2019年2月27日(水)
『キングダム ハーツIII』野村哲也氏インタビュー! 発売後の心境や今後の展開とは?【電撃PS】
2019年1月25日に発売され、全世界で500万本を超えるセールスを記録したスクウェア・エニックスのRPG『キングダム ハーツIII』。2002年に発売された第1作目から、まもなく17年の月日が経とうとするシリーズの物語は、この『キングダム ハーツIII』で一旦の節目を迎えることとなった。
発売から約1カ月が経つタイミングで、『キングダム ハーツ』シリーズのディレクターを務める野村哲也氏にインタビュー! 発売後の反響やプレイをして気になったところ、そして今後の展開などについて語ってもらった。
※なお一部ネタバレを含みますのでご注意ください。
――2002年3月28日に『キングダム ハーツ』が発売されてからもうすぐ17年になります。『キングダム ハーツIII』で、17年続いた“ダークシーカー編”の完結という1つの区切りを迎えましたが、無事『キングダム ハーツIII』が全世界で発売となり、500万本を売り上げるほどとなりました。全世界での多くの反応を受け、ここまでやってきた感想を教えてください。
野村哲也氏:数字に関してはDL版も合わせた正確なデータを見る限り、自分の予想をはるかに超えた良い結果にはなっています。現在DLCにも着手しているのでまだ終わった感覚はないですし発売後の方が睡眠時間は短くなりました。
――『キングダム ハーツII』のアンチフォームを思わせる“レイジフォーム”が登場しますが、これらはどういった設定のフォームなのでしょうか?
野村哲也氏:今回のフォームは『キングダム ハーツII』とはかなり仕様が異なるので、名称は全て変えようという事になりました。レイジは確かにアンチを思わせる様な特性がありますが、一応別物という設定です。アンチは完全に闇に染まったソラをイメージしていましたが、レイジはそこまでではなく、怒りの感情に支配されて暴走状態になっているイメージです。
――本作では難易度に“クリティカルモード”がないようですが、導入しなかった理由などがあれば教えてください。
野村哲也氏:元々クリティカルはオリジナル版ではなく、ファイナルミックス版の追加要素で入れていたモードなので、今回も後日配信という形にさせて頂きました。数値を変えて強くすればおしまいというものではなく、調整とデバッグが繰り返されます。単に難しくなったモードではなく、クリティカルならではの楽しさを見出せる様に調整を行っています。
――全ワールドのなかで、とくに『ベイマックス』のワールドのシナリオは大胆な展開だったと感じました。『キングダム ハーツIII』では多くが新しいワールドですが、思い出深いシナリオや制作エピソードなどがあれば教えてください。
野村哲也氏:『トイ・ストーリー』はプロット制作が一番最初でシナリオの完成まで2年以上掛かり、ピクサーまで直接交渉に行ったりと、『キングダム ハーツIII』スタートのシンボリックな作品だったので一番思い出があります。
――本来の名前が不明なままの機関メンバーも何人かいますが、アイザの額の傷についてなど、それらが今後語られる機会はありますか?
野村哲也氏:続編があればその機会もあるかもしれませんが自分の中の今の欲求は白紙です。
――ヴェントゥスとロクサスは復活の過程がわかりやすく描かれていましたが、シオンはどういう経緯で復活し、真XIII機関に加入したのでしょうか?
野村哲也氏:察せられる範囲かとは思いますが、DLCで説明する予定です。
――『キングダム ハーツIII』をクリアした人は、リアとアイザが探していた“あの子”と終わりの世界にいた“NAMELESS STAR”の存在が気になっていると思います。彼女たちの正体について、何かヒントをいただけますか? シリーズ作のどれかに、すでに登場しているキャラクターなのでしょうか?
野村哲也氏:これもシークレットレポートも合わせ見れば察しはつくとは思いますが、シリーズ作のどれかに登場済みのキャラです。“NAMELESS STAR”の方は今後があれば分かると思います。
――ファイナルトレーラーにも映っていた“スカラ・アド・カエルム”は、どういった場所なのでしょうか? 『キングダム ハーツ ユニオン クロス』の“デイブレイクタウン”と似ている気もしますが、何か関係がありますか? またそこに現れた黒装束の人物たちは何者だったのでしょうか?
野村哲也氏:スカラ・アド・カエルムとデイブレイクタウンの関係は注意深く見れば分かる様にはしてあります。黒装束はレプリカです。
――配信されたエピローグ、そしてシークレットについて、補足含め、可能な範囲でコメントをお願いします。“トイボックス”でも出てきた“VERUM REX”ヨゾラの存在も気になります。
野村哲也氏:共にこれまで通り、今後があれば語られる物語の前振りですね。シークレットは色々憶測があるようですが現時点でわかる程、単純なものではありません。
――『キングダム ハーツIII』を終えると『キングダム ハーツ ユニオン クロス』のシナリオがますます気になってきますが、『KHUX』の今後の展開を教えてください。
野村哲也氏:新たなワールドへの展開が近付いています。それに伴いメインストーリーも大きく動き、これまで謎だった部分の回収が始まります。
――発売後のアップデートや、DLCなどの展開などの予定があれば教えてください。また『ファイナルミックス』といったものの可能性や、次の『キングダム ハーツ』シリーズについてはどうでしょうか?
野村哲也氏:これまで『ファイナルミックス』として別パッケージを用意していましたが、今回追加要素は全てDLCで済ましたいと考えています。無料DLCは出来た物から追加アップデートという形で出すとは思いますが、有料DLCはいくつかの要素をまとめて一括で出す予定です。そのため有料DLCは少し制作に時間は頂きますが年内なるべく早くに終えて、チームには次の作品に着手してもらいたいと思っています。
今後の『KH』シリーズに関しては色々お話しを頂きますが、あるかどうか、やるかどうかも本当に今は白紙です。自分の予定も年内もう全て埋まりました。
――スカイツリーやアンバサダーホテル、そのほかスクエニカフェやウォークマン、そしてこれからのコンサートのワールドツアーなどなど、『キングダム ハーツIII』の展開は非常に多岐にわたっています。野村さんがとくに思い出深い展開は? また今後、こういった展開はまだ予定されていますか?
野村哲也氏:驚いたのはアンバサダーホテルです。他も全てありがたいお話しばかりでしたが、おそらく現在発表されてるもので全てだと思います。
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