2019年3月5日(火)
サイゲームスから配信中のiOS/Android/PC(DMM GAMES)用アプリ『プリンセスコネクト!Re:Dive』(以下、プリコネR)が、2019年2月15日でリリース1周年を迎えました。
これを記念して、プロデューサーの木村唯人さんにインタビューを敢行。1年間の振り返りや今後のアップデートなど、さまざまな質問にお答えいただきました。
▲『プリコネR』プロデューサーの木村唯人さん。『グランブルーファンタジー』や『Shadowverse(シャドウバース)』のプロデューサーでもあります。 |
――この1年を通して、『プリコネR』の反響はいかがでしたか?
リリース開始時から想定以上のご好評いただいて、現在も多くのユーザーさんに遊んでいただいています。特に1周年のタイミングで始める人が多く、一気にユーザー数が増えた印象があります。
――『プリコネR』の制作および運営を続けるうえで、苦労した部分があったら教えてください。
とにかくアニメを作るのが大変ですね。キャラクターのカットインとか、ストーリーのアニメとか。エンディング制作も大変でしたが、中でもメインストーリー第9章のライブエンディングは非常に苦労しました。1年前から用意しないといけないものもあり、この開発チームだからこそ作れた作品だと思います。
▲メインストーリー第9章・第13話をクリアするとエンディングで流れるギルド【カルミナ】のライブ映像。『プリコネR』のムービーの中でも屈指の出来栄えとなっています。 |
――とはいえ“アニメRPG”を謳われている以上、楽しみにしている方が多いと思います。
そうですね。始めてしまった以上、最後まで皆様に満足していただけるものを作る意気込みです。ストーリーごとのエンディング曲や挿入歌も毎回作っているのですが、歌もユーザーのみなさまに気に入ってもらえているようで、本当によかったと思います。
ちなみに、今後はギルドの垣根を越えてシャッフルした組み合わせも作りたいと考えています。まだ全ギルドの曲がそろっていないので、詳しいことはもう少し時間が経ってから考えるつもりですが(笑)。
――ゲーム内外を問わず、2周年目に挑戦したいことはありますか?
ファンイベントとして、ライブステージ的なことはやりたいと思っています。ゲーム内では、バレンタインの時のようなミニゲーム付きのイベントをやっていきたいですね。あとは、恒常的な新コンテンツをもう1つ、ないし2つ作ろうと思っているので、ぜひ楽しみにしてください。
▲現在開催中のストーリーイベント“王との名探偵 嘆きの追跡者(ストーカー)”では早速、クイズ形式のミニゲームが採用されています。 |
――ユーザーから多く寄せられた要望はありますか?
特に多いのはデータ量が大きい点です。大体4GBくらいあり、対策を練っていたのですが、近いうちにデータ量を軽減できる予定です。
続いて多かったのが、星3のキャラクターが出にくいという意見ですね。この1年間でキャラクター数が増えたこともあって、2月28日に始まるピックアップガチャ以降は星3の提供割合を上げることにしました。
――ガチャを一定回数引くと特定のキャラクターが入手できる、いわゆる天井システムもこの意見から導入を決めたのですか?
天井システムについては、以前から入れる予定はあったのですが、1周年のタイミングで開発が間に合いました。多くのユーザーさんに、プリンセスフェス限定キャラのムイミを行き渡らせられてよかったです。
加えてですが、新しいフェス限定キャラが出るまでの間、プリンセスフェスではクリスティーナとムイミが交互に交換ラインナップに登場します。次回はクリスティーナが交換対象になりますので、まだ入手できていない方もご安心ください。
▲今後はクリスティーナとムイミの獲得チャンスが増えるとのこと。入手していない方は今後のプリンセスフェスをお見逃しなく! |
――各ギルドのメンバーのうち、未実装のキャラクターが何名かいる状態ですが、いつごろまでに全員プレイアブル化されるご予定でしょうか?
カスミとアユミが新しいストーリーイベント“王都の名探偵 嘆きの追跡者(ストーカー)”で出てくるので、大体のキャラクターは近いうちに実装できる予定です。
――その後は、各キャラクターの衣装違いが実装されていく形でしょうか? それとも、ギルドに所属していないキャラクターなども実装されていくのでしょうか?
まず1つ言えるのは、今後は『プリンセスコネクト!』にいなかった完全新規のキャラクターも登場する予定です。
ラビリスタやほかの七冠(セブンクラウンズ)、男性キャラクターといった“前作でプレイアブル化していない人物”については、現時点では実装するともしないとも言い切れません。また機会が来れば、ということで……。
――去年は“ペコリーヌ(サマー)”のころから限定キャラクターを連続で配信されましたが、何か意図があったのでしょうか?
意図と言うよりは、キャラクター数の都合ですね。『プリコネR』はキャラクターを作るのがとても大変なので、ある程度は既存キャラクターの別バージョンが増えていくことになります。
その中で、夏にあわせた水着キャラクターを配信したあたりから季節イベントが続き、季節限定キャラクターがたまたま連続してしまいました。これは反省点の1つです。
――今までに実装した限定キャラクター、および関連したストーリーイベントの復刻予定はありますか?
今のところ限定イベントが行われた季節にあわせて、復刻イベントやガチャを開催する予定です。
――『グランブルーファンタジー』のジータ、『シャドウバース』のアリサなどがゲーム内にも登場していますが、これら作品とのコラボイベントはあるのでしょうか?
作品とのコラボイベントは今のところ考えていませんが、弊社タイトルのキャラクターが参戦するということはあるかもしれません。
――このあと『Re:ゼロから始める異世界生活』とのコラボイベントが予定されています。その見どころについてお聞かせください。
登場するキャラクターはもちろんですが、一番は『Re:ゼロから始める異世界生活』の作者である長月達平先生がイベントシナリオを書いてくださっている点です。
これは弊社の他タイトルでも実現しなかった初の試みです。もちろん『プリコネ』の世界観に合わせてもらっていますので、ぜひ楽しみにお待ちください。
――このあとも積極的に他作品とのコラボを実施される方針なのでしょうか?
当面は、それよりも『マナリアフレンズ』や『Re:ゼロから始める異世界生活』とのコラボを成功させることですね。その後はユーザーさんの反応を見て考えようかな、と思っています。
――キャラクターごとに新たなアニメ演出、特定のキャラクターがガチャで出現した時に発生する特別なアニメ演出が追加されましたが、あれは木村さんが構想したものなのでしょうか?
あれはプリコネが大好きな弊社のデザイナーチームがやりたいと言って初めて実現したものです。まだ全キャラクターに実装はできていませんが、これも1年ぐらいかけて作りました。
▲木村さん推しのリノは表情が変化したり、左下の小動物が動いたりといったアニメーションが追加されています。自身の推しキャラの変化もチェックしてみるのはいかがでしょうか? |
――メインストーリーは現時点でどれくらい先まで用意されているでしょうか?
1年先を見越しながら作っています。これは1年間運営してきた感想にもなるのですが、アニメを作るのがむちゃくちゃ大変なんですよね。普通だったらシナリオの締め切りは3カ月前くらいなのですが、『プリコネR』は1年前に締め切りがくるものもあります。
――ギルド、およびキャラクターストーリーを増やす予定はありますか?
恒常キャラクターのストーリーで言うと第9話以降、ギルドストーリーは第4話以降のものも用意しています。
フェス限定や季節限定のキャラクターは第4話まで実装しているが、こちらの続章もあるのか気になるところ。 |
――『プリコネR』をプレイして、前作のストーリーが気になる方も多いと思われます。これを補完できるコンテンツなどはお考えでしょうか?
シナリオが膨大なので、いっぺんに見せることはできないとは思います。いい方法があれば実現しますが、あの長さをひたすら読ませるのは無理がありますし、今のところは予定としてありません。
「前作を知らないと楽しめない」ということは全然ありませんし、知らない人がたくさんいる前提で『プリコネR』を作っているので、あまり気にせず楽しんでもらえればと思います。
――星6の実装が発表されましたが、才能開花の条件や必要アイテムについてお聞かせいただけないでしょうか。
構想中の部分もあるのですが、才能開花にかかるメモリーピースの数をあまり多くしないことだけ決まっています。
――キャラクターのレベル上げ、装備品や必要マナなどを緩和することはあるのでしょうか?
始めたばかりの人が最先端のコンテンツに追いつけるように、時期にあわせた施策を行う予定です。イベントクエストの経験値1.5倍キャンペーンやドロップアイテムの変更もその一環ですし、今後も需要に応じて調整していきます。
また、専用装備に必要なプリンセスハートについても、ルナの塔が開催されるたびに入手できるようにはしていますが、プリンセスハート(欠片)を入手しやすい仕組みを検討中です。
▲2月28日のアップデートで専用装備が一気に増えたため、プリンセスハート(欠片)を入手できるチャンスが増えるのは待ち遠しい限り! |
――『プリコネR』には、プレイ回数に制限をかけているコンテンツが多くあります。これにはどのような意図があるのでしょうか?
いろいろありますが、毎日遊んでもらいたいのが一番の理由です。1日でプレイできる量を制限することで、強くなるための日課がなるべく気軽に済ませられるようにしています。
――キャラクターの行動パターンやスキルを変更する、といったバランス調整はお考えでしょうか?
今のところ予定はないのですが、やらなければいけない時は来るかもしれませんね。今も装備品などでキャラクターの能力が大きく変わりますし、バランス調整をしないわけではありません。
――システムやコンテンツの面で、手を加えようと思っている箇所はありますか?
直近だと、2月28日にダンジョンの新しい難易度を増やす予定です。これでマナがより入手しやすくなるかと思われます。加えて今後予定しているのが、プレイヤーレベルが上限に達している時のミッション報酬。経験値の代わりの報酬がダンジョンコインなのですが、これを違うものにできないかと考えています。
また、新システムとしてフレンドシステムの開発を検討しています。現在のシステムではフレンドがいても攻略の助けになるようなコンテンツがないのですが、フレンドを作りたいという雰囲気をユーザーさんから感じ取れていますので。
――クランバトルに関してですが、開催ごとにどういった変更や調整を試みているのでしょうか?
開催期間が長かったので、期間を短くしたのが1つ。細かい変更は結構していて、ボスが強くなる周回数はデータを見ながら調整をしています。また、クランバトルに参加しなくてもいい仕組みを作るかどうかを検討中です。
――クランバトルに参加しなくてもいい仕組みと言うと、例えばどのような……?
クランに入ると、クランバトルに参加しないといけないような風潮があるのは、こちらでも認識しています。そこで、「クランバトルをしなくてもいい」という選択肢をとれるようなものを導入したいな、と。
もちろん、クランバトルをしたほうが得になる構造にはなってしまいますが、とはいえこれが原因でクランが組めない、参加しづらいというのはどうかと思うので……。
――“ルナの塔”の登頂率や今後についてはいかがでしょうか?
登頂しているユーザーさんは結構いて、使用可能キャラクターの制限を解除したことやスタミナ消費をなくしたことも登頂率を引き上げた要因でしょうか。今後の方針については、もともと上級者向けに作ったコンテンツなので、難易度も今ぐらいのペースで上げていく予定です。
小話をさせてもらうと、前作でクロスストーリーというのがあったのですが、“ルナの搭”のストーリーはそれをコンセプトに作られています。それと、“ルナの塔”のストーリーには実は秘密がありまして……、誰も気づいていないと思いますし、そう簡単に気づけるものではないのですが、いつか明かせるといいなと思っています。
▲“ルナの塔”のストーリーは、メニューのストーリー⇒エクストラから再度視聴できます。秘密を解き明かしたい方はチェックしてみてください。 |
――ところで、先ほどからクエストを周回していらっしゃいますが、現状どれくらいプレイされているのでしょうか?
『プリコネR』のプレイヤーレベルはもちろんカンスト(レベル121)していて、大体のキャラクターはそろえていますね。『シャドウバース』はマスタークラスで、『グランブルーファンタジー』も結構やっています。
――木村さんの画面を見るとリノがマイページに設定されていますが、リノ推しなのでしょうか?
時期によって変わります(笑)。キョウカ推しの時もありましたし、今はマイページにリノを置いています。おもしろいキャラクターが多いと僕自身も感じていて、ユーザーさんにも自分の推しを見つけてほしいです。SNS上で「このキャラいいね」なんてことを話題に出してくれたら僕らもうれしいですね。
時間がなくてストーリーを読み飛ばしてしまうこともあると思うのですが、キャラクターの見た目に反した内面がわかるので、ぜひ時間があればいろいろなストーリーを読み返してしていただけたらなと。
――最後に、読者に向けてひと言お願いします。
みなさまにプレイしていただけているおかげで1周年を迎えることができました。想定よりもたくさんのユーザーさんに遊んでいただけて非常にうれしく思っています。次の1年も日々邁進していきますので、引き続き『プリコネR』をよろしくお願いします。
(C) Cygames, Inc.
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