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2019年4月23日(火)

『デッドバイデイライト』元ネタ&小ネタ集番外編。トラッパーが歩いているように見える理由とは?【電撃PS】

文:電撃PlayStation

『Dead by Daylight』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。

 1人の殺人鬼と4人の生存者に分かれて命がけの儀式を行う、非対称型対戦アクション『デッドバイデイライト(DbD)』。これまで本作に登場する個性的な殺人鬼や生存者の元ネタを考察してきましたが、今回は番外編として登場キャラクター以外の元ネタなども紹介します。

『デッドバイデイライト』

 『デッドバイデイライト』を制作したカナダのゲームスタジオBehaviour Interactiveでは、入社時の面接で「ホラー映画をイヤというほど観ることになるけど、大丈夫かい?」と訊かれるそうです。かように本作には、コラボ出演の殺人鬼や生存者に限らずホラー映画に絡んだ小ネタにあふれています。そこでそれらの小ネタの数々をピックアップして以下で紹介しましょう。

⇒“『デッドバイデイライト』に登場する殺人鬼の元ネタは?”第1回はこちら

⇒“『デッドバイデイライト』に登場する殺人鬼の元ネタは?”第2回はこちら

⇒“『デッドバイデイライト』に登場する殺人鬼の元ネタは?”第3回はこちら

⇒“『デッドバイデイライト』に登場する殺人鬼の元ネタは?”第4回はこちら

【注意!】殺人鬼の元ネタとなった映画については、内容のネタバレに言及しているものもあります。今回紹介している映画をこれから見ようと思っている人はご注意ください。

開発元はシェイプがお気に入り?

 ホラー映画とのコラボレーションによる最初のキャラクターとなった殺人鬼、シェイプ。ジョン・カーペンター監督の伝説的なホラー映画『ハロウィン』(1978年公開)に登場する殺人鬼マイケル・マイヤーズことシェイプは、原作の雰囲気を忠実に再現しているとして多くのプレイヤーから高い評価を受けています。電撃オンラインの『DbD』意識調査でも、第1弾第2弾ともに好きな殺人鬼部門でシェイプが1位を獲得しています。

 シェイプには、他の殺人鬼にはない特別な仕様が1つあります。殺人鬼の接近とともに流れてくるBGMは基本的に共通ですが、シェイプのみ専用のBGMが流れます。このBGMは、映画『ハロウィン』でマイケルが出現した際のものと同じ曲になっています。

 またシェイプのステージであるランプキン・レーンの儀式開始時や、特殊能力“内なる邪悪”のレベルアップ時に流れる“ハロウィンのテーマ”も、映画と同じものが使用されています。この2曲はカーペンター監督が自ら作曲したもの。映画の曲が使用されている殺人鬼は、唯一シェイプのみになっています。

『デッドバイデイライト』
▲シェイプのメメント・モリは映画1作目のワンシーンがモチーフになっているようです。ローリーの友人であるリンダの恋人、ボブが台所で殺されるシーンですが、映画とゲームではなぜかアングルが左右逆になっています。

 開発元のBehaviour Interactiveは、コラボで登場した殺人鬼の中ではシェイプがお気に入りとのこと。ジェイソンやフレディに先駆ける伝説的な殺人鬼マイケルを、ホラー映画からのコラボレーションとして最初に実装できたことを非常に名誉に思っているようです。シェイプの造形にひと際力が入っているのも、納得できる話ですね。

 『13日の金曜日』シリーズ(1980年公開~)のジェイソンや『エルム街の悪夢』(1984年公開)のフレディ、『悪魔のいけにえ』(1974年公開)のレザーフェイスに比べると日本ではいまいち知名度の低いマイケルですが、新作映画『ハロウィン』(2018年公開)も大人気公開中ですし、これを機に本作でもシェイプでプレイしてみてはいかがでしょうか。

トラッパーはなぜ歩いているように見える?

 トラッパーの移動速度は4.6m/sと、殺人鬼でもっとも速いグループに属しています。しかし彼の移動モーションは他の殺人鬼と違いなぜか歩いているように見え、このせいでトラッパーだけやたら移動速度が速く感じられる原因になっています。

 他の殺人鬼はみなちゃんと走っているモーションなのに、なぜ彼だけが歩いているように見えるのか……? どうやら、トラッパーのモデルとなった『13日の金曜日』シリーズの殺人鬼ジェイソンにその理由がありそうです。

 “じつはチェーンソーを使用したことが一度もない”“ホッケーマスクを被りだしたのは3作目から”など、ジェイソンには有名なトリビアがいくつもありますが、その中のひとつに“ジェイソンは歩いて追いかけてくる”というものがあります。

 2~3作目(1作目にはジェイソン本人は登場していません)やリメイク版ではしっかり走って追いかけてくるのですが、どういう訳か4作目以降の作品ではのしのしと歩いて犠牲者を追いかけるようになっています。

 当然走って逃げる犠牲者はジェイソンを引き離せます。そして安全なところまで逃げてひと安心……というところで、なぜか先回りしていたジェイソンが突然現れてビックリ、という展開が以後定番になっていきました。このことが、トラッパーの移動モーションが歩いているように見える理由なのではないでしょうか。

『デッドバイデイライト』
▲のしのし歩いて追ってくるように見えても、トラッパーの移動速度は生存者よりはるかに速いので注意!

エンティティに従う殺人鬼と抵抗する殺人鬼

 霧の森に現れた殺人鬼たちは基本的にはエンティティに忠誠を誓っていますが、中にはエンティティの支配に激しく抵抗し、結果として力尽くで従わせられている者もいます。抵抗の結果、傷を負ったり拷問されたあとが身体に残っている殺人鬼がそうです。

 腕や肩に鉄棒が刺さったトラッパーや、かつて自分が患者に使用していた電気治療器具を装着させられているドクターなどがその代表でしょうか。顔に枕カバー(これは犠牲者を殺害したときに顔に押しつけて使用したもののようです)を被せられて、常に窒息させられているナースも、もしかしたらそうなのかもしれません。

 トラッパーのモデルとなったのはリメイク版『13日の金曜日』(2009年公開)のジェイソンなのは第1回で紹介したとおりですが、劇中に使用していたトラバサミで主人公たちに逆襲されるシーンがあります。トラッパーにトラバサミの部品らしい金属片が突き刺さっているのは、これが元ネタでしょう。

 またドクターは頭部に電極が刺さり、目と口が閉じられないように拘束具を付けられています。これは『時計じかけのオレンジ』(1971年公開)で主人公のアレックスが獄中で受ける、“ルドヴィコ治療”のシーンが元ネタでしょうか。目を閉じられないよう器具を付けられ、目薬を打たれながら延々と思想矯正映像を見せられるというもので、治療というよりは一種の洗脳でした。アレックスはこれがトラウマとなり、以後暴力に対して激しい拒絶反応を示すようになります。

『デッドバイデイライト』
▲ドクターは顔に付けられた器具によって、目と口を閉じられないようになっています。

 開発元のコメントによれば、エンティティに強制されたものであっても、例えばナイトメアことフレディなどはこの霧の森での殺人儀式を大いに楽しんでいるようです。逆にレイスは、ほとんど信奉していると言っていいほどエンティティに服従しているとか。しかし殺人鬼の中にも、持ち前の反骨精神や強固な信念によってエンティティに従うことをよしとしない者がいる、ということなのでしょうか。

パーク“イタチが飛び出した”はびっくり箱の定番曲

 クラウンのパーク“イタチが飛び出した”は、イギリスで19世紀に人気を博したダンス曲“Pop Goes the Weasel”が元ネタとなっています。この曲は欧米のびっくり箱で流れる定番メロディとして知られています。びっくり箱のクランクを回すとオルゴールなどのギミックでこの曲が流れ出し、曲の最後にフタが開いて中からピエロなどの人形が飛び出してくる、といった仕掛けです。パークのアイコンにもびっくり箱が描かれていますね。

 同曲はアメリカでもメジャーで、You Tubeで公開されている“Barney & Friends”など、子ども向けの番組などでよく使用されています。また日本でも“いいやつみつけた”のタイトルで日本語の歌詞が付けられ、1965年にはNHK『みんなのうた』で放送されました。ポップなメロディながらも、よく聴くとちょっと怖い内容の歌詞になっています。またこの曲は、他のホラーゲームにもたびたび使用されていますね。

『デッドバイデイライト』
▲パーク“イタチが飛び出した”は生存者をフックに吊すたびに、1回だけ発電機への破壊行動で進行度を最大25%も後退させるというもの。強力な効果なので、どの発電機に対して使うかよく考えましょう。

本作の偉大なオマージュ元『悪魔のいけにえ』&『テキサスチェーンソー』

 本作で殺人鬼が捕らえた生存者を吊すフックは映画『悪魔のいけにえ』(1974年公開)が元ネタだということは有名ですが、生存者が身を隠すためになくてはならない(?)ロッカーは、そのリブート版である『テキサス・チェーンソー』(2003年公開)が元ネタらしいということはご存じでしょうか?

 本作のローンチトレーラーではトラッパーに追いかけられた生存者が地下室に逃げ込み、ロッカーの中から様子をうかがうというシーンがありますが、まさに『テキサスチェーンソー』ではこれとそっくりな場面があります。

 ハリウッドを代表する美人女優ジェシカ・ビールの出世作となった『テキサス・チェーンソー』では、物語の終盤にヒロインのエリンが食肉工場のロッカールームに逃げ込みます。ロッカー内に息を潜めて隠れるエリン、そして1つ、また1つとロッカーを開けて調べていくレザーフェイス。その息詰まるような緊迫感あふれるシーンは、まさに本作『デッドバイデイライト』で日常的に見られる光景と一緒ですね(笑)。

『デッドバイデイライト』
▲ロッカーに隠れた場合、見つかったら問答無用で捕まってしまいます。多用は要注意。……でも、つい隠れてしまうのは生存者の本能なのでしょうか……。

 なおこのシーンは、以下のように続きます。ロッカーの1つから微かに物音が聞こえるのをレザーフェイスが聞きつけ、隠れているであろうエリンに襲いかかろうとチェーンソーを振りかぶります。……しかし、中から出てきたのは食肉用(?)の子豚。次の瞬間、拍子抜けして油断したレザーフェイスの背後に反対側のロッカーから飛び出してきたエリンが奇襲を仕掛けます。

 ロッカー内から勢いよく飛び出して殺人鬼をスタンさせる生存者ジェーン・ロメロのパーク、“真っ向勝負”は、このシーンから着想を得たのかもしれませんね。

 いかがでしたか? 『デッドバイデイライト』には登場キャラクターだけでなく、パークやアドオンにもさまざまな元ネタが存在しています。次回でも今回同様、いろいろな小ネタを紹介する予定。お楽しみに!

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