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 日本初の18歳以上指定(R-18) MMORPGとして注目を集める『A3』。なんと本作では、『ラグナロクオンライン(RO)』プロダクトマネージャーとしてサービス管理を担当した鳥山主税氏が統括プロデューサーを担当、さらに以前ゲームオンで『ミュー 奇蹟の大地』を育てた小島幸博氏が宣伝プロデューサーを担当するという、強力タッグが組まれている。
 今回のインタビューでは、初めて公開されたデモプレイのレポートを掲載するとともに、『A3』のR-18(18歳以上指定)ならではの魅力やストーリーを重視した本作の魅力を語ってもらった。

■『A3』デモプレイ レポート

●操作系とグラフィック

 
本作『A3』は、フル3Dグラフィックを使用した大規模多人数型オンラインRPG(MMORPG)。基本的なプレイ視点は俯瞰(ふかん)視点となっており、攻撃モンスターや話しかけたいNPCをクリックするという、『DIABLO』や『ミュー 奇蹟の大地』などに近い操作性になっている。
 『A3』ならではの大きな特徴としては、フル3Dポリゴンを使用しているため、ズームイン・アウト、回転などが自由であることが挙げられる。インタビュー当日に披露されたデモプレイでは、キャラクターを最大限ズームすることで、迫力ある戦闘モーションを見ることができた。ただ、この視点では周囲が見えなくなるので、実際はやや引いた視点でプレイすることになりそうだ。

通常プレイ時は、この程度引いた視点で周囲を確認しつつプレイ。 カメラをズームすれば、このようにマイキャラをじっくり見ることができる。

●標準的なチャットシステムに加え、高機能なメッセンジャーも

 チャットは、Say、耳打ち(特定のプレイヤーに直接会話を送信。いわゆるTell)、騎士団チャット、パーティチャットと、基本をおさえたシステムが実装されている。また特筆すべき機能として、強力なメッセンジャー機能も用意。これは、「MSN」や「Yahoo! メッセンジャー」と同レベルの機能を備えており、登録したメンバーのオンライン/オフライン状態の確認のほか、AFK(離席)などの状態も表示される。さらに、ユーザー独自のグループ化も可能だ。

●ステータスを自由に割り振り、好みのキャラクターを作成可能

 
キャラクターの育成は経験値&レベル制となっており、レベルアップするごとに力、敏捷、体力、マナのステータスにポイントを割り振って強化していくシステムとなっている。また、クエストをクリアすると加算される「ロア値」を消費することで、割り振ったポイントを取り消すことも可能。「ロア値」は、ステータスの割り振り直しのほか、騎士団の設立やスペシャルクエストの実行にも必要となる。

●ベテランが初心者をサポートする「サポーティングシステム」

 本作では、新規参入プレイヤーを支援するためのシステム「サポーティングシステム」が搭載されている。これは、高レベルプレイヤーが「サポーティング」の相手に低レベルプレイヤーを登録することで、高レベルプレイヤーが獲得した経験値が低レベルプレイヤーに配分されるというもの。パワーレベリングをシステムで容認するという、MMORPGとしては珍しいこの機能は、長時間のプレイが難しい社会人にはうれしいものだろう。

●R-18ならでは! 血が噴き出し、部位が切り離されるグラフィック

 グラフィック自体は必要スペックからも類推できるように標準的なレベルにとどまっている。しかし、装備品のグラフィックは凝っており、ズームすればディティールがわかるように描かれている。さらに、スキルの発動時などは激しく光を放つなど、派手な演出を楽しむことができる。これらの装備やスキルの獲得は、キャラクター育成の上で1つの楽しみになるだろう。
 また、R-18ということでモンスターを攻撃した際などは激しく出血し、倒した後はしばらく床に血だまりができるといった、ややグロテスクな表現も。スキルによってはモンスターが粉々に砕け散ったりもするのだ。

■『A3』統括プロデューサー&宣伝プロデューサー インタビュー

●裏切り、駆け引き……高度な仮想社会を構築!
18歳以上指定ならではの騎士団システム

――まずはじめに、『A3』は韓国ではすでに有料化されていますが、人気や運営状態はどのような状態でしょうか。
小島:「ちょうど中堅どころといった感じでしょうか」
――韓国でもR-18に?
鳥山:「そうです、『A3』は最初からR-18を前提に作られました。そのため、グロテスクな表現や、エロティックな表現も盛り込まれています」
――『A3』での見逃せない要素がそのR-18ですが、どういった理由で日本でもR-18となったのがお聞かせください。
小島:「理由はいくつかありますが、まずプレイヤーがしっかりとした人間でないとダメということが理由になります。『A3』のシステムとして騎士団というものがあるのですが、トーナメントで勝ち上がっていった騎士団は、ネトランというプレイヤーの中で一番偉い立場になります。そして、その下には8強と呼ばれる騎士団がいまして、この8強になった騎士団の中には、君主の地位を狙う人も出てくるんですね。だから、いつもチャットをしてあげるとか、パーティを組んであげるとか、時には賄賂を贈るなどして、忠誠心を保っておかないといけない。そうしないと、もう1つの国家と戦争の時に裏切られてしまう可能性があります。こういう駆け引きや根回しはすごく没入感がありますから、裏切られたら本当に悔しいでしょう。そういった部分で、18歳以上で人格形成ができていないときついかなという部分があります。」
鳥山:「君主は人格的なものが現れるので、人格形成の途中である18歳未満の方だとちょっとつらいんじゃないかなというところがあります。これまでのオンラインゲームでは、ギルド運営をしていけばよかったのですが、『A3』では国家の運営をしていかなくてはいけない。そうすると、国民が自分をどう思っているのかということを考えたり、強い騎士団に狙われたりするわけです」
小島:「R-18ということで、公式サイトで掲載している連載小説の中にも人の愛憎を描く具体的な表現、たとえば"一晩をともにした"などという表現が出てきたりします。また、グラフィックもグロテスクであったりバイオレンスな表現があったりします。しかし、本当のR-18の理由としては、そういった社会性、高度な仮想社会を確立することができるかどうかということがポイントになりますね。ここに、そういったことの経験が多くない若年層のプレイヤーが入ってくると厳しいかもしれません。逆に、クレジットカードの認証や人数制限などのハードルを突破してくるプレイヤーたちだけが入れる特別な世界なので、プレイヤーも波長の合う仲間に出会いやすいと思います」
――君主は特殊な能力などを持つことができるんでしょうか。

小島:「君主はゲームマスターのように、サーバー全体へのチャットを発信することができます。それから、税金を徴収する仕組みを実装する予定です」
鳥山:「リミテッドサービスでは国家内での競争になりますが、次の段階では国家と国家がぶつかり、2つの国の統一まで進展します。そのとき統一君主は、ゲームのストーリーを引っ張っていく存在になる可能性があります」
――グラフィック面では血が吹き出すなどの描写がありますが、エロティックな部分というのはどのレベルまで表現されているんでしょうか。
小島:「チラリと……というレベルです。カジノに行ってみたら、踊っているおねーさんの衣装が一見すると裸同然のように見えるとか。ただ、アングルによってはセクシーなスクリーンショットが撮れます」
鳥山:「クラスの1つである魔法師は露出が高い装備が多く、少々煽情的ですね。ただ当然、日本の基準では直接R-18基準には達しないレベルです」

●2,000以上のクエストによって提供されるストーリー

――『A3』の魅力として、まずストーリー性が高いところが挙げられますが、これについて解説をお願いします
小島:「それを言ってしまうと話のオチがわかってしまいますね。話せるところまでで言うと、まずWeb小説の形でプロローグ16章とレジェント16章を掲載して、キャスティングキャラクターの生い立ちについてのストーリーを公開します。これはプレイヤーたちの世界の200年前の話になります」
鳥山:「ゲームとしては、まずエピソード0としてキャスティングキャラクターが活躍していた時代が設定されています。そして、エピソード1がプレイヤーたちが入ってくる時代。これは国家を作る時代になっていて、プレイヤーたちによって作られる時代になります。それから、エピソード0で活躍していた英雄たちがどのような結末を迎えたのかということを追い求めて、ストーリーが展開していくことになります。今のところ全体としては、エピソード5まで構想ができています」
――ストーリーは、クエストという形で追っていくことになりますか?
鳥山:「そうですね。最初の段階はWebの連載小説などになりますが、その後はゲームの中でストーリー展開を楽しめます」
小島:「ここからがドラマのシーンですよ、という仕組みがあります。これはMMOとしては初めてでしょうね。楽しみにしていてください」
――あるプレイヤーがストーリーを進めると、全プレイヤーに影響するのですか?
鳥山:「スペシャルクエストという特殊なクエストは、複数のプレイヤーが体験可能になっています。ただし、エピソードが次の段階に進む際は、あるプレイヤーがクリアした時点で次のエピソードに進行します」
――イベントに参加していなかったプレイヤーが蚊帳の外になってしまうという例が、他のMMORPGではありますが?
鳥山:「Webも見ない、スペシャルクエストもやらないというように、プレイヤー側がストーリーを拒絶した場合はともかく、普通にプレイしていればそういった心配はないようになっています」
――MMORPGのクエストは、大半がおつかい系クエストになっているので、ストーリー性があるものが多いというのは気になります。
小島:「クエストは大小あわせて2,000個以上用意しています。それでも物足りないような方には、もうごめんなさいというほかないです」
鳥山:「もちろん、オーソドックスにアイテムを獲得することが目的のクエストもあります。大きなものだとスペシャルクエストまで、さまざまなものがありますね」
――エピソード5までたどり着いたとき、エンディングに相当するものがあるんでしょうか。
鳥山:「それがどうなるのかは、今の段階ではお答えできないですね。なんらかの結末というのは存在します」

●季節モノのイベントはもう古い
ヘルマーシュ大陸の歴史を埋めるイベントを開催予定

――ローカライズにあたって、日本向けの独自の仕様は?
鳥山:「現段階では日本独自のものはなく、基本的に韓国のままです。今後、NPCクエストやイベントについては、韓国と異なるものを用意することも考えています」
――季節柄のイベントなども考えているのでしょうか。韓国では先日、バレンタインイベントを開催したようですが。
小島:「そういったイベントはあまり考えていません。バレンタインデーイベントとか、節分とか、そういうものはもう驚きがないじゃないですか」
――では、何かほかにイベントなどを?
小島:「ええ、みんなでヘルマーシュ大陸の歴史を作るイベントをやっていきます。年表を想像していただけるとわかりやすいのですが、ところどころその年表に穴が空いていて、イベントをやったときにその空欄が埋まっていくというイメージ、そんなイベントにしようと思っています」
鳥山:「ヘルマーシュ大陸の歴史はかなりしっかりと設定されていますので、それを生かしたイベントになります」
小島:「現実をゲームに取り込むという手法はこれまで十分にやってきたので、今回はいかに高度な仮想空間を作るかということにこだわります」

●鳥(シュー)を育てる、ブリーダーが誕生する可能性も

――続いて、ゲーム内のシステムに関しておうかがいします。まず、キャラクターの横に鳥(シュー)が飛んでいましたがこれはどのように育成するのですか。
鳥山:「戦って経験値が入ればシューもキャラクターと一緒に育ちます。それから、モチのようなアイテムを使用することで、経験値が増えます」
――育て方によって形態が変化したり?
鳥山:「交配というシステムがありまして、2匹以上のシューを交配して新しいシューを誕生させることができます。そうすると、前のパラメータを持ち越していくんです。タマゴの中にはレアなパラメータのものもあって、こういったものは高く取引されるでしょう」
小島:「1週間ログインしないで、エサをあげないとシューは死んでしまいます。育てようという意識がないと育たないですね。プレイヤーが大勢集まる場所に行って、装備が豪華なのにシューが貧弱だと恥ずかしい思いをするかもしれません。まして、シューを連れていないなんていうと、犬の社交界に犬を連れて行かないような気分になります」
――ストーリーを追う中だけではない、『A3』のもう1つの燃える要素になりそうですね。ところで、戦闘の直接的な関与はあるのですか?
鳥山:「シューが直接ダメージを与えたりということはありません。ただ、支援によってパラメータ上昇などはあります」
――きちんと育てた方がプレイヤーにもメリットがあると。
鳥山:「計画的に育てないといけないシステムになっています。でたらめに育てると、また1から育てるハメになることもあります。結構シビアですね」
――そういうところにおもしろさを見出す人も結構いそうですね。
鳥山:「いいシューは高値で取引されたりします。育てるのに長けた、ブリーダーみたいな人がいて、レベル100のシューをガンガン作ってたりするわけです」
小島「日本でも、鳥屋が出てくるかもしれません」
――『A3』には生産はあるんでしょうか。
鳥山「スキルとしての生産はありませんが、その替わりに材料アイテムを集めて別のものを作るシステムがあります」

●「リミテッドサービス」はあくまでサービス。テストとは違う。

――これまでのオンラインゲームと違い、本作ではオープンベータテストを行わないとのことですが、理由は?
小島:「ビジネス的な側面になるのですが、たくさんのサーバーを用意してプレイはフリーです、というのがこれまでのやり方でした。これだと、タイトルにもよりますが半年から10カ月くらいは収入がないままサーバー運営をしなくてはいけなくて、大変な投資が必要になるんですね。また、オープンベータではたくさんのプレイヤーさんが参加してくださるのですが、無料の間だけ遊んで去っていってしまう。そういう人たちがいると、実際に有料化してみたらサーバーの数は半分でよかった、という結果になったりする。これがビジネスとして数字を見えにくくしているんですね。『A3』では、最初から課金ユーザーを対象にして、ビジネス的なリスクを減らし、より高品質なサービスを提供していくという目的もあります」
――「リミテッドサービス」という名前に落ち着いた理由は?
小島:「名前が決定するまで二転三転しましたが、3月26日からの運営は"限定サービス"でしょうということで、今の名前になりました。オープンベータテスト、無料ダウンロード、会員登録無料というのはどこのサイトにも書いてありますよね。ですが『A3』では、キットを手に入れた人だけが参加できる。ちなみに有料サービスは、"プレミアムサービス"という名称での運営を予定しています」
鳥山:「テストという名前がつくと、ユーザーも運営側もテストなんだという意識が強くなるんですね。『A3』では、これはサービスなんだということを打ち出していきたい。これは運営側からの意気込みの現れでもあります。お客様に対するサービスの一環で、きちんとしたものを提供していかなくてはいけない、それがリミテッドサービスという名称に現れているとお考え下さい」
――サービスという形で始められるのは、『ラグナロクオンライン』のノウハウによるところが大きいのでしょうか。
鳥山:「もちろんです。サーバーの安定性や保守、GMもそうですね。サポートシステムもこなれてきましたので、そのノウハウを土台にして運営していきます」
――18歳以上ということで社会人プレイヤーが多くなると思いますが、多くの時間が取れない人でも遊べるようになっているのでしょうか。ゲームによってはパーティプレイが重視され、まとまったプレイ時間が取れなければ、進行が難しいものもありますが。
小島
:「ソロプレイも楽しめますし、社会人であっても楽しむことができます。また、導入は手軽なものになっていますので、R-18ということで刺激があるのかなと思ってくださる30歳代以上の方も大歓迎です」

●ストーリーを追いかければ、『A3』を200%以上楽しむことができます

――今後、リミテッドサービスにはずれた人への救済はありますか。正式サービスまで待つとなると、プレイ時間の差がつきすぎる可能性がありますが。
小島:「先ほど説明したサポーティングシステムによって、新規ユーザーも参加しやすくはなっています。また、ゲーム内経済などの都合もありますので、新規ユーザーもいずれ取ろうと思います。ただし、簡単に参加できるようにはせず、何かサプライズがある形で追加を行っていきます」
――それでは、最後にこれから『A3』をプレイする方に一言お願いします。
小島:「『ミュー』と『ラグナロクオンライン』を経験してきたこの二人のプロデューサーは、『A3』では新たなテーマとフェイズに挑戦していきます。参加のためのハードルは高く設定していますが、公式サイトやニュースサイトを見て、『A3』に反応した人はぜひ追いかけてもらいたいと思います。そこにはストーリー、システム、仕掛け、いずれもかつてのオンラインRPGにはなかったものが用意されていますので、注目です」
鳥山:「『A3』の世界観、ヘルマーシュ大陸という世界は非常にしっかりとした歴史を持っています。我々はそれを最大限努力して伝えていきますので、『A3』を楽しめるようにぜひ見てもらいたいと思います。ストーリーをまったく読まないと、楽しみが半減するかもしれませんし……。逆に、世界観をつかんで入り込んでいけば、100%、200%の楽しみが待っています」
――本日はありがとうございました。

MMORPGを知り尽くした2人がタッグを組んで贈るMMORPG『A3』。3月26日から、リミテッドサービスがいよいよスタートする。

鳥山 主税(ちから) 氏
前職はWebデザイナー。ガンホー創設時にGMとして入社。『ラグナロクオンライン』のGMリーダー、ローカライズ、バランス調整などの業務を経て、プロダクトマネージャーとなる。今回『A3』の制作プロデューサーに抜擢され、シナリオやアップデートの管理も含め、『A3』の運営を統括する。
小島 幸博 氏
 ゲーム会社の企画、ゲーム雑誌の編集長などを経て、2003年にゲームオン『ミュー 奇蹟の大地』の統括プロデューサーに着任。諸事情により前職を退任し、『A3』宣伝プロデューサーとして2003年12月末よりガンホーに入社。

A3
■メーカー:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■対応機種:PC(Windows98/Me/2000/XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■リミテッドサービス開始日:2004年3月26日
■正式サービス開始日:未定
■価格:未定
■プレイ料金:未定
■関連リンク:公式サイト
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