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『メタルギア ソリッド マスターコレクション Vol. 2』レビュー:「戦争は変わった」を体験した『MGS4』と拠点拡張という独自性に熱中した『MGSPW』

文:シュー

公開日時:

 コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)より8月27日に発売される『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2(メタルギア ソリッド マスターコレクション )』。『メタルギア』シリーズ集大成となるマスターコレクション第2弾には、初移植となる『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』(以下『MGS4』)と、『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER(HDエディション版)』(以下『MGSPW』)が収録されています。


 さらにコレクション版の購入特典として、2000年に発売されたシリーズ初の携帯ゲーム機向け作品「METAL GEAR Ghost Babel」と、ゲームに使用されたBGMからボーカル楽曲までを収録した「METAL GEAR SOLID デジタルサウンドトラック Vol.2」も収録。ファン必見の内容となっています。

 この記事では、主に『MGS4』と『MGSPW』についてお届けします。懐かしさとともにプレイしていたら、色々と書きたいことがあふれてきました……!

※以下にはネタバレが含まれますので、予めご了承ください。

「戦争は変わった」から始まる変革の『MGS4』


 今回のマスターコレクションで初移植となる『MGS4』を十数年かぶりにプレイして、当時の思いとか感情みたいなものがすごく溢れてきました。


 『MGS4』は映画でした。PS3当時最高峰のグラフィックで表現された戦争の世界は、20歳頃の自分には衝撃の映像。老いた姿のスネークにも驚かされたけど、ゲーム冒頭で、どこか諦めや怒りにも近いさまざまな感情の乗ったスネークの「戦争は変わった」のモノローグも印象的で忘れられない場面です。


 というのも、これまでスニーキングミッションを主軸に「見つかるなよ!」なんてのを徹底されて物語を追ってきたので、序盤から紛争地帯でいち兵士として戦うスネークの姿をみて「本当に変わっちまったんだ」なんて突きつけられたのとリンクしたからですね。


 また『MGS3』の時代設定が1960年代に対して『MGS4』が2014年設定ですから戦争の風景があまりに近代化すぎて。『MGS4』が発売された2008年当時も世界情勢的にリアリティがあってそういう面でも繋がる部分がありました。

 さらに今作のメタルギア「月光」の姿もゲーム始めて早々に遭遇するのも変化ですよね。ゲーム的にメタルギアって切り札というか重要兵器のポジションだったので、既に量産化されて冒頭から出てくるなんてと意外性の連続です。

 そしてその登場と同時に披露されるスネークの新機能「オクトカム」による擬態。映像美から世界情勢、スネーク自身に近代的な革新的機能など。『MGS4』って最初から本当にすべてが変わったことを見せてくれたんです。だから印象に強く残ってるんですよね「戦争は変わった」が。


 「ソリッド・スネークの物語が完結する」との触れ込みで発売された本作。プレイを進めると懐かしい面々が登場してくるのもファンとしては嬉しかった点です。

 オタコンがバディとしてサポートしてくれるのをはじめ、ロイ・キャンベル大佐やメリル、ローズに雷電、そしてリキッド・オセロット……もはや同窓会かのような登場は集大成でもありお祭り感もあり、次はどのキャラに会えるのかを心待ちにしてた思い出です。


 その中で個人的にセンセーショナルだったのが雷電。全身サイボーグ化されてメタルギア月光相手に1人で圧倒できる力を手に入れ、それこそサイボーグ忍者のようなスマートな見た目と鋼鉄すら容易に切断できる高周波ブレードを自在に振り回す姿は、当時若かった自分にはあまりに刺さった。後に『メタルギア ライジング リベンジェンス』でそのサイボーグ雷電が主役になったときにはとても喜んだものです。


 といった懐かしさもあり、このキャラクターたちを交えてどう終息していくのか。気になりながらプレイしていました。

 そんな中で新顔の武器商人・ドレビンがゲームシステム的にも新しく、戦いの連続で重苦しい雰囲気を和らげてくれる飄々とした男でいいキャラだった。てっきり専用の車両で安全圏から後方支援するのかと思いきや、スネークと同じくらい前線でしっかりサポートしてくれるのだから頼もしい存在です。「EYE HAVE YOU!」

最先端の戦場の体験


 ゲームシステムも特徴的で、その中核を成すのがドレビン。武器がすべてIDで管理されている設定で現地調達してもロックがかかっており、すぐには使えないようになっています。

 しかし取得した武器を専用のドレビンポイントに変換し、ポイントを消費してロックを解除したり、新しい武器の購入や弾薬を手に入れたりと、ここでも「戦争は変わった」部分を体験できます。


 そのくらい簡単に銃器を入手でき『MGS』シリーズながら派手に撃てる部分と、いつも通り麻酔銃一本で進むことも可能なスニーキングのバランスを上手く表現していたなと思います。


 オクトカムによる擬態も『MGS3』で景観によって最適なカムフラージュパターンをメニュー画面を開いてわざわざ装備していた頃に比べたら、その場で静かに伏せるだけで周りの質感にスーツが変化するなんてあまりに革新的すぎました。


 周囲の状況を視覚化する眼帯型デバイスのソリッド・アイも周辺にいる生物/人間の位置が把握できたり、暗視モードで夜間や暗所にも対応していたりと敵兵の位置を慎重に把握して音で誘導していた頃に比べたらとんでもないアイテムです。

 それほどまでに『MGS4』の技術の進化は衝撃でしたし、当時からすれば近未来の戦争はもっとデジタルに変化していくんだなと感じ取ったものです。ある意味、AI制御で動くメタルギア「月光」なんかは、現代のドローン技術の行く先って感じもしますしね。


 面白いのは紛争地帯で始まり、ゲームが進むととある男の尾行を行う静かな任務に切り替わる場面。

 いつものスニーキングのように見つからず追跡しつつ、ときには対象がスムーズに進めるよう、気づかれないように陰からアシストしたり。最先端の戦争を描きながらも、基本の『MGS』らしさも忘れてない演出も好きだった思い出です。

『MGSPW』イラストで展開する独自の物語


 『MGSPW』は『MGS3』の10年後にあたる1974年の設定。

 いわゆるビッグボスの時代の『MGS』シリーズで、『MGS3』を連日寝ずにぶっ通しでプレイしてクリアし、泣き腫らした自分には飛びつかずにはいられないタイトルでした。


 もっとも印象的であり魅力な部分といえば、やはり会話シーンがイラストで展開することでしょう。

 『MGS』シリーズではお馴染みのイラストレーターたちが描いたイラストが、アメコミっぽい擬音表現を交えつつ、ときには細やかに動きながら物語が進むのは新鮮な体験でした。とくに主にナンバリングのプレイが中心だった当時の自分には初めての表現。


 単にイラストだけが展開するのではなく、無線の際のリアクションのように会話中表示されたボタンを押すと別の絵が出たり、ときにはQTEのような狙撃シーンが入ったりとアクティブな体験も記憶に新しい。

 話に集中していたら急にコマンドが現れるのだから置いてたPSPを慌てて持ち直した思い出が皆さんにもきっとあると思ってます(笑)。


 そういう点では会話シーンは今で言うボイスコミックのような楽しみ方をしていたと思います。

 一流の声優さんたちの演技。カットシーンとは異なるイラストのみの少ない動きからでも察せられる感情の変化。それを現す声色からキャラの心情、背景を想像する感じ。絵の情報が最小限だから逆に声に集中できたのかもしれませんね。


 本作の舞台が1974年であることを考えると、この時代の動向に影響を受けたのかもしれません。

マザーベースの強化とミッション選択式


 『MGS』シリーズとしては珍しく拠点(マザーベース)発展型のシステムと、選択式ミッションで資源の回収や人員の確保などを行うアクションシーンに分かれているのが大きな特徴。


 とくにマザーベースには「実戦部隊」「研究開発」「糧食」「医療」「諜報」の5部門があり、それぞれに適切な人員を配置することで新しい兵器やアイテムの開発が行える仕組み。

 にしても拠点が発展していく姿を見るのはどうしてこうも楽しいのか……!! 


 最序盤からでも切り詰めるほど逼迫はしていないが、人員が揃い兵器が揃い備蓄も十分と着実に強くなっていっているのを目にする過程の楽しさといったら……。

 なにも気にせずミッションに挑んでいる際に得られるとてつもない満足感含め、拠点発展系のおもしろさは不変的だなと思います。


 従来のような与えられたシチュエーションをどう切り抜けるかの楽しみもあるが、小さなミッションを繰り返す本作のミッションもパターンが豊富で非常に楽しかった思い出。

 ミッションのリトライも短く、非常に素早くやり直せるのもこの手のタイプにはありがたい要素です。序盤から大型車両との戦闘フェイズがあり、しかもクリアすると入手も可能ですので。


 あとはやっぱりフルトン回収。敵兵も人員確保という名目で気絶や睡眠させればフルトン回収で仲間にできたり、ステージ内に囚われてる捕虜をフルトン回収で救援したりと、あの小さなバルーンで人が引っ張られていく様子はシュールで絵面もおもしろかったですね。

 とくに「あーーー!!」って悲鳴(?)も忘れられません。高所恐怖症にはキツそうなシステムです。

両作品のシナリオブック、マスターブックも収録


 またどちらの作品にもゲーム内のセリフが網羅されたシナリオブックのほか、ストーリーやキャラクターを詳しく知る事ができるマスターブックもゲーム内に収録。

 シナリオブックだけでもかなりの文字量。タイトルによっては500ページ近い内容量があります。


 マスターブックは世界・物語編と解説編に分かれ、それぞれのタイトルを細かく解説、深堀りしてくれます。

 プレイでは気付けなかった小ネタ部分もしっかりカバーしているので、本編とあわせて堪能してみてはいかがでしょうか。


 改めて『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』は8月27日に発売です。ぜひこの機会にプレイを!

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