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2019年3月28日(木)

『ディビジョン2』長時間遊んだロングレビュー! 自分なりの方法で強くなれる懐の深さが最高【電撃PS】

文:電撃PlayStation

 ユービーアイソフトより好評発売中のPS4/Xbox One/PC用ソフト『ディビジョン2』。本作は、バイオテロによって崩壊したアメリカを救うべく、特殊部隊ディビジョンのエージェントとなって戦うアクションRPGです。今作の舞台は、アメリカの首都でもあるワシントンD.C.。エージェント同士を連携させるSHDネットワークのダウンによって危機的状況に陥った主人公は、救難信号に導かれてワシントンD.C.に集結し、SHDネットワークの回復と反政府組織が割拠する地域の解放に向かいます。

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 今回は、エンドコンテンツでワールドクラス4になり、あとは最終拠点の攻略を待つだけ……というくらいがっつりプレイしたライターが本作の魅力を語るロングレビューをお届けします。

アグレッシブに動く敵を銃とスキルでねじ伏せる! 白熱の戦闘について

 本作の基本システムは障害物を盾に敵と撃ち合うカバースタイルのTPSです。主人公であるエージェントは、アサルトライフルやライトマシンガンといったメインウェポンを2種類、ピストルなどサイドアームを1種類装備可能。間合いに応じて武器を使い分けるほか、ドローンやタレットといったハイテク兵器を用いたスキルで敵と戦います。

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 障害物に張りついて身を守るカバーアクションを使えば、敵の攻撃から身を守りつつ安定した射撃が行えますが、本作の敵はAIがかなりアグレッシブ。側面や後方への回り込みやグレネードの投てきなどを駆使して、がっちり守って戦おうとするエージェントたちを切り崩しにかかります。実際に戦ってみると敵の行動はかなりハードで、油断しているとこちらがあっさりやられてしまうこともあり、常に油断のできない緊張感のあるバトルがたまらないです。攻撃を仕掛ける前に敵に照準を合わせてタグ付けを行うなど、プレイヤーなりにしっかりとした戦術を立てて戦うことが重要だと感じました。

 また、敵の強さのバランスは、協力プレイでは程よい感じになっているとも思いました。グループを組んだプレイヤーがしっかり持ち場を守って敵の猛攻を撃退するのは、かなりの充実感があります。

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多彩なMODで効果を変えて、スキルの組み合わせを考えるのが楽しい

 エージェントが使えるスキルは基本8種類で、これにMODと呼ばれる機能を設定することで使い方が決まります。今作のスキルは、エージェントの耐久力を示すアーマーを回復するMODがいくつものスキルに用意されているのが特徴。回復手段が複数あることで、攻撃や索敵に使えるスキルの自由度が大幅に上がっているとプレイしていて思いました。スキルの選択に悩んでいるなら、リチャージが速い“ケミランチャー”にアーマー回復効果のある“レインフォーサー”MODをつけるのがオススメです。

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プレイヤー同士の共闘が手軽に楽しめるマッチングシステム

 さきほど、今作の敵の強さは協力プレイ向け、と書きましたが『ディビジョン2』では、ストーリーミッションに挑む際、入り口ですぐにマッチングできる機能以外にもプレイヤー同士が気軽にグループを組める“支援要請”システムがあります。要請を出すのは、タッチパネルで開くメガマップ画面で△ボタンを長押しするだけ。これで、オープンワールドで活動中の別のプレイヤーに要請送られます。要請が届いたプレイヤーは、タッチパネルを長押しするか、メガマップでSHDタブを選ぶことで、要請のあったポイントを表示可能。ポイントを選んで方向キー↑長押しで要請を受諾すると、要請元のプレイヤーとグループが組まれます。

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 プレイした感じ、時間帯にもよりますが積極的に支援要請を使っている人がかなり多い印象です。おもにサイドミッションやコントロールポイントの攻略といった、1人ではちょっと荷が重めのアクティビティを手伝ってくれる人を探している人が多いように思いました。とくにエンドコンテンツでは、支援要請で4人グループを組み、周辺のミッションをクリアしてコントロールポイントの難易度を上げてから攻略、がっぽり報酬を獲得するといったプレイをしている人がいて、「なるほど」と思うこともありました。

ソロから協力、対戦まで幅広く用意されたアクティビティ

 『ディビジョン2』は、ストーリーやサイドミッション以外にも非常に充実したアクティビティが用意されているのが特徴です。その数や種類もさることながら、ジャンルもソロで攻略できるものからマッチングで味方を集めてガッツリ遊ぶタイプのもの、さらに対戦まで各種ジャンルがそろっていて、本作1本でいろいろと遊べる作りになっています。  ここでは、プレイしていて興味深かった要素をピックアップしてみます。

探索しがいのあるオープンワールド“フリーローム”

 本作は、1/1スケールで再現されたワシントンD.C.のオープンワールドを自由に探索できます。マップの各地には、さまざまなアクティビティに参加ポイントが用意されているわけですが、オープンワールド空間そのものもかなり探索しがいのあるものとして作り込まれているのがプレイしていてわかりました。今作は、中に入って探索できる建物や地下通路もあちこちに用意されていて、探せば素材や装備品が入った箱やバッグなどが見つかります。また、エージェントのスキルMODや特殊能力PERKの取得に必要なアイテム、SHDテックはパズルめいた構造の地形に隠されていることもあり、どうやってアプローチするのか考えるのも楽しいです。

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敵に占領された拠点を取り戻す“コントロールポイント”

 マップ内の各所には、敵対勢力が占拠する“コントロールポイント”が設けられていて、ここから敵勢力を排除するとその地域の民間人に管理を任せることができます。“コントロールポイント”への攻撃は、NPCも参加するわりと大規模な戦いで攻略しがいのある内容に仕上がっています。さらに、攻略に成功するとアイテムの保管場所からわりといい装備品を入手できるのもうれしいところです。

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対戦以外の楽しみ方も可能になった“ダークゾーン”

 『ディビジョン』シリーズを印象付ける場所でもある高度汚染地域“ダークゾーン”。今作では、ウィルス以外にも、その治療に使われた危険な薬物“DC-62”の汚染によって閉鎖されたエリアがワシントンD.C.全体で3カ所あり、プレイヤーはその探索に乗り出すことに。内部では最大12人のエージェントが同じエリア内で行動し、ほかのエージェントを倒すことで相手の持つ貴重なアイテムを奪うことができます。貴重なアイテムは汚染されていて、ヘリによる回収と除染を行わないと使用できません。

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 今作の“ダークゾーン”は、タッチパネルを長押しすることで任意で他人を攻撃可能なローグエージェントになれます。ただしこのローグエージェントの状態でできるのは、“他人から奪うこと”というだけではないのがおもしろいところ。ローグエージェントは、敵やほかのエージェントの監視を潜り抜けて、鍵のかかった箱をピッキングで開けたり、各所のSHD端末をハッキングするといった盗賊行為もできるのです。この、ちまたで“白ローグ”と呼ばれているステルス風のプレイスタイルは、対戦が苦手な人や少人数でも可能で、やり遂げると窃盗団のアジトを見つけて報酬がもらえるので、“ダークゾーン”での楽しみ方がさらに広がったと言えるでしょう。

短時間でも遊べる対戦モード“コンフリクト”

 前作では発売後に実装された対戦モード“コンフリクト”が当初からプレイできます。ルールは相手を倒すのが目的の“スカーミッシュ”と、投下された物資を奪い合う占領戦“ドミネーション”の2つで、ルールとマップは開始前に投票で選ばれます。

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 ルール自体はシンプルですが、対戦中はレーダーが使えないため相手の位置をしっかり把握する索敵能力が問われる、お互いの読みあいが楽しいモードだと感じました。とくに、ポイントを占領する“ドミネーション”は、占領状況で相手の位置を予測しやすいので、回り込んで奇襲を仕掛けるいわゆる裏取りにお互い注意が必要。エージェントの耐久力はかなり高めでやられにくいので、対戦シューター初心者でも気軽に参加できると思います。

ストーリーの第2部ともいえるエンドコンテンツ

※注意! この先の記事には、ストーリークリア後のネタバレが含まれます。

 本作の目的は、SHDネットワークを復旧し、アメリカ全土で孤立状態となったディビジョンエージェントの連携を取り戻すこと、そしてワシントンD.C.を割拠する3つの組織からこの地を取り戻すことです。しかし、敵対組織が陣取るすべての拠点を制圧し、エージェントのレベルが上限である30に達すると、今度はストーリーの第2部ともいえるエンドコンテンツがスタートします。

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 レベル30に到達したエージェントは、新たに装備スコアという強さの概念が導入され、装備しているアイテムの装備スコアの平均値を上げることで強くなれます。これまで、経験値を獲得することで成長していった本作は、より良い装備を求めて各種アクティビティに挑戦するトレジャーハントが目的のゲームへと変化していくわけですね。もちろん、装備スコアを上げていく方法はさまざま。従来のようにダークゾーンやコンフリクトで装備集めをしてもいいですし、エンドコンテンツで追加された要素をプレイして強化していくのももちろんアリ。レベルが上がり切ってもまだまだ奥深く遊べるのがうれしいところです。

 なお、レベル30に達しても経験値ゲージは存在し、ゲージがいっぱいになるとこれまでと同様に装備の入ったキャッシュを獲得できます。

より手ごわい新勢力と戦う“侵入ミッション”

 エンドコンテンツが開始されると、これまで3つの勢力が押さえていた拠点は新勢力ブラックタスクによって占領され、エージェントがこれまで占領したコントロールポイントもほとんどが敵の勢力下に落ちてしまいます。

 エージェントは、ブラックタスクが占領した拠点を攻撃する“侵入ミッション”に挑戦することになりますブラックタスクはディビジョンエージェントを上回る装備で身を固めており、タンクタイプや四脚で歩行する重装甲のドローンを繰り出すなど攻撃方法がかなり多彩に。

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 侵入ミッションのマップはこれまでのストーリーミッションと同様ですが、ミッション構成はまったくの別物なので、新鮮な感覚でプレイできました。倒したはずの敵を蘇生させたり、定期的に自爆ドローンを送り込むなど、新たな戦術でこちらに挑んでくる敵との戦いはかなりやり応えがあります。

 侵入ミッションをクリアし、ブラックタスクから拠点を取り戻すごとに、エージェントの“ワールドランク”が上昇。敵のレベルが上昇するとともに、エージェントの装備スコアの上限もアップしてより強くなれます。

スキルツリーで強くなるスペシャリゼーション

 エンドコンテンツが始まると、エージェントは強力なシグネチャーウェポンとスキルを持つスペシャリゼーションと呼ばれるクラスが選択可能となります。スペシャリゼーションは現時点では3種類あり、それぞれ独自のスキルツリーで成長していきます。成長に必要なポイントは経験値を稼いだり、“侵入ミッション”や“懸賞金”のクリアで獲得。武器の攻撃力を上げたり、スキルや武器MODを獲得可能です。

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 筆者はグレネードランチャーが使える“デモリショニスト”でプレイしていました。グレネードランチャーは自爆の危険こそあるものの、強力な範囲攻撃が可能で、敵の大群に対してうまく当てられると非常に気持ちいいです。また、“タレット”に爆発する砲弾を発射させるスキルMOD“アーティレリー”は、屋外などの広いエリアなら遠距離から敵を安全に攻撃できるかなり優秀なスキルMODだと感じました。また、“デモリショニスト”は爆発物のほか、ライトマシンガンとサブマシンガンの威力を上げられるといった、スペシャリゼーションごとの特徴が際立ってくるのも、エンドコンテンツらしくていい感じだと思います。

勢力図が変化するオープンワールド

 エンドコンテンツでは、敵や民間人のコミュニティが拠点やコントロールポイントから部隊を繰り出して、お互いのコントロールポイントを攻撃してお互いの勢力図が刻々と変化。さらにエンドコンテンツでのオープンワールドのアクティビティは、近くのコントロールポイントと関連していて、エージェントがアクティビティをクリアすると関連するコントロールポイントの警戒度が上昇、攻略する際の難易度が上昇するとともに報酬もよくなります。

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 プレイヤーは、仲間を集めて周辺のアクティビティと一緒にコントロールポイントを攻略、がっぽり稼いでもいいですし、警戒度の低いコントロールポイントを奇襲して手早く報酬を手にするのもあり。変化を続ける勢力図のなかで戦い続けられるのです。

常に更新される“懸賞金”ミッション

 ストーリー中ではセーフハウスのプロジェクトやオーティス・サイクスの雇用で追加されていった“懸賞金”ミッションは、エンドコンテンツで大幅に増加します。なかには、段階を追って懸賞金のかかった敵を倒してくことで、より高難度で報酬のよいターゲットにアプローチできるものも存在。“懸賞金”ミッションは1度倒して終わりということはなく、定期的に新しいターゲットが追加されるのでやり応えもあります。

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 サービス開始からとにかく盛りだくさんのコンテンツが用意されている『ディビジョン2』。本作の素晴らしいところは、ストーリーで開放される要素を除けば、“強くなりたければこのアクティビティをやらないと……という縛りがない”点。これに尽きると思います。対戦モードが苦手ならストーリーを進めてオープンワールドの探索をしてもいいし、逆に対戦やダークゾーンでの奪い合いで装備を集めて強くなるのもあり。プレイヤーなりの戦い方で強くなれる本作は、知らない人とも気軽に遊べるオンラインRPGとして、そして強力な武器やスキルで敵の猛攻を叩き潰すやり応えのあるTPSとしてもかなり高いクオリティにあると感じました。シューター好きからオンラインRPGファンまで幅広いプレイヤーにおススメできます。導入部の解説も丁寧なので、前作もプレイ経験がなくても大丈夫。発売から間もない今こそプレイを始めるチャンスです!

(C) 2018 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Tom Clancy's The Division 2, Ubisoft, and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the US and/or other countries.

データ

▼『ディビジョン2 アルティメットエディション』
■メーカー:ユービーアイソフト
■対応機種:PC
■ジャンル:RPG
■配信日:2019年3月15日
■価格:14,400円+税
▼『ディビジョン2 ゴールドエディション』
■メーカー:ユービーアイソフト
■対応機種:PC
■ジャンル:RPG
■配信日:2019年3月15日
■価格:12,000円+税
▼『ディビジョン2』
■メーカー:ユービーアイソフト
■対応機種:Xbox One
■ジャンル:PC
■配信日:2019年3月15日
■価格:8,400円+税

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