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2019-04-24 12:15

イケメン好きの原点は銀髪キャラ!? “ゴールデンボンバー”歌広場 淳さんインタビュー連載企画“KEY”

文:ガルスタオンライン

 ガルスタオンラインのオリジナルインタビュー企画“KEY”

“KEY”歌広場淳さん01

 今回は、ヴィジュアル系エアーバンド“ゴールデンボンバー”のメンバー・歌広場 淳さんにお話を伺いました!

 屈指のイケメン好きで知られている歌広場さんに、2次元や2.5次元のイケメンについてお話を聞いてみたらおもしろいんじゃないか。そう思った編集部はさっそくオファーさせていただき、貴重なお話をたっぷり伺うことができました。

 その模様を、裏話も含めた全4回に渡りお届けします。

ゴールデンボンバー・歌広場 淳さん、熱く語りき~1回目~

“KEY”歌広場淳さん01

──今回はヴィジュアル系エアーバンド“ゴールデンボンバー”のメンバーとして活躍する歌広場淳さんにお話をうかがっていきたいと思います。歌広場さんといえばイケメン好きとして広く知られていますが、「2次元や2.5次元のイケメン」についてはいかがでしょうか?

 そうですね……。今回のインタビューに際して世の中の嗜好をまとめて考えてみたんですが、イケメンのタイプは大きく分けてふたつに分類されると思います。それはざっくり分けると「飛影」派か「蔵馬」派です。

──『幽☆遊☆白書』(1990年から1994年にかけて週刊少年ジャンプに連載されたコミック)のですか!?

 はい。ここに第三勢力を追加するとしたら「浦飯幽助」派ぐらいで「桑原和真」派はないものと考えましょう。この分類でいえば、僕は完全に「蔵馬」派で長髪でセックスアピールが強い男性が好きだった。これは人に限らず、概念的な部分でも耽美なものを好む傾向が幼少期からありました。

──それはほかのアニメやマンガのキャラクターにも当てはまった?

 じつはそんなにアニメやマンガに詳しくはないんですが、90年代を青春として過ごしてきた身としては「自分はこういうものが好きなんだ」と自覚するタイミングがいくつかありまして、そのひとつが『新世紀エヴァンゲリオン』の渚カヲルくん。彼は完全に「蔵馬」派のイケメンでした。

 渚カヲルくんは第24話で登場するんですが何の前触れもなく場当たり的に登場したキャラクターではなく、第一話のオープニングに一瞬だけ登場するという伏線が張られています。それを幼い頃からイケメンレーダーが発達した当時小学生だった僕はしっかり補足していて「この少年が出るまで俺はこのアニメを観るのをやめない!」と心に誓っていたんです(笑)。

──TVシリーズは全26話なので、ほぼ全話追いかけきったと(笑)。

 僕にとっての『新世紀エヴァンゲリオン』というのは、渚カヲルが出てくるまでの前振りと渚カヲルであって、それ以外の記憶はだいぶ薄れてしまっていますが、逆に第24話のセリフはそらで暗唱できます(笑)。当時はまだエヴァも大ブームというわけではなくプチブームという感じだったので、だからこそしばらくして渚カヲルくんのファンが一気に増えたときにはビックリしました。しかし、こうやって考えてみると当時の僕は“何ひとつ知らない男のことをずっと待っていた”わけですよね……。そして、ふたを開けてみたらやっぱり彼も「蔵馬」派のイケメンだったと(笑)。

──そもそも源流である『幽☆遊☆白書』の蔵馬のどんなところに惹かれたんでしょうか?

 (狐が進化した妖怪である蔵馬が人間に憑依・転生した)南野秀一としての姿も好きなんですが、やっぱり妖狐蔵馬に戻ったときのあの姿にはとてつもない美しさを感じるんです! そんな感じで蔵馬、渚カヲルに惹かれて、そのしばらくあとにハマったのが『テニスの王子様』。ちょうどそのときにテニミュ(ミュージカル『テニスの王子様』)が大流行していて、もともとミュージカルや舞台が好きだった僕は当然のように興味を持つわけですが、そこを入り口にする形で四天宝寺の部長・白石蔵ノ介に夢中になってしまいます(笑)。

──やっぱり「蔵馬」派なイケメンですね(笑)。

 その時点で疑惑が確信に変わったんです。「どうやら自分は銀髪のイケメンが好きらしいぞ」と(笑)。

──同作には近い雰囲気のイケメンで不二周助がいますが、そっちではなかった。

 順当にコミックから入っていたら一番のお気に入りになっていた可能性も高いんですけど、僕がコミックを読み始めた時点ですでに白石蔵ノ介が登場していたので、やはりそっちに行ってしまいました。というか、テニミュの白石蔵ノ介を見てより興奮するためにコミックを読み始めたので。

──キャラクターを好きになるというのがそもそもの目的だった。

 原作を知らなくても楽しめるけど、原作を知っていたらより興奮できるだろうなと思って作品全体を楽しむようになっていくというパターンもあると思います。僕もそうでした。そして、ここまで“銀髪で何かひとつ秘めたものがあるキャラクター”に惹かれるというパターンが続いたことで自分の嗜好がハッキリとしましたし、そのおかげで、それ以降生きるのがだいぶラクになりました。

“KEY”歌広場淳さん01

──嗜好を知ることで生き方そのものがラクに、ですか!?

 好きなものがハッキリすれば「自分は本当にこのキャラクターのことが好きなんだろうか?」と悩む時間が減る。そして、悩む時間が減れば、より好きなもののために使える時間が増える。自分の好みが早い段階で発覚したことがオタクとして生きる上でかなりプラスになったのは間違いありません。長髪と短髪のイケメンを並べたら迷わずに長髪に行くだろうなと……。

 好きなものがハッキリするということは、自分の好みではないものについてもハッキリするということ。だからこそ、逆説的に「自分の推しではないけれども短髪のイケメンの魅力はどういうところなんだろう?」と考え方を広げられるようにもなりましたし、そのおかげでさらに豊かに生きられるようになりました。自分が好きでないということはイコール嫌いというわけではありません。自分の好みとは違う対象を好きな人も当然いるわけで、「じゃあ、そういう人の話も聞いてみよう」という感じで見分を広めていくことで過激派にならずにすみましたし、そういう意味でも今まで挙げてきたキャラクターが今のスタイルになるいいキッカケを与えてくれたのは間違いありません。

──そういった歌広場さんの“好き”という気持ちは、自分がそうなりたいという願望とは違うんでしょうか?

 違いますね。自分がなりたいというのは憧れの感情になると思いますが、僕の場合は単純にイケメンを見てワーワー言うのが楽しいんです。おかげで「歌広場さんって知識があるのね」と思ってもらえるようにもなったんです。そこまで詳しいわけでもないのに(笑)。

──そう思わせるぐらいSNSなどでも“推しを褒める発言”が多いというのもある気がします(笑)。

 そうですかね……。ただ、僕もちょっと勘違いしていたんですが、自分が好きなものを公に推せる人間は決してマジョリティーではないんです。今でこそセクシャルな発言にある程度の寛容さがある世の中になりましたが、当時は僕らのような嗜好の人間に対する風当たりは強く、イケメンが好きといっただけでいろいろと誤解をされましたし、「お前、こんなの好きなの? キモい」って実際に言われたりもして「えっ、そうかな?」としか返せなかった苦い経験もあります。そして、SNSが一般化した今でも、好きなものを好きと言えない人の絶対数は昔と変わっていないんだなと。

──好きなものを好きであることに後ろめたさを感じてしまう人は今も昔もたくさんいるわけですね……。

 でも、今になって思うのは、自分の趣味について否定的な意見を言われたときに「逆にこっちはお前が好きだと言っているグラビアアイドルに魅力を感じない。それと同じ気持ちなんだよ」ぐらいのことを言っておけばよかった(笑)。当時に比べれば環境的にも歌広場 淳としても自分の嗜好を出しやすくなりましたし、それならば好きなものを大っぴらにしていった方がいいと。そして、自分がマイノリティーだった子どもの頃に「周りにこういう人がいればよかったのに」と思ったような人間でありたいという考えが根底にあります。

──好きという気持ちを持っている人が周りにいれば救いになると。

 それに自分が好きだという想いそのものが生きる糧になることもあります。僕自身、ヴィジュアル系バンドが好きという気持ちでゴールデンボンバーに入ったわけですし、それは決して音楽がやりたいということではありません。「俺のことを誰もわかってくれないし、生きていても楽しいことなんてあるか?」って悩んでいたときに生きる原動力になったのがヴィジュアル系バンドだった。テレビに髪の毛が派手な人が映っているだけでも「ああ、明日も一日がんばろう」みたいな気持ちになる。そういうかつての僕のような人間が、今の歌広場 淳を見ていて勇気をもってくれたらなと……。子どもの頃の自分がこっちを見ている感覚なんです。好きっていうことを公言していればいいことがあるとかそういうのはわりとどうでもよくて、きっといるであろう僕のような生きにくい子の支えになればいいなと思っています。


 第1回目はここまで。次回も引き続き、熱く語っていただきます。更新をお楽しみに♪

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