2019年4月3日(水)
3月30日に、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場でアニメ『荒野のコトブキ飛行隊』最終話先行上映会が開催されました。
この日の上映会は、第11話“イケスカの決闘”と、放送配信に先駆けて最速でのお披露目となる第12話“夕陽のコトブキ飛行隊”を迫力の2.1chサウンドで楽しめるというもの。
イベントには、キリエ役の鈴代紗弓さん、エンマ役の幸村恵理さん、ケイト役の仲谷明香さん、レオナ役の瀬戸麻沙美さん、ザラ役の山村響さん、チカ役の富田美憂さんたちコトブキ飛行隊の6人を演じる声優陣が駆け付けました。
第12話の終了後のトークコーナーでは、その見どころについてトーク。鈴代さんは、コトブキ飛行隊全員に見せ場が用意されていたことや、キリエの成長した姿が描かれたことなどがよかったと話していました。
ドードー船長が操縦できたことに驚いたという幸村さんは、やるだけやったエンマのすっきりした表情や、水を利用した戦い方が印象に残ったそうです。瀬戸さんや鈴代さんも、海がないイジツで水のある場所が描かれたのは、新鮮で印象深かったとコメントしていました。他にも瀬戸さんは、ザラのおかげでレオナが人に頼れるようになったところや、前を向いて終われる気持ちのいい終わり方を魅力として挙げていました。仲谷さんは映写室から少しだけ上映している様子を見ていたそうで、幸村さんと同じくエンマの戦いぶりが印象に残った様子でした。山村さんは第12話の空戦シーンを見て泣いてしまったそうで、劇場で見ることができたお客さんをうらやんでいました。富田さんは、アフレコ前に台本を読んだ際、チカの「おばあちゃんになっても飛ぶのかな?」というセリフや、その後の流れに感動していたそうです。6人の絆を改めて感じられる最終回を見てもらえたことを喜んでいました。
第12話についてコメントしたところで、ここからは声優陣が選ぶ“グッときた空戦シーン”を紹介することに。さらに、そのシーンについて、ミリタリー監修の二宮茂幸さんと、特殊飛行アドバイザーを担当したウイスキーパパの内海昌浩さんによる解説コメントも付けられていました。(※コメントは司会を務めた有澤亮哉プロデューサーが読み上げました)
富田さんのお気に入りは、第2話“さすらいの6人”で見せたチカとキリエのコンビネーション。解説によると、前後一列に並んで追われることの厄介さは、映像だと伝わりづらいかもしれないけれど、やられるほうからしたら非常にやりづらいでしょうとのこと。さらに、飛燕は後ろが見にくいこともあって、非常に有効だそうです。これは、レーダーに機数を誤認させる点で、現代でも有効な戦法なのだとか。
▲第2話“さすらいの6人”より。 |
山村さんは、第4話“エリート砦”で、ザラが取り返した雷電でせまいがけの中を飛び、急上昇するところ。ミスが命取りになる場所を飛ぶハラハラ感と、垂直に上昇してがけを抜けた後の静けさとのギャップが選んだ理由だそうです。
第10話でも、ラハマ町長が雷電を上昇させ、ブーストが続かず落下していくシーンがありましたが、一歩違えばザラも同じようになってしまう可能性があったそうです。それだけに、ザラの技術が光るシーンでもあるとのこと。
▲第4話“エリート砦”より。 |
瀬戸さんは、第5話“華麗なるアレシマ”で暴走してしまい、キリエにたしなめられたシーンをチョイス。選んだ理由として瀬戸さんは、非常にリスクはあるものの、それゆえに迫力あるシーンだったからと話していました。
解説によると、一見無双シーンにも思えますが、戦闘機乗りとしてはやってはいけないことのオンパレードだそうです。空中で制止する時間があるためいいマトになってしまう“テールスライド”や、撃墜を確認しないで次の敵に攻撃するなど、空戦の基本をまったく無視したシーンなのだとか。
▲第5話“華麗なるアレシマ”より。 |
仲谷さんは、第7話“ナサリンの1ポンド硬貨”で、ケイトとキリエが彗星で爆撃し、油田火災を消すシーン。キリエとケイトのコンビネーションが光るこの場面では、ケイトがキリエをほめるところもあったので、印象深いとのことです。
高度2000クーリルから200クーリルまで降下して爆撃するこのシーン。“クーリル”は作品オリジナルの単位ですが、本編中の情報を照らし合わせると、どれくらいの高さなのかは想像できるとのこと。現実では、自分が爆撃に巻き込まれる恐れがあるため、高度600メートル程度で爆弾の投下を行うそうですが、200クーリルは、高度600メートルよりもかなり低い位置だそうです。
爆撃前に機体を回転させて狙う場所を確認する場面や、爆撃後、墜落を防ぐためにキリエがエアブレーキをかける場面がありますが、そこもキリエの操縦技術の高さがわかる描写だと解説されていました。
▲第7話“ナサリンの1ポンド硬貨”より。 |
幸村さんがグッときたのは、作中でも屈指の盛り上がりポイントであった第12話“夕陽のコトブキ飛行隊”の市街戦。エンマのセリフに、彼女の考えがよく表れていたと話していました。エンマが怒りのセリフを言う部分は、彼女の主観視点の映像になっていますが、隼の機動性能を生かして“ハーフキューバンエイト”と呼ばれる技を繰り出し、後続の敵機を蹴散らしていたと説明されていました。
鈴代さんは、第11話“イケスカの決闘”のイサオとの一騎打ち。過去最大に怒りを爆発させたキリエのセリフは、空戦の激しさとあわせて、鈴代さんの心にくるものがあったそうです。解説では、イサオを驚かせた急上昇について触れていました。キリエの絶叫が印象深いこちらのシーンは、翼が折れていてもおかしくないそうです。
結果としてキリエはイサオに撃墜されてしまうのですが、機銃をくらった際に機体が四散していてもおかしくなかったそうで、機体が原形をとどめていたのは、幸運とキリエの腕前あってのことだそうです。
▲第11話“イケスカの決闘”より。 |
こうして6人が“グッときた空戦シーン”を挙げていったのですが、キリエの登場が絡んだシーンが多かったためか、彼女の技術の高さを認める解説が多く入っていました。筆者はこうした空戦に明るくないため、どれだけキリエたちが高度なテクを使っていたのかが、その一端だけではありますが、知ることができました。
YouTubeでは、本作の世界観や登場戦闘機を解説する映像“イジツ見聞録”が数本公開されていますが、こうした映像や解説を聞いた後に各話を見直すと、もっと楽しめるかもしれませんね。
“グッときた空戦シーン”の振り返りが終わると、どこからともなく会場に『ソラノネ』の口笛の音が……。ここで本作のオープニング主題歌『ソラノネ』を担当し、エンディング主題歌『翼を持つ者たち』の作詞・作曲・編曲を手掛けるなど、本作にかかわる楽曲のプロデュースを担当したZAQさんが、サプライズゲストとして合流しました。
ZAQさんはさっそく『ソラノネ』の制作秘話を語ってくれました。この曲は水島努監督から“荒野感があるマカロニウエスタンの曲で、英語を使わずに”とオーダーをもらって作ったそうです。マカロニウエスタンのみだと渋くなりすぎるので、派手に聞こえるようにビッグバンド風のアレンジをしたそうです。また、OPの映像ではサビの歌詞に合わせて飛行機が飛ぶシーンにしてもらったことをとても喜んでいました。
『翼を持つ者たち』を作った時には、キリエたち6人のキャラクターソングを作ることが決まっていたので、鈴代さんたちがどんな歌い方をするのか見ていたそうです。ZAQさんによると、鈴代さん、幸村さんは初めてのレコーディングとは思えなかったとのこと。他にも、ザラの楽曲は、彼女のイメージにあわせてセクシーにしつつも下品にならないように注意したそうです。キスの音は第1話の最速上映会を見て思いついたそうです。富田さんのレコーディングの時には、リンゴを食べていた姿が印象的だったと振り返っていました。また瀬戸さんは、人生でこんなに楽しくレコーディングしたのは初めてとコメントしていました。ZAQさんも、瀬戸さんのレコーディングはスタッフもノリノリだったと証言。しっとりした曲調とは裏腹に、非常に盛り上がった現場になっていたそうです。そして、仲谷さんのレコーディング現場では、仲谷さんがリズムを取る姿が非常にかわいらしかったそうで、ZAQさんは思わず写真を撮ってしまったそうです。
楽曲についての振り返りや、告知などが終わったところでイベント終了の時間に。最後は出演者が一言ずつあいさつし、出演者とファンによる「コトブキ飛行隊、一機入魂!」の掛け声からの出演者による「ばいばいブサ~」で締めくくっていました。
TVアニメ『荒野のコトブキ飛行隊』は、第12話にて一度幕を下ろしますが、2019年4月からは、外伝作品『荒野のコトブキ飛行隊外伝 大空のハルカゼ飛行隊』が間を置かずにアプリゲーム『荒野のコトブキ飛行隊 テイクオフガールズ!』内や公式YouTubeチャンネル“コトブキちゃんねる”で配信予定です。電撃オンラインでは『荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!』攻略まとめWikiを展開中です。これから始める初心者向けの攻略記事もありますので、ゲームを遊ぶ際には参考にしてみてくださいね。
(C)荒野のコトブキ飛行隊製作委員会