『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』

 1997年に発売されたPS用ソフト『ファイナルファンタジーVII』の2年後を描いた映像作品。DVD版と同時発売されたUMD版が、“アルティメット ヒッツ”シリーズに登場。魔晄都市“ミッドガル”を舞台に、“星痕症候群”と呼ばれる謎の病と、クラウドを狙う新たな敵“カダージュ”たちとの壮絶な戦いが描かれる。

  • ■ジャンル:映像作品
  • ■対応機種:PSP(UMD-Video)
  • ■価格:2,940円(税込)

スズタク

 『ファイナルファンタジー』シリーズの作品はほぼすべてクリア。お気に入りは『ファイナルファンタジーVI』で、初見プレイではもちろんシャドウを見殺しに。ついでに、シドおじいさんも死なせてしまった。それでもめげずにクリアした、そんな『FF』シリーズ大好きライター。

血管までリアルに見えます

 ゲームの続編を、ゲーム作品ではなく映像作品でリリースした異色の形ですが、驚いたことに観ていて違和感はありません。キャラの声についても、とくに抵抗なく脳内になじみます。むしろケット・シーなどは、自分がイメージしていた声よりもマッチしていたくらい。鑑賞しての個人的な印象は、やはり映像の作り込みに対する驚きが大きいですね。始まって最初に現れる人間はレノですが、そのときに手の甲に浮かぶ血管が見えたときは衝撃的でした。他に、顔がアップで映し出されるシーンでは目が潤んでいたり、わずかに口元を動かしていたりするのがわかります。カダージュたち3人組やセフィロスの目をよく見ると、瞳孔が猫のように切れ長の形をしていたり。原作の設定を重視しつつ、1段も2段も発展を遂げたこの作品。『ファイナルファンタジーVII』ファンなら観なきゃ損ってモンです!

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▲目に映るすべての光景が3Dで作られた人為的なものだと思うと、改めて制作スタッフの凄さを感じます。しかも、映像は並の映画と変わらない1時間以上という長さなのも驚き。

魅力はやはり主人公に帰結する

 『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』の見どころといえば、バトルもシナリオもキャラもすべてになります。そこで、これら全部に関係する存在として主人公の“クラウド”を追って鑑賞してみましょう。正直な話、クラウドが登場するシーンはどれもオススメのポイントなので、そこに集中するだけでかなり楽しむことができます。また、『ファイナルファンタジーVII』をプレイした人なら、原作とリンクしている部分を探すのもおもしろいです。例えば、「原作のリミットブレイク技はいくつ登場したか」とかですね。ちなみに、クラウドに関しては“破晄撃”や“クライムハザード”などが確認できます。ちゃんと、原作で登場したときとモーションも同じになっているところが忠実です。まあ、“超究武神覇斬”については技自体がリニューアルされたので微妙なところですが。

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▲本作では男性ながら美しい外見と、シリアスな心情を持った人物として描かれるクラウド。『ファイナルファンタジーVII』の蜂蜜の館のシーンを、あの声と演技力で再現してもらいたいのはきっと自分だけではないハズ!

水陸両用ファンタ

 どもー、水陸両用ファンタと申します。『VII』初プレイ時は“ユフィ”より年下だったのに、気がつけば“クラウド”より年上になってました(泣)。

大迫力のアクションシーンに釘付けです!

 『ファイナルファンタジーVII』の2年後の物語を描いた映像作品ということで、スクウェア・エニックスさんの技術力を詰め込んだ美麗ムービーが存分に楽しめちゃいます。美しさはもちろん、演出面も秀逸! 特に戦闘シーンの迫力は、映画にも負けてないんじゃないでしょうか? 目まぐるしく動き回る“クラウド”たちのバトルは、追いかけるだけで精一杯……。『FFⅦ』でも、いっつもこんな感じで戦ってたのかぁ。いろいろ印象的な場面がありましたが、私的にはミッドガルでバハムートとバトルする場面がお気に入り! 一般人がパニックで逃げ惑うなか、毅然と立ち向かうクラウド一行はカッコよすぎます! 1人、また1人と仲間が集まってくるシーンで、テンションが上がったのは私だけじゃないよね!? 

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▲突如現れたナゾの少年“カダージュ”たちとの戦いが、本作の主なお話。

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▲“バレット”は、髪型を変えて登場! リアル過ぎてコワいって(笑)。

やっぱりクラウドはステキ!

 トツゼンですが、他の方とは視点を変えて、勝手にカッコよかった人ベストスリーを発表します! パチパチパチ!! 第3位は“ヴィンセント”!! 出番は少なかった(オイ!)んですけど、“クラウド”を守りつつ、“カダージュ”たち3人を相手に立ち回る姿は輝いてました! 電話を持ってないことをひそかに気にしていたのもお茶目でよかったです。ハイ、続いて第2位は、“ルーファウス神羅”!! 『FFVII』で死亡したと思われてましたが、ちゃっかり生きてたこの人。この作品では、彼が影の主役と言ってもいいんじゃないでしょうかー? 詳しくは言えないけど、本編後半のカッコよさはヤバイっす! さてさて栄えある第1位は、もちろんこの人、“クラウド”! フェンリル(というバイク)に乗りながら戦うシーンも、ウジウジ悩んでいるシーンも、宿敵と対峙するシーンも、もう全部カッコイイよ! この作品は“クラウド”のイメージビデオなんじゃないかってぐらい、彼の魅力が詰まってました! 私は“クラウド”の雄姿を見ていただけで、満足だったもん!

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▲どれだけハデなアクションをしても、“クラウド”のチョコボヘアーは決して乱れません(笑)。

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▲『FFVII』で倒したハズのこの人も登場。鼻高ッ!