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2019年3月19日(火)

応援企画第2回! 『アトリエ』史上最大のボリューム感で最高の満足感の『ルルア』を語る【電撃PS】

文:電撃PlayStation

 コーエーテクモゲームスのガストブランドから3月20日に発売される、PS4、Nintendo Switch用ソフト『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』。“新約錬金術RPG”と名付けられている本作は、キャラクターたちが紡ぎ出す物語、RPGに欠かせない成長要素、調合でアイテムを作り出す錬金術という3つのゲーム要素が、見事なバランスで組み合わさった作品となっています。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

 そんな期待の『アトリエ』シリーズ最新作を応援する特別企画第2回では、『アトリエ』シリーズを愛してやまない担当編集Oが、各要素のハマる要素をロングレビューでタップリお伝えします。なお、第1回では本作のシステムをまとめているので、レビューで触れているシステムの詳細はそちらでご確認ください。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』

 ちなみに本作は『アーランド』シリーズの4作目なので、作中には『アーランド』シリーズファンの心に刺さる、ステキな仕掛けが満載となっています。そこでロングレビューの最後では、プレイの楽しみを極力奪わない形で、そんなファンサービスをちょこっとだけご紹介します。その部分に期待されている方は、読めば期待値がググッと上がること間違いなしです!

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲会話の節々に散りばめられた“匂わせ要素”。そこに想いを馳せるのも、大きな楽しみの1つとなっています。

過去作を未プレイでも安心の気配りMAXな物語

 まず語りたいのは、本作は『アーランド』シリーズのファンに向けたコアな作品でなく、はじめて『アーランド』シリーズに触れる人にも楽しめる作品であるという点です。主人公のルルアは、“アーランド一の錬金術士”と名高いロロナの娘ですが、かつてのロロナの活躍を知らなくても、ルルアを主人公とした物語が展開するので問題ありません。「お母さんはなんかすごかったんだ」と、それくらいの認識さえあれば大丈夫なんです。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲“アーランド一の錬金術士”と謳われるロロナですが、「具体的に何がすごいの?」ということをあえて語らないゆるさも、すごく入りやすい仕掛けだと思います。

 そんな偉大なお母さん以外にも、本作は『アーランド』シリーズの4作目ということもあり、過去シリーズで主人公を務めたトトリ、メルルも再登場します。彼女たちもロロナ同様、かつて偉業を成し遂げた伝説クラスの錬金術士で、ルルアが目標にしたくなるほどカッコイイ存在なわけなんですね。

 過去の活躍を知っていれば、再会時により感情が乗るし、知らなくても出会ったときのルルアの感動っぷりを目の当たりにすれば、おのずと彼女の気持ちにシンクロして、トトリたちを尊敬の眼差しで見つめていることに気づくはずです。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲物語が進むと、トトリたちの過去に触れるイベントも用意されています。気になった方は、好評発売中の『アトリエ ~アーランドの錬金術士1・2・3~ DX』をぜひ!!

 また、ルルアが暮らすアーキュリスは、本作で初めて登場する場所です。そのため、誰もがフラットな目線からスタートできます。さらに、序盤でルルアとかかわる人物たちも、ほぼ全員が新キャラクターで「初めまして」な人ばかりなのもポイントです。

 まあ一応、ルルアの師匠であるピアニャは『トトリのアトリエ ~アーランドの錬金術士2~』からの再登場になります。でも、登場はゲーム終盤でエピソードは深く描かれていなかったので、ある意味彼女も新キャラクターという認識でもいいんじゃないかなと。だいぶ大人になっていますしね(笑)。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲新米錬金術士に欠かせないのが師匠のポジション。最近の『アトリエ』シリーズでは伝統の関係で、師弟愛の描かれ方も鉄板の人気を誇ります。

ポジティブさが眩しく見ていて元気をもらえる主人公・ルルア

 そんな先輩錬金術士に囲まれたルルアですが、とにかくポジティブで元気な性格のため、プレイをしていて気持ちがあがるんですね。見ていると心が“ほっこり”してくるというか(笑)。彼女の口グセは「なんとかなるなるっ!」なんですが、ちょっとやそっとの障害は諦めないし、落ち込んだとしても自分自身で発破をかけて乗り越えちゃうんですよ。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲もうね、モーション1つとってもルルアはかわいくて仕方がないんです。挨拶の仕草なんて「狙い過ぎ」と言われそうですが、個人的には全然あり(笑)。

 今どきこんなに真っすぐな主人公はなかなかいないし、個人的にもせっかく遊ぶならば殺伐とするより、心いやされたいという派なので、プレイ中はずーーっと幸せな時間を堪能できました。60時間近く遊んだのに「もう終わっちゃうのか……」と、クリアすることが惜しくなるゲームって、なかなかないと思いますよ?

魅力があり過ぎるルルアを取り巻くキャラクターたち

 ここまではルルアを中心に魅力を語りましたが、彼女を取り巻くキャラクターたちも、ルルアに負けず劣らずのメンバーがそろっています。いい意味でわかりやすく、個性が立ちまくりなんですよ。しかも、嫌味なキャラクターは誰一人いないし、確実にみんなが好感を抱くキャラクターデザインになっているんです。だから友好度が上がってイベントが発生するたびに、「次はどんなエピソードが!?」と、キャラクターを訪問するのが毎回楽しみで仕方がありませんでした。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲イベントが発生する場合は、移動リストに★が表示されるので、見逃すことはありません。時限式でもないので、いつクリアしても自由な点もうれしい限り。

 そんなキャラクターのなかでお気に入りなのが、元海賊のニコ。豪快で義理人情に厚い、というところも好きなんですが、演じているのが松岡禎丞さんってのが、これまたズルい。とくに男泣きの演技はさすがです(笑)。「松岡さん以外に適任がいる?」と自問自答するくらい、キャラクターと声が完全にマッチしていました。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲暑苦しいんだけど……それがまた海の男っぽくていい味を出しているんです!

 ちなみに松岡さんは、以前『シャリーのアトリエ ~黄昏の海の錬金術士~』のコルテス役でも出演されていました。コルテスはニコと違い寡黙な男だったので、今回あらためて“松岡節”が全開の演技を見られてよかったです(笑)。

ちょっと背伸びして解読に挑むことが楽しいアルケミリドルの解読

 物語を進める道標となるアルケミリドル。これは書かれているテキストの2カ所がマスクされ、その答えを見つけて達成することで、解読が可能となります。個人的にはこの答えの提示難易度がすごく絶妙なのがお気に入り。

 「あれかな?」「これかな?」と試してみて、見事に正解を導き出せたときは心のなかでガッツポーズしてしまうほど(笑)。また、解読作業はルルアが拠点とする幌馬車のアトリエで行うのですが、一気にたくさん解読が進められたときの達成感もたまりません。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲解読条件によくあるのが、●●を何回使用するというもの(こちらは何とかのカレー)。これは提示からのカウントでなく、これまでの行動もカウントされています。積み重ねが無駄にならないのはうれしいですよね。

 あとは、現在進めている章の先にある基本編の各ページも、がんばってみると解読できるのもおもしろかった。このちょっとだけはみ出してチャレンジできる遊びは、昔の『アトリエ』シリーズっぽい感覚で、どこかなつかしかったです。

揺るがない“創意工夫”のおもしろさがある調合

 『アトリエ』シリーズの核ともいうべき存在の調合。今回の調合は錬金成分の足し算、引き算で効果をいかに発現させるか、という試行錯誤がおもしろいんです。しかも、拾える材料はすべて性能がランダムなので、この通りに作れば鉄板! というようなテンプレートもなく、創意工夫のし甲斐があります。

 個人的には教科書通りの調合より、プレイヤーのさじ加減で結果がいろいろ変わるほうがおもしろいと考えている派なので、『ルルアのアトリエ』の調合はすごくハマっています。そんな調合ですが、序盤はできることの制限が多いのですが、アーランドにある鍛冶屋、ハゲル&コオルワークスで武器を作ってもらえるようになって、ルルアが武器・防具の材料を自分で調合可能になるあたりから、おもしろさにブーストがかかり出します。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲武具の作成はアーランドに到着してから解禁に。武具にどんな特性を引き継げるかを吟味することも、『アトリエ』シリーズのやり込みの1つなのです。

 なお、苦心してせっかく調合した材料ですが、調合に使ってしまうとなくなってしまいますよね。ですが、ご安心ください。ちむどらごんのお店では調合したアイテムの登録ができるので、会心のアイテムができたら使う前に登録しちゃいましょう(上等なアイテムほど販売価格は上がりますが)。

キャラクターの成長&強化を如実に体感できるバトル

 RPGに欠かせない要素といえばバトルですが、『アトリエ』シリーズは通常のRPGよりも、装備やアイテムの強化を如実に体感できるようになっています。これは『ルルアのアトリエ』に限ったことではないですが、こだわればこだわるほどリターンがあり、与えるダメージも跳ね上がって爽快感につながるのです。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲武器の材料にこだわり、追加ダメージなどが重なるようになると、ダメージ表記も一気に増えてテンションが上がります。

 さらに今回おもしろいと感じたのが、メンバーの隊列で発動するプライマルアーツで、バフ(味方へのステータス強化)がかかることです。前作の『不思議』シリーズでも隊列の変更はできましたが、よほどのピンチでないかぎり積極的にいじることはありませんでした。ですが、今回はこのバフを目当てに、いろいろ編成を変えて遊べるのがいいですね。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲入れ替えのテンポもいいし、どんなバフがかかっているのがひと目でわかるのもうれしい限り。

 また、もう1つの新要素であるインタラプトは、攻守で使えるのがいい感じ。ルルアが成長すれば連続で発動することもあり、まさに「確変キター!」という感じで、脳汁が出ちゃいますね(笑)。このようにさまざまな要素が絡むバトルですが、序盤はできることもパーティ人数も少なく、物語を純粋に追いかけたい方は足かせに感じる方もいると思います。でも、調合が本格的になってくると、自分がどれだけ強くなったかを知りたくなり、おのずと積極的に戦いたくなるはずですよ。

大ボリュームで用意された探索エリア

 次に語るのは探索エリアです。今回はアーキュリス、アールズ、アーランドと、大きく分けて3つのエリアがありますが、探索可能なエリアの数がじつに豊富で「よくこれだけのボリュームを用意したよな」と、素直に脱帽ですね(笑)。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲探索エリアの数が増えてきたら、ワールドマップでR1ボタンを押して“フィールド一覧”を選択。探索地が広がる中盤以降も、移動先をスムーズに選べます。

 エリア内の探索にはミニマップが用意されており、探索率(採取や踏破すると上昇)を上げると、宝箱の位置や強敵の位置なども表示されるようになるなど、これを活用すれば迷うことはほぼありません。しかも、採取しながらエリアを回り切ると、だいたいカゴがいっぱいになる広さなのもよかったですね。あ、場所によっては複数階層だったり、昼と夜で顔が変わったりするので、そういった違いを見つけるのも楽しいですよ。

『アーランド』シリーズのファンが幸せになる正統派の続編!

 さて、ここまでは『アーランド』シリーズ未体験という方に向けたインプレッションでしたが、ここからは『アーランド』シリーズが好きで好きでたまらない! という方に、シリーズファンの心をくすぐる要素を掘り下げて紹介したいと思います。

 まずは過去シリーズのキャラクターたちが、どこまで物語に絡んでくるのかという点。なかでもロロナ、トトリ、メルルといったかつて主人公だった錬金術士たちの動向が気になると思いますが、そこは間違いなく納得するスポットライトの当て方となっています。

 しかもトトリならばミミ、メルルならばケイナ、ロロナならばステルクと、このコンビをはずすのはあり得ないよね、という部分がバッチリ担保されており、登場するたびにニヤニヤが止まらないんですよ(笑)。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲もう「お見事!」としか言いようがないほど、人間的に大きく成長しているトトリ。まあ、まったく変わっていない部分もありますが……。

 また、『アーランド』シリーズはこれまで3作発売されているだけあり、多くのキャラクターが登場しています。さすが全員が登場……、というわけにはいきませんが、キャラクターの会話や街にあるオブジェクトなどにニヤリ要素が散りばめられ、顔は見えなくともたしかに“息遣い”を感じさせてくれるのです。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲冒険者であるイエルチェは、著名な冒険者(それ以外も?)のサインを集めるのが趣味。そんな彼女のご自慢のコレクションには、なつかしい名前がズラリ……。

 なお、『アーランド』シリーズを語るうえで欠かせないのは、ある意味主人公以上に人気のステルクですよね。今回はバトルの性能もそうですが、年相応に“みんなの長”という貫禄も出て、かなりの存在感を発揮しています。『メルルのアトリエ』ではちょっとこじらせていただけに、正統派ステルクを見られたのがうれしかったです。

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲なんと今回はアーランド王国祭で、ステルクと腕相撲対決ができます。かつてルルアの母であるロロナに、武闘大会で負けることもあったステルクですが、今回の結果は果たして!?

 そして『アーランド』シリーズに欠かせないのは、“『アトリエ』サウンド”の基礎を作った柳川和樹さん、中河健さん、阿知波大輔さんが手掛けるサウンドです。何と『ルルアのアトリエ』では、この3人が参加されているんですよ。おなじみのテーマのアレンジや、新しい『アーランド』サウンドなどが多数用意されていて、なつかしさと新鮮さを同時に味わえるなんて、ファンにとってはなんと幸せなことか!

『ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~』
▲ロロナ、メルルのアトリエでは、ちゃんとそれぞれのアトリエテーマが、アレンジされたバージョンで流れます。これだけでも涙ですよね!

 ちなみに今回のエンディングテーマ『旅へ寄せて』は、作詞・作編曲を中河さんが、ボーカルはKayocoさんが担当されています。こちらのインタビューもソフトの発売後に公開予定ですので、ぜひ期待してお待ちください。

 『アーランド』シリーズ、そして『アトリエ』シリーズ好きというフィルターをはずしたとしてもRPGとしての完成度は折り紙付きだと断言できる『ルルアのアトリエ』。第2回では“クリアするのがもったいない”と思うほど、ドハマりした担当のロングレビューをお届けしました。明日の発売日には、第3回目として細井順三総合プロデューサーのインタビューをお届けします!!

(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved. ※画面はすべてPS4で開発中のものです。

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