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SOFT レビュー
電撃オンライン編集部がオススメするソフトを個性的なレビュアーがアツく語る!
タイトル サーヴィランス 監視者 レビュアー おぎのっち

未体験の6視点同時進行AVG!(2,210文字)

●製作はあのプロダクションI.G!
 全編アニメーションで展開するゲームシステムといえば、PSで好評を博した「やるドラ」シリーズ。『サーヴィランス 監視者』は、その「やるドラ」を製作したプロダクションI.Gが手がけた新感覚のAVGです。「やるドラ」シリーズの最新作、というわけではありませんが、プロダクションI.Gならではの質の高いアニメーションはさらに進化。ファンの方々の期待には十分応えてくれることでしょう。また、今作ではゲームシステムも画期的な手法が使われ、「やるドラ」とはひと味違うプレイを楽しむことができます。

●6つのモニターで事件が同時進行
 このゲームの特徴は、1つの事件を6つのモニターにより多角的に監視する点。つまり、6つのモニターに映し出された現場で、同時に事件が進行していくのです。特殊部隊の隊長である主人公(プレイヤー)は、そのモニターのなかから最も注視すべきモニターを選び、そこに映されるターゲットを解析し、事件を解決に導かなければなりません。もちろん、現場の状況は刻々と変化しますし、ときにはモニターが破壊されたり、もしくは新たに設置されたりすることもあります。いつどのモニターを見るか、さらにはどんなターゲットを解析できるかで、事件を解決できるかどうかが決まるのです。要所要所にはバッドエンドが用意されているので、初めてプレイする方ならハマってしまうこともあるでしょう。でも、このゲームは難易度的にはいたって簡単。何度か詰まることはあっても、必ずクリアできるはずです。操作だってとても簡単ですし。

●システムも操作も、慣れれば簡単です
 システムを理解していただくのは、1度プレイしてもらうのが一番ですが、操作の説明は至極簡単。何せLRボタンでモニターを切り替え、あとはターゲットが表示されたときに(複数表示されたときは+キーで選択して)○ボタンを押すだけですから。ターゲットについても、事件を解決するために解析しなければならないのはごく一部だけ。事件の流れさえつかめば、どのモニターが怪しいのかも簡単にわかるので、全編クリアするのはとても簡単です。バッドエンドでは「なぜそうなったか」の解説もありますから、むしろバッドエンドを見ておいたほうが状況の把握にも役立ちますし、それがクリアへの近道になるかも知れません。また、すべてのターゲットを解析すると2周目がプレイできるようになるなど、やり込み要素も用意されています。さすがにすべてのターゲットを解析するのは骨が折れるかも知れませんが、ぜひ頑張ってプレイしてみてください。どうしてもダメなら、電撃PS2 Vol.50に収録されているコンプリートデータもありますので(宣伝)。2周目では各キャラの知られざるエピソードなどが明らかになるので、『サーヴィランス』を本当に楽しみたいのであれば、やはり2周目までプレイしていただきたいものです。とくに細かい設定などは、何度もプレイしないとなかなかわかりにくいですから。

●キャラクターも世界観もいいのですが……
 ここで詳しい説明は省略しますが、近未来の世界観や、特殊部隊・シャドーソードの隊員たちをはじめとしたキャラクターたちはよくできていると思います。ただ残念なのは、それが作品にうまく活かされているとは思えない点です。とくにキャラクター。隊員1人1人までとはいいませんが、もう少し個々のエピソードなどを描いてほしかったと思います。解析したターゲットの情報を閲覧できるデータベースでは、登場人物のいろいろなエピソードが載っているだけに、本編が余計惜しいと思いました。主人公もあくまで監視者であって、現場で活躍することがないのも、設定上やむを得ないとはいえ残念でした。そして、最も残念な点といえば……。

●物語を把握しながらプレイしましょう
 このゲーム最大の特徴である、6つのモニターで事件が同時進行するシステム。そのアイデアはすごいと思うのですが、何せ実質6分の1しか見ることができないので、全体の状況を把握することが非常に困難なのです。ひいては、物語全体がよくわからなくなってしまうことにも…。その割には、クリアに必要なターゲットさえ解析できればゲーム自体は進んでしまうので、物語を把握していなくてもクリアはできてしまうのです。バッドエンドを見ておいたほうがいいと、前のほうで触れたのはそのためです。何より問題だと思ったのは、物語上重要なことを語っているシーンがあるのに、そのほかのモニターでクリアに必要なターゲットが表示されることでしょう。ゲームとしてはそういった仕掛けはアリでしょうが、クリアに必要なターゲットを解析していると物語がわからなくなってしまう、というのはいかがなものかと。もちろん、データベースなどを細かく見ていけば詳細まで理解できます。本編中にわからない、というのも「お前の理解力がないんだ!」と言われれば返す言葉はありませんが……。

●新しいAVGの可能性を感じてみてください
 いろいろと書いてしまいましたが、個人的には、もう少し見せ方を工夫する必要はあるかもしれないけど、AVGの新境地を切り開いた意欲的なタイトル、ということで、プレイする価値は十分にあると感じました(というか、自分はこの作品を「やるドラ」シリーズよりもやり込んでしまいました)。
 プロダクションI.Gの次回作に、とっても期待しています。


(C)2002 Sony Computer Entertainment Inc.

レビュアー紹介
おぎのっち
 電撃PSで大売り出し中の若手ライター。幼少から湘南に住んでいる”湘南ボーイライター”とは彼のことだ。湘南ボーイといえばサーフィンが趣味の男であると認識されがちだが、彼はボードには乗らない。その理由を説明すると長くなるので割愛させていただくが、そのかわりといってはなんだが毎月第3金曜日、浜辺のゴミ拾いを欠かさないことで”湘南ボーイ”をある意味体現していると自負している。小学生時代は半袖半ズボンで雨にも負けず風にも負けず6年間登校し、卒業式には校長先生に表彰されたという輝かしい経歴を持つ。あと、小学校3年生のときの学内球技大会でサッカーに出場し、ハットトリックを決めたことが自慢だ。しかし、元電撃ドリームキャスト編集部アルバイターだった過去は自慢ではない。おぎのっちの他にも「シャケ子」「オギノッティ」「オギー」「荻野晴也」などのペンネームを持つ。

●好きなゲーム
『シスター・プリンセス』
『剣豪』