2019年2月14日(木)
『FF8』魔女の登場するストーリーや学園ものの設定に驚いた! ジャンクションとカードに夢中に【周年連載】
あの名作の発売から、5年、10年、20年……。そんな名作への感謝を込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中です。
第92回でお祝いするのは、1999年2月11日に発売され、20周年を迎えた『ファイナルファンタジーVIII』。『FF』シリーズの中でも突出した売上本数を誇り、日本だけでも約380万本を記録しています。
筆者も発売前から流れていた、リノアがスコールの胸に飛び込むTV-CMがハートを直撃。発売日の朝、飛び起きてお店に向かった記憶があります。
この20周年という節目に、改めて本作の素晴らしさを振り返りましょう。
FFと学園ものは最高のマリアージュ
寮、食堂、教室、先生、先輩、試験……なんとも学校っぽいキーワードが並びます。『FFVIII』は、ナンバリングシリーズの中で唯一の学園ものとなります。舞台は、傭兵“SeeD”を育成するガーデンという学校です。
▲前作『FFVII』とは異なり、フィールド上のキャラがリアル等身になったことにも驚きました。 |
主人公スコールは、“SeeD”を目指す候補生。同じく候補生のサイファーに、一方的にライバル認定されるなどの苦労はありましたが、無事SeeD試験に合格しました。傭兵としての最初の任務で、あるレジスタンス組織に派遣されました。そこで、組織に所属するリノアと出会います。
▲主人公のスコール。序盤は無口で感情表現がうまくありませんが、ストーリーが進むにつれて感情を出すようになっていきます。 |
▲ヒロインのリノア。とにかく明るくて元気。スコールに対して、積極的なアプローチをする場面も見られます。 |
▲ライバルのサイファー。学園生活に欠かせない協調性がまるっきりない問題児です。 |
▲切磋琢磨する学友というより、暴れん坊のサイファーが控え目なスコールに一方的に絡んでいるという感じです。 |
レジスタンス組織に依頼された任務内容は、ガルバディア国の大統領を誘拐するというものでした。あと少しで任務成功かと思ったその時、“魔女”が現れて失敗してしまいます。魔女とは、次の才能ある女性に力を継承することで受け継がれ続けてきた、特別な存在。圧倒的な力を持っています。
スコールたちに与えられた次の任務は、魔女の暗殺。また、昔から魔女の騎士になるのが夢だったというサイファーが、魔女側につき、敵になってしまいます。ここらへんから傭兵としてではなく、とてつもなく大きな戦いに巻き込まれていくスコールたちが描かれるようになります。
▲ガーデンはとても巨大な建物ですが、なんと空を飛んで移動できます! ガーデンには、人々の夢が詰まっています。 |
本作は、確かに学園ものです。しかし、そこから舞台は時代を飛び越えて過去に行ったり、さらには宇宙に行ったりと、スケールは広がっていきます。スタートがプレイヤーにとって身近に感じられる学園だったからこそ、よりいっそうスケールの大きさを感じるのかもしれません。スコールとリノアの恋、ガーデンの仲間との友情、夫婦のあり方など、人間ドラマも濃厚です。
▲スコールたちはときどき過去に飛ばされて、ラグナというもうひとりの主人公を操作することに。彼の正体にもある秘密があるのです……。 |
ジャンクションとカードゲームに夢中!
本作は、シリーズの召喚獣にあたる“G.F.(ガーディアンフォース)”や魔法をキャラクターに装備させることによって能力を上げる、“ジャンクション”というシステムが特徴です。
▲敵が所持している魔法を“ドロー”して自分のものにし、装備画面で“ジャンクション”します。 |
武器や防具ではなく、召喚獣(G.F.)や魔法を装備するという独特なシステムです。魔法の種類、装備する数によってもパラメータが変わるので、とにかく収集に夢中になった記憶があります。
ジャンクションしたG.F.は、戦闘中に召喚が可能です。おなじみのシヴァやトンベリを味方にして戦えます!
G.F.はジャンクションした人の、頭の中に居場所を作ります。そのため、G.F.を使う人は昔のことを忘れてしまうなどの記憶障害があります。スコールや仲間たちも、このことが原因で昔のことを忘れてしまっているのです。このように、強い力に対して明確に副作用があるのもおもしろい設定だと感じました。
▲副作用があっても、強いから手放せない……。G.F.はちょっと危険な存在ですね。 |
もうひとつ、プレイヤーの時間を奪った要素があります。それがカードゲーム“トリプルトライアド”です!
『FFVIII』の世界で流行しているカードゲームという設定で、プレイヤーは世界中にいます。普段、町の人に話しかける時はコントローラの○ボタンを使いますが、□ボタンで声をかけるとカードゲームで挑むことに。重要人物から町の通行人まで、多くのキャラクターにカードゲームを挑むことができるのがおもしろく、新たな町に着くと、とりあえず対戦をしたという人も多いのでは?
さらに、地域によってローカルルールがあるなどのこだわりよう。このカードゲームだけで、何百時間と遊べてしまうボリュームで、「本編を進められない」という人もいました。筆者も、このカードゲームに成人直後の時間をごっそり持って行かれました。後悔はありません。
▲隣接した数字の大小で勝負! 基本のルールはシンプルです。 |
▲モンスター、G.F.、さらにスコールたち登場人物までもがカードになっています。レアなカードを持っている人もいました。 |
スコールとリノアの恋愛をもう一度
他にもPocketStationを使うことで、“おでかけチョコボRPG”というゲームもプレイできました。モンスターと戦ったり、アイテムを拾ったりできました。入手したアイテムは『FFVIII』で使えるうえに、コチョコボを育てていくとゲーム中で召喚した時のダメージが上がるということで、遊んでいた人もいたのでは?
改めて『FFVIII』を振りかえったのですが、独自のシステムや優秀なミニゲームにより、プレイする価値をいつまでも失わない素晴らしいタイトルであると感じました。物語は、いろいろな形の愛情をしっかり描いています。ゲームでひと泣きしたいなぁと思った時に、ぜひさわっていただきたいです。
スコールに対して積極的に「ハグハグ」と迫るリノアは、『FF』シリーズの中でも特に印象の強いヒロイン。20年前にはなかった言葉で表現すると、肉食系女子といったところでしょうか。その積極性、今こそ見習うべきところがあると感じます。草食系スコールと肉食系リノアの恋愛、この時代の視線で改めてプレイするといっそう楽しめるかもしれません。
現在、PSアーカイブスで配信中。PS3、PSP、PS Vitaでプレイできるので、遊んでみてはいかがでしょうか。
“周年連載”バックナンバー
(C)1999 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA
データ
- ▼『ファイナルファンタジーVIII』
- ■メーカー:スクウェア
- ■対応機種:PS
- ■ジャンル:RPG
- ■発売日:1999年2月11日
- ■価格:7,800円+税
- ▼『ファイナルファンタジーVIII』
- ■メーカー:スクウェア・エニックス
- ■対応機種:PS3/PS Vita/PSP(ダウンロード専用)
- ■ジャンル:RPG
- ■配信日:2009年9月24日
- ■価格:1,500円(税込)