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2019年3月20日(水)

応援企画第3回! ついに発売された『ルルアのアトリエ』について細井総合Pへインタビューを敢行【電撃PS】

文:電撃PlayStation

 ついに本日発売を迎えた、コーエーテクモゲームス(ガストブランド)の人気シリーズ最新作『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』。『アーランド』シリーズの10周年という大きな節目に発売された本作には、『アトリエ』シリーズを支えてきた多くの方から期待が寄せられています。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

 そんなタイトルを開発したスタッフの熱き想いを、第3回では細井順三総合プロデューサーの言葉でお伝えします(インタビューは3月9日に実施)。なお、第1回では本作のシステムの総まとめ、第2回ではロングレビューを掲載しているので、そちらも合わせてぜひご覧ください。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲『ルルアのアトリエ』細井順三総合プロデューサー

ファンから求められるであろうものを意識して制作

――本日完成発表会を迎えましたが、あらためていかがですか?

細井氏(以下、敬称略):無事に終わってよかったなと(笑)。

――もうそのひと言ですか(笑)。

細井:本当にそのひと言に尽きますね。今回は『アーランド』シリーズの4作目でしたので、いろいろな取り組み、難度の高い部分などがありましたが、無事に発売できてよかったと思います。

――プレイさせていただくと、システムはまさに『アーランド』シリーズの正当進化という印象を受けつつも、その後に発売されたシリーズのシステムを取り込むなど、2019年に発売される『アトリエ』最新作という遊び応えです。そういった部分で、一番注力された部分はどこですか?

細井:やはり『アーランド』シリーズで、ユーザーさんに受け入れられている部分は何なのかという分析。そして、その後のシリーズで『アーランド』シリーズと差別化しようとして持ってきた要素があるので、受け入れられている部分と、その持ってきた要素を組み合わせたときに、どんな化学反応というか、どんな合わせ方が一番適しているのかを、とにかく検討しました。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

 『アーランド』シリーズ以降は、グラフィカルな調合システムをはじめ、いろいろな新システムを取り入れました。『ルルアのアトリエ』は一番根底に“『アーランド』シリーズ”という点があるので、何を取り入れるかという取捨選択が一番大変でしたね。

 逆にそこが決まったあとは、何か難度の高い作業があったかと言われると、そんなことはありませんでした。単純にブラッシュアップをていねいに行っていくことに注力しています。そこは大きなポイントになったのではないでしょうか。

――ものすごいボリューム感のある内容に仕上がっていますが、そこはやはり4作目という部分で意識はされたのですか?

細井:そうですね。4作目となったときに「正統な進化って何だろう」と考えた結果ですね。奇をてらった進化ではなく、ユーザーさんが望まれるであろう形での進化、そして4作目であることを追求したのが『ルルアのアトリエ』になります。

――続編やリメイクの場合、最近の流れでは「あえて奇をてらって作ろう」というのが多いですが、本作は待っているファンに「こうだよね」と、確実にツボを突いている印象を受けました。

細井:我々もそこは受け入れていただけると思っています。

――PS4、Nintendo Switchというハードに移行したことで、3Dモデルの表現という部分でも進化したと思いますが、岸田メルさんのイラストを再現するうえでの苦労点などはありますか?

細井:やはり岸田メルさんが描く、キャラクターの線の細さなどの再現ですね。ここは岸田さんと一緒にがんばりました。“岸田メルらしさ”は、岸田さんご本人でないと出せませんので。どこまでいっても、岸田さんのご協力がないと成り立たないということが多分にあります。

 岸田さんには色の透明感の出し方、テクスチャーの色の出し方など、『BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣』からご協力をいただいていましたが、今回も同様にできたので、より“岸田メルらしさ”を出せたと思っています。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

 また、岸田さんからは少し話題がズレますが、顔の表情のバリエーションなど、今までの『アトリエ』シリーズでやってこなかったような、マンガチックな表現を今回けっこう入れています。そこに関しても「『アーランド』シリーズの、岸田メルのキャラクターならばこう動くかな?」などを想像して作りました。

――トトリがソファーに隠れてこちらをのぞいているようなシーンですか?

細井:そうですね。ほかにも岩陰からルルア、オーレル、エーファの3人が縦に顔をのぞかせるシーンなど、今までの『アトリエ』シリーズでは、このようなマンガ的表現を取り入れていませんでした。あえて除外していたのですが、今回は『アーランド』シリーズならばこれを入れてもいいのかなと考え、挑戦した部分でもあります。

――たしかにこのキャラクターたちならば、コミカルな動きもありだなと感じました(笑)。

前3作の主人公に並んで立てる存在になったルルア

――ロロナ、トトリ、メルルという偉大な錬金術士がすでに3人もいるなかで、新たな主人公を立てることは相当大変だったのではないでしょうか?

細井:そうですね。ルルアはロロナ、トトリ、メルルにはない性格で、4作目で新たに始めた方にも、既存のファンの方にも受け入れられる主人公にしたいと考えていました。そのため、彼女の性格付けと行動真意の描き方には、相当気を使っていますね。嫌味にならない程度に前向きであってほしいし、逆にネガティブすぎてもいけません。要はバランスですよね。

――そのあたりの設定は、スタッフのみなさんで揉んだ感じですか?

細井:シナリオライター、私とディレクターの3人くらいで揉んだ感じです。これはデザインに関しても同様で、ある程度の色は従来の『アーランド』シリーズで出ています。初期設定はもちろんありますが、魅力的なキャラクターを生み出すという部分では、岸田さんに相当苦労をおかけしましたね。

――4作目ということで、過去に登場したキャラクターの再登場に期待を寄せるファンも多いと思います。とはいえ、全員をカバーするのは難しいでしょうし、そういった部分での取捨選択のルールみたいなものはあったのでしょうか?

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

細井:ありませんでしたね。今作に登場しているキャラクターは、物語のなかで自然に出せるキャラクターなんですよ。「このキャラクターを出したい」という無理やりではなく、ルルアの物語を作るなかで、自然に出せるキャラクターは誰だろうと検討していった結果ですね。

 当然ロロナ、トトリ、メルルなど「ここは絶対にルルアにかかわるよね」といったシーンや、期待されている物語は狙って用意していますが、あえて“オールスター感”を出すためにこのキャラクターを引っ張り出そうという物語の作り方ではありません。「この展開だったらこのキャラクターが助けてくれそうだよね」「このキャラクターが成長したら、こんな感じになっていそうだよね」みたいに、物語を重視して作りました。

――続編という部分を意識する前に、まずはルルアの新しい物語であることを一番大事にしているんですね。

細井:はい。だから『ルルアのアトリエ』から始めてもまったく問題はありませんし、これまでのシリーズを遊んでくださっていた方も、「ああ、このキャラクターはこうなったんだ」と感じていただけますので、そのような作りにしてよかったなと思います。

――そういう意味でも相当なキャラクターが本作には登場しますが、メイン、サブ問わずお気に入りを教えてください。

細井:私的には直球ですがルルアですね。シリーズ3部作の主人公はしっかりとキャラクターが立っているので、そこに新たに立つことができる主人公なんですよ。プレイすると「ルルア、かわいいな」と魅力が伝わるようになっています。だから苦労はしたけれども、推しはルルアですね。

 やはりシリーズが4作目ともなると、主人公たちの毛色が出過ぎてしまいますよね。後半の主人公になればなるほど人気は取られがちですし、かといって被らないすき間を攻める設定の主人公はどうなんだろうと(笑)。でも、ルルアはそこをうまくデザインできたと思います。

――間違いなく人気ランキング的にも、トップに入るキャラクターになるのではないでしょうか。

細井:そうなってくれるとうれしいですね。

――『アーランド』シリーズを追いかけてきたファンは、至る箇所に過去ネタが盛り込まれていて、それを発見するだけでも相当楽しめますし、『アーランド』シリーズのファンは帰って来たんだなという感傷に浸れます。そこはやはり意識されましたか?

細井:単純にキャラクターを出すというだけでなく、会話のテキストでもそのような雰囲気を感じられるように、そこはすごく意識しました。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

――顔は見せないですが、この世界で暮らしているんだなという息遣いを感じられて、ファンとしてはすごくうれしかったです。逆に本作から入る新規のユーザーさんに対して、「これがあるから入りやすいよ」というように気を配った部分はありますか?

細井:チュートリアルを含めて、キャラクターをしっかり説明させていただいているところでしょうか。基本的にルルアの物語なので、前提の知識は必要なく、ルルア自身も錬金術士として本格的に活動するのは物語が始まってからです。だから、ルルアの成長物語として、初めてのユーザーさんは彼女と同じ目線でプレイできます。

 また、ゲームシステムもチュートリアルを含めてていねいに作っています。とくに4作目ということもあって、調合はすごく凝ったシステムになっています。とはいえ、『アーランド』や『不思議』シリーズでの調合の前提条件を知らないと遊べないわけではありません。

 ルルアが物語や1つずつの経験を経て錬金術士として成長していくのと同様に、ユーザーさんも調合でできることの幅が少しずつ広がっていって、気が付いたら調合マスターになっていた、といった形になれるように意識して作っています。そこはプレイをしていただければ、わかっていただけると思います。とにかく4作目でありながらも、続編ありき、前作ありきの作りにはしていないことを、我々は自信を持って言えます。

――たしかにスタートラインは錬金術になれていない、初心者的な目線でのスタートでした。まあ、この気配りは本作だけでなく、どのシリーズ作品でも毎回そうですよね。

細井:そうですね。あと『ルルアのアトリエ』の物語でロロナがすごく表舞台に出てくるのかというと、そうではありません。あくまでルルアがいるうえでロロナがいるという形です。『アーランド』シリーズとはいえルルアを中心に回っているので、押しつけがましいというか、前作ありきという考えは排除しています。もちろん、シリーズを知っていればほっこりする要素はたくさんありますし、そこにも気を使いましたね。

――そうですよね。初めて本作でロロナを知った方も「なんかすごいお母さんなんだな」というくらいの認識で、問題なくプレイできると思います。

時間軸を進めることは最初から決まっていた

――シリーズ物のパターンとして、よく過去に戻るというパターンもあると思います。ですが、今回は『メルルのアトリエ ~アーランドの錬金術士3~』のその後を描こうとしたとき、迷いはありませんでしたか?

細井:そもそも岸田さんと「『アーランド』シリーズの新作を作ろうよ」と話をしていたときから、岸田さんは「“ゼロ”みたいなことは止めましょう」とおっしゃっていたんです。なぜなら『アーランド』シリーズは、よくも悪くも時間軸が進むことに楽しさを見出したところが担保されていたゲーム性でもあるんですね。なので「今回もしっかり時間を進めてあげるべきなんじゃないか」というところからスタートしています。ですから『メルルのアトリエ』のその後を描くことについては、迷いはなかったですね。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

 終わった物語に対して“ゼロ”を作ることは、これまで我々もやってきたことではあります。ですが『アーランド』シリーズは、時間が進むことで魅力が広がって来たわけです。また、今から“ゼロ”を作る場合は、忘れていることがけっこう出てくると考えました。

 例えば「あのときにロロナがこうなったから、こういう設定なのか」みたいに想いを馳せることは楽しいと思いますが、けっこう難度が高い遊びになるのかなと。これがずっと地続きで、2年に1度など出続けているシリーズならば、そういう選択もありだと思います。『アーランド』シリーズは終わってから時間が経っていることもあり、やはりその後の時間軸で、しっかり“UNIVERSE(世界)”が広がる作品にしようと考えました。

――たしかに『アーランド』シリーズは『メルルのアトリエ』の発売から間が空いていますし、毎年出続けているシリーズではありませんね。

細井:あとは3DSで発売した『新・ロロナのアトリエ はじまりの物語 ~アーランドの錬金術士~』で、ロロナの師匠であるアストリッドの話を作っているんです。そういうこともあって、せっかく4作目を描くならば、その先の時間を描こうとなりました。

シリーズの人気を支える理由は岸田メルにあり!

――サウンド面では『ロロナのアトリエ ~アーランドの錬金術士~』『トトリのアトリエ ~アーランドの錬金術士2~』の楽曲をメインで担当されていた中河(健)さんも参加されて、柳川(和樹)さん、阿知波(大輔)さんとシリーズを手掛けた作家さんが全員集合されています。これは当初からやはり“マスト”だったのでしょうか?

細井:そこはマストで考えていましたけども、みなさんお忙しいのでよくそろったなと(笑)。

――そうですよね。収録曲数も相当ありますし、なつかしい曲も多くてテンションが上がります(笑)。

細井:その当時の音を知っているのは、やっぱり携われた方たちですし。2019年でみなさんがどんな進化を遂げたのかをお届けできて、やはりお願いしてよかったと思います。

――そんな『アーランド』シリーズですが、4作目を制作してみて、あらためて人気のポイントは何だと思いますか?

細井:やはり岸田さんの絵が一番だと思います。キャラクターたちがアーランドの世界に息づいているんですね。『ロロナのアトリエ』を発売したときは、ハードがPS3に変わって初めての作品で、いろいろな方が手に取ってくださいました。その結果、キャラクターは自由に動き出し、ゆえにキャラクター人気が今も高く、ユーザーさんの想いに支えられているシリーズになったと思います。

 でも、正直なことを言えば、新しいことを何かしたわけではないんですよ。岸田メルさんにイラストをお願いして、3Dに表現を変えて、『マナケミア』シリーズでRPGライクだったゲーム性を調合が軸になる形に戻した、いわゆる“原点回帰”をしました。昔ながらの『アトリエ』シリーズが何であるかを考え、再構築した結果が『アーランド』シリーズだったわけです。だから、それ以上のことを何かやったのかと言われると、とくにやっていないんですね(笑)。

――たしかにそうですね。ある意味目指したところはシンプルでした。

細井:ただ、その後の『黄昏』シリーズ、『不思議』シリーズで同様のことをやらなかったのかと言われると、同様のことはやっていますからね。これらは『アーランド』シリーズとは異なる狙いで作って、違う層のお客様にもしっかり受け入れていただけました。だから『アーランド』シリーズが一概に特殊な作り方をしたのかと言われると、そうではないんです。

複合的な要素が絡むアルケミリドルの調整に苦心

――アルケミリドルの解読はヒントを与え過ぎず、ちょっと考える要素があるなど、バランスが絶妙な感じでした。こちらのさじ加減などの調整はいかがでしたか?

細井:私たちはα版、β版など制作過程でいろいろなバージョンを作りますが、やはり解読させるための情報の出し方の調整が大変でした。ここはすごく難しくて、数値の調整でなんとかなる項目ではありません。スタッフが「これはストレスに感じないよね」と、1つ1つテストしないといけないんです。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

――たしかに数字の調整でどうにかなる課題ではないですね。

細井:そうなんです。ゲームの進行ラインだったり、プレイしている人の感情の起伏だったりを考慮して、ていねいに組み立てないといけません。例えばこれまで探索した地方に行くと、このアイテムが採取できる。だから、その時点で行ける場所で採取可能なアイテムでの調合レシピを、このタイミングでアンロックさせるという調整は、比較的簡単ですよね。

 でも、アルケミリドルはそうではなくて、現段階ではアルケミリドルのヒントがわからないけど、わからないまま進めたら「あ、解読条件はこれだったのでは?」と発見できるというおもしろさがあるんですよ。そこは担当者が地道にテストしていきました。まあ、これについてはもう少しうまいやり方があったのかもしれませんけど(笑)。

――となるといろいろなシステムが用意されていますが、一番開発に時間をかけたのがアルケミリドルですか?

細井:はい。あとは調合ですね。調合はアイテムの入手タイミングを計算しながら行うため、そのタイミングを直すと、アルケミリドルの設定自体も直す必要があるんです。だから「ここのアイテムの入手タイミングを直して」「マジですか!?」というやり取りが、何回もありました(笑)。

――そこまで複雑に絡むと、何をどこまで直しているのか、途中でわからなくなりそうですね(笑)。

細井:そのあたりはけっこう大変でしたね。

――調合で“まとめて作る”を選んだ場合は、特性を付けることができませんが、この形にされたのには何か意味があるのでしょうか?

細井:単純に最強のアイテムを作りやすいからですね。これはマズイとなって。だからカットしたんです(笑)。

――なるほど(笑)。これはゲームのデザイン的にということですね。

細井:はい。単純にそれだけです。

――それははっきり言っていただいたので納得しました(笑)。

細井:そこはもう明確でしたね(笑)。もともと“まとめて作る”ようなシステムは、『アーランド』シリーズや『リディー&スールのアトリエ ~不思議な絵画の錬金術士~』にもあったんですよ。『不思議』シリーズでパネル調合になったことで、1つの調合にかける時間が長くなったじゃないですか。それで、ユーザーさんが時短を求めているという点もあり、採用したという経緯があります。今回もどうするべきか考えたのですが、やはりゲームバランスとの兼ね合いを取り、特性の引継ぎはなくしました。

――アルケミリドルの制作話を聞いたあとだと、その苦労がよくわかります(笑)。あとは装備品の新たなカテゴリに“シンボル”が追加されました。これまでのタイトルでは、装飾品の2枠はある程度鉄板のものがあったので、シンボルの追加でさらに装備の幅を出せるようになった印象を受けました。

細井:シンボルについては、お気に入りのキャラクターをより強くするという考えがあります。正直、さほど意識しなくてもいい要素では正直ありますが、これに関してはある種の実験という意味合いがあるんです。

――たしかにこういった装備の登場は初めてです。

細井:じつは今後の『アトリエ』シリーズで、より進化していく可能性がある要素になっています。今作ではあくまで戦略性のバリエーションをより担保するための要素だと思っていただければ。

バトルでは複合的に絡む要素をいろいろ試してほしい

――バトルメンバーではか弱そうに見えるエーファが、ごっつい大砲を武器に戦うのがギャップがあっておもしろいです。これを持たせた理由を教えてください。

細井:単純にバトルの演出を作るメンバーが「エーファに大砲を持たせようよ」というノリだったからですね(笑)。岸田さんのイラストには大砲は描かれていませんので。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

――いきなり大砲を構えたので、最初は「なんだこれ」とビックリしました。でも、インパクトがあるし、おもしろくてアリですね(笑)。

細井:「華奢な女の子にデカい武器を持たせようよ」という感じです。

――『メルルのアトリエ』のケイナも華奢でしたが、彼女はかばんが武器でしたよね。華奢な女の子には相応の武器が定番でした。だからなおさら“まさか”と(笑)。そんなバトルですが、今回はプライマルアーツという新要素がありますが、組み合わせでお気に入りはありますか?

細井:私はインタラプトで使うアイテムに、すごく強い攻撃系の調合アイテムを入れる派なんです。だから、ルルア、ロロナ、ピアニャの錬金術士3人で発動する、アイテムの威力アップのプライマルアーツでしょうか。ただ、プライマルアーツは組み合わせがいろいろあるので、自由に選んでいただいていいと思います。回復系を選ぶ方もいるでしょうし、同じくバトルの新要素であるインタラプトとの組み合わせてどう楽しんでもらうかが、今回のポイントでもありますので。

――たしかにプライマルアーツ、インタラプトはそれ単体でなく、複合的に絡んで運用を考えることにおもしろさを感じます。

細井:そうなんですよ。インタラプトは自分がどのタイミング、どうやりたいのかを含めて、バトルに介入できる要素となっています。ターン制の場合、一度行動を決めたあとは流れにまかせるだけでした。そのため、攻撃を受ける前に阻止する、大ダメージを受けたからすぐに回復するなど、自分のタイミングでターン制を崩せるようになっています。

 さらに、これをプライマルアーツと組み合わせることで、自分が立てた戦略が当たっているというか、よりやりたいことがイコールになりやすくなると考えました。だからプライマルアーツはインタラプトとセットで考えていただくと、よりおもしろく、戦略性の幅が広がると思います。

――あとはストーリークリア後のお楽しみも『アトリエ』シリーズではお約束ですが、今回もそのあたりは用意されているのでしょうか?

細井:はい。お楽しみいただける要素を用意しています。

――『アトリエ』シリーズといえばDLCもはずせませんが、そのあたりはいかがでしょうか?

細井:発売日である3月20日には、初回特典であるルルアのコスチューム“イノセントフェアリー”を配信するほか、調合に使えるアイテムを“ご新規さん支援アイテムパック”として無料配信します。それ以外も予定はありますので、続報をお待ちください。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲初回特典の衣装であるルルアのコスチューム“イノセントフェアリー”。

――では最後に発売を待つファンにメッセージをお願いします。

細井:1月の『ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~』の発売から2カ月ほどですが、最新作を発売させていただきます。

――ちょっと考えられないスパンですよね(笑)。

細井:そうですよね。『ネルケと伝説の錬金術士たち』は街づくり×RPGということで、どちらかといえばシミュレーションに寄った作品です。それに対して『ルルアのアトリエ』は、従来の『アトリエ』シリーズというか、『アーランド』シリーズ以降に築いた『アトリエ』シリーズの正当進化となっています。

 とくに『アーランド』シリーズの4作目ということもあり、岸田さんと一緒に“新しい『アーランド』は何なのか”を検討したり、開発スタッフも“2019年に出す『アーランド』シリーズで正しい形は何なのか”を試行錯誤したりして、ものすごくいい作品になっています。ぜひ興味があれば『ネルケと伝説の錬金術士たち』と合わせて、お買い上げいただけたらうれしいです。

(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved. ※画面はすべてPS4で開発中のものです。

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