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2019年3月29日(金)

未クリアでも必見! 『ルルアのアトリエ』のエンディングテーマ制作秘話を特別インタビュー【電撃PS】

文:電撃PlayStation

 コーエーテクモゲームスから発売中のPS4、Nintendo Switch用ソフト『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』。発売から9日が経過し、すでにルルアの旅を最後まで見届けたという方も多いはず。そこで今回は本作のエンディングテーマ『旅へ寄せて』の作詞・作曲を手掛けた中河健さん、そしてボーカルのKayocoさんのインタビューをお届けします。なお、まだクリアできていない方もネタバレはありませんので、ぜひご安心してお読みください。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

中河 健

アーティストインタビュー

 作曲・編曲家。インストゥルメンタルを中心に作曲だけでなく、アレンジャーとしても依頼が多い。また、民族楽器などの演奏(諸事情により活動停止中)や、ミックスの依頼、海外からの作曲依頼などマルチに活動している。『アトリエ』シリーズでは『ヴィオラートのアトリエ ~グラムナートの錬金術士2~』から『トトリのアトリエ ~アーランドの錬金術士2~』までのシリーズと、『ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~』に参加。


Kayoco

アーティストインタビュー

 栃木県出身シンガーソングライター。幼少からピアノやフルートに触れ、18歳からキャリアをスタート。NYの教会やジャズバーでのパフォーマンスを経て、2005年Club系コンピレーションCD『COOL&BEAUTY#1』に『The fallin'earth』収録。2008年にシングル『Connection』(TBS『エンプラ』EDテーマ)をリリース。その後もBS-TBS『ゆらり散歩世界の街角』メインテーマ&EDの担当や、アニメ・ゲーム作品にも広く携わり、歌唱のみならずコーラスやナレーション、楽曲&歌詞提供、アレンジといった制作ワークまで、活動範囲はジャンルを越え多岐に渡る。


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旅を終えてホッとひと息ついた感覚を表現

――まずは今回ご参加された『ルルアのアトリエ』という作品に抱いたイメージから教えてください。

中河さん:『ルルアのアトリエ』ではキャラクターのテーマ曲も担当するので、最初に若干のあらすじのシナリオと、キャラクター設定を見せていただきました。印象としては僕が『アトリエ』シリーズに参加していた当時(『トトリのアトリエ ~アーランドの錬金術士2~』)より、やや変わってきたなと。

 ガストに在籍していた頃は初期からシリーズにかかわっている方もいて、よく『アトリエ』シリーズは“世界名作劇場だ”という話を聞いていたんです。いわゆるキャラクターがぶっ飛んでいなくて、いい意味で毒がありませんでした。

 それがもう少し今風なキャラクターになっているのかなと。僕はそのような変化はいい傾向だなと思っています。ハードもどんどんバージョンアップしてきて、スマートフォンのような新しいメディアが出てきて、デジタルメディア自体がどんどん変化する時代ですからね。だから、作品も変わり続けないと、シリーズものは生き残れないじゃないですか。

 一番よくないのが「伝統だから」「これをやめるとファンが怒るから」といって、何も変えずにいることだと思います。「それは伝統と違う」となってしまうと、どんどん縛りが出てきて、開発が望まないものを仕方なく作るだけになってしまいがちです。でも『アトリエ』シリーズは、そんなスパイラルから抜け出している印象を受けました。少なくとも僕が作っていたときよりは縛りがなく、自由に作っているんじゃないかなと。いい傾向だと思いますね。

――『アトリエ』シリーズへの参加は、2010年の『トトリのアトリエ』以降ひさしぶりですよね。『ルルアのアトリエ』は『ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~』と同時期くらいの制作でしたか?

中河さん:そうですね。半年くらいのタイムラグでしょうか。『ネルケと伝説の錬金術士たち』を先行していますが、こちらは4曲くらいでした。だからブランクは『トトリのアトリエ』以来と言えると思います。だから「あれ? だいぶ変わったんだ」という印象でした。たぶんずっと側でシリーズを見ていたら「ちょっとずつ変わってきたな」と感じるんでしょうけど。

――Kayocoさんは初めて『アトリエ』シリーズにご参加されましたが、オファーを受けていかがでしたか?

Kayocoさん:私は今回、『アトリエ』のなかでも『アーランド』シリーズの4作目で初めて参加させていただいたのですが、『アトリエ』シリーズがどんなゲーム内容なのかは、お話をいただくまではそこまで深く知りませんでした。それでオファーを受けてからは『アーランド』シリーズの情報をいろいろ見させていただいて、「歴代の主人公のなかでも、ルルアちゃんはすごくかわいいな♪」と(笑)。

 岸田メルさんのイラストはすごく淡くて印象的ですよね。ファンの方々はもちろんご存じだと思いますが、イラストがそんな感じなので一見のんびりしたゲームなのかなと思いきや、蓋を開けてみると錬金術を使って、いろいろシステムが凝っているのに驚きました。

――今回制作された『旅へ寄せて』の曲ですが、エンディングテーマということで、シナリオは最後まで知ったうえで制作されたのでしょうか?

中河さん:歌がある曲は、スケジュール的にも最初からスタートしないと問題があるんですよ。ムービーをはじめいろいろな要素が絡むので、先に発注する必要があります。完成していないときに、だいたいの着地点を決めて作り始めることになるんです。

 だから今回もまず「どんな曲にしたい?」と、ゲームの構想を持っている人にお聞きしました。そのオチにたどり着いたときに、プレイヤーにどんな感情を持ってもらいたいのか、という点ですね。ただ、そのときは着地点がまだ決まっていなかったんでしょうね。答えが届くまで1カ月くらい待ちました(笑)。で、届いたのも「旅が終わってほっとひと息ついているイメージ」というひと言で。まあ端的ですが、僕的にはわかりやすかったです。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

 よく大団円で終わるエンディングは、オーケストラ調や、やたら泣けるバラード調の曲になることが多いんです。あとは『ロロナのアトリエ ~アーランドの錬金術士~』のエンディング曲の『不思議なレシピ』のように、「また来週ね!」というノリの曲とかね。そんななか「ほっとひと息ついている」という言葉は、わりと僕のなかではストライクで「ああ、わかりました」と(笑)。

――となると、曲を作られるときはあまり細かく指定されるよりは、キーワードをポンと渡されたほうが浮かびやすいと?

中河さん:はい。逆に一番困るのが何もなくて「ご自由にどうぞ」でしょうか(笑)。「ご自由にどうぞで作った曲をそのまま使いますから」ならばいいのですが、たいていは「そういう曲が来るとは思わなかった」になっちゃうんですね。まあ、でも歌がある曲は尺もあるので、たいていはこちらから「教えてください」と聞きます。

――ボーカル側は、そういったゲームの事前情報を仕入れていたほうが歌いやすいのでしょうか?

Kayocoさん:そうですね。楽曲は聴けばわりと雰囲気が伝わる部分がありますが、やはりどういう作品に載せた曲であるというニュアンスは、ある程度イメージできたほうが歌いやすいです。それに沿っての調整ができますし。だから今回も資料はいただきました。

 今回はエンディングでキャラクターソングというわけでもないし、そこまで作品をイメージしなくてもいいので、もしかしたら何も見なくても問題はなかったかもしれませんが、うしろで鳴っている音楽なので、ある程度絵をイメージできたほうが、イメージが湧きやすいかなと。

――今回歌う曲が『アトリエ』シリーズと聞いたときに、どんな印象をもたれました?

Kayocoさん:私がこれまでやってきた音楽が、尖ったタイプの音楽が多かったので。それに対して、全体的にふわっと明るい感じだったので、大丈夫かなと思ったのはありました。

中河さん:ちょっと今どきの曲ではないんですよね。そんな話を収録のときにKayocoさんとしたんですよ。最近のアニソンなどは「これを歌えるものなら歌ってみろ」という、楽曲と歌い手さんがガチンコ勝負をしている曲が多いんですね。

――たしかにそれはありますね。曲のなかに転調、転調の嵐だったり、1つの曲で壮大に歌い上げたりなど。

Kayocoさん:メロディラインが派手な曲も多いですよね。でも『旅に寄せて』はコーラスが1本もなくて、メインのボーカルが1本だけだったので、それも今時すごくめずらしいなと。だからこそ、そこで勝負しなくてはいけないという難しさもありました。

中河さん:そこが難しいよねというのも、収録中に何度も話しましたね。ごまかしが効かないというか、いわゆる全体の迫力でごまかせません。例えばこれが歌唱の難しい歌ならば、多少音をはずしても「じゃあお前がこれを歌ってみろよ」的なリプライが来るから緩和されるというか(笑)。

アーティストインタビュー

Kayocoさん:わりとフレーズの切り替わりが早いと、一瞬しか出てこないメロディとか、わりとわからないとかありますよ。

中河さん:あとは科学の力で修正してもばれないというのもあります(笑)。

Kayocoさん:それに対してこの曲は1文字1文字、1音1音大切に歌う曲ですので。

――だからこそ心に染みる……みたいなところもあると思います。そういう意味では聴き手のことは意識される感じでしたか?

Kayocoさん:そんなに深くは考えずに、シンプルに歌った感じでしたね。

――ガストさんの作品はライブで演奏されることも多いので、今後はレコーディングと違った環境で歌うこともありそうです。

Kayocoさん:そうなってくると、またちょっとイメージを変えないといけないかもしれません。

中河さん:なにより、バンドであの曲を演奏する場合は、相当なアレンジが必要になるのかなと。曲はシンフォニック(交響的)な編成で、だんだんとオーケストラが入ってくる形なんです。ああいう曲は、なかなかライブだと難しいのかなと。そうなるとたいていはカラオケになるのですが、ほかの出演者がバンド演奏で歌うなか、この曲だけがカラオケになるとちょっと違うのかなと。

Kayocoさん:音圧差も出ちゃいますしね。

中河さん:そういう意味では、ライブを意識しないで作ってしまったかもしれません(笑)。

――ガストサウンドはライブで歌うことを意識しない曲が多いですよ(笑)。

中河さん:多いですね(笑)。

――曲はKayocoさんの歌が入ってはじめて完成となりますが、そこに至るまでにお2人の間で「こうしたほうがいい」みたいなやり取りはありましたか?

Kayocoさん:まったくしていないですよ(笑)。

中河さん:じつは僕が曲を作った段階では、まだ歌い手さんが決まっていなかったんですよ。このような同時進行はよくありまして(笑)。だから、収録前に1回キーの確認だけはしていただかないといけないので、その資料だけお渡ししました。

Kayocoさん:そうですね。あとは通常、本テイクの前に仮歌が収録されていて、それをいただいて聴くことが多いんです。それも今回はそれもなくまっさらな状態で収録できたので、逆によかったのかなと思います。

中河さん:仮歌を録ってしまうと、それはそれで緊張するという歌い手さんもいらっしゃるんですね。仮歌でサラっと歌ったものがよかったと思ってしまうと、本気で歌ったときに仮歌を超えられない、という方もいるんです。

――ちなみに中河さんが作曲されるときは、仮歌なしのケースが多いのでしょうか?

中河さん:僕は仮歌を入れることはあまりないですね。最悪、僕が仮歌を歌うケースもありますし。今はありませんが、昔は女声に替えて歌ったこともありました(笑)。

――そうなんですね(笑)。仮歌ではニュアンスだけでも伝わればいいと?

中河さん:そうですね。

Kayocoさん:やはり歌詞を曲にハメるときには、仮歌があるとスムーズになりますし。

――開発側から「こういう風にしてください」という注文はあったのでしょうか?

中河さん:歌の収録では何かありました?

Kayocoさん:「あるのかな?」と思ってレコーディングに臨んだのですが、蓋を開けてみたらとくに何も言われなくて(笑)。

中河さん:僕も現場ではテイクチェックのみでボーカルプロデュースに関しては、静観していました(笑)。

Kayocoさん:だからだいたいはやりたいように歌わせていただいたと思います。とはいえ、箇所によっては「ここはどうでしょうか?」という相談はしながらですが。

中河さん:曲を書く時点で歌い手さんが決まっていなかったので、どの音域が声をだしやすいのか、おいしいポイントはどこなのかをわからずに作っていたんですね。だから、セルフディレクションで気に入らない場所はKayocoさんご自身にリテイクを出していただいて、自由に歌っていただきました。

Kayocoさん:私ばかりこだわってしまった感じがあるかもしれません(笑)。

中河さん:僕は「一応正しいピッチだけは考えますが、細かいこだわりの部分はおまかせです」と(笑)。

――そこまでおまかせになると、やはりプレッシャーがかかりますか?

Kayocoさん:そうですね。出来上がって「本当にこれで大丈夫だったのかな……」という不安は少し残ります。

――曲自体も何十時間もプレイして最後に流れるエンディングであることを考えると、格付け的なものも高くて大変ですよね。

中河さん:アニメなど歌曲は、キャラクターを演じた声優さんが歌う場合もありますよね。演じた時間があるぶん感情も乗せやすいのですが、歌だけですから難しいですよね。たぶん、オープニング曲よりもプレッシャーはあるのかなと(笑)。

――歌う側として“エンディング曲だから”という意識はされましたか?

Kayocoさん:エンディングだからどうこう、という気負いはなかったですね。ただ、楽曲はワルツ調でありながらすごくシンプルなメロディで、どこかクラシックやオペラのイメージを感じたんです。だから、あまりにも強弱をつけて表現してしまうと、仰々しくなってしまう曲だなと思いました。そこで、あえて全体的に抑えめに歌っています。そういう意味での難しさはありました。

『アーランド』シリーズのルールに従って作曲

――『旅へ寄せて』はしっとり系のワルツだとお話がありましたが、このような曲調にした狙いは何でしょうか?

中河さん:1カ月待っていただいた言葉が「旅を終えてほっとひと息ついている」で、これはいわゆる魔王を討伐して旅が終わったというよりも、元の生活に戻ったという感じですよね。たぶん“世界がハッピーになりました!”という終わりではないと思うんです。

 僕らがこの『アーランド』シリーズを始めたときは、1作目の『マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~』の原点回帰を目指しました。この作品は「そろそろ世界を救うのにも飽きてきた。」といったキャッチコピーでしたが、今回の『ルルアのアトリエ』でいただいた「旅を終えてほっとひと息ついている」という言葉を聞いたときに、「あ、わかっているな」と。

 たぶん、ルルアは個人的なことで旅に出て、何か大きいことに巻き込まれたかもしれないけど、最後はスッと個人的なところに戻ってくる。別に世界中から称えられる、その後の世界をどうこうするというわけではなく、たぶん至極プライベートな空間に戻ってくるというか。だから僕のなかでこの曲は自室でこっそり聴いている、それこそ紅茶でも飲みながら聴いているイメージなんですね。だから、みなさんもエンディングになったら、茶でも一杯飲みながら聴いてくださいと(笑)。

――そう言われると、たしかにそんなシチュエーションでの視聴がピッタリですね(笑)。オルゴールでの出だしについては、想い出の回想みたいなことを意識されているのでしょうか?

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

中河さん:そうですね。なんとなく部屋から音楽が流れてくる……、みたいなイメージです。

――こういった曲調の作曲は得意なのでしょうか?

中河さん:じつは僕はジャズ・フュージョンが好きで、もともとそっち系の音楽をやっていたんですよ。だから、もっと現代的な曲を作っていました。ガストに入社してゲームの音楽をやることになり「これは違うから」「リズムが違うから」「こういう楽器は使わないから」などいろいろ言われまして。それでけっこうがんばって『アトリエ』シリーズの曲調にしていきました。

 それを何年も続けていると「『アトリエ』サウンドと言ったら中河さんだよね」と言われるようになりましたが、「いやいや、僕をプロデュースする人がちゃんといて、自分はその指示に従って作っているので、僕の音ではないんだよ」と思っていました。ただ、しばらく離れていると、持っていたその感覚が抜けちゃうんですよね。だから、正直今回すごく苦労しました(笑)。

 仕事の話が来たときには「昔の曲はもう無理だから」と言ったのですが、「いや、そんなの気にしなくていいから」と(笑)。今回は柳川(和樹氏。フリーの作曲家でガストブランドタイトルでも多くの楽曲を担当)君経由で連絡をいただきましたが、「僕らもドンドン変わってきているから、まったく気にしなくていいから」と。とはいえ、そんなことを言われてもそういうわけにはいきませんよね。先ほども言いましたが「まさかこういう曲にするとは思わなかった。空気読めよ」的なものがあるじゃないですか。

――新しいとはいえ『アトリエ』でイメージするお約束がありますからね。

中河さん:それは僕がガストに所属してかかわっていたからわかるのかもしれませんが、自分で作っても「これなんか違うよな」というものがあるんですよ。開発側が何も言わなくても、これはいったん聴かせるのを止めよう、みたいな(笑)。

――そこの感覚はなくなっていないんですね。ただ、自分のなかでも昔の自分を取り戻す、みたいな作業もありましたか?

中河さん:多いですよね。

――『ロロナのアトリエ』では全曲を手掛けられていて、今回は柳川さん、阿知波(大輔氏。フリーの作曲家でガストブランドタイトルでも多くの楽曲を担当)さんと共同での作曲になりましたが、そういった意味での作りやすい部分、作りにくい部分はありますか?

中河さん:たぶんみんな得意、不得意はジャンルであるとは思いますが、おそらく振り分け方はだいたい戦闘曲、イベント曲、とかみんな均等だと思います。それぞれにやりやすい、やりにくいはあったんじゃないかなと。あと、柳川君たちはどうかわかりませんが、僕は彼らの曲を聴かなかったんですよ(笑)。

――たしかにほかの作曲家さんのインタビューでも、ガストさん側からの作曲家さんへのオーダーはさほど細かくなく、基本的にはおまかせでというお話をよく聞きます。そこはやはり『アトリエ』シリーズに明確なイメージをお持ちだから、それほど突飛でバラバラな曲にならないのかもしれません。

中河さん:それもあると思いますが、おそらくはかつての人間関係もあるんでしょうね。土屋(暁氏。ガストブランドのゲームクリエイター)さんを中心に動いていたとき(『ヴィオラートのアトリエ ~グラムナートの錬金術士2~』まで)は、彼がサウンドディレクションも含めて世界観を決めて、みんながバラバラに曲を作っても、そこにある程度ルールが決まっている感じでした。

――となると、今回は土台になる『ロロナのアトリエ』をはじめとする『アーランド』シリーズのルールに従って作ったという感じなんですね。

中河さん:そうですね。「ああ、あれ系ね」みたいな(笑)。あとは『アーランド』シリーズがヒットしてくれたおかげで、他社さんが作ったゲームでアコーディオンやリコーダーを使う曲があると、レビューに“『アトリエ』っぽい”という言葉が出てきたんですよ。“『アトリエ』系”みたいな言い方が出てきて、僕らが思っている曲のイメージと、“『アトリエ』系”と感じてくださっているお客さんとの明確な違いもわかるようになりました。

 そうなると「ああ、こっち系」ね、とより明確に、戦略的に作曲できるようになりました。たぶん、みんな自分の曲に対するお客さんの評価は見ていると思うので、そのあたりは把握していると思います。いわゆる“必殺パターン”みたいなものです。

――やはり20年も続くシリーズになると、中河さんがかかわられたもの、そうでないものを含めて、『アトリエ』の楽曲は広がってきたという印象はありますか?

中河さん:僕が在籍していた頃に“『アトリエ』系”として確立したと思うことが1つあります。かつての『アトリエ』シリーズはドイツの片田舎という設定もありましたので、どちらかといえば楽曲もヨーロッパ寄りでした。当時僕が入社したときにオーダーで多かったのが“ケルト音楽”だったんです。でも、日本人が本当に真面目にスコットランドやアイルランドの曲を作ると受けがよくないと思ったので、もう少しフォルクローレ、中南米の曲調を取り入れようと考えました。

 中南米と聞くとみなさん「なぜそちらに行ったの?」と思われるかもしれません。でも『コンドルは飛んでいく』とか、日本人はああいう曲も好きですよね。だから、いわゆる中南米のノリを取り入れたほうがいいんじゃないと考えました。それを取り入れたのが『イリスのアトリエ エターナルマナ』からですね。その後はあのノリを企画から求められることがあり、僕が『アトリエ』の楽曲で1つ追加したものと言えば、中南米の要素をさりげなく混ぜたことですね。

 楽器はアイリッシュ系なんですけど、フレーズは別のものを入れていて、たぶんワールドミュージックなんですよ。それは日本人にとってすごく都合がいいんです。なんとなくファンタジーっぽく聴こえればいいという。それを繰り返していくうちにどんどんこなれていって、世間が“『アトリエ音楽』”と呼んでくれるものになって、無国籍な音楽になっていったと思います。

感情を乗せつつも訥々(とつとつ)と歌い上げることの難しさ

――『旅へ寄せて』の楽曲や歌詞で今回表現したかったことは何でしょうか?

中河さん:ストーリー的なネタバレもあるので詳しくは言えませんが、自分の近況を報告しているようなイメージですね。いわゆる手紙みたいな感じでしょうか。

――そう聞くとしっくりきますね。Kayocoさんは歌詞を読まれて、どういった印象を持たれましたか?

Kayocoさん:じつは私も中河さんの説明を聞いて、そんな意味があったのかと今知りました(笑)。でも、あまりテンションを上げずに訥々と素朴に歌い上げたのは、意外によかったんだなと安心しました。たぶん情熱的に歌い上げるバラード系ではないなと思ったので。

中河さん:収録時もそんな話をKayocoさんとしていましたね。シンプルだからヘタに聴こえちゃうので、力を抜くのは難しいよねと。

Kayocoさん:そうなんですよ。飾りを付けることができず、どんどんそぎ落とす作業になるので。

中河さん:ちょっと“よい子の歌”になってしまうといいますか。

Kayocoさん:そうですね。そうならないようにという塩梅が難しいです。シンプルが故に。

――抑揚をつけない歌い方は、歌い手としては難度が高いのでしょうか?

Kayocoさん:抑揚をつけずに歌うことはできますが、人間味的なものを歌には載せないとつまらなくなってしまうんです。とくに今はボーカロイドなどが流行っていますし、やはり機械的に歌うことは一番避けたいですね。まあ、それを抜きにしても『旅へ寄せて』は強弱を大幅につける歌い方はちょっと違うかなと。ちなみに、歌詞を最初にいただいたときは曲名が決まっていなかったんですよ(笑)。

――そうなんですか?

中河さん:誰かが考えてくれるかなと(笑)。

一同(笑)

中河さん:いや、曲名を付けるのが好きな方もいるんですよ。曲を渡したら「こんなイメージが湧きました」と言って「この曲名をつけたいんだ」と察してくれ的な。今回はそのパターンになるのかなと思いきや、誰も何にも言ってこないんですよ。だから「あ、これはみんな忙しいんだな。僕が決めなきゃダメだな」と(笑)。

Kayocoさん:歌う側としては、曲名があるとイメージをつけやすいんですよ。だから曲名がなくて「ん?」となって、歌詞や資料を読んで解釈しました(笑)。

中河さん:僕はけっこう収録時だと曲名がファイル名のままなことが多いんですよ。さすがに「曲名をつけてくださいよ」と、怒られることもたまにあります。

一同(笑)

――歌う際に「ここに気持ちを込めました!」というようなフレーズなどありましたか?

Kayocoさん:とくに歌詞やこのフレーズです、というのはないですね。たとえば題名があったら、意外とサビにあるフレーズを題名に持ってくることが多いじゃないですか。そういう場合はそこを大事にしたほうがいいのかな、などの推測もできますが、今回そういうこともありませんでした。

 だからフレーズと言うよりは、全体の流れとしてあまり“バン!”と差を付けないなかで、どこをキュッとさせて、どこを上げるかという部分に気を配りました。一応、サビはちょこっと感情を解放できるような歌い方をして、いわゆる大サビは落ちサビとして落ちてはいるのですが、そこは少し優しく歌っています。あと、Aメロはやはり1人で部屋のなかで聴くという感じなので、つぶやくようなイメージですかね。あまり差が付かない程度に、抑揚のバランスに気を配りました。

アーティストインタビュー

――Kayocoさんは作曲、作詞も手掛けられることもがありますが、曲名から入るタイプですか?

Kayocoさん:作品ありきの曲では、ある程度使ってほしいワードなどがありますよね。それをそのままタイトルに使うわけではありませんが、そのワードを据えてというのはまれにありますね。ただ、それだけではなくて、タイトルだけがなかなか決まらないこともあります。

――今回の『旅へ寄せて』というタイトルは、わりとすんなり出てきた感じでしょうか?

中河さん:いやもう、時間に追われて(笑)。そういえば『ロロナのアトリエ』のオープニング曲の曲名は、収録現場で即興で決めたんです。たしか収録現場を撮影したいと、広報がスタジオに来ていたんですよ。そうしたら「中河さん、早くタイトルを決めてください」となって、バックコーラス『Falling The Star Light』というフレーズが出てくるので、じゃあこれでと(笑)。

一同(笑)

――思い付きで選んだものが意外とマッチした……、なんてケースもよくありますよね。

中河さん:曲名は難しいです。本のタイトルもそうですけども、オチを言ったらいけないじゃないですか。ゲームにはストーリーがありますし。論文などの場合は“こういうことです!”と、一番重要な言葉を入れたらOKですが、結論やオチを先に書いてもいいのかということがありますし。だから、それっぽいことを謳うんだけども、そこはかとなく感じさせる言葉は何になるんだろうと悩みます。

――今回はエンディングでしたが、オープニングやエンディングの曲は、ある程度尺を指定されているのでしょうか?

中河さん:だいたい決まっています。あとからの調整は困るので、必ずタイムラインはくださいという話はします。

――やはり規定に収めるのは難しいですよね?

中河さん:そうですね。ただ、条件は2、3あったほうがやりやすいですよ。結局僕らは職業作家ですから、何でもやっていると「いつものやつでいいから」というのが一番困るんですよ。いつもってどれなのと(笑)。「誰々さんみたいな曲」というオーダーは「だったらその方に頼めよ」と怒られると思って遠慮されることが多いのですが、僕は逆に言ってもいいからと。その方の曲っぽく作りますから。でも、たいてい「似ていない」と言われるんですけどね(笑)。

一同(笑)

中河さん:最近はそこを逆手にとって「誰々さんみたいな曲って言っても大丈夫。僕はパクリにはならないから大丈夫。絶対似てない曲ができるから。でも、イメージはそこなんだからそれは言って」と伝えることはあります。

――依頼主が持っているイメージを聞き出す感じですね。

中河さん:ええ。そこはあったほうがいいですね。僕のことを知ってくださっているケースだと、「過去の何とか」「何とか系のお客さんが喜ぶ曲」という指定をいただけますし、そのひと言だけがあればいいんです。「いつものやつで」とか「言わなくても信頼しています」という「何それ、プレッシャーみたいなの」は辛いなと(笑)。

――今回は『旅へ寄せて』以外にもロロナのテーマやステルクのテーマなど、過去に手掛けた楽曲のアレンジを担当されていますが、ひさしぶりにご自身が手掛けた曲に触れて、そこからのアレンジをされてみていかがでしたか?

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

中河さん:基本的に自分の曲なのでアレンジには困らないのですが、いわゆるデータだけ持ってきて、「シンセサイザーの音だけ変えました」ということだけはやらないように心がけています。例えばわざと3拍子を4拍子にしたり、逆にしたりなどをやるんです。

 だから今回もロロナのテーマとして発注された『ひなたぼっこ』という曲は、オリジナルは3拍子ですが、4拍子になっています。アーランドの街で流れる『お出かけしよう』という曲は、もともとは4拍子ですけども、3拍子になりました。そんな感じにさりげなく変えています。

――となると、聴いたときに「あれ?」という引っかかりをわざと作る感じですか?

中河さん:そうですよね。「あれ、なんか乗れないぞ。前のテンポと違うぞ?」と。

――でも、聴いているとやっぱりハマっちゃうんですよ(笑)。

中河さん:『お出かけしよう』については、たぶん今回の曲のほうが『アーランド』の世界らしくなったと思います。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

――ちなみに、『ルルアのアトリエ』が『アーランド』シリーズの4作目だと聞いていかがでしたか?

中河さん:たぶんみんなそうだったと思いますが「また『アーランド』をやるらしいよ」と微妙な話の振られ方で、僕のほうは「え、今さら?」という反応だったと(笑)。

――けっこう間が空いていましたからね。

中河さん:だから中の人が全員集合みたいな作品になるのかなと思っていたら、そういうわけでもなかったので意外でした。

サウンドエンジニアとして語る今の音楽業界

――これは作曲家というより、どちらかといえばエンジニア寄りな質問かもしれませんが、ハードがPS4変わって音の表現幅も変わったことで、音に色を付ける作業で意識された部分はありますか?

中河さん:たしか『ロロナのアトリエ』の頃は16bitの48KHzで、『ルルアのアトリエ』は24bitの48KHzです。その他、ゲーム用に変換するコンバーターが違うなどはありますが、スペックだけでいえば16Bitから24Bitに上がっています。これはダイナミックレンジ(音響や映像、画像などにおける信号の大きさの範囲を表す指標で、最大値と最小値の比率)が変わるんですね。

 で、あともう1つが弱音の曲ですね。僕は今回書いてはいませんが、いわゆるオルゴールだけ、ピアノソロだけという曲は、波形でいうとちょっと音量を小さくしないと、オーケストラなどの曲と聴いた感じの音圧(音の大きさ)感が合わないんです。小さくなればなるほど、解像度が高くないと音質が悪くなってしまいます。

 いわゆるグラフィックでいうと、同じカンバスサイズのなかに小さい絵を描いたら、ドットがつぶれてしまうと同じですね。そのぶん、24bitのほうが解像度は高いので、そのぶんダイナミクスが出るといえば出るのですが、どうしてもゲームの場合はボイスも効果音も全部バーンと載ってのトータルなので、音楽だけでいっぱいにしてしまうと、アンプがひずんでしまうんです。音がひずんでも気にせず音圧を重視するか、アンプのヘッドルームに合わせるべきかは、昔から問題提起されてきています。

 さらにはどこに音の基準を合わせるのかという点もあります。今のゲーム機はたいていメーカーのロゴが出てきて、ジングルがポンと鳴ります。あの音が大きいと、それに合わせざるを得なくなるわけです。

――TVの音量もそれに合わせちゃいますからね。

中河さん:今は開発側の人間ではないので、だいたいこれくらいの音量でというのを柳川君からもらっていて、それで作ってはいるんです。ただ、ゲーム制作現場から離れていただけ、僕が今の音楽業界のレンジになっていまして。僕が作った曲はだいぶボトム(低音域)が出ちゃっていて、最後に音量だけ合わせればいいやと思っていたら、まったく違うんですよ。僕の曲だけボンボン鳴っていると(笑)。

――下のほうの解像度だけが妙に厚くなったわけですね。

中河さん:そうですね。だからスペックが変わったからと言うよりも、僕自身がゲーム業界での曲作りから離れていたぶん、ちょっともう1回ゲーム用に落としたという感じですね。たしかにゲームは効果音で地鳴りがバーンと鳴ったり、爆発がドーンと鳴ったりしますので、低音はスペースを空けないといけません。

――そちらは効果音や演出に使われることが比較的多い印象です。

中河さん:だからその部分はあとから削りました。僕たちクリエイターも音が悪いのはわかって作っているので、できれば言わないでいただければ(苦笑)。ただ、歌に関しては絶対に効果音が入らないことがわかっていたので、そこは気にせずに作りました。

 じつは今の音楽業界では音圧戦争(高い音圧を求めて同じボリュームでも大きく派手に聴こえるようにする競争)が終わったと言われていて、あまり音圧を稼がなくてもよくなったんです。あとは、TV放送も音量を事前に合わせて統一させるラウドネス規格がスタートして、さらにユーチューブなどのストリーミング配信も独自のラウドネスに対応したことで、自分だけ音をデカくするとかができないんですよ。

 ラウドネスの測定ルールもいろいろあって、その都合上低音がわりと考慮されません。低音はわりとガッツリ入れても大丈夫ということがあり、音圧は下がってきているけども、低音はどんどんラウドになっているんです。

バランス感覚がある視野を持つことが大事

――Kayocoさんは普段はゲームをプレイされますか?

Kayocoさん:最近はなかなか遊べていませんが、世代的にはスーパーファミコンからゲームをやっていました。

――では、RPGというジャンルにはなじみがあったと?

Kayocoさん:そうですね。

――そのころはゲームサウンドというものは意識して聴いていましたか?

Kayocoさん:昔のゲームサウンドは“ゲームの音”という印象でしたね。でも今はJ-popとなんら変わらないクオリティで作られていて、アニメなどとあまり垣根がないと思っています。

――そういった意味で今後『アトリエ』シリーズからオファーがあったらいかがですか?

Kayocoさん:歌うことと同じくらい曲を作ることも好きですが、私は中河さんたちのような何でもアレンジできる柔軟さは持ち合わせていないので。でも機会があれば、メロディだったり歌詞だったりであればよろこんでという感じです(笑)。

――音楽制作という部分で、お2人が大事にされていることは何でしょうか?

中河さん:僕はバランスですね。メロディだけがよければいいものではないし、打ち込みだけがよければいいわけでもないし、サントラだったらBGMの1曲だけがよければいいというわけでもありません。クリエイターは、夢中になればなるほど1つのことに集中して視野が狭くなりがちなんです。

 そうなると、スケジュール的なことも含めて、全体的な見通しができなくなってしまいます。何か気に入ったことが1つあると、そこにばかりに執着してしまうんですね。だから常にディレクションしてくれるもう1人の自分を置いて、全体を見渡すようにしています。自分が固執していることが、はたしてお客さんに伝わっていることなのか、などです。

 1つだけすごく満足しても、ほかが満足していないものだとトータルで評価されませんから。なるべく平均点がそろうよう意識していないと、絶対に偏るんですよ。自分のなかで120点のものが1つあって、それ以外は60点くらいになってしまいます。これは1つの楽曲のなかでもそうですし、サウンドトラックのなかでもそうですし、絶対にバランスが崩壊するので、僕は常にそこは意識しています。

――その感覚は経験がないと難しいですよね。

中河さん:失敗の経験がたくさんありますね(笑)。よくガストに在籍していたときに言っていたのが、マラソンのペース配分と一緒だと。例えば半年間の制作期間があったら、絶対に最初の3日と同じスピードで最後まで続かないから、全体では平均3.5日で計算しようと。そういうことをやらなきゃダメだよと、よくグラフィッカーや若い子に言っていました。スタートダッシュは絶対に最後まで続かないからと(笑)。

――それは音楽作りだけでなく、クリエイティブすることに対する意識ですよね。

中河さん:そうですね。ただ、たぶんずっと全力で取り組める人もいるとは思うんですよ。ぶっ倒れるまでやるとかね。「やりきったー!」みたいな。でも、僕はあまりそうならないし、やりきった感がそのときあっても、振り返ると「あれもやっておけばよかった」と絶対に後悔するタイプなんです。

 そう考えると、そのときに無我夢中になるよりも、トータルでバランスよくやっていきたいなと。もちろん、バランスよくやったぶんだけ「あそこにこだわれなかったけど仕方なかったよね」という部分は残りますが、それを次にどうこなすのかを考えます。

――そのためには俯瞰して見られる立ち位置は大事ですよね。Kayocoさんはいかがですか?

Kayocoさん:私は歌い手なので歌に関しての話になりますが、歌詞にしろメロディにしろ、制作する側だったとしても、必ず自分が歌ってどうか、客観的に聴いてどうかというのを確認して作ることを大事にしています。

 頭の中で鳴っているメロディが、実際に人が歌うと少し変わって聴こえたり、歌詞もハマり具合によって聴こえが変わったりします。だから歌う、作るのどちらでもそこは意識しています。

――そのあたりは製作側の意図をできるだけ汲みたいという想いですか?

Kayocoさん:作品に関連した音楽の場合は、やはりメッセージ性がありますよね。そのメッセージ性のズレの差異は、ダメ出しをいただければ修正できると思いますが、ダメ出しの理由をちゃんと汲み取って、出すべきところを出すという感じです。例えば自分が歌って気持ちいいと感じても、今何を言っているのかがわからないこともあるんです。そうなると言葉の合わせが悪いのかな、よくないのかなと修正します。

――そこもバランス感覚ですね。

Kayocoさん:そうですね。ただ、私はもっと広いバランスを持たないといけないなと思っています。だから、トータルでサウンドをプロデュースする場合は、すごく大変だと思います。いろいろなところが気になってくるので終わりがないのですよね、作るということは。

――ではお仕事などの告知などがあればぜひ。

Kayocoさん:まだ情報が解禁前のものがありますが、今年発表予定のほかのゲームやアプリで歌ったり作詞をしたりしています。ぜひ今後の情報はTwitterでご確認いただければ幸いです。

中河さん:クリエイター向けの情報になりますが、僕は市販のサウンドライブラリーに納得がいかないこともあるので、普段仕事でオリジナルのサウンドライブラリーで曲を書くことが多いんです。今回もリコーダーは新規に作った音源で、柳川君と共有して使っています。

 今はDTM(Desk Top Music)などがかなり身近になりましたが、多くの人にも使っていただきたいなと思っていて、いずれ一般向けにもリリースする予定です。僕のサウンドクラウドページでの試聴やFaceBook上での告知があると思うので、気になった方はチェックしていただければと(基本英語のみ)

――最後に発売を楽しみに待つファンに向けてメッセージをお願いします。

中河さん:音量を上げて遊んでください(笑)。まあ、それは冗談でBGMは下げてもいいんですよ、疲れちゃいますから。音量を下げて遊んだとしても耳に残る曲というのが、本当にいい曲だと思いますので。ぜひゲームをクリアしたら、曲についてみなさんで語り合っていただけたらうれしいです。

Kayocoさん:オリジナルサウンドトラックも発売中ですし。

――サントラであらためて聴くと印象も変わりますよね。ゲームをクリアしたらまず曲のコメントを読んで、そのあとはサントラでさらに楽しむのがベストかと。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

中河さん:じつはゲームではイントロの部分を削っている曲もあって、サントラにはフルで収録されていることが昔からよくあるんです。若干バージョンが違うことがあるので、気づいていただけたら幸いです。

Kayocoさん:エンディングだけでなく、すべての曲がこだわって作られている作品です。シーンに合った曲を楽しめるのがゲームの魅力でもあると思うので、そこを存分に楽しんでいただいて、最後にエンディングも楽しんでいただいて、最後まで遊び尽くしていただけたらと思います。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

 中河さん、Kayocoさんのサイン入り『ルルアのアトリエ』のポスターを2名様にプレゼント。欲しい方は以下のフォームからご応募ください。締め切りは2019年4月17日までです。

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