条です。支店長の3人もこの信条には同意してくれたので、それならばお任せしよう、と。

――支店長さんたちは今みなさんワールドがバラバラですが、もともとは一緒に本店をやっていたのでしょうか?

ラムダママ:いえ、そうではないんです。

うさぎおじさん:3人ともBAR Lambda本店のお客さん、という立場でした。

めてゐ:私はもともと『旧FFXIV』時代からプレイしていたんですが、私自身、その頃からバーのようなものをやりたいなと思っていたんです。というのも、海外のプレイヤーさんが「こんな、チャットログが死んだように静かなMMORPGは初めてだ」とSayで言っているのを聞いて、「そのとおりだな……たしかに、活気があるようには見えない」って思った経験があったんです。で、気兼ねなくSayで喋れる場を作りたいなと思っていたところでBAR Lambdaに行き、「ああ、ここいいなあ。私もこういう場所やってみたいんですよ」って話していたら……なぜか意気投合して、いろいろあって支店をやることに(笑)。

――そこから“別ワールドで”支店をやることになるっていう流れはなかなか珍しいのかなあと思うのですが、どんな経緯だったのでしょう?

ラムダママ:本店のあるMandragoraサーバーだけで複数の店舗を用意しても、別サーバーの人は本キャラでは来られないし、私が最初にやりたかった“ルイーダの酒場”のような場所にすることは難しい……。じゃあどうする?と考えた時、ふと「別のワールドにお店があれば、そのワールドの人たちが集まって輪ができていって、より交流しやすくなるのではないか」と思ったのがきっかけです。

うさぎおじさん:さっきめてゐさんも言っていましたが、これだけSayが少ないMMORPGも珍しいと思うんですよ。

――たしかに『FFXIV』はShoutとかでメンバーを集めなくてもコンテンツファインダーでスムーズにIDなどに参加できる便利さお手軽さが特徴ではありますが、その反面、Sayなどでのやり取りはどうしても少なくなりがちです。

ラムダママ:便利なのはありがたい一方で、便利すぎて会話が生まれにくいんですよね。

うさぎおじさん:なので、初めてBAR Lambdaに行ったとき、すごく新鮮だったんです。こんなにログが早く流れていく場所があるなんて、って(笑)。こんなのは『FFXIV』では初めてってくらいの感覚でした。

ラムダママ:だいたいみんな最初そこにびっくりするよね。「白チャ(Sayでのチャット)が流れる量と速度がすごい」って。店員的には、Sayにレスポンスを返していくスキルも磨かれたり(笑)。

うさぎおじさん:基本的に発言は全部見ているので、それにぽんぽん間を挟みながら、お客さんの会話をアシストするためにネタ振りみたいなこともしますよね。

ラムダママ:で、お客さんがその話題に対して興味あったらさらにレスポンスを返して……。ある程度お客さん同士で会話になってきたら、今度は黙って流れに任せたり。

うさぎおじさん:ピスタチオ食べ始めたり(笑)。

――基本的にはお客さん同士が会話できる場を提供する……っていうところが主な活動だと思うんですが、各支店で色があったりするんでしょうか。

うさぎおじさん:最初に説明があったように、最低限の内装以外は各支店の好みですね。めてゐさんのところ(Durandalワールド)は支店1号店で1Fと2Fでコンセプトが分かれていたりとか、マツリちゃんのところ(Yojimboワールド)は居酒屋というテーマでやっているので、ちょっとカジュアルな雰囲気に作ってあったり。私のRidill支店は、BAR Lambdaグループのなかではちょっと成金っぽい……価格設定お高めなお店をイメージしてあります(笑)。

ラムダママ:初めて知った(笑)。本店は、そういう意味の特色はとくにないですね。純粋に、来てくれるお客さん同士で会話を楽しんでもらう感じで、もしその会話に参加したかったらガンガン横やり入れてきてくれてOK、というスタイルです。もちろん、その会話を聞いて楽しむだけでも問題はありません。場の雰囲気を楽しみたい方も、白チャが飛び交っている様子を見て楽しみたい方も、思い思いの時間を過ごしていただければと。昔、“AVANTI(SUNTORY SATURDAY WAITING BAR AVANTI)”というラジオ番組があったんです。1つのバーの中で、プロフェッショナルなお客さんの会話を聞く番組なんですけど、それを聴いていた影響もあるのかもしれません。来てくれるお客さんが会話の輪に入れなかった場合も、むりに参加する必要はないし、ラジオ番組を聴いているように過ごしていただいて、興味がある話題が出てきたら参加してくれたらうれしいよ、っていうスタンスですし、そういう雰囲気を作ることは意識しています。

 来てくれるプレイヤーの方々が主役なので、プレイヤーイベントの宣伝を目的に来ていただいて全く問題ありません。事前に教えてくれていれば、こちらから話題を振って宣伝につなげることもしています。14時間生放送に呼ばれる前は、シーズンイベント的に夏祭りをやったりもしましたけど、14時間生放送の後は大きなイベントは実施していません。

うさぎおじさん:Mandragoraワールドにキャラ作成制限がかかったことを踏まえて、やらなくなったっていうのもありますね。

ラムダママ:毎回遊びに来てくださる方はとてもありがたいです。一方で、イベントを実施すると考えた場合には、極力新しい方に来てほしいとも思っていました。リピーターの方々だけでコミュニティが出来上がってしまうと、新規の人に「顔見知りのなかに自分だけが……」という気持ちを抱かせてしまう可能性が高くなります。新規の人にたくさん集まっていただければ、そのリスクは減るだろうなと考えていたのですが、キャラ作成制限がかかったためにイベント実施は見送ったほうがよいかなぁと。

うさぎおじさん:キャラ作成制限がかかる前は、とあるプレイヤーさんが中心になって“BAR Lambda初見パーティ”と題して、“ウルダハからBAR Lambdaまで行こう”みたいな行進イベントをやってくれたこともありました。

ラムダママ:あのイベントで新規のお客さんがけっこう増えてくれましたね~。今度、ワールド間テレポが実装されたら、ManaDC全体から人が来てくれるのかなと楽しみに思ってます(笑)。

めてゐ:違うワールドでも、本キャラで来られるっていうのが大きいよね。過密ワールドにも移動できるのかな……っていうのは気になりますけど。

――容量がどのくらいになるかは気になりますね。もし気兼ねなくDC内どこにでもテレポできるなら、いろんなプレイヤーイベントがすごく盛り上がりそうです。

うさぎおじさん:本店はいちばん変わるよね。

ラムダママ:だいぶ変わると思う。

めてゐ:ほかのワールドは基本的にはいつでもキャラ作れますからね。

――そういえば本店だけManaDCで、支店はみんなGaiaDCなんですよね。

ラムダママ:ですね。ちょっと寂しい(笑)。

うさぎおじさん:ワールド間テレポが発表されたときも、私たちは「あ、遊べるじゃん」って。私がけっこうクラフターをやっている人間なので、「めてゐさんの装備作ってあげられるね」って話をしていたら、ラムダママが間に入ってきて「なんだよーうらやましい!」って(笑)。

ラムダママ:いつもですから(笑)。「極蛮神行くよー」「う、うんGaiaDC同士で行ってきな」みたいに。

マツリ:もうMandragoraのワールドがGaiaDCに来るしか(笑)。

めてゐ:人口大爆発起こすよ(笑)。

うさぎおじさん:そういえば、BAR Lambdaより前にどなたかがこういう“お店”をやっていたっていう話あんまり聞かないけど……。

ラムダママ:ううん、聞く。なので、「BAR Lambdaが最初の“店”だ」ってほかの人から言われた場合、必ず否定しています。うちがたまたま最初に流行ったっていうだけなんです。

――プレイヤーさんの印象としては、お店のホームページみたいなものがあったからその印象が強かったんでしょうかね。

ラムダママ:でもあのホームページ自体は、じつはけっこう後からのものなんですよ。なので、どこからなのかな……。

うさぎおじさん:『FFXIV』のプレイヤーさんのなかには、インフルエンサーというか注目度の高い方がいらっしゃるじゃないですか。そういう方が自然と出入りするようになってくれたのが、大きかったんじゃないかなあ。

ラムダママ:最初はMandragoraの本店に生放送をしている人が来てくれて、そこから「この店いいぞ」って流れができて。そのあと、今度は『FFXIV』の公式生放送にご出演なさっている西村さん(にしむらベイベーさん)が来てくれて、その時に何枚かスクリーンショットを撮ってくれていたんですね。その時はスクリーンショットを撮ってくれていることは知らず、別のタイミングでTwitterのDM経由で「イベントの生放送でお店の写真出してもいいですか」というお話があり、そこでまた知名度を上げてもらって……と、連鎖的にそういうありがたい出来事があったから今の状況があるんです。

めてゐ:あとはTwitterでの宣伝も大きいのかも。

ラムダママ:大きいね。最初にやった夏祭りで新規の方に知ってもらえたのは大きかった。やっぱり運がよかったんですよね。個人的には、とくに努力したということもあまりないんです。それこそ毎週営業しようって決めたときに、その日の朝に宣伝のTweetをしようってくらいで。まったくストレスなく、楽しんでやっていたから続けられたのかなと。

うさぎおじさん:楽しみにしてくれてるお客さんもいるしね。

――その方々がいたからこそ、今BAR Lambdaがあるんですね。

ラムダママ:そうだと思います。結局、お店はお客さんあってこそのものですし。自己満足で終わるならそれはそれでいいかなと思ったんですが、なんだかんだ毎週来てくれる人は6~7人いるから……彼らがいる限りはずっとやっていきたいですね。

――ちょっと前に“訪問帳”が追加されましたが、あのときのお客さんの反応はいかがでしたか?

ラムダママ:1冊、6件×10ページで60件なんですが……2週間くらい営業したあたりで全部埋まっちゃったので、すべてスクリーンショットで保存してから一度まっさらにしました(笑)。

うさぎおじさん:その後もだいたい1カ月に一度チェックして、いっぱいになってる感じだよね。

マツリ:イベントやるととくに早いですね。

ラムダママ:お客さんの反応が見られる場があるって、やっぱりうれしいですよ。なかなかSayで言えない気持ちを残しておいてくれるっていうのはうれしいです。通常の営業で、お客さんの顔はもちろんわかるけど、普段あまり喋らない方もいらっしゃるんですね。雰囲気を楽しまれているので、会話がなくても問題はないんですけれど、そういった方が訪問帳に「今日もありがとうございました」って書いてくれてたりすると、やっぱり「ああ、うれしい……」ってなります。「訪問帳実装してくれてありがとう、よしだあああ」ですね(笑)。訪問帳の機能紹介をした回のPLLは、ちょうど職場で放送を見ていたんですが、吉田さんが「例えばBAR Lambdaへようこそ、って訪問帳に書いておいて……」と説明されて、ホントにコーヒー吹きましたよ。

マツリ:常連さんからも「今、BAR Lambdaって言ったよ!!!」ってメッセージも来ましたね(笑)。

うさぎおじさん:ラムダママの反応がとても素直なので、それを見ているのは面白かった(笑)。

――ちなみに、お客さんの話題ってどういうものが多いんでしょうか?

ラムダママ:やっぱり直近のアップデートだとか、PLLで発表された新コンテンツについてだとかが多いですね。ただ、お客さんにお願いしていることとして、新しいメインクエストが実装されてから、その週から1カ月後くらいまでは、“ネタバレ絶対ダメ”です。どうしても話したい場合は、最初にお店をやっていた個室にネタバレOKな場所を作って「そちらで……!」と。といっても、たいがいネタバレせず本店で話してますね。

めてゐ:日常的な会話も多いですよね。

うさぎおじさん:ウチはお酒の話が一番多いです。どこどこの特産の日本酒の話とか。カウンターに座るのが酒好きばっかりなので(笑)。

――なるほど、まさにみんな自宅でお酒を飲みながらお店に来ていると(笑)。

うさぎおじさん:そうなんですよ! 人によっては、「どこどこの地酒がうまかった」「どこどこのビアバーがいいぞ」といった情報交換をしていたり。うち、たぶん年齢層が高いんだと思うんですよね(笑)。

めてゐ:Durandalも年齢層はきっと高いんですけれど、だいたい飯テロの話題ですね。

うさぎおじさん:あとは、他ワールドで行われるイベントのお話をしたり、「ちょっと告知させてくださーい」みたいな今後予定されているイベントの宣伝が行われることもあります。

ラムダママ:プレイヤー主催のイベントって、0時頃に終わることが多いんです。そして、本店は0時から始まるので、2次会のノリで「イベントお疲れ様でしたー」みたいな展開を作りやすいのだと思います。もともとはレイドの固定が終わる時間が0時なことが多いのでそのあたりを意識していたんです。で、(本店の営業日が土曜なので)翌日は日曜。ちょっと夜更かししたいなと思った人が集まって、いろいろな話をされています。

マツリ:ウチもRidillと同じお客さんが集まることが多いので、お酒の話題が3割強くらいですね。日曜日の22時からスタートなので、いろんなワールドでイベントに行って来たりですとか、土日週末に何があったか……っていうのを飲みながらポツポツ話したり。ホントに居酒屋のイメージそのままな感じになってます。あと、始めたばかりの方もけっこう見えていて、なかには新情報とかの情報収集のために来られている方もいるようです。なのでウチの店は、メインストーリーのネタバレは絶対禁止(笑)。

――始めたばかりの方が来てくれるのはうれしいですね。

マツリ:はい。うれしい限りです。日曜の22時っていろんな人が一番集まりやすい時間帯なんですね。たいていそういう時間帯って、いろんなところに遊びに行ったりするものなのに、お店に来てくださる方がいらっしゃるんです。支店3店舗の中でお客さんは少ないほうながらも、かえってその独特な静かな雰囲気が好きな方はよくいらしてくれているみたいです。

――まさにバーの雰囲気というか。ちなみに、家具の最大設置数が気になったりすることもあるのでしょうか。

ラムダママ:ほかのお店はすべて個人宅なんですが、Mandragoraの本店だけFCハウスの2Fを使わせてもらっているので、じつは家具の設置数はギリギリだったりします(笑)。

うさぎおじさん:ウチも設置数はかなりカツカツ。

マツリ:うちも400いっぱい使い切ってますね。

ラムダママ:ただ、あんまり壁とかを使ってしまって、視界が遮られたり、カメラを動かした時に急にアップになってしまわないように、なるべくシンプルにすることは心がけています。カウンターから全席を見渡せるようにしたいですし。強いて凝っている点を挙げるなら、椅子と置くお酒ですね。

マツリ:あと、ハウジングだとSayの届く範囲がちょっと問題で。

――というと?

マツリ: Mサイズのハウスの場合、端と反対側の端でSayチャットをするとギリギリ届かないんですよ。本店もそれで一度大改装してましたよね。

ラムダママ:しましたね~。

めてゐ:ウチの店はSサイズなので把握しやすいです!

マツリ:入ってすぐお店になっているのがいいですよね。ウチのお店はLサイズなので、ハウスに入ってきた方が迷子になってお店にたどり着けないこともあるみたいで。あと、お客さんのどなたが入ってきて、どなたが帰られたかがわかりにくいんですよ。

うさぎおじさん:入室退室のログを出すか出さないか切り替えられるような機能がほしいですね。

マツリ:ああ、それほしいです!

――そういえばシロガネが新たなハウジングエリアに追加されたとき、そこにお店を出そうっていう話はあったりしたのでしょうか。

ラムダママ:それはまったくなかったですね。

うさぎおじさん:なぜかというと、シロガネだと新規の方が来られないので。

めてゐ:それがあったので、どの店舗もシロガネに移るという選択肢はなかったです。FCハウスは移りましたけど(笑)。

ラムダママ:シロガネが実装された当時、すでに別ワールドから来るお客さんが多かったんですよ。そういった方々にも気軽に来ていただきたいと思って、移りませんでした。

めてゐ:ウチも若葉さん多いですね。同じように他ワールドから来てくれているようです。

――ワールド間テレポが実装されたらバーの営業やプレイヤーイベントが様変わりしそうですよね。ひょっとしたら、今みたいなワールドごとの文化じゃなく、“DCごとの文化”になってくるのかもしれません。

ラムダママ:ですねえ。

めてゐ:交流が活発になることで、均一化されていくものもあれば、特徴的なものがより洗練されることもあるでしょうね。

マツリ:今でもキャラ作成制限があったりしますが、イベントをやっているワールドに人が集中してそこに行けなくなる……ってくらいのレベルで盛り上がってほしいです。

――ハウジングだとか、プレイヤーの“生活の場”的な部分にこの先どういった調整が入ってほしいですか?

ラムダママ:うーーーん……。まず、第三者でも飲み食いできる調度品。そして、座って飲んだり食べたりするエモート。

うさぎおじさん:ずっと言ってるよね、それ(笑)。

ラムダママ:14時間生放送の時に開催されたコミュニティ座談会で吉田さんにお伝えはしたんですが、あり得ないバグが出たためいったん止めているとのことでした。食べた人の背中にカレーが張り付くとか(笑)。

マツリ:私は、さっき話題に出ましたが“ハウスチャット”的なものがあるとうれしいです。Yellを使えばいいっていう話ではあるんですけど、ハウス内だけでいいからSayの範囲が広がってくれるといいなぁと。ハウジング系のイベントをやっているフレンドと、「あると便利だよね」っていう話をよくしてます。Lサイズのハウスなので由々しき問題なんですよ。ウチのハウスのレイアウトはフレンドに頼んでいるんですが、そのフレンドがすごく苦労して“置いてある椅子に座ればSayが届く配置”にしてくれたので、現在はそれでなんとかしています。たまにその椅子に座らず、隅っこに設置した調度品と調度品の間に座る方もいらっしゃるんですが、内心「ああ、そこだとSayが聴こえない……!」ってガタガタ震えてるんです(笑)。

うさぎおじさん:私は、今後ハウジングエリアというか生活の部分が強化されていくのであれば、“ハウジングエリアに来る理由”がほしいですね。ハウジングの要素自体に触れている人は多いと思うのですが、ハウスの外の街部分は、なかなか人とすれ違えないのがちょっと寂しいんですよね。自分や他人のハウスに行く以外にも、ハウジングエリアを訪れる理由があれば、活気づくんじゃないかなあと。

――新しい方にしろ、日々コンテンツ攻略をしている人たちにしろ、BAR Lambdaとともにどう生活を楽しんでほしい……みたいな想いはありますか?

ラムダママ:本店の営業時間は深夜帯なので、「(ちょっと夜更かしするつもりで)一息つきに来ませんか」っていう感じですね。普段どおりコンテンツを遊んでいただいて、翌日休みの土曜の夜は、日頃やってきたことを整理する時間として、遊びに来ていただけると嬉しいです。

めてゐ:基本はどこも「ちょっとひと息つきに来ませんか」の気持ちでやっていますね。3時間どっぷりお店にいる方も多いですけど(笑)。

うさぎおじさん:お店でCFに申請しながらしゃべってる人もいますよ(笑)。シャキったら「行ってきまーす」、戻ってきたら「おかえりー」って。もしかしたらLSやFCに恵まれている人たちはこういう場をあまり求めないのかもしれませんが、そうじゃないプレイヤーさんのほうが多いと思っているんです。コンテンツへの申請などが便利なぶん人とのコミュニケーションが欠乏しがちな状況にあるプレイヤーさんに、コミュニケーションのきっかけが増えたら嬉しいなぁ……と。

ラムダママ:はるうららさんがこの前行ったプレイヤーアンケートでも、“零式”を野良で行く方がほとんどでしたしね。どうしても馬が合わない人と会わなければならないっていうこともあるじゃないですか。それがストレスになってしまったり……そんなときに発散しに、気軽に「話しにきてね!」という感覚ではあるんですよ。

うさぎおじさん:『FFXIV』のなかで人とのつながりをどう作っていいかわからないっていう方が遊びに来てくださって、「あ、こんなに気軽に話していいんだ」って思われたみたいなんですね。そこから足しげく通ってくれるようになった……というケースもありますね。

めてゐ:ウチで知り合った方々が仲よくなってSNSとかでも交流されているのをたくさん見てきているので、お店は「きっかけを作る場所」という認識がわかりやすいのかなと思います。

ラムダママ:お店で話した方々がSNSで仲よくなって、ときどき、AさんとBさんがやりとりしているなかに、今度はBさんの友だちのCさんが入って、やがてAさんとCさんが仲よく……というようなことが起きているのを見るんです。その瞬間が、本当にたまらないんです。私が知っている人同士が、私の見ているTwitterのタイムライン上であらためてフォローし合う。そんなつながりができたときは「よしっ!」って(笑)。やっぱりうれしいですよね。

めてゐ:うん、うれしい。

――最後に、いつも来てくれているお客さんと……もしあれば開発の方々に向けてメッセージをいただけるとありがたいです。

ラムダママ:いつも来てくれる方には、もう感謝しかないです。誰かしら1人でも来てくれる限りはお店を開こうと思っていますので……みなさんあってこそのBAR Lambdaだと、すべての店員が思っています。あと、吉田P/Dには……やっぱり、座って食べたり飲んだりするエモートをぜひ(笑)。

めてゐ:エオルゼアでの“生活”面を充実させていくという試みはここ最近のアップデートを見ても感じています。「引き続きお願いします!&もっとお願いします!」という想いです。

マツリ:“ハウスチャット”的な措置もぜひ……!

うさぎおじさん:ハウジングエリアで定期的にイベントをやっている身としては、ハウジング関係の強化はすごく期待してますし、個人的に楽しみでもあります。

ラムダママ:たぶんね、うちらの予想以上のことをやってくれると思うよ。うちらが考えていることなんて、きっととうの昔に気づいてるはずだし。

めてゐ:まさかワールド間テレポが来るなんて思わなかったからね(笑)。このタイミングでこんなことができるんだ、って。

うさぎおじさん:うん、びっくりした。

ラムダママ:そういう意味でも、『FFXIV』の場合ってプレイヤーと運営の信頼関係がすごく成り立っているんだなあと感じます。“これから”に対して、“自分たちの想像以上のことがおこるはずだ!”っていう期待感がありますし、楽しみにしています!

――ありがとうございました!

◆とある日のBAR Lambdaレポート……(Ridill支店)

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
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 というわけでとある週の木曜日、Ridill支店にお邪魔してきました。なにぶん初見なため、正直なところ好奇心6割“おそるおそる”4割……という心持ちでしたが、ハウスの扉を開けた瞬間にすごい勢いでSay会話が流れ、飲み物の前にまず“びっくり”な感覚を味わうことに。LSやFCのチャットって、誰かしらが話題を振ってそれに対して答えて……っていうやりとりが一段落すると、次の話題までいったん会話が途切れるのが個人的な“普通”だったんです。が、ここではほぼほぼ途切れずいろんな人たちの会話が続いているわけで……「“ノ”以外のメッセージログがこんなに速く流れる場所があるなんて」と、軽いカルチャーショックでした。  さて、そんな気分でトコトコと階段を上ると、そこにはカウンターやステージ、テーブルなどが見事にしつらえられた “Bar”がありました。そして、来店に気づいてくれた支店長さんがすぐに「BAR Lambdaリディル支店へようこそ」と歓迎の挨拶。階段を上がってすぐ目の前がカウンターになっているのは、お客さんの来店がすぐわかるようという工夫なのかも。10数人の先客さんも口々に「いらっしゃいー」と言ってくれて……そこから先は挨拶したり内装を見たり会話に交じったりスクリーンショットを撮ったりと、気ままな時間を過ごさせていただきました。

 1つ驚いたのが、店長さんがYouTubeのURLをお客さんに伝えることで“店内BGM”を共有する試み。これのおかげで“『FFXIV』内ではあるけれどちょっと違う空間”を演出しているんですね。店内の話題に加わっていなくても、会話のログを見るともなく眺めたり誰かしらにエモートを仕掛けたり……としているだけでなんとなく楽しい空間。何かをしながらでも、気楽に居られる時間。喧噪のなかで、いい感じの音楽を聴きながら落ち着いた時間を過ごせる場所……「あ、それってBarだ!」。そんなあたりまえのことを思いつつ、この日はあっという間に時間が過ぎ、結局閉店まで居座ってしまいました。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 閉店時は店長さんたちが入口までお見送り。とくに何をするわけでもないけれど、何となくまた来ようかなと思える……常連さんたちの「落ち着ける」という言葉がよくわかった1日となりました。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

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