ファイナルファンタジーII

 帝国軍の侵略に抵抗する人々が、戦いの中で次々と理想に殉じていくドラマティックなストーリーと、レベル制を廃した“熟練度システム”が話題となったRPG『ファイナルファンタジーII』。これまでに追加されたシナリオやオープニングムービーが完全収録され、PSP版だけのエクストラダンジョン“秘紋の迷宮”も収録されている。

  • ■ジャンル:RPG
  • ■対応機種:PSP
  • ■価格:2,940円(税込)
  • ■年齢区分:全年齢対象(A)

スズタク

 『ファイナルファンタジー』シリーズの作品はほぼすべてクリア。お気に入りは『ファイナルファンタジーVI』で、初見プレイではもちろんシャドウを見殺しに。ついでに、シドおじいさんも死なせてしまった。それでもめげずにクリアした、そんな『FF』シリーズ大好きライター。

自由すぎて逆に迷う?

 『ファイナルファンタジー』シリーズの中でも、特に複雑な成長システムが特徴。武器や魔法に熟練度が設定されていて、それらの伸ばしかた次第でキャラの能力は遊ぶプレイヤーによって十人十色となります。武器攻撃特化にするもよし、魔法のスペシャリストにするもよしの完全自由型。反面、レベルアップ制のRPGに慣れたユーザーにとっては、どう育てたらいいのか悩んでしまうかも。でも、PSP版ではゲーム全体の難易度が下がってだいぶ遊びやすくなっているため、熟練度云々についてはそれほど意識せずプレイしていてもどうにか進めます。また、戦闘にまつわるさまざまな小技(?)が多いのも、このゲームの特徴。代表的なのは、味方をわざと攻撃してHPを減らすことで、最大HPを底上げする方法など。でも、最近になって最大HPを上げるよりも回避率を上げたほうが有益なのだと知らされました。FC(ファミコン)版をプレイしているときにその情報が欲しかったです、ハイ。

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▲HPを上げるために味方を攻撃するテクニックは、誰もが通った道では? 地道に武器で攻撃したり、チェンジの魔法を使ってHPを減らしたりと工夫したものです。

今なお語り続けられる名シーンの数々

 本作は、初代『ファイナルファンタジー』と違って登場キャラに名前が付くなどの個性付けがされています。それに伴い、シナリオもよりドラマティックに進化。中でも、主人公たちと冒険をともにした仲間が次々と犠牲になっていくシーンは、プレイヤーに深い衝撃を与えます。また、ファンの間で連綿と語り続けられる名セリフなども、物語のおもしろいところです(とあるボスの断末魔「ウボァー」など)。その中には、主人公“フリオニール”の「いいじゃないか! ただ だし」や「…ゴクッ…」などもあるけど、これらはPSP用ACT『ディシディア ファイナル ファンタジー』でも再現されています。集大成でもあるPSP版『ファイナルファンタジーII』でも、これらのシーンを“リアルなグラフィックで”楽しめるのがポイントです。シリアスな彼らがマジメにこれらのセリフを言っているところを想像すると、自然と笑いが込み上げてきます。

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▲ゲーム全体から見れば非常にシリアスな内容なのですが、ところどころ抜けた感じがある。でも、それがあってこその『ファイナルファンタジーII』の魅力とも言えるかも。

メープル西村

まだまだライターとしてはひよっこのメープル西村です! 『ファイナルファンタジー』シリーズでは『X』『X-II』『XII』が特にお気に入り!! クリア後も、どっぷり楽しむやりこみゲーマーです。

ハードなファンタジーはいかが?

  本作のストーリーは、ファイナルファンタジーシリーズでは少し異質なテイストだなぁ、と感じました。平和な世界で主人公“フリオニール”は暮らしていたのですが、突如パラメキア帝国が魔物を操って世界征服に乗り出し、フリオニールたちは巻き込まれちゃいます。故郷も家族を奪われた彼らは、反乱軍として打倒帝国のために冒険していくことになり……。こんな感じで、最初からハードな感じ。また、冒険中に同じ志を持つ仲間たちがたくさん登場するのですが、彼らのなかには主人公たちのため、尊い犠牲になる人物も……などなど、本作はちょっとオトナ向けのストーリーなのかも。ファンタジー要素を残しつつも、帝国という巨大な国との戦い、そしてそれに関わるキャラの人間模様はなかなかリアル。演出面では近年のRPGには敵わないかもしれませんが、2Dのドットで描かれるキャラたちが繰り広げるドラマ、そして熱さと切なさはホンモノです!!

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▲重要な言葉を記憶すれば、いろんな人にその言葉について尋ねることができるシステムが斬新。

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▲パラメキア帝国の皇帝は絶大な魔力の持ち主で、世界中の国を脅かしている悪いヤツ!

キレイなのはいいことだ(どーん)!

  PSPに移植するにあたってグラフィックと音楽が大幅にパワーアップされて、めちゃめちゃキレイ! もともとは20年以上前のゲームなんですけど、まったくそれを感じさせませんね~。メニュー画面などで表示されるキャラの顔も、シリーズおなじみの天野喜考さんイラストを基にしたと思われるりりしいモノに変更されてます。主人公のフリオニールなんかは、ファミコン版のパッケージを思わせるイケメン顔で、思わず見とれちゃいました(笑)。バトル画面や移動画面でのカワイイちびキャラとのギャップがいいんですよね~。ちなみに、シリーズ定番のマスコットキャラとして知られる“チョコボ”は、実は本作が初登場。いつもの愛らしい姿で登場してくれますよ! 森に隠れ住んでいるので、探してコキ使っちゃいましょう(笑)。

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▲バトル画面は、PSPの横長画面と相性バッチリです!