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2019年2月7日(木)

『FFXIV』プレイヤーによる非公式コンサート“光のオーケストラ”に込められた愛。主催メンバーの声を聞く【電撃PS】

文:電撃PlayStation

 1つの作品を体験し、感動し、その世界を好きになったとき、人はしばしばその“好き”を原動力に何かしらの行動を起こします。その行動は、単に作品を話題にしたり人に薦めたりといったところから、作品内の情報をまとめたり、イベントを企画したり、作品に関連する品物を実際にクラフトしてみたり……というところまでじつにさまざまですが、いずれにせよ、“作品への愛をエネルギーとして自発的にアクションを起こしている”という点においてはどれも本質的に同じと言っていいでしょう。

 2019年1月13日、そんな愛をもとに発案され、1年超の準備期間をへてついに実施されたイベントがありました。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 オンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV(以下、FFXIV)』を愛するプレイヤー(光の戦士)たちによる、光の戦士のための、総勢136名による非公式オーケストラコンサート……“光のオーケストラ”(通称“ヒカオケ”)。

 有志をつのり、94%が『FFXIV』プレイヤーというメンバーで楽団を構成し、約1年がかりで準備を進めてきたというこの“ヒカオケ”は、純粋に“『FFXIV』を好きな人たちと一緒に音楽を楽しみたい”という巨大な愛によって形づくられた、無料(チケット抽選式)のオーケストラコンサートです。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 前置きが長くなりましたが、本記事では東京・新宿文化センターで開催されたヒカオケのコンサートの様子をレポートするとともに、“いかにしてヒカオケは開催されたのか”に迫る主催者インタビューをお届けいたします!

◆光のオーケストラ公式Webサイト

⇒インタビューパートはコチラ

◆“光のオーケストラ演奏会”セットリスト◆



●前奏1:アバラシアンカルテット
雲に隠れて ~アバラシア雲海: 昼~ / エオルゼア de チョコボ

●前奏2:アルテマ村音楽隊
潮風香る街 / 猛き嵐の剣に



◆第一部:新生編

1:そして世界へ
そして世界へ

2:新時代の暁
希望の都 / 偉大なる母港 / 水車の調べ

3:サスタシャに挑む者
隠し財宝を求めて / 名誉に賭けて / ネメシス / 勝利のファンファーレ ~新生~

4:モードゥナに集う猛者たち
フロンティア / 極限を超えて

5:究極幻想
究極幻想

6:制圧巨塔 シリウス大灯台
座礁 ~制圧巨塔 シリウス大灯台~

7:氷結の幻想
雪上の足跡 ~蛮神シヴァ前哨戦~ / 忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~

8:幻龍残骸 黙約の塔
銀の涙 ~幻龍残骸 黙約の塔~ / 始祖たる幻龍 /(国境なき空)



●間奏:サクサクまめこ
古の都 ~神聖遺跡 古アムダプール市街~ / 女神 ~女神ソフィア討滅戦~



◆第二部:蒼天編

1:蒼天のイシュガルド
雪風

2:壮麗なる皇都
雲霧街の夜霧 ~イシュガルド下層:夜~ / 堅牢 ~イシュガルド下層:昼~ / 風に向かって ~クルザス西部高地:昼~

3:対話への旅路
彩られし山麓 ~高地ドラヴァニア:昼~

4:いざ、シャーレアンへ
欠けた頁 ~低地ドラヴァニア:昼~ / 約束の地 ~イディルシャイア:昼~ / マトーヤの洞窟 ~蒼天~ / ビブリオフォビア ~稀書回収 グブラ幻想図書館~

5:蒼天聖戦 魔科学研究所
イマジネーション ~蒼天聖戦 魔科学研究所~ / 不吉なる前兆

6:蒼天幻想 ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦
英傑は死なず ~蒼天幻想 ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦~ / 英傑 ~ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦~

7:四国合同演習
石と鋼

8:最期の咆哮 ニーズヘッグ征竜戦
Dragonsong / 邪竜の急襲 ~ニーズヘッグ征竜戦~ / 最期の咆哮 ~ニーズヘッグ征竜戦~ / ただ死者のみが見る



◆第三部:アンコール

1:天より降りし力
天より降りし力

2:次回予告
堂々巡り / 事件屋のアレ

3:紅蓮のリベレーター駆け抜け版
紅蓮のプレリュード / 紅の夜明け ~クガネ:昼~ / 鬨の声 / カイエンのテーマ ~紅蓮~ / 銀鱗と鋼鉄 / 壊神の拳が届く場所



●お見送り:Tsukuyomi
母の誇り ~ヤンサ:夜~ / 月下美人 ~蛮神ツクヨミ前哨戦~ / 狂える月夜 ~蛮神ツクヨミ討滅戦~ / 月下彼岸花 ~蛮神ツクヨミ討滅戦~

光の戦士が踏みしめてきた道のりを、オーケストラの音色で振り返る――

 新宿文化センターの約1800席は、2階も含めほぼ満杯でした。オーケストラコンサートが初めてのお客さんも多いということで、序曲「そして世界へ」の演奏後に指揮の田中亮氏(主にコスモスカイオーケストラなどで活動中)が音頭を取り、演者も観客も声をそろえて「初見です! よろしくお願いします!!」と大合唱。そんな流れから“ヒカオケ”公演がスタートとなりました。

 感想は……あえて簡易な言葉で言わせてもらうのならば、すごく、すごくよかった。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 個人的には、どれだけ言葉を尽くしても“音”の魅力を文章という媒体で正しく表現し伝えることはできないと思っています。それは、曲を聴いて心の内に描く感情・情景が本来聴き手1人1人で異なるものだからということも理由の1つなのですが……ゲーム楽曲の場合、曲を聴けばそれが流れた場所が克明に浮かび、キャラクターたちのやりとりや、その時々で知人と交わした言葉なども思い起こされるもの。それを考えると、自分たちが長い時間遊んできた『FFXIV』の音楽というのは、単なる“曲”というくくりを超えて、いろいろな出来事もひっくるめた時間の記憶なんだな、と。だからこそ、オーケストラコンサートを聴いた多くの人たちは、単にいい音楽を聴いたという以上に、これまでの冒険に思いを馳せ、ときに涙し、ときに癒やされながら、濃密な時間を過ごすことができるんだなと、そう思ったしだいです。そして本公演では、そんな記憶をかかえた『FFXIV』ファンだからこそ共感し感嘆できる演出が各所に盛り込まれていました。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 第一部、第二部のセットリストを見てのとおり、本公演は光の戦士たちのこれまでの歩みを振り返る曲構成。冒険者ギルドの顔役に見送られ飛空艇に乗って旅立つところから、仲間とともに最初のダンジョンであるサスタシャ浸食洞へ挑み、成長しジョブにまつわる物語を体験し、アルテマウェポンやシヴァとの戦いをくぐり抜け、始祖たる幻龍ミドガルズオルムと邂逅する……。第一部の最後にはフライングマウントの曲“国境なき空”を盛り込んで、第二部への期待を予感させているのも心憎い演出です。そして第二部、仲間を失った失意のもと皇都イシュガルドを訪れ、竜詩戦争の裏側に秘められた謎を追い、魔大陸で教皇の野望を砕き、そして邪竜ニーズヘッグとの因縁に終止符を打つ、そんな流れ。ナイツ・オブ・ラウンド戦では田中氏が指揮棒の代わりに竜騎士の槍・ゲイボルグを携えてLB3のポーズをするなどの演出もありました。さらにアンコールでは田中氏がヒルディブランドのコスプレをして場内を沸かし……その後、まさかの紅蓮編メドレーに移行。帝国軍との戦いをへてアラミゴを解放するまでを音で描き切り、ヒカオケは大歓声スタンディングオベーションで幕を閉じました。

 とりわけ印象的だったのが、原曲をきちんとなぞりつつも、いくつかの曲では魅力的なアレンジを加えている点。例えば“そして世界へ”などでは木琴のような特徴的な打楽器を用いた音が加わっていました。個人的には、原曲に忠実なオーケストラ部分をゲームの世界そのものに見立てたとしたら、その上を弾むように入ってくる打楽器のメロディーは世界を歩む光の戦士たち自身の体験を表しているのかな……などと味わい深く感じていました。また、蛮神シヴァ討滅戦前半~後半への過渡に、静寂からの“指パッチン”音が入ったり、蛮神ナイツ・オブ・ラウンド戦ではガラスの割れる音――履行技・アルティメットエンドを思わせる音が入ったりと、“ゲームを遊んで、思い入れが深いからこそあえて入れたんだろうな”と感じられる音も各所に見受けられ、聴いていて、ヒカオケメンバー全員からの『FFXIV』愛が思いっきり伝わってくる内容だったように思います。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 開演前や第一部~第二部の休憩時間中、そして終演後にまで、有志数名による、パンフレットに記されていないアンサンブル演奏が入ったのにも驚き。「好きな曲をもっと演奏したい」という思いが伝わる、本当に濃密な数時間。これをもたらしてくれたのが、自分と同じプレイヤーの方々なわけで……“スゴい”と“うれしい”と“感動”が混じって……もうホントに“尊い”。

 演者さんのみならず、訪れたお客さんたちもすべて含めて『FFXIV』への愛が存分に感じられた、充実の時間を過ごさせていただきました。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
▲ホワイエには光の戦士たちから寄せられた花や、“盟友”の盾などハイクオリティなアイテムが。近くを通り過ぎる人の多くが写真に収めていたようです。

きっかけは公式オケコン――“ヒカオケ”はいかにして立ちあがったかを聞く主催者インタビュー

Siroさん:“光のオーケストラ”団長。楽団全体の統括を担い、指揮者やスタッフとの交渉や相談も。楽器はチェロを担当。


Mell(Jun Kato)さん:“光のオーケストラ”副団長にしてインスペクター。楽器はパーカッションを担当。マネジメント・ディレクション全般を担い、何曲かの編曲も手掛ける。この日はインフルエンザにより無念の欠席となった。


Omiさん:パンフレット、フライヤー、公式サイトなど制作物全般を手掛ける“光のオーケストラ”広報。楽器はクラリネット&バスクラリネットを担当。


Ariaさん:演奏会実現のため企画段階からスクウェア・エニックス社との調整を行ったほか、各種ゲストとの連絡係も務めた“光のオーケストラ”渉外。楽器はビオラを担当。


――よろしくお願いいたします。あらためまして、まず、読者さんに向けて簡単に自己紹介をお願いできるとありがたいです。

Siro:“光のオーケストラ(以下、ヒカオケ)”の代表・団長をさせていただいた、“Siro”です。担当楽器はチェロです。

――チェロ、ということは指揮者の田中さんのすぐ近くにいらっしゃいましたか?

Siro:そうです。よくご覧になってますね! 私自身は目立つのはあまり好きではないんですけれど……“光のオーケストラ”を企画した発起人チームで役割分担する上で、団長をやらせていただくことになりました。主な仕事としては、外部の方とのやりとりや、フロントスタッフへの対応などです。あとは、練習当日などに演者さんたちの前に立って、かる~くうす~くしゃべるみたいなポジションですね(笑)。

Omi:“Omi”と申します。私の担当楽器はクラリネットなんですが、バスクラリネットも持ち替えてやっていました。ちなみに“Omi”はキャラ名なんですが、子どもの頃からずっと続いているあだ名でもあります(笑)。

――僕もそうなんですけど、自分のあだ名をキャラ名にする人って、そこそこ多いですよね。

Omi:そうなんですよ。ヒカオケメンバーのなかでも、あだ名というかハンドルネーム系を付けている人、本名に近い名前の人、まったく違う名前の人などがいて、パンフレットを作るときにどう表記するか悩みました。最終的には、基本は本名にして、場合によってはハンドルネームが混じっているという感じですね。主に制作系を担当しておりまして、広報関係の制作物はだいたい私が作っています。

――“ヒカオケ”の公式サイトも、でしょうか?

Omi:公式サイトもそうですね。あとは、チームで制作していたパンフレットや衣装・小道具の制作の指示と取りまとめも担当しています。その他ですと、メール対応等のオンラインまわりの諸作業をやっていました。

――制作物関連は「デキが素人レベルじゃないぞ……!」と話題になっていましたね。みなさんもともとプロの方なのでしょうか?

Omi:じつは私自身は、Web関係のエンジニアをやっておりまして。制作の際は、完全にプロの方ではなくても、普段趣味で制作している方や得意にしている方を主軸にお願いしていた感じです。

Aria:“Aria”と申します。担当楽器はビオラです。私は、基本的に渉外担当として動いていました。スクウェア・エニックスさんに、「こういった演奏会を開催したいです」と連絡をとったり、演奏する楽曲の確認をしたりしていました。あとは、ゲストの方々に招待のオファーを出して、実際に来ていただいた場合の諸手配をしたりといったことをやっていました。

――ありがとうございます。ではまず、そもそも“光のオーケストラ”を開こうと思ったきっかけについて、あらためて教えてください。

Siro:今回のヒカオケの一部の運営メンバーと一緒に“FINAL FANTASY XIV ORCHESTRA CONCERT 2017 -交響組曲エオルゼア-(以下、オケコン)”に行く機会がありまして。それを聴いて感動し、その場の勢いで「これはやるしかない!」と(笑)。

Omi:帰りに焼き肉を食べに行ったとき、すでにそう言ってたよね(笑)。

Siro:ゲーム音楽を中心に演奏している方々は、これまでいろいろなタイトルごとに非公式の演奏会をやっていて。私自身それを知っていましたし、“同じようなことができるのでは?”というのは思ってはいたので、やってみようかなと。もう何千時間と遊んできた『FFXIV』なので、「どうしてもやりたい。自分で演奏したい」と。それがオケコンのあった2017年9月のタイミングで明確な形となって、動き出しました。

――やろうと決まってからは、どういうアプローチをしていったのでしょうか?

Siro:まずは、運営メンバー集めですね。ゲーム音楽を演奏するアマチュアのオーケストラの方々は長年さまざまな催しに参加している方も多く、いろんな方を知っていました。そこで、“そもそも誰が『FFXIV』プレイヤーなのか”をリサーチしまして(笑)。「あの人はヒカセンらしい」という話を聞けば、その都度声をかけてみたりしていました。最初期に集まっていた知人を中心に一緒にやってくれそうな方々をリクルートさせてもらって、運営メンバーを決めたのがはじめの一歩でしたね。

――もともとオーケストラ界隈にいた方々だからこそ、運営が必要で、そこからどうしていけば……と明確な道筋を立てられたんですね。

Siro:そうですね。“誰が何をやれば”というのがなんとなくわかっていたので、会計を誰々にお願いしようとか、ホール周りに強い人に会場をお願いしようだとか、ちょこちょこと声をかけて運営の体制を整えました。

Omi:運営グループの決定は早かったね。“この人はこういうことをできる”というのをもともと知っていたので、それをもとにSiroさんが打診して、各人の役割を決めていった感じです。

Aria:3団体のオーケストラから人が集まって運営に入ってくれて。ヒカオケ全体でも、その3団体からの人が多い感じですね。

Siro:みんな乗り気だったよね。

Aria:みなさん快諾してくれました。もともと、2017年の夏にSiroさんと私が所属している団体のロビーコンサートで『FFXIV』楽曲のアンサンブルをやっていまして。それをこの運営メンバーが見に来ていたのですが、その頃から「『FFXIV』の曲をオーケストラで演奏してみたい」という種火は運営それぞれの中あったんです。それが、オケコンを聴いたことでバーンと爆発しました(笑)。Siroさんがみんなをつなげてくれた感じですね。

Siro:そんなに持ち上げなくていいよ!?

――『FFXIV』の権利元であるスクウェア・エニックス社(以下、スクエニ)との調整は、いつ頃から始められたのでしょうか?

Aria:たしか、ホールの予約が取れてからですね。

――今現在、どこも満杯でホールの予約を取るのは非常に難しいと小耳に挟んだことがあるのですが、そのあたりは大丈夫でしたか?

Siro:じつは厳しかったですね。けっこうな倍率でした。ちょうど運営のメンバーが2018年の1月に新宿文化センターに申請・抽選に行ってくれまして……。

――そういうのって、抽選なんですね。

Siro:そうなんですよ。番号を引いて、数字の若い順から好きな日時を押さえていくのですが、たしか2番を引いていて。

Omi:奇跡ですよね(笑)。

――1回限りのロットで90台を出すようなレベルだ(笑)。

Aria:今年の運気を全部使った感がありました(笑)。

Omi:そこからスクウェア・エニックスさんに問い合わせして……そのときにはもういつでも公開できるようにWebサイトを準備していた記憶がありますね。

――問い合わせの返答はすぐに得られたのでしょうか?

Aria:さほど時間はかからずご返答をいただきました。その返信を頂いてから、Webサイトを公開した形です。無料コンサートなのでNG回答は出ないだろうと思っていたので、OmiさんにWebサイトの準備だけはしてもらっていました。

――使用する楽曲については、全て確認が必要と聞きました。となると後からの変更もなかなか難しいと思いますし、最初の時点である程度演奏する楽曲は決まっていたのでしょうか?

Aria:2017年の段階で、演奏したい曲は大方の候補を出していた気がします。

Siro:最初は何十曲も候補があったのですが、さすがに多すぎるので「さてどれを切ろうか」という話をして(笑)。

Omi:「メインストーリーをなぞる形で構成しよう」という大まかな方向性は当初から決まっていたのですが……。

Siro:公式のオケコンで演奏された曲でインパクトの強いものは、やっぱりみんな「やりたい!」と意見が一致していました。とはいえやはりみんなそれぞれに思い入れのある曲がありますので、それ以外のリクエストはかなりバラけていましたね(笑)。

Omi:演奏したい曲がかなり多くなってしまって、泣く泣く削った記憶があります。

――街の曲が3都市すべて入っていたり、サスタシャのダンジョンからボスまでの流れが入っていたり、プレイヤーとして“これは入れたい”という強い想いがあったんだろうなと察せられました。

Siro:「あれやりたい」「これやりたい」「私はこれが絶対やりたい!」みたいな、かなり白熱した選曲会議でしたね(笑)。そこで残った曲を、Ariaさんにスクエニさんと確認してもらった感じです。

Aria:最初は曲数を多めにお伝えしていたのですが、何をどうメドレーにするかはまだ決めていませんでした。「最終的なセットリストが確定したら、再度連絡をください」といった返信をいただいたので、そこから編曲陣が制作に入っていった形ですね。

――アンコール後の楽曲に『紅蓮のリベレーター』の曲も入っていましたし、最終的な候補が確定したのは、かなりあとになってからだったのでは?

Siro:あのタイミングで『紅蓮のリベレーター』は出ていたので、『紅蓮編』の曲をやりたいという大まかな話は当初からあったんです。ただ、「スクエニさんに確認するのに曲名がわからない」と(笑)。

――そういえば、オーケストリオン譜はあるものの、大多数の曲はサウンドトラックが出るまで曲名はわからないですね。

Omi:そうなんですよ。

Siro:どこどこで流れる“カイエンっぽい曲”とか、そういう話をしてたね。

Aria:曲の流れる場所・状況を記してふわっとした形でスクエニさんに確認のお願いをしていました。とはいえ、今回はサウンドトラックがかなり早く出てくれたので、それで曲名が判明したので、さほど困りませんでした。

Omi:そういう経緯もあり、曲目が確定したのはけっこう後ですかね。

Siro:ただ、これから“光のオーケストラ”をきっかけに『FFXIV』を始めてほしいという思いもありまして。となると、あまりにも『紅蓮のリベレーター』の曲を入れても、これから始める方はなかなかそこまで追いつけないんじゃないかという懸念もありました。

Omi:なので、『新生編』と『蒼天編』の両方をやったあと、それに加えてアンコールに『紅蓮編』の楽曲を入れようという話に。そういえば、楽曲がある程度決まってWebサイトに奏者募集を出したときに、“パッチ3.3までクリア推奨”って書いてあったよね。注意書きに“ネタバレがあるかもしれません”と書いてありました(笑)。

Siro:「最低限『蒼天編』まではクリアしておいてくれ」と。今思い返すとすさまじいな(笑)。

――人数集めの際に、“この楽器は何人ぐらい集める”というのは、あらかじめ決まっていたのでしょうか?

Siro:奏者募集にあたって、わりとオープンでやりたい方を公募させていただいたんですが、オーケストラには“バイオリンだったら何人いるのが一般的”のようにある程度決まった形があるので、それに沿って募集させてもらいました。

Omi:ファゴットって本来、オケで集まりにくい楽器なんですが……。

Siro:ファゴットは普通は2人が定員なんですが、今回は4人の方から「どうしてもやりたいです!」と打診されまして。また、奏者募集の途中で募集楽器にユーフォニアムを追加しました。ユーフォニアムは基本的にオケには入らない楽器ではあるものの、今回「やりたいです」という熱烈なコメントが届きました。なので「じゃあ、入れようか」と(笑)。

Omi:ほとんどがそうですね。募集を終えてから編曲する予定だったので、「なら、要望のあったその楽器を組み込んだうえでアレンジできるよね」って。

――“何の楽器ができる人が何人集まる”という目処が立ってから編曲に入るんですね。

Siro:そうですね。わりと先に人がきて、それありきで編曲に入ります。

Omi:指揮者を合わせて、総勢で136人集まりました。

Siro:オケとしてはかなり大所帯ですね。

Omi:しかも、男女比が68:68で半々なんですよ。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

――第一部、第二部でメンバーが変わったりしたのでしょうか?

Siro:いえ、全員が両方に参加しています。

Aria:最初から最後までみんな出ていますね。

Omi:曲によっては、音がない楽器もありますが、基本的には全員演奏していましたね。

Siro:「第一部だけでもいい」という方もいらっしゃったんですが、自分の希望した曲を演奏できる・できないといった問題を避けるために、基本的に全曲全員でということにしました。

――合唱なども早い段階で決まっていたのでしょうか。

Omi:まず合唱を入れるかどうかの検討をして、「合唱入れよう」と決まってから、あらためて募集をかけたんです。

Siro:合唱を入れるとどうしても大所帯になるので、練習会場を確保するのが難しくなります。普通のオーケストラで70~80人ぐらいが入れるところも、130人となるとぜんぜん会場が見つからなくて。けっこう大変でしたね。

――客席のあるホールと違って、練習会場自体は押さえられるものなんですか?

Aria:最近はオーケストラが多いので、じつは練習会場も予約や抽選が激戦なんですよ。

Omi:やっぱり大所帯が入れるようなところは激戦ですね。

Aria:なので、団員にも協力をお願いして。

Siro:いろんなところに行ったよね。けっこう遠い場所にも。

――それだけ会場が取りにくいと、合わせるのに苦労したこともありましたか?

Siro:そうですね。器楽の方々は経験に差があったので、最初はそれぞれ個人のスタンスで弾いていたんです。ですが合唱の方々がすごくノリがよくてテンションが高く、みなさん仲もよくて……器楽はその勢いに乗せてもらった感じがありました。今回は初対面の人がけっこう多かったのですが、『FFXIV』内で遊べるので、最初のうちからある程度打ち解けることができたのも大きいですね。

Omi:ちょうどいいタイミングで、クロスワールドリンクシェルが実装されたので、データセンターごとにグループを作って「今日はどこ行こう」「あの人が始めたから手伝いに行こう」みたいな流れに。

――今回新しく始めた方もいらっしゃったのですね。

Omi:このオーケストラに応募してから『FFXIV』を始めた方もいらっしゃいましたし、応募した時点で始めたばかりという方もいらっしゃいました。「みんなでパッチ3.3までがんばろう!」と。ニーズヘッグ戦まで終えて涙を流す人もずいぶんいたみたいですよ。

Siro:本番前日ぐらいに、「パッチ3.3までクリアしました!」という人もいました。

Omi:合唱トレーナーさんとかですね(笑)。今回メンバーに入ってくれるようこちらから依頼した際に『FFXIV』を始めてくれた方です。

――いい感じの初心者育成LSみたいです。

Omi:そうですね(笑)。“光のオーケストラ”は終わりましたけど、引き続き一緒に遊んでいますよ。別の方もパッチ4.5に追いついたと言っていました。

――“光のオーケストラ”はチケットが抽選での無料配布でしたが、当初からそういう想定だったのですか?

Siro:はい、もともとそのつもりでした。そもそも権利的な問題もありますので。

Aria:ゲーム楽曲のオーケストラについては基本的にはほかの団体さんも無料でやっていますし、有料にしようというのはそもそも考えていなくて。ヒカオケに関しても「無料で『FFXIV』のみの演奏会をやりたい」とスクエニさんにはお伝えしています。予算なども、チケットの収入がないことを前提に組んでいます。全体でどれぐらいかかるかというのも、早い段階で出していました。

――とはいえホールや練習会場を押さえたりするのは、それなりの費用が必要なのでは?

Siro:けっこうかかりますね。なので全員で持ち寄って負担しています。

Aria:頭割りギミックです(笑)。

Siro:そういう意味では、今回参加してくれたみなさんは「自分でお金を出してでも参加したい」という人が集まってくれたかなと。

Omi:どこのアマチュアもそういう傾向がありますけどね(笑)。“オケ貧乏”みたいな。

――ちなみに指揮の田中さんには、どのような形で指揮を依頼されたのでしょうか?

Siro:運営メンバーで、「私たちの本懐を一番わかってくれる人は誰だろう」と話し合ったんです。私たちが目指すオーケストラの形に、最も近いことをしてくれる指揮者は誰だろうと。そこで、「コスモスカイオーケストラの田中先生にぜひ」という話になって打診しました。そうしたらすぐにリアクションがありまして「じゃあ、『FFXIV』をやってみるよ」と。……あっという間に、すごい勢いでレベルがカンストしていましたね(笑)。

Omi:田中先生は、お願いしたゲームはちゃんとひと通り触ってくれる方なんですよ。

Siro:おかげで、田中先生がゲームをわかってくださって……本番MCの言葉もそうでしたが、もう完全に1人のヒカセン目線なんですよね(笑)。練習中から、「高地ドラヴァニアの風景を思い出してみろ!」みたいなことも言っていました。本当に笑顔の絶えない練習で、本番もフリーにしゃべっていただいた感はあります。会場のお客さんたちもすぐに打ち解けてくれた感じで。

――最初のコメントで、「ああ、この方はヒカセンなんだ。なんだかもう安心して聴ける」という感覚がありました(笑)。きっと“その作品の世界をちゃんと余すところなく表現するには、そのゲームの世界観をわかってないと”という信念のもとにプレイされているんでしょうね。

Siro:おそらくそうですね。

――オーケストラコンサートをやるにあたって、開発の方々やサウンドディレクターの祖堅さんとお話したことはありますか?

Siro:演奏会が近づいてきた段階でご招待をさせていただきました。

Aria:祖堅さんご自身で作られた曲ですし、他者による演奏を楽しんでいただけるかドキドキしていましたが……もし楽しんでいただけたのなら本望です。

Siro:本番が終わったあと、ひと言感想をツイートしてくれて。その言葉が本当に嬉しくてですね……(涙)。

Omi:みんなリプしてましたね(笑)。

Siro:私たち側からしたら、あのひと言だけでヒカオケをやったかいがあったなと。

ヒカオケの編曲、ファンだからこそのアレンジ

――編曲についてお聞きします。今回、編曲を担当されたのはどなたなのでしょうか?

Omi:パンフレットの末尾、“オーケストレーション”の項目に名前が載っている人たちですね。大半は楽団のメンバーなのですが、一部だけ団員以外の方にお願いしています。

Aria:そのうち、大臣さんとJun Katoさんが運営のメンバーですね。

――編曲で気を使った部分はありますか? 今回、原曲を維持したうえで+αの音が乗っているなと感じる部分がおもしろかったんです。

Siro:編曲者のなかにもいろいろなタイプがいて、「完全に原曲を再現したい!」という人もいれば、「ちょっとオケとしてよく聴こえるようにアレンジしたい」という人や、「サスタシャの冒頭部分の“シャキーン”的な音のように愛のある付け足しをしたい」という人もいましたね。

――グリダニアの曲“水車の調べ”での独特な音の打楽器たちも印象深かったです。

Omi:打楽器メンバーのほうで上がってきた譜面を弾いてみて、「こっちの楽器のほうがいいんじゃない?」というのをかなり試行錯誤していたようです。シリウスのディレイがかかった感じとかもそうですね。“英傑”も、アレンジの際に「でかいガラスを持ってきて割りたい」と言われて、「さすがにそれはできないよ」という話をしたのを覚えています(笑)。

――前半と後半の境目、というかアルティメットエンドのイメージですよね?(笑)

Omi:まさにそれを再現したいということですね(笑)。あとは、シヴァの“指パッチン”もそうですね。

Aria:あれも、どういう音にするかというので。「どうしよう、みんな。ここでパチンと時が止まった感じからやりたいんだけど」と相談して。

――あの音は、どうやっていたのでしょうか?

Siro:あれは、全員で指パッチンしています。

Aria:表立った動きは田中先生がやっていますが、ほかのみんなも下でやってたんですよ。

――あれも愛あるゆえの演出だなと思いました。

Aria:たったあれだけですけど、かなり時間をかけて練習していました(笑)。

Siro:時間かけたねえ(笑)。

Omi:“英傑”のところは、“ガラスが割れる音”と“竜騎士がLB3を撃つ”というのは最初から譜面に書いてあって。田中先生が壇上でLB3のモーションをやることは編曲段階から決まっていたんですよ。

Aria:それをどう表現するかというところで、槍を作ったり、最後のキメポーズを試してみたりとかいろいろやりましたね。

――あ、あれは田中さんの要望ではなかったんですね。

Aria:あれも編曲者の趣味です。

Omi:田中先生も「俺、やるよ?」って言ってくれて。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

Siro:田中先生のいいところは、そういうところだよね。アンコールでのヒルディブランドのコスプレもそうですしね。最初からコスプレをすることを前提に作ってましたから。

――あの早着替えは驚きました。

Omi:団員があのコスチュームを作って、舞台袖にいる人たちに「なるべく急いで、こういうふうに着付けてください」とお願いしました。

Siro:事前練習も時間を使いましたね(笑)。

Omi:あと、本番での唐突な祝電紹介とかね。アンコールのところで祝電とか、普通読まないんだけど(笑)。

Aria:普通は第二部に入る前とか、最後の曲の前とかですよね。あれは、田中先生が着替えるための時間稼ぎだったんです(笑)。

――あの祝電があったことで、「これで全部終わりかな」と思っていました。でも、そこからまさかの“紅蓮メドレー”があって……大いに盛り上がりましたね。

Omi:そこは、狙ってました。

――今回の編曲ですが、楽団メンバーがそろう頃には終わっていたのでしょうか?

Aria:早くあがったものもあれば、ギリギリまでかかったものもあります。1人が何曲か担当しているものもあるので、順番に作っていて。こだわっていると遅くなるものもあります。

――その場合、練習はどうされていたんですか?

Siro:そこはもう、あがってきた曲から随時(笑)。ホントは第一部・新生編に蛮神メドレーを入れたかったんですけど、演奏時間の関係で泣く泣くカットになってしまいました。

――たしかに、それを入れていくと時間的にすごく消費しそうな印象ではあります。

Siro:ホントは、まだまだやりたい曲はたくさんあったんですけど。

――2部構成にしようというのは、最初から決まっていたのでしょうか?

Siro:それは最初からですね。

Omi:そうですね。やっぱり、『新生編』と『蒼天編』をメインにしたいという思いがありました。

――『紅蓮編』の曲をアンコールでやろう、というお話はいつ頃決まったのでしょうか?

Omi:アンコールをやりたいよねという話はあったのですが、当初はまだ曲が具体的に決まってなくて。

Siro:気がついたら増えてたね。

Omi:『紅蓮編』の曲がいつの間にか決まって、いつの間にか増えてたみたいな(笑)。

Siro:最初は、“天より降りし力”と“事件屋のアレ”があればいいんじゃないかという話だったんですけれど。

Aria:私が『紅蓮編』やりたいと言ったような記憶が……(笑)。

Siro:いつの間にか5曲ぐらい足されてましたね。

Omi:“紅蓮のプレリュード”とアラミゴの国歌はやりたいって言ってたよね。

Aria:それで、「国歌だけやってもそこに至る経緯がわからないから、それだったら一通り全部やらないとダメでしょ」みたいな話になり。

Omi:それでメドレーになったんですよ。

Aria:国歌だけだと唐突ですし。なので、“忙しい人のための『紅蓮編』メドレー”になりました(笑)。

――それでも、ちゃんと流れがわかる曲をそろえていましたね。クガネ、ボス曲、ドマ、まさか神龍まで聴けるとは。

Siro:それらのアンコール楽曲は一番最後に足されて、ガガッと作ってもらった感じです。

――ちなみに、前奏や間奏でパンフレットに載っていない曲が多数演奏されていたのも驚いたのですが、あれらはどういった形で決まっていったのでしょうか?

Siro:あれは、有志でやりたい人を募って、その人たちがやりたい曲を決めました。

Omi:私もお見送りで演奏しました(笑)。

――終演後のお見送りが、ツクヨミ討滅戦の一連の曲でしたね。

Omi:そうです、そうです。

Siro:いいですよね~。ツクヨミ。

Aria:ツクヨミの楽曲演奏できてうらやましい! 本当にうらやましい、あそこ!

――「ツクヨミ討滅戦の曲はさすがに入ってないよな~」と思っていたら、まさかお見送りで流れるとは。

Siro:私は、プレコンサートの弦楽四重奏で出させてもらったのですが、「そういえば『ファイナルファンタジー』なのにチョコボのテーマが入ってないし、アバラシア雲海もまったく触れてないよね」という話になって、そこを私たちがやろうと。

Omi:チョコボのテーマは、『ファイナルファンタジー』演奏会のアンコールの定番だったりするんですよ。

Siro:なので、最初に入れました(笑)。

――プレコンサートは15:20ぐらいに始まって、前半と後半がありましたよね?

Siro:2団体やらせてもらいました。

――Siroさんたちの、アバラシア雲海の曲とチョコボの曲があって、そのあとが……。

Siro:エールポートの曲と、イクサル族のナタラン入植地の曲ですね。それから第一部と第二部の間の間奏は……。

Aria:古アムダプール市街と、女神ソフィアですね。

――Mameko Sora(セットリストでは“サクサクまめこ”)さんたちがピアノで演奏していましたね。

Aria:はい、Mameko Soraさんが編曲したピアノ二重奏バージョンですね。ピアノのさくらそうさんと打楽器のMameko Soraさんが連弾していました。

――では、コンサートをやり終えた今のご感想をぜひお願いします。

Siro:さっき言った内容と少しかぶるのですが、祖堅さんのあの感想ツイートが、やはり私の中ではすごく大きくて……。元となる曲を作っている方に加え、吉田さんや開発のみなさんが「よかった」と言ってくれたことや、Twitterでの反応、きてくれたお客さんや、身内の団員のみんなも「すごく楽しかった」と言ってくれて。あの場にいた、奏者も含む1800人ぐらいのヒカセンみんなが「よかった」と言ってくれたものをやれたというのが、本当に幸せなことだったなと思っています。本当に企画してよかった。

Omi:……今Siroさんがすべて言ってくれた気がしますが(笑)。私は、お客さんはもちろん、団員のみんなも楽しそうにやってくれてるかな、トラブルなくできてるかな……というのをずっと気にかけていました。それはどうやらうまくいったようで、よかったなと。本番についても、結果論ですけど「よかった」という言葉を多くいただいていて……本当にやってよかったなと思いました。大変だったけどね(笑)。

Siro:大変だったねえ……。

Omi:私も演奏会前にパンフレットの制作が燃え上がってる状態で。あれが一番苦しかった(笑)。

――パンフレットができあがるのはギリギリだったんですか?

Siro:ギリギリでしたね。年が明けて……かなりギリギリ。

――編集作業もやりつつ、普段の仕事もやりつつ、演奏もやっていたんですね……。大変だ。

Omi:演奏会の直前まで、何かずっとものを作ってましたね。田中先生の衣装とか。ヒルディブランドの髪型が最後まで決まらなくて……ワックスで固めたりとかしてました。

Aria:カツラとずっと格闘してたもんね。

――これだけ文字数のあるパンフレットを見る人が見れば、大変だったんだろうなと察せられます(笑)。

Aria:私はやっぱり、演奏できて楽しかったというのと、二部の最後の“ただ死者のみが見る”のときに、田中先生の涙がポロッと落ちたのを見て……それでいろんなことを思い出して……団員は泣いて。観客さんからもそれが見えたらしく、どうやらみなさんもグッときていて……。そういった一体感を感じられたのがすばらしい体験でした。アンコール最後のアラミゴ国歌をみなさんが歌ってくれたりとか。最後に演者がみんなで立ち上がって歌っていたのはアラミゴを奪還したときの様子を示しているのですが……そのときに、こういったコンサートではなかなかないのですが、観客のみなさんも立ち上がって腕を突き上げ、勝どきをあげてくれていて。 それを見ていて、奏者も観客も、もちろん開発の方々も含めて『FFXIV』を愛している人が集まってくれたんだなぁと。そういった想いみたいなものが演者と観客さんお互いに伝わっていたような気がして……とてもよかったと思います。

Omi:開発陣が一番最初に立ち上がってくれてたって。

Aria:そう、「吉Pと祖堅さんが一番最初に立ち上がってくれてた」というツイートを見て(笑)。いろいろコメントをいただいたりしたので、みんなが一体になれるコンサートができたというのは、運営としてもがんばったかいがあったと思いました。

ヒカオケ主催陣、プレイヤーとしての本音

――ゲーム内のことについてもお伺いしていきます。みなさんは、『FFXIV』のプレイ歴は長いのでしょうか?

Siro:私は、ドラマ“光のお父さん”がきっかけですね。それまですごく誘われていたというのもあったんですが。あのドラマを見始めて、ちょっとやってみようかと。まぁ、ハマりましたね。

Omi:私は新生βの頃からやってます。

Aria:私は……2015年、『新生編』が始まって1年後ぐらいから始めて、それからずっとですね。今回の演奏会にも呼んだリアルフレンドさんに「『FFXIV』の音楽ってすごくいいよ」と教えてもらい、プレイしているところをリアルで見せてもらったことで、興味を持って始めました。ちょうど原作のほうの“光のお父さん”と同じようなプレイ進行ですね。じつは、今回の運営メンバーで編曲にかかわっている大臣さんが、私の「いつか『FFXIV』のオケをやりたい」というツイートに“いいね”を押してくれて。なので「いつかやりたいね」という話は、4年ぐらい前からしていたんですよ。そしたらまさかこんな大きな団体で、合唱もついて、多くの観客や開発陣に見てもらえるような形で実現するとは思ってもなかったので……とても感慨深いですね。

――今回のコンサートは、光の戦士の冒険を振り返り、歩んできた道をなぞる形の構成でしたが、あらためて『FFXIV』内の旅路を思い返してみて、何か思うところはありますか?

Omi:団員のなかには、もう一回昔のダンジョンに行ってみたという人はいましたね。あと、“水車の調べ”の曲の入りですごく難しいところがあって……「今はグリダニアに放置したくない」って言ってました(笑)。わりとゲーム内と曲構成がリンクしているので、ヒカオケが終わったあと、あらためてニーズヘッグ征竜戦に行ったという話は聞きますね。「シリウス行きます」とかもありました。

――ちょうど、今なら青魔法のラーニングがありますから、一石二鳥かもしれないですね(笑)。ここまでの冒険のなかで、とくに印象深いものを教えてください。

一同:やっぱり『蒼天編』メインストーリーですかね。

Aria:物語がすごくよかったですから。

Omi:公式のオケコンで“雪風”はやってないので、それを演奏できたのは嬉しかったです。元となっているのがプレリュードなので、セットリストでプレリュードを第一部の頭か第二部の頭のどちらにもってくるか悩んだんですよ。それで、第二部の頭に“雪風”をもってきたいから、第一部の頭でプレリュードを使うのはやめたんです。

――一部の最後に、フライングマウントの曲がありましたが、あれは『蒼天編』に向かう流れを表してたんですね。

Aria:そうです。パンフレットの曲解説に「さらにその先の“未来”をお聞きいただこうと思います」と書いていたんですけど……あえてセットリストには載せず、隠し曲的な扱いにしていました。

Siro:今回、サスタシャに挑む流れが入っているのですが、私が『FFXIV』を始めて最初にサスタシャに挑んだとき、入り方がわからなくて……初めて野良のフレンドさんができたんです。“光のお父さん”が流行っていた時期だったので、サスタシャの前で待ってくれていた方がいて。その人が「どうしたの?」と声をかけてくれて。サスタシャにはその人とOmiさんとで行ったんですけど、それが縁でずっと一緒に遊んでいるそのフレンドさんが、今回来てくれて。その人にサスタシャからの一連の流れを聴いてもらえたというのが、自分の中ではかなり嬉しい出来事でした。終わったあとにも「よかったよ」と感想をもらえて。それがまた昔のことを思い出させて……。あのときに声をかけてもらえたから今も『FFXIV』をやっているし、同じフリーカンパニーに入っていろいろレイドとかまで行くようになって。その人に、ちょっとだけですけれど恩返しができたのなら、よかったなぁと。

――プレイヤーならではの思い出がきっとあるだろうなと思って、そのあたりのお話ぜひ聞いてみたかったんですよ。ありがとうございます。ちなみに当時は、すでに遊んでいたプレイヤーのなかで「“光のお父さん”の影響で入ってくる人たちがいるから、サスタシャの前で待っていて案内してあげようぜ!」という活動がありましたね。

Siro:そうなんですよね! そういう活動があったと、あとから聞きました。

Omi:“光のお父さん”のとき、ゲーム音楽を中心に演奏している方々の中でもヒカセンの増えようがすごかったよね。それまでもずっと布教活動をしてたのに、「オンラインゲーム怖いし~」みたいな反応の人ばっかりだったんですよ。嬉しいんですけど、ちょっと複雑な気持ちですね(笑)。

Aria:“光のお父さん”でSiroさんと私の所属している団体にもヒカセンが増えたので、「じゃあ、ロビーコンサートでアンサンブルやろうか」という流れだったんです。そこから今回のヒカオケにつながっていって。そうした縁もあって、今回、“光のお父さん”原作者のマイディーさんもご招待させていただきました。

――マイディーさんも来てらっしゃったんですね。

Aria:ブログに感想の記事を書いていただきまして、それにもグッときちゃいました。私自身も、“光のお父さん”のブログを読みながら『FFXIV』を遊んでいたので、マイディーさんをご招待できたのは本当に嬉しかったです。

――そういえば、図らずもパッチ4.5配信直後の週末に開催という運びになりましたが、さすがにヒカオケ前にパッチ4.5のプレイは……できましたか?

Omi:金曜までに、アラガントームストーン:創世だけはためました(笑)。

Aria:えらい!

Omi:じつはアップデートはヒカオケの翌週ぐらいなのではないかと予想していたんですが、まさか直前にあるとは(笑)。

Aria:そうそう。いろいろと、「ここはファンフェスにかぶらないだろうし……」とかを予想して、ここなら大丈夫だろうと設定したのですが(笑)。

――現時点までプレイしたうえでの、ご感想を聞いてみてもいいですか? とくに印象深かったシーンなど。

Siro:最近では、ヨツユ、アサヒあたりの話はよかったですねえ。『蒼天編』のラストも捨てがたいですが、やはりツクヨミ討滅戦あたりが泣きポイントでした。複雑な心境でアサヒくんのネタを見ながら笑っていました。

――そのぶん、締めのツクヨミ討滅戦の曲は……。

Siro:やりたかったんですよねぇぇ!! なのに気がついたら……。

Omi:もともと四重奏にしようと思っていたのでSiroさんに声をかけたら「プレコンに出演するから……」ということだったので。じゃあほかの人に声かけよう、と(笑)。

Siro:ツクヨミって言わなかったじゃん~~。ツクヨミだったら行ったのに! 次回があるかどうかぜんぜん決まっていないですけど、もし機会があればやるしかないでしょ!

Omi:パッチ4.3から4.5はとくに人気曲が多いよね。朱雀や青龍もあるし。

――次元の狭間オメガ零式:アルファ編の3層、4層もいいですよね。

Omi:4層後半は、ルイゾワスマイル合唱団の人たちがぜひやりたいって言ってましたね。

Siro:前半もいいよね。やりたいなぁ、ホント。

Omi:印象的なシーン……個人的には、紅蓮決戦 アラミゴで1ボスが終わったときにアイメリクたちが駆けつけてくれる演出ですね。あれがグッとくるんですよ。『紅蓮編』のストーリーのいいところは、“連合軍”にイシュガルドが加わっていることなんですよ!

Aria:私はやっぱり、演奏会でやった最後の“紅蓮メドレー”で追体験した部分ですかね。とはいえ『蒼天編』からストーリーに惹かれてやり続けていますし、演奏会をやりたいと思った原点もそこにあるので、今回演奏できなかった曲の中にも好きなものはたくさんあります。

――そういった曲は、みなさんそれぞれにありそうですね。ちなみに、みなさんが今ゲーム内で注目していることがあれば教えてください。

Omi:個人的には、合奏ができるようになってほしいですね。できるようになったら、オケのメンバーでやってみたいです。今は、ディレイがある状態でしか合わせられないので……たしか、パーティメンバーであればラグなしで演奏できるようになるかもというお話があったので、私はそれの実装を心待ちにしています。

Siro:それは楽しみだよね。

Aria:ゲーム内でオケができますね。私は、短い時間だけでもデータセンター(以下、DC)間でテレポができたらいいなと思います。ほかのDCの人に会いに行ってみたいですね。

Omi:たしかに。私も別DCにサブキャラがいるんですけど、メインで知り合いに会いに行けるようになれると嬉しいですね。

Aria:ゲーム内でヒカオケの交流会ができるよね。

Omi:現状、アライアンスレイドとかにいかないとワールド間で集まれないですしね。記念撮影とかやりたい。

Siro:やりたいね。

Aria:記念撮影といえば、演奏会後の打ち上げのときにDCごとに写真を撮ったり、すごい盛り上がりを見せてましたね(笑)。現状ではリアルでしかできないので、ぜひキャラで集まりたいですね。

――今後楽しみなことやチャレンジしてみたいことがあればぜひ教えてください。

Siro:いやー、それは5.0が楽しみで楽しみでしかたないですよ。今の段階から休暇を取ろうかと思ってます。

Omi:休暇は取るに決まってるでしょ。

Siro:3~4日ぐらいあればいいかな?

Omi:あとは、ジョブ調整や新しいレイドも気になります。新エリアの景観も楽しみです。

Aria:拡張パッケージは、本当に楽しみですね。今度のファンフェスで新しい情報も出るでしょうし。

Siro:チャレンジしてみたいことと言えば……「第2回ができたらがんばります」かな?(笑)

Omi:もちろんできればいいけど、私たちもゲーマーですから。

Aria:ゲームを楽しんだあとぐらいに考えようかなっていう感じで(笑)。

Siro:合間を見て、いい時期にやりたいね。

――それを企画すること自体には制限はないんですよね。

Aria:今回と同様に、無償を前提として、公式と間違えられないように注意してやれば、またチャンスはあると考えています。もちろんちゃんとお伺いして、回答をいただいてから情報公開等を進めるというのは鉄則ですね。

Siro:またみんなで楽しいことができればいいなと思っています。

Omi:まだ、何も決まってないですけどね(笑)。

Siro:まずは5.0を遊んでからだね。

Aria:曲も楽しみですしね。

――今回パンフレットに公演のアンケートが挟まっていましたが、アンケートを見た感想をぜひ教えてください。

Siro:やっぱり、お客さんの『FFXIV』愛がスゴイですね(笑)。たしかに、オーケストラをほめてくださっていたのですが、それ以上に『FFXIV』愛があふれていて。それを感じられるアンケートが多かったです。

Omi:プログラム構成とか、ヒカセン目線とかをすごくほめてくださる方が多くて、そこに関しても感動がありました。好きな曲に関しては意見がいろいろあって、みなさんそれぞれ思い入れが違うんだなぁと感じましたね。

Aria:今回の演奏会を見て、聴いて、『FFXIV』を未プレイの方も「『FFXIV』愛が伝わってきました」と書いてくれていたり。「これをきっかけに『FFXIV』を始めてみようと思います」といったコメントもあって。

Siro:嬉しいねぇ。それは嬉しいねぇ! 『FFXIV』の楽しかったところを思い出していただいたりとか、熱量とか、何かが伝わったならとても嬉しいと思います。

――さて、最後となりますが、“光のオーケストラ”にきてくれた人たち、そして開発陣の方々に向けてぜひメッセージをお願いします。

Siro:きてくれた人も、『FFXIV』を作ってくださっている方も、私たち演奏者も、今後もぜひ一緒に『FFXIV』の世界を楽しんでいければと思います。ヒカオケのアンケートにこう書いてくれていた人がいたので引用させていただくと……「また、エオルゼアで会いましょう」!

Omi:私も新生βから付き合いのあるフレンドが聴きにきてくれて、「すごくよかった」と言ってもらえたので、そういった体験を奏者のみんなができていたらいいなと思っています。まず奏者が聴かせたい人がいて、聴いてもらえて、聴いた人たちも幸せになるような演奏会。今回は幸いにもそういう機会だったのかなと思っています。また、できたらいいよね。開発の方々には、「本当にこのゲームを作ってくれてありがとう」と! ゲームも好きですし、音楽も好きです。もう、尊い……。ヒカオケを聴きに来てくださったことにも、大感謝です。

Aria:あらかた同じ気持ちを言ってもらえたのでそれ以上のコメントはないんですけれど、今回お客さんたちに聴いてもらって、とても一体感があって……「私たちの想いを受け止めてくれてありがとう」といった気持ちです。アンケートにもたくさん感想を書いていただいて、熱いメッセージをいっぱい受け取ったので、みなさんの想いを次回につなげられたらいいなと思っています。演奏した側も、とてもいい思い出になりました。開発の方々には、「すてきなコンテンツをありがとう、これからも私たちは『FFXIV』を愛し続けていきます!」と。今後もわくわくするコンテンツと素晴らしい音楽が生み出されることを楽しみにしています。

――ありがとうございました!

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

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■発売日:2017年6月20日
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▼『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
■メーカー:スクウェア・エニックス
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■発売日:2017年6月20日
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■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PS4
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■配信日:2017年6月20日
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■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PS4
■ジャンル:MMORPG
■配信日:2017年6月20日
■価格:5,600円+税
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■ジャンル:MMORPG
■配信日:2017年6月20日
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