電撃ドットコム > 電撃オンライン > レビュー > 『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』

◇ レビュー ◇
電撃オンライン編集部がオススメするソフトを個性的なレビュアーがアツく語ります!
タイトル
ドラゴンクエストV 天空の花嫁
レビュアー
傭兵

国民的RPGがPS2で初登場!
これはもうお祭りだ!!(5,932文字)

 『ドラクエ』ですよ、『ドラクエ』。ついに出ちゃいましたね~。いろいろ忙しかったりして、このレビューを書いているのはソフト発売後になってるわけですが、もうね、すごいね。発売2日にして、130万本出荷。実売も、それに見合うだけの数字が出てるみたいだし。『ドラクエ』パワー炸裂って感じです。ほとんどのゲームファンの人はプレイしていると思うので、今さらレビューというのも何だと思いますが、まあ、まだ購入を迷っている人、もしくは最近ゲームをプレイし始めて、いまいち『ドラクエ』ってよくわからないという人(こういう人はそれほどいないと思いますけど)などに読んでもらって、いろいろ参考にしてもらえればと思って書かせてもらいます。

●『DQV』ってどんなゲーム?
 いろんなゲーム雑誌で取り上げられているので、どんなゲームか知らない人は少ないと思いますが、とりあえず簡単に『V』を紹介しましょう。

・親子3代にわたる壮大な物語

 このゲームは、主人公の少年時代(父親の世代)→青年時代→次の世代と、主人公の人生を追う形で物語が進んでいきます。そのなかで、出会いや別れ、人生を左右する重要な選択に迫られるなど、さまざまな出来事が起こります。まさに、1人の人生をまるまる体験する、そんな感じでした。また、個性的な登場キャラクターたちも魅力。幼なじみで、勝気な少女・ビアンカや、お嬢様で旅先で出会うことになるフローラ。勇敢でたくましい主人公の父・パパスや、ある国の王子で、さる事情から主人公と出会い親友になり、旅をともにするヘンリーなど、それぞれに印象的なイベントが用意され、物語を盛り上げてくれています。

・モンスターがパーティメンバーに!
『DQ』には、『ドラゴンクエストモンスターズ』といって、モンスターを仲間にして、パーティに入れ成長(レベルアップ)させたり、配合をして新しいモンスターを生み出したりする、モンスター育成タイプのシリーズが存在します。その原型となったのが、この『V』です。『V』が発売された当時は、モンスターを仲間にして育てるタイプのRPGはそれほど存在していませんでした。あったとしても、システムがディープすぎて、あまりゲームをやらない人には、敷居が高く感じられるものが多かった。そんな中で出た『V』の仲間システムは、戦闘で敵を倒すと、一定の確率でモンスターが仲間になるという非常にシンプルな作りになっています。そのため、誰でも手軽に仲間システムの醍醐味を味わうことができたのです。しかも、成長レベルに限界があったり、攻撃に対する抵抗力がモンスターごとに異なるなど、個性付けがしっかりしていたので、誰をどう育てるなど、自分流のパーティ作りができたのも独自の面白さになっていたと思います。

・シンプルでわかりやすいゲームシステム
 家庭用ゲームのRPGの歴史は、『DQ』から始まったといっても過言ではないですが、『V』の頃になると、各社からありとあらゆるタイプのRPGが発売され、その中から人気作も数多く出ていました。それらのRPGは、さまざまなオリジナルシステムを採用し独自性を出していたわけですが、それが逆にわかりにくさであったり、難しさに繋がっていたタイトルも中にはあったと思います。それに対して『DQ』は、あくまでもシンプルでわかりやすい作りに徹底していました。「はなす」「どうぐ」「さくせん」などの基本コマンドはこれまでと変わらず。しかし、『V』からは、便利ボタンというシステムが採用されました。これは、便利ボタンを押せば、「はなす」や「しらべる」などを自動でゲーム中のキャラが行ってくれるというもの。これまでは、コマンド欄を開いて、それから各コマンドを選択するという形をとっていたので、このボタンにより、操作はさらにシンプルかつ快適に! 

・オマケ(!?)も豪華! 物語を進めるのを忘れてしまいそうになるお楽しみの数々
 シリーズ恒例ともいえるのが、カジノやちいさなメダルといった冒険以外にハマれるお楽しみ要素。『V』では、こういったお楽しみ要素に、隠しダンジョンを追加。ここでしか仲間にならないモンスターもいました。

 とにかく、どんな年齢の人でも楽しめて、やり込み派の人もモンスター集めなどで満足できる、しかもクリア後にもお楽しみが用意されているという、『DQV』はそんなゲームでした。

●RPGのリメイクを作るならコレを見習え!
 というわけで、次はPS2版の『DQV』のお話。上記のような魅力は、近作でもそのまま残っています。さらにPS2版では、いろいろなパワーアップが施されています。ここでは、そういったところをザッと紹介していきましょう。

・全編3Dになり、マップもモンスターもグリグリ動きまくり
・物語にいろいろなシーンが追加され、物語がよりわかりやすく、感情移入できるようになった
・「はなす」コマンドを使うことで、パーティメンバーとの会話が可能に
・SFC版は3人パーティ制だったのが、4人パーティ制に!
・仲間になるモンスターの種類が増えた!
・「袋」を採用し、アイテムをたくさん持てるようになった
・音楽がフルオーケストラになった
・SFC版『III』で好評だったすごろく場がカジノでプレイできるように
・各地の名産品を集めて、博物館をデコレートできるようになった
・モンスターボックスというアイテムで、出会ったモンスターの情報を確認できるようになった


 と、こんな感じでしょうか。PS2になったことでいろいろな表現方法が広がり、偉そうな言い方になってしまいますが、順当に進化しているなあ、という感じを受けました。あと声を大にして言いたいのは、リメイク作ではあるけれども、新作を作るに匹敵する労力をかけて作っているというのは、本当にスゴイと思いました。今回、全編を3Dにしたことで、マップなどもちょこちょこっと変更が加えられています。パーティメンバーが3人から4人に変更になったことで、ゲームバランスなども変わっているのですが、ちゃんとそれ用に調整されているようです。3人だとツラいけど、4人だと乗り越えられる、みたいな、絶妙なゲームバランスは、まさに『DQ』らしいな、と感じてしまいました。個人的に『DQ』は、易しさとキビしさが紙一重で存在している。そんなバランスを持ったゲームだと思っていますので。また、イベントなどの演出も強化されていますし、古臭さもそれほど感じず、ちゃんと「今のゲーム」になっていると感じました(まあ、『DQ』に思い入れがあるので、これは言いすぎかもしれませんけどね)。

 ちょっと前に某RPGのリメイク作をプレイしたのですが、もう、それに比べると月とスッポン。その某RPGのときは、昔の雰囲気を残そうとしたんだなー、とか、自分にいろいろ言い聞かせながらプレイしてたのですが、今回はそんなことなし。ちゃんとシステムや演出がパワーアップもしていて、イベント関係も新規に追加され、物語に対するフォローも入れられているし、さらにはお楽しみ要素や、やり込み要素も追加されている。こういう姿勢は、各社見習って欲しいと1人のゲームファンとして思ってしまいました(もちろん、ちゃんとこういうことをしているゲーム会社はありますけどね)。

●鳥山モンスターがバリバリ動く
 見どころ、遊びどころは盛りだくさん!

 では、今回の『V』でとくに注目したい、もしくはオススメしたいポイントをここでは書いていきましょう。

1.モンスターの3D化
『DQ』のモンスターは、マンガ家の鳥山明氏によって描かれています。これまでのシリーズでは、モンスターは鳥山氏のイラストのタッチを残すためか、2Dのドット絵で描かれていました。ところが今回はポリゴン化に! 最初はすごーく不安でした。いかにゲーム機の性能が上がったとはいえ、鳥山氏のイラストの感じをポリゴンで再現できるのか? ところが、実際に動いたところを見たら、そんな不安は一挙になくなりました。スライムなどの丸っこいキャラは丸いまま。動物系のモンスターも、昔のポリゴンのようにカクカクしていない。見た目もそうですが、動きの多彩さも必見。本当にそこにモンスターが実在しているように、生き生きと彼らは動きまくります。また、今回モンスターを仲間に引き入れたとき、嬉しそうに跳ね上がったり、種族ごとにいろいろなアクションを見せます。これが、カワイイ! パーティメンバーとして引き連れているときも、テコテコ歩いているものもいれば、ノシノシついてくるものもいる、羽をはばたかせ空を飛ぶものもいるなど、仕草がほんとにイイ。すべてのモンスターを仲間にしたい気分です。というか、絶対にしたい! これは、必見ですよ。

2.仲間会話にメロメロ
 PSの『VII』から追加されたのが、この仲間会話システム。それは今回も健在です。しかも、そのテキスト量がすごい。メインのメンバーもそうですが、イベントでしかパーティに参加しない、しかも装備の変更やコマンドを入力できないようなサブキャラクターにまで、細かくセリフが用意されている。それぞれ、町の人と会話したり、ある場所にいったりすると、それについて感想などを言うのですが、それが気になって、行く必要のないところまで思わず足を運んでしまいます。この会話のおかげで、本当に彼らと旅をしているような気分を味わうことができます。

3.耳に心地よく響くオーケストラサウンド
 今回の一番のポイントいえるのが、これではないでしょうか。FC→SFC→PSとハードの進化にともない、音楽も機械音的なものから、より美しく変わっていきました。今回のPS2版では、ついに実際のオーケストラサウンドがゲーム中で流れるようになりました。やはり、機械音よりも、こちらのほうが迫力があっていいですね。フィールド、町、ダンジョン、戦闘、思わず動きを止めて聞き入ってしまいました。この音楽のおかげか、イベントも昔プレイしたときより、印象的になったように思います。とくに、パパスのあんなシーンや、人生の重大な選択をしたあとのこんなシーンとか。ぜひ、ここは体験してほしいですね。

4.読み込みが早くてプレイは快適
『DQ』はPS版もそうだけれど、読み込みの必要なCD-ROMやDVD-ROM媒体ながら、それを感じさせないほど読み込みの早さを実現しています。この『V』も、もちろんそれは変わりません。ゲームの読み込みをそれほど気にしない自分ですが、やはり、頻繁にロードが入ったり、チマチマ待たされるとちょっとはストレスを感じます。本当にこのゲームは、読み込みなどのストレスはありません。こういった製作者のこだわりは、すごいと思いました。また、こういうこだわりがあったからこそ、『DQ』は国民的なRPGになれたのかな、とも思います。

●非常にデキのよいゲームだけど
 完璧かと聞かれたら……?

 オススメのポイントを書きましたが、残念な点もあることはあります。例えば、壁が消えたり、障害物が透けるなどして、極力画面が見やすいように考慮されているのですが、それでもダンジョンや町マップで見づらい部分が出てしまっているところです(建物などで、2階の床がジャマになり、1階が見づらくなっている)。フィールド画面もそう。画面がキャラに対して寄りすぎている気がするんですよね。そのせいか、せっかく広大な世界をパノラマで表現しているのに、見える範囲が狭く、世界が小さく感じてしまいました。若干見える範囲を広げて、さらにキャラサイズを小さくしたら、広大な世界が表現できそうなのにな、と思いました。ただ、元のSFC版が2Dでディフォルメされた世界だったので、それを3Dで再現しようとしてこのような形になったのかな、とも思います。あと、ワールドマップで視点を360度変更できないのも、残念なところ。ここら辺は、完全な3D
になる次回作の『VIII』に期待という感じでしょうか。あと、キーコンフィグもちょっと。通常のゲーム画面では、L1、L2、R1、R2の各ボタンと、右スティックが視点変更に割り振られています。戦闘中だと、L1やR1などの各種ボタンが、文字送りや選択に使うことができます。これで片手で操作できるのですが、通常画面に戻ると、L1などのボタンが視点変更に戻ってしまう。例えば、L1を視点変更、L2を便利ボタンに対応させるなど、本当にPS2のコントローラの片手だけでプレイできるようなボタン配置にできたりすると、よかったかなと(ゲームライターの場合、いろいろ調べ物をしながらプレイをするので、右手などが開いていると、プレイしながらメモが出来て楽。あと、家だと横になりながらプレイするときがあるのですが、そのとき、片手で操作ができるとすごく探索が楽になるのになぁ、と何度も思いました)。

 個人的な不満なこんなところでしょうか。ソフトリセットがないのもちょっと、という声も編集部では聞きましたが、『DQ』は全滅するのも1つのゲーム性と考えられていると思うので、さほど気になりませんでした。それにお金は半額になってしまうけれど、教会で復活できるし。

 最後に1つ。これを言うのは酷なのですが、ソフトの価格。『VIII』のスペシャル映像がついているとはいえ、¥7,800(税込¥8,190)は高く感じるかと。自分みたいに、仕事をして、ある程度お金の自由の利く人間なら問題ないですが、親からお小遣いをもらっている子どもが買うには、ちょっと割高かな、と。¥6,000前後だったら、数カ月お金をためれば買えない値段でもないかと。自分が子どもの親だったとして、ほぼ1万円するものをそうそう買い与えることは難しいと思いますし。ここはいろいろな状況からして難しかったのかもしれないので、あまり強くはいえないところですね。

●過去『DQ』を触ったことのない世代の人でも安心できる
 そんなゲームです
 多分、最近の子どもは、ナンバー付きのシリーズをプレイしたことはなくても、『剣神ドラゴンクエスト』や『DQモンスターズ』などの『DQ』関連の商品は一度は触ったことがあるはず。そういった人たちにも、この『V』はプレイしてほしいですね。パッと見だけだど古いゲームのように見えなくもないですが、プレイをしてみれば、その楽しさに熱中すること間違いナシです。あと、SFC版をリアルタイムでプレイされた世代の人の中には、すでにお子さんがいらっしゃる方もいるでしょう。お子さんといっしょに『DQ』をプレイして、ゲームを通してコミュニケーションをとってみるのも、面白いかもしれませんよ。
 
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レビュアー紹介
傭兵
 女性広報さんが担当しているタイトルには、全力で攻略する男。あわよくば女性広報さんまで攻略しようと目論んでいる。アイドルが出ているゲームには目がない。

●好きなゲーム
『ドラクエ』シリーズ
『エコーナイト』

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