2019年2月18日(月)
あの名作の発売から、5年、10年、20年……。そんな名作への感謝を込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として“周年連載”を展開中です。
第93回でお祝いするのは、1994年2月18日に日本ファルコムが開発、日本電気ホームエレクトロニクスより発売された『風の伝説ザナドゥ』です。
このソフトは、家庭用ゲーム初のCD-ROMマシンとなるPCエンジンCDロムロム向けに発売されたゲーム。あの『イース』シリーズを手掛けた日本ファルコムが、PCエンジンで手掛ける初の完全オリジナル作品。さらにPCで大ヒットを飛ばした『ザナドゥ』の名をタイトルに冠することなどから、当時のPCエンジンユーザー、RPGファンにとって大注目の作品でした。
以下で、その魅力を振りかえっていきます。
かつて邪竜を倒した英雄アイネアスの末裔である主人公のアリオス。百騎長となった彼が辺境の地でのモンスター討伐に出向き、敗走したところから物語はスタート。当初は、戦いのなかで離れ離れになった忠臣の無敵将軍ダイモスを捜すために辺境の地へと戻ろうと奮闘するアリオス。
しかし、ダイモスの救出、さらにはさまざまな仲間との出会いを通じて、世界を守るという自身の宿命に殉じていくことになる……。
本作のオープニング画面では、ちびキャラとなったパーティメンバーがずらり。主人公のアリオスはじめ、聖女ソフィア、イエティのアルゴスなど、個性的な面々が仲間になっていきます。
▲アリオス |
▲ソフィア |
重要なイベントや幕間では、キャラクターのバストアップが表示されるとともに、ボイス付きでセリフをしゃべります! 主人公のアリオス役は山口勝平さん、ダイモス役は江原正士さん、他にも作久間レイさんや矢尾一樹さん、勝生真沙子さんなど、豪華声優陣の熱演が物語をさらにアツく盛り上げます。
『軌跡』シリーズでは現在もボイスが採用されていますが、日本ファルコムがボイスによる演出を採用したのは本作が初めて。そういう意味では、記念碑的な作品と言えるかもしれません。
ちなみに、本作は『ザナドゥ』の名を冠していますが、ゲーム的には『英雄伝説』シリーズにノリが近いです。町の人々と話をして情報を集めて、目的地に行ってイベントをこなしたり、ボスを倒したり……。イベントごとに町の住人の会話が変化するようになっているのですが、こういった作り込みの細やかさは、『軌跡』シリーズなどに通じるところですね。
さすが日本ファルコムといったところでしょうか。また、通常のイベントシーンでちびキャラがちょこちょこ動くのもカワイくて、飽きずに楽しくプレイできたことを覚えています。
ゲーム内には時間の概念があり、朝から夜と、時間がどんどん進んでいきます。基本的に夜の21時ごろになると人々は寝てしまうので、買い物や会話などはできなくなってしまいます。ただ、夜にしか発生しないイベントがあったり、出現しない敵がいたりと、しっかりとシステムとしてゲームに組み込まれています。
夜になって住人がズラズラーっとベッドに向かっていき、朝になると起きてくるという動きが、非常に生活感を感じられて個人的に大好きなポイントです!
『ザナドゥ』は、敵に体当たりすることで倒していくアクションタイプのゲームでした。本作も、そのシステムを踏襲。主人公にレベルは存在せず、装備した武器、防具を使いこなしていくことでトータルのパラメータが上昇していきます。武器や防具のレベルはゲージで表示され、攻撃して敵を倒せば武器のゲージが、敵からダメージを受けると防具のゲージが上がっていきます。
また、仲間が増えれば、パーティを組んで行動することに。仲間は自動で攻撃をするので、バトルが断然ラクに! ただし、仲間が近くの敵をきちんと倒すので、防具レベルを上げたいと思ってわざと敵に突っ込んでいったのに、ダメージをほとんど受けられなかったなんてことも(笑)。位置取りなどでうまく自分がダメージを受けるようにコントロールするのも、また楽しかったりするんですけどね。
通常の戦闘は、見下ろし画面のフィールドやダンジョンで敵と体当たりをすることで展開。ところがボス戦になると、横スクロールアクションに! ボスのいる場所まではちょっとしたステージになっていて、剣の攻撃でザコを倒したり、穴に落下しないようにジャンプをしたりして、最奥まで目指していきます。
画面にいるのはアリオス1人になりますが、敵を倒すと“鈴”を落として、これを取ると仲間が登場し、一緒に攻撃をしてくれるように。登場するボスは小さいサイズから大きなものまでさまざまな種類がいて、さらに敵の攻撃を避けてそのスキに攻め入るなど、通常フィールドとはまた違った手に汗握るバトルが楽しめます!
今回の記事を書くため、25年ぶりに本作を触ってみたのですが、やっぱり楽しい! 一部のフラグ立てに苦労したりもしましたが、話せる人物たちに片っ端に話していけば基本的に物語は進みますし、戦闘もサクサク進んで爽快です。
もし今遊ぶなら、D4エンタープライズが運営するPC向けのレトロゲーム配信サイト“Project EGG”で取り扱っているので、こちらを利用するのが便利。また、同社からパッケージとして発売されている『ドラゴンスレイヤークロニクル』であれば本作と続編『II』が収録されています。もし、他の『ドラゴンスレイヤー』シリーズ(オリジナル版の『ザナドゥ』も収録!)もプレイしてみたいと思ったら、こちらを購入するのもアリかと。
未プレイの人は、ぜひともこの機会に本作に触れてみてください。
(C)Nihon Falcom Corporation.
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