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タイトル シャドウハーツ レビュアー ゴーダ

”目押し”が目新しいRPGだす!(2,704文字)

 この『シャドウハーツ』は、コマンド選択タイプのオーソドックスなスタイルに"目押し"の要素を取り入れた、一風変わった本格派RPGです。RPG+"目押し"ってどういうことかというと、戦闘時やイベント、キーアイテムを入手するときなどの行動の成否を、すべて"目押し"で決定するってこと。
 例えば戦闘の場合。攻撃の目標を決定すると「ジャッジメントリング」というゴルフゲームのパワーゲージ(楕円形)のようなものが画面右上に出現するんですけど、そのリング内を右回りで回転する「バー」が「ヒットエリア」に重なったときにタイミング良くボタンを押して、そこに止めることができればOK(ヒットエリアの幅や種類は、行動や装備品などで変化)。「ヒットエリア」以外の部分に「バー」が止まってしまったら失敗となり、行動そのものが発生しなくなってしまいます。
 この辺が普通のコマンドタイプのRPGとは緊張感が違うわけで、戦闘中にダラダラとプレイすることはできません。徹夜が続いて半分寝ながらプレイするなんて、もってのほか(笑)。また、「ヒットエリア」のなかには、その行動の効果をアップさせる「クリティカルエリア」というものも存在するので、目押しに自信のある人は、どんどん狙っていきましょう。
 ……て、こうやって書くと、かなり面倒くさいのかな? 難しいのかな? って思うけど、でもね。目押しってなれてくるとリズムで押す感じになってくるから、意外と簡単なんです。まぁ、ゲームの難易度はそれほど無茶に高くはないので、無理に幅の狭い「クリティカルエリア」を狙わなくても、ちゃんとクリアはできます。

●1913年(大正2年)の上海からヨーロッパなど世界の魔都が舞台
 物語はフュージョンという変身能力(ハーモニクサー)を持つ主人公「ウル」と、エクソシストとしての優れた能力を持つ少女「アリス」の2人を軸にして進んでいきます。世界観を見ると、メタモルフォーゼや悪魔払い、陰陽道、黒魔術など、いわゆる「伝奇モノ」としての色合いが強いです。また「上海」や「ロンドン」など、魔都と言われる都市も出てくるので、この点も伝奇ファンには見逃せないポイントと言えます。この辺の設定は、なんだか女の子に人気がありそうですね。
 さて、1913年当時は、中国では、孫文によって中華民国政府が擁立されたばかりで、日本では野口英世や森鴎外が活躍し、最後の徳川将軍、慶喜公が亡くなった年です。また、翌年の大正3年の7月には第一次世界大戦が起こっています。ゲームの登場人物などはすべてオリジナルですが、実在する都市が出てきたりと、ほかのRPGにはない「リアルさ」もこの作品の魅力のひとつと言えるでしょう。

●フュージョン
 ゲームの主人公「ウル」は戦闘中、モンスターの魂と自分の肉体を融合させる技「フュージョン」を使うことが可能。モンスターに変身することで、基本能力が上昇するとともに、モンスターの特殊能力(魔法のようなものでMPが必要)が使用できるようになります。なので、戦闘中ではこのフュージョンがポイントとなるわけです。なお、変身するモンスターはフィールドに敵として出現するモンスターではなく、精神世界「グレイヴヤード(セーブポイントから自由にいける場所)」で入手する"フュージョンモンスター"という魔物。戦闘で敵を倒したときに蓄積される「ソウルエナジー(地、水、火、風、光、闇の6種類)」が一定値に達すると、グレイヴヤードにフュージョンモンスターが出現するようになり、そこでの戦闘に勝利することで、フュージョンモンスターの魂である「フュージョンソウル」を獲得できるのです。それをウルが装備することで(3つまで装備できる)、初めてフュージョンモンスターに変身できます。
 ただし、フュージョンするときに注意しなければならないのがSP(サニティポイント)です。SPとはキャラクターの正気値を表していて、0になると暴走状態となり、敵味方関係なく攻撃を行ったり勝手にアイテムを使用したりと、プレイヤーの操作を一切受け付けなくなってしまいます。そしてフュージョン使用時には、大量にSPを消費します。しかも、SPは戦闘中1ターンごとに1ポイントずつ消費しますから、フュージョンを行うには、このSPに注意が必要なわけです(SPは全キャラクターに存在する)。
「ジャッジメントリング」の目押し、そしてこのSPの残量と体力など、戦闘中には気の抜けない要素がたくさんあるのです。

●2周目が本番!? 欠点なしの良質RPG!
 目押しという斬新なシステムを採用していますが、コマンド選択タイプというスタイルが基本となっているので、バランスもよくプレイしやすいRPGです。また、メニューには新しい要素が出現するとともに更新されるヘルプ項目が用意されているので、そこを見ればゲームの目的や進め方がわからなくなってしまうなんてことは絶対にありません。マニュアルもいらないくらいで、私のような面倒くさがり屋さんにはピッタリでした(笑)。唯一欠点と呼べるのは目押しの作業を必要とするため、どうしても1つの戦闘が長くなってしまうこと。それでも敵の出現率は低いので、かったるいなぁと感じたことはありませんでした(この辺は人にもよると思いますが…)。また、このゲームには隠しマップや隠しアイテムなど、2周目以降のプレイで出現する要素が数多く存在します。目押しの成功確率や歩いた歩数、称号などランキングも表示されるので、ヤリ込み派のプレイヤーにもオススメな作品です。

●ちょっとパンツの裏話
 ある噂から聞く話によると……開発途中のバージョンではアリスのパンツは常時バリバリに見えまくっていたらしいです。フィールドでも戦闘中でも…。それがなぜ、見えなく…いやまったく全然すばらしく(謎)見えなくなってしまったのかッ!? あのスカートで、あの角度で跳ね上がっているならば、確実に見えるだろう? なのに見えない、このもどかしさったらありません。プレイしはじめた頃には、まったく理解できませんでした。でも、でもね。ゲームをどんどん進めていくにつれてわかってきました。なぜ"明らかに見えそうなのに、あえて見えなくした"のかがッ! そう、戦闘中にチラッと一瞬見えたような見えないような(実際撮影してみたら見えてました)、微妙なところ。そこがいいのだとッ!! ……コホン。有り難みってヤツでしょうかね。後半レベルが上がると覚える魔法を発動させると、バッチリ見えちゃったりするのも、そこまでヤリ込んだ人へのご褒美って感じです。2周目には「シルクの黒ぱんつ」とか入手できるし……。


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レビュアー紹介
ゴーダ
 電撃プレイステーション編集部が誇る、超スーパーゲーマー。でも、何を言っても、周りからはだいたい3%くらいしか信じてもらえない不幸の人。
喫茶宮田のバイト。……だったんだけど、喫茶宮田はつぶれたみたい。

●好きなソフト
『パラッパラッパー』
『マリオネットカンパニー』