2018年12月28日(金)
あの名作の発売から、5年、10年、20年……。そんな名作への感謝を込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として“周年連載”を展開中です。
第90回でお祝いするのは、1998年12月17日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売されたPS用ソフト『エアガイツ』です。
本作は同年2月にナムコ(現バンダイナムコアミューズメント)からリリースされたアーケードゲームの家庭用移植版。記事を書くにあたっておぼろげな記憶を手繰ってみたものの、ティファやクラウドが拳を交えていたという微妙な思い出しか見当たらなかったため、ゲームアーカイブス版を購入してプレイし直してみました。
基本移動がダッシュ!? 飛び道具なんてありましたっけ? 段差も登れるけど狙い撃ちされる! これは格闘アクションというよりシューティングアクションっぽい!?
ろくに説明書を読まずにプレイしたため、散々な結果に。さすがに、もっと格闘アクション然とした奥深いやり取りを楽しめる作品だったはずということでアレコレ調べてみたところ、「基本はガードを押しながらの歩行で、つねに相手を正面にとらえる」という一文を見つけて本来の遊び方に開眼。
そうそうコレコレ。ガードを押しながら一瞬だけ方向キーを押すことで特殊な回避ステップになったり、ダウン時のレバガチャは無敵時間を潰して転がり続けるから危険だったりとか、沸々と当時の思い出がよみがえりました。
1998年と言えば格闘アクションゲームが大ブーム。2D格闘アクションでは『ザ・キング・オブ・ファイターズ98』や『ストリートファイターZERO3』といった作品が話題を集めていました。去る1997年には3D格闘アクションを代表する『鉄拳3』と『バーチャファイター3tb』がリリースされたこともあり、このころに出た3Dの対戦ゲームは、世界観を学園モノにしたりメカを登場させたり武器格闘にしたりと、各社とも独自色を強めて差別化を図っていたように思えました。
本作も独特な操作体系が盛り込まれ、専用ゲージを消費して発射する弾速の早い飛び道具や魔法、刃物&長物といった特徴的な攻撃手段が用意されていました。
攻撃が当たる刹那に必殺技ボタンを入力することで反撃に転じるインタラプトや、一瞬の無敵時間で飛び道具をかわすステップ移動など、テクニカルな操作をマスターすることでより深みのあるバトルに。
給水タンクや石柱、ベランダなど高低差を盛り込んだフィールドも特徴的で、それこそシューティングアクション然としたスタイルも可能。技コマンド自体はシンプルなこともあり、どこまで深くシステムを理解しているかで勝負の明暗が分かれました。
アーケードからの移植にあたっては、RPG仕立てのクエストモード“Brand New QUEST Godless The Dungeon”をはじめ、“INFINITY BATTLE”、“BATTLE RUNNER”、“BATTLE BEACH”、“BATTLE PANEL”といった4種類のミニゲームが追加されました。年末年始にどっぷりとハマっていた方も多いのでは?
中でも、“Brand New QUEST Godless The Dungeon”は今でいう、ハック&スラッシュ型の独自モードとなっていて、こちらだけをひたすらにやりこんだという人もいたようです。
格闘アクションのノリで楽しめる、一人プレイ専用のダンジョン探索型アクションRPG。このモードの主人公も『エアガイツ』本編で使用できます。
次々と現れる挑戦者を一人ずつ倒して戦い続ける、いわゆる百人組手です。
3種類の競技場から舞台を選んで相手を妨害しつつゴールを目指す周回レース。スタートとゴールを反転させるといった、妨害アイテムの使いどころがキモに。
ダッシュ、フラッグ、ハードルと3種類のショートレースで順位を競うミニゲーム。フライング判定がわりとシビアでした。
いわゆるオセロゲームの要領で自分の色のパネルを増やす、陣取りゲーム。交互に行動するわけではないのでスピード勝負なうえに、妨害攻撃があるため、もたもたしているとあっという間に塗りつぶされてしまいます。
本作を彩るのは、個性豊かな15名(隠しキャラ4名含む)の戦士たち。「ゲンキデスカ~?」と叫びそうなレスラーや、夜な夜な鉄仮面を被りそうなセーラー服の刑事さん、狼に獣化する少女など、かなり濃い目のラインナップとなっています。
中には『鉄拳』シリーズの三島家を思わせる人物の姿も。三島一八に似た攻撃をする、三島拳は、義手に仕込んだガンを使うという、ぶっ飛んだキャラです。
▲対サスケ戦で条件を満たしていれば、どこかで見たようなアーチをくぐってティファやクラウドが待ち受けるステージへ。 |
発売当時は『ファイナルファンタジーVII』がとにかく人気で、シリーズキャラが登場するというだけでもファンにとっては感涙モノでした。しかも、ティファ、クラウド、セフィロスの3キャラでクリアすることでユフィとヴィンセントが、さらにその2名でクリアすることでザックスが追加されるというおまけつき。
今となってはやや粗めのポリゴンすら愛着を感じさせる、『FFVII』&同社の作品好きにはたまらない一本です。
▲スタッフロール中に出現する大ジャンゴ戦では、箱に収められた剣を刺すことで隠し要素が解放されるのですが……撮影時は完全に失念して「ぅわ、倒せないぞ、コイツ」などと慌てておりました。 |
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