超重神グラヴィオンツヴァイ

◆メディア:TV ◆放映年月日:2004年1月〜2004年3月 
◆話数:全12話 ◆監督:大張正己
◆キャラクターデザイン:愛姫みかん、うのまこと
◆グラヴィオンデザイン:大河原邦男 ◆メカデザイン:福地仁、森木靖泰
あらすじ

 時は西暦2041年。宇宙の彼方より現れ、地球を攻撃する謎の金属生命体ゼラバイア。その圧倒的な力に、人々はなすすべもなかったが、正体不明の大富豪クライン・サンドマン率いる武装戦隊アースガルツがこの脅威に立ち上がった。アースガルツの戦闘部隊であるグランナイツの若者たち─斗牙、エイジ、琉菜、ミヅキ、エィナ、リィル─は、4機のグランディーヴァとグランカイザーが合体して誕生するスーパーロボット、ゴッドグラヴィオンでゼラバイアとの戦いに勝利を重ねていく。そして、ゴッドグラヴィオンが最大の危機に陥ったそのとき、月より超重剣が飛来し、その窮地を救ったのであった。
 激しい戦いから数カ月後。地球は久方ぶりの平穏を取り戻していた。楽しい日常を謳歌するグランナイツの面々。そこにゼラバイアが出現し、再び熾烈な戦いの幕が上がる。

キャラクター

 前作『超重神グラヴィオン』は、どちらかというとエイジや斗牙らグランナイツの少年少女の活躍と成長に焦点を当てた作品であった。だがこの作品では、アースガルツの司令官サンドマンに対してスポットライトが当てられている。前作では完全無欠の大人というイメージが強かったサンドマンだが、この作品では1人の人間としてそのキャラクター性が深く掘り下げられており、時に弱さを見せつつも、最後には立ち上がり、ロボット(グランΣ)に乗って自ら戦うという正統派ヒーローの姿をも見せてくれる。その美しく勇壮な姿は、まさに真の主役といっても過言ではない説得力に満ちたものであった。
 なお、ストーリーの項目でも触れた萌え要素については、あえてエイジと斗牙の女装をトピックとしてあげておこう。前作からたびたび女装していた彼らだが、この作品では第1話から披露。しかもアイキャッチにまでなっているというありさま。非常に似合っているのが、なんとも悔しいところである。

用語1

●アースガルツ

 クライン・サンドマンが創設した、対ゼラバイアを目的とする戦闘集団。合体してゴッドグラヴィオンとなる、グランカイザーと4機のグランディーヴァを操る戦闘部隊はとくにグランナイツと呼ばれている。そのほか、オペレーターや整備班、武装班、医療班などさまざまな部署が存在しているが、所属しているのは、いずれもサンドマンが己の美学によって集めた美少女(美女)メイドたちである。
 なお、本拠地はサンドマンの居城であるサンジェルマン城。西洋風の外観(および内装)でありながら、司令室やグランディーヴァの格納塔など、メカニカルな設備が満載されている。それもそのはず、サンジェルマン城の正体は、超重戦艦グラヴィゴラスなのである。

©2004 大張正己・赤松和光・GONZO /グラヴィオンツヴァイ製作委員会

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ストーリー

 『スパロボ』ファンにはおなじみの大張正己監督による『超重神グラヴィオン』。2002年に放映されたこの作品は、正統派スーパーロボット作品が持つ「燃え」と、美少女キャラクター(美少年、ナイスミドルもいるが)の「萌え」をハイレベルで融合させた作品であった。しかしながら、ストーリーはゼラバイアの正体を含め、多くの謎が未消化のまま、その幕を閉じてしまった。そして2004年、満を持して復活したのがこの『グラヴィオンツヴァイ』である。もちろん「燃え」と「萌え」のハイブリッドというコンセプトはそのまま継承されており、とくにストーリー序盤においては男性ファン必見のお色気シーンも満載であった。一方、後半のストーリーはサンドマンの過去にまつわるシリアスなストーリーが主軸となり、緊迫感あふれる展開がなされており、一作品で2度おいしい、いいとこどりのような作品となっている。

メカ

 ロボットアニメそのものが、CGによるメカ作画へと移行していく風潮のなか、かたくなに手描きによるロボットアクションを追求し続けた稀有な作品が『グラヴィオン』である。手描きによってのみ得られるケレン味は、メカデザイナーやメカ作画監督として数々のロボットアニメで名を馳せた、大張監督の本領発揮ともいえる大迫力であった。余談だが、大張監督の姿勢は現在も変わっておらず、2010年から放映されたTVアニメ『スーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター』では、手描きとCGの融合にチャレンジし、新境地を拓いている。
 また、スーパーロボット作品の王道である2号ロボ、ソルグラヴィオンへの乗り換え、超巨大戦艦グラヴィゴラスの登場など、メカの面で語るべきポイントは非常に多い。そのなかでも、最終話にのみ登場した計10機による最終合神アルティメットグラヴィオンの存在は、わずか1回の登場ということもあり、ファンに大きなインパクトを与えた。

用語2

●ゼラバイア

 突如として地球に侵攻を開始した、謎の金属生命体。前作『超重神グラヴィオン』では、敵の攻撃を学習し「進化」するタイプが立ちはだかったが、この作品においては火山や深海など、出現した地域に対応して「変化」するタイプのゼラバイアが数多く登場した。
 その正体は惑星ランビアスの科学者だったヒューギ・ゼラバイアが作り出したジェノサイドロンシステムのなれの果て。グランΣによって制御装置が破壊され、暴走したシステムは、ゼラバイアを生み出し、ランビアスと、敵対していた惑星セリアスを消滅させてしまった。