機動戦士ガンダムSEED DESTINY

◆メディア:TV ◆放映年月日:2004年10月〜2005年10月 
◆話数:全50話 ◆監督:福田己津央
◆キャラクターデザイン:平井久司 ◆メカニカルデザイン:大河原邦男、山根公利
あらすじ

 コズミック・イラ(C.E.)71年、地球連合とプラント(ザフト)間に勃発したヤキン・ドゥーエ戦役は、キラ・ヤマトと戦艦アークエンジェル、ラクス・クラインの活躍によって終結した。
 C.E.73年、オーブ連合首長国の代表カガリ・ユラ・アスハは、アレックス・ディノことアスラン・ザラをともない、ザフトのプラント、アーモリーワンを訪問した。しかし、そこに新型モビルスーツ(MS)ガンダムの強奪事件が発生。前戦役のオーブ解放作戦によって家族を失ったことでオーブを憎むインパルスガンダムのパイロット、シン・アスカは、新造艦ミネルバで、アレックスらとともに、ガンダムを奪った連合の特殊部隊ファントムペインを追う。しかし、ガンダム奪還は失敗。そこに、廃棄されていたプラント・ユニウスセブンが、ナチュラル廃絶を唱えるザラ派のテロ行為によって、地球に向けて落下しているとの情報が入ってくる。
 シンたちの奮闘もむなしく、ユニウスセブンの落下により、地球は甚大な被害を被った。ブレイク・ザ・ワールドと呼ばれるこの大事件を、ザフトのしわざとした地球連合はプラントへ宣戦を布告。一方、地上に降下したミネルバは、中立国であるオーブを訪れていた。しかし、地球連合に懐柔されていたオーブの実力者セイラン家により、オーブはプラントと敵対の意を示し、ミネルバはオーブを追われることとなる。

キャラクター

 前作で熱狂的なファンを獲得した、キラやアスラン、ラクスなどの美形キャラクター。その復活がこの作品のみどころの1つであることは、疑う余地もない。また、シンやレイ、ルナマリアなどの新キャラクターも、前作のキャラクターに負けない人気を誇り、主要キャラクターそれぞれをフィーチャーしたCDが発売されたほどの盛り上がりを見せた。
 ストーリーの見地に立てば、前作の主人公キラと、この作品の主人公シンの対立が大きなみどころだ。「家族をオーブの失策(と彼は認識している)で失った」という深い悲しみを抱き、戦争を憎悪するシン。同じく前大戦で、多くの人の死を目の当たりにし、憎しみが生み出す悲しみを知ったキラ。シンもキラも、望むものは平和だが、その道は戦いが終結するまで交わることはない……。シンとキラ、どちらに感情移入するかによって、ストーリーはまったく異なる側面を見せる。

用語1

●ザフト

 コロニー国家であるプラントが擁する軍事組織。名称は「Zodiac Alliance of Freedom Treaty」の略である。本来は政治結社だが、実質的にはMSなどの戦力を有する軍隊として機能している。士官学校を好成績で卒業したものはザフトレッド(赤服)と呼ばれるエリートとして扱われるほか、プラント国防委員会直属のFAITH(Fast Acting Integrate Tactical Headquarters)と呼ばれる特務隊も存在する。
 FAITHは他のザフト部隊とは独立し、個々の判断で行動する自由を与えられるほか、ザフトの部隊に対し作戦を立案し、実行させる権限を有している。劇中ではアスラン・ザラ、シン・アスカ、レイ・ザ・バレル、タリア・グラディス、ハイネ・ヴェステンフルスがFAITHに任命されている。

©創通・サンライズ・毎日放送


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ストーリー

 『SEED DESTINY』は2002年に放映された『機動戦士ガンダムSEED』の続編にあたる作品である。前作が『機動戦士ガンダム』への回帰を目指した作品だったように、この作品は『機動戦士Zガンダム』のストーリーをベースとした作品となっている。しかしながら、前作の主人公であるキラと、この作品の主人公であるシンの対立など独自の要素も数多く、『機動戦士Zガンダム』をなぞるだけの作品になってはいない。シン、キラ、アスラン、3人の主人公たちそれぞれの正義が悲劇的に交錯していくそのさまは、多くの視聴者を虜にした。
 前作は、美男美女のキャラクターとケレン味あふれるMSの戦闘描写などで、男女問わずに幅広い人気を獲得した。この作品では、前作で好評を博した要素はそのままに、新しいキャラクターやMSなどを加えることでさらに魅力を増大。その人気は今なお衰えることなく、2011年初頭までこの作品とほぼ同一の時間軸を描いた外伝作品『機動戦士ガンダムSEED VS ASTRAY』が雜誌で連載されていたほどである。

メカ

 四足歩行の獣型MSバクゥを登場させるなど、従来のMS観を覆した『SEED』。続編である『SEED DESTINY』では『機動戦士ガンダム』に登場したMSである、ザクやグフ、ドムなどを、ザクウォーリア、グフイグナイテッド、ドムトルーパーなどとして現代風にアレンジ。宇宙世紀シリーズのファンに対しても強くアピールした。ハイネ・ヴェステンフルスの「ザクとは違うんだよ、ザクとは!」など、『機動戦士ガンダム』を意識した、ファンならニヤリとできるセリフも登場している。
 物語後半では、デスティニーガンダム、ストライクフリーダムガンダム、インフィニットジャスティスガンダムなど、強力無比な新型ガンダムが多数登場するのもポイントだ。兵器でありながら、圧倒的な性能を誇るこれらの新型ガンダムは、迫力溢れるバトル演出も相まって、多くのファンを獲得している。

用語2

●ロゴス

 世界を陰から支配する、10人の有力者によって構成される軍産複合体。地球連合に深く根を張りコーディネイター廃絶を唱えるブルーコスモスの母体であり、その盟主であるロード・ジブリールもロゴスのメンバーの1人である。地球連合の中核国家の1つである大西洋連邦の大統領ジョゼフ・コープランドを影から操っているのもロゴスであり、非常に大きな権力を保有している。