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『N3』スペシャルインタビュー<br>水口哲也氏&サンユン・リー氏のインタビューを一挙掲載!!

 大軍勢アクションとして大好評発売中の『N3』。壮大なストーリー、何百、何千という敵を一気になぎ倒す快感は、間違いなくアクション史に名を刻むものだ。その魅力に深く迫るべく、今回は『N3』のキーマンであるサンユン・リー氏と水口哲也氏のインタビューを掲載する。電撃マ王6月号と7月号で、誌面のスペースの都合上、やむなくカットした気になる話など、大幅に加筆・修正したものだけにお見逃しなく!!

●「打撃感」を重視したアクションに注目してほしい

――大軍勢が入り乱れて戦うという『N3』の基本コンセプトを決めた経緯を教えてください。
サンユン・リー氏(以下、サンユン。敬称略):従来のゲームは「1対1」だったり「1対数十人」というものがほとんどでした。でも、私はまず“群れ”と呼べるほどの敵に1人で立ち向かうゲームを作りたかったんです。地上一面に展開している敵の群れを一掃できたら、これまでにない爽快感を味わえるという確信がありました。
――サンユンさんが以前手がけた『キングダム アンダーファイア』はSLG要素が強い軍勢アクションでしたが、『N3』で完全なアクション作品にチャレンジした理由はいかがでしょう?
サンユン:強いヒーローを中心にしたアクションを作ってみたかったというの大きな理由ですね。また、SLGは市場的にどうしてもマニアックになってしまうので、より幅広いユーザーに受け入れられるジャンルということで、アクションを選んだ部分もあります。
――韓国では、アクションの人気は高いのでしょうか?
サンユン:韓国で制作されているゲーム全体からみて、多いのはSLGなのですが、アクションというジャンル自体の人気は高いです。ただ、アクションを作るにはかなりのノウハウが必要ですし、ハードルが高いせいもあって、あまり作られてこなかったと思います。
――では、実際に次世代機でアクションを作ってみて、とくに苦労された点はありますか?
サンユン:初めてのハードですし、苦労はするだろうなと思っていました(笑)。大軍勢を表示しつつ、1人1人のキャラのクオリティを落とさないために、かなり細やかな配慮が必要でした。それと同時に、操作していて気持ちのいいアクションを実現させるのがとくに大変でした。
――多国籍なスタッフでゲームを制作するということで、苦労された点はありますか?
サンユン:複数の国籍のスタッフでゲームを制作したのは初めてだったのですが、国が違っても全員がプロフェッショナルな方ばかりでしたので、仕事はやりやすかったですよ。さらに、時間の経過とともに、韓国のスタッフが日本語や英語を話せるようになったりと、プラスの変化もありましたし(笑)。
――発売される国も複数ですが、各国のバージョンの難易度を調整する際に注意されていた点は?
サンユン:韓国のユーザーはハードな難易度を好むコアな人が多い。日本のユーザーは、もっとカジュアルな難易度のものを好む傾向があります。日本版は、最初はやさしく、後半へ進むにつれて難しくなるように設定しています。最初にインフィからプレイしてもらうのも、難易度調整の一環です。
――サンユン氏が考えるアクションゲームのはずせない“キモ”を教えてください。
サンユン:「打撃感」が重要だと思っています。これは、例えばボタンを押してからアクションが発生するまでのレスポンスやアクションのモーションの派手さですね。そこを突き詰めていくことで、プレイの快感を確立できるへつながると考えています。
――各キャラの技は、どれも出すだけで気持ちがいいですよね。
サンユン:そうですね。通常技からオーブスパークまで、キャラごとに個性のある「打撃感」を表現できたと思っています。オーブスパークでは、テュルルもので、水の動きなどはうまく表現できたと思っています。
――ムービーなどの演出面でのご苦労はありましたか?
サンユン:口の動きなどの表情にかなりこだわりました。かといって実写映画のように過度にリアルなものを目指すと、どうしても動きや雰囲気などが重くなってしまう。そういった部分では、3Dアニメーション的なタッチを試してみたりというように、バランスの調整がとくに難しかったですね。最後まで苦労したのは、布や髪の毛の質感ですね。まだまだ改善の余地はあると思っています。
――Xbox360で開発してみて、ハードの感触はいかがでしたか?
サンユン:CPUとGPUの能力を引き出すために、高度なプログラミングが要求されましたが、そのハードルを越えたときの性能は素晴らしいものがありますね。マイクロソフトの開発ツールに対するサポートも充実していましたし、トータルで見て非常にいいハードだと思います。
――水口さんと初めてお仕事をしてみてどうでしたか?
サンユン:とてもいい方ですね。それに、ユーザーが望むものを感覚的によくわかってらっしゃる人で、一緒にお仕事できたことは非常に貴重な体験でした。
――最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
サンユン:みなさんに満足していただける大軍勢アクションですので、まだ未体験の方は、ぜひ一度プレイしてみてください!
――どうもありがとうございました。

NINETY-NINE NIGHTS 
─ナインティナイン・ナイツ─
画面写真
■メーカー:マイクロソフト
■対応機種:Xbox 360
■ジャンル:ACT
■発売日:2006年4月20日
■価格:7,140円(税込)
■CERO年齢区分:15歳以上対象
■関連サイト:
公式サイト / Xbox.com

(C)2006 Microsoft Corporation. All rights reserved.
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サンユン・リー氏
 韓国ファンタグラム社のプレジデント兼CEO。『N3』では、おもにアクション部分を中心にゲームのディレクションを担当した。

インフィ

ティングバット

●ゲーム作りの“キモ”は人間の根源的な欲求にある

――『N3』がついに発売されたわけですが、制作を終えた感想をお聞かせください。
水口哲也氏(以下、水口。敬称略):じつは、『N3』は発売の結構前にマスターアップしていたので、発売したときは「そうか、ようやく発売か」という感じでした(笑)。ただ、Xbox 360の初期のタイトルのなかではかなり注目していただいたので、無事に発売できてホッとしています。
――日本やE3での反応はいかがですか?
水口:いいですね。こちらが意図した楽しさとかテーマは伝わってる感じがしています。とくにアメリカでの反応がいいんですよ。僕のブログを通じてメールも届いていますし、E3会場での反応もかなりよかったですよ。
――複数の国で発売することが前提となるタイトルですが、ゲームバランスやグラフィックなど、調整に苦労した部分はありますか?
水口:ゲーム全体として、アジアでも欧米でも遊んでもらえるようなものを目指しました。でも、あまり日本的すぎると世界では厳しいし、アメリカ的すぎれば今度は日本で厳しい。僕の感覚は、どちらかというと欧米の人たちが求めるものをキャッチしやすいみたいで、ファンタグラムのサンユンさんも同じ傾向だった。2人でディスカッションしながら、アジアでも欧米でも受けるポイントを探っていくのは大変でしたけど、会場の反応を見ているとうまくいったかなと思います。
――続編の可能性はどうでしょうか?
水口:欧米での売れ行きがよければ、という感じでしょうか。元々、『N3』の世界観は1本で終わるものにしていないんですよ。地球の歴史はオーブとともにあったという設定ですし。また、ネットワークでの展開とか、Xbox 360とPCのリンクとか、この先の展開を考えると『N3』の延長には、まだいろいろな可能性があるなと思いました。
――では、御自身の今後の作品についてですが、具体的に動いているものはありますか?
水口:まずQとしては、ブエナビスタゲームズ社と契約を締結して、『ルミネスII』(PSP)、『ルミネス・プラス』(PS2)、『EveryExtendExtra』(PSP)、『メテオス ディズニーバージョン』(NDS)をアジア以外の全世界でリリースすることが、決まっています。あとはXbox 360のライブアーケードで発表した『ルミネス・ライブ!』もスタートします。そんな中で、また新しい作品性をアピールできるような、次回作の構想を練っている最中です。
――『ルミネス』シリーズの展開は驚きでした。
水口:『ルミネス』はネットワークや携帯電話のサービスを含め、新しいスタイルにしていきたいと考えています。そういう意味で、Xbox LIVE ARCADEの展開や、75カ国で展開され始めた『ルミネス・モバイル』のサービス開始は大きいですね。また、『ルミネスII』は正統な続編で、バックグラウンドで映像を流しつつ音楽もありますから、これはおもしろいですよ。まだ発表できませんが、「え、こんな人が!?」というアーティストが世界中から参加してくれる予定なので、期待していてください。『ルミネス・プラス』はPS2で1作目が遊べるというものなんですが、じつは当初PS2への移植は考えていませんでした。でもアメリカのマーケットやビジネス関係者から「アメリカにはPSPを持ってないけど『ルミネス』を遊びたいっていうユーザーが多いんです。待っている人たちに届けてみては?」と言われまして。こちらも鋭意制作中です。
――E3ではPS3とWii関連の情報が注目されてますが、次回作に向けての参考になりましたか?
水口:現在、いろいろ考えています。どのハードも、新技術に関して興味がありますね。全体的には、ハイビジョン=高解像度というものが人間に与える感動ってすごいなと。例えば『Rez』みたいな体験を、高解像度、高音質で作ったらどれだけの感覚や感情が揺さぶられるんだろうって考えたらワクワクします。新しいテクノロジーは、いつも貴重なインスピレーションをくれますね。Wiiのセンサーテクノロジーも魅力的です。
――なるほど。では、最後に水口さんがゲームを制作する際にはずせないゲームの“キモ”を教えてください。
水口:ゲームの制作って建築と似ていると思うんです。まず全体のイメージを支える確固たる柱を作る必要があるわけですが、ゲームにおける柱というのは、ゲームデザインです。そして、柱は人間の根源的な欲求に根ざしたものじゃないといけない。まずその柱だけで、おもしろいものである必要があります。その柱を作ってはじめて、それに合ったグラフィックやサウンドなどの装飾品を付け足していけるわけです。そして、その柱と装飾の比率がゲーム作りの大事な“キモ”だと思います。
――どうもありがとうございました。

水口哲也氏
 キューエンタテインメント株式会社CCOで『N3』のプロデュースを担当。代表作は『スペースチャンネル5』、『Rez』、『ルミネス』、『メテオス』など。



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