“ファンタシースター感謝祭2019”決勝レポ第1弾。新クラス“エトワール”とアニメの新情報を吉岡Dが語る

電撃オンライン
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 8月17日に東京都江東区にある東京ビッグサイトで開催されたイベント“ファンタシースター感謝祭2019”決勝会場について、『ファンタシースターオンライン2』記事担当・レトロが振りかえります。

 第1弾となる今回は、感謝祭のレポート記事では恒例となっている吉岡哲生エピソード6ディレクターへの、感謝祭決勝会場直後に実施したインタビューをお届け!

 新クラス“エトワール”のステージでは公開しきれなかった情報や、10月7日より公開予定のTVアニメ『ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラクル』の気になる話など、アークスならずとも注目の情報がたっぷりありますので、お見逃しなく!

――半年にわたっての感謝祭、お疲れさまでした。まずは全6会場を終えての感想をお願いします。

 あっという間に終わってしまったというのが正直な感想です。半年やってきましたが、まだまだ緊張しっぱなしで、どの会場でもお弁当を食べれられないくらいでしたから。時間がないからではなく、緊張しすぎて食べる気になれなかったですね。

 エピソードを通して長く続けた感謝祭というのは今までになかったですし、来月には東京ゲームショウ2019、10月には新クラス“エトワール”の先行体験会もありますから、感謝祭は終わったものの、まだ半分くらいは終わっていないという気持ちでもあります。

――ちなみに、決勝会場の来場者数はどのくらいだったのでしょうか?

 約9,100人でした。残念ながら1万人には届きませんでしたが、コミケとかぶらない日程だったり、台風の影響があったりして、地方の方の来場が危ぶまれる中ではよい結果が残せたと思います。これまでの感謝祭に比べて来場者の皆さんの滞留時間が増えたこともあり、会場も終始賑わっていたように感じましたね。

 感謝祭2019全体の来場者も約31,000人と、前回の36,000人からは落ちましたが、40~50%は初来場という方で、満足度が非常に高かったという結果が出ています。来場された方も「こんなにアークスがいるんだ!」とビックリされたのではないでしょうか。

 そういう意味でアークスの皆さんのモチベーションをあげる効果もあったと思いますし、普段はオンラインで遊んでいる面子との絆を深めるためにも、オフラインイベントで集まる機会を作るというのは大事だなと思います。

――本日の決勝会場を振り返っての感想は?

 まさに集大成、といった感じでした。とくにアークスバトルトーナメントの決勝戦はすごかったですね。前回(2017年)の大会もかなり盛り上がっていて、今回はどうなるのかと思っていましたが、絵に描いたようなシーソーゲームが展開されました。参加者の方の努力も感じられた試合でしたし、非常に盛り上がったかなと思います。

――本日の発表のなかでは、やはり新クラス“エトワール”の反響が大きかったですね。新クラスについて、語れる範囲で教えていただけますでしょうか?

 使用武器はステージでお話しした通り、ダブルセイバーとデュアルブレード、ウォンドの3種になります。動きとしては重ためにはしているんですが、使用感まで重くなるような感じではなく、軽快な使用感で、手ごたえを感じられるようなバランスを目指しています。

 公開した映像だと若干もっさりした印象を受けたかもしれませんが、実際に触ってみるとけっこう忙しいクラスになっています。

――ファントムは攻撃だけではなく、味方を守るデバッファークラスといったような立ち位置でしたが、エトワールのパーティー内での役割はどういった感じになるのでしょうか?

 支援もできます、といった感じでしょうか。味方を守るというよりは、司令塔というかブースター的な立ち位置が近いかもしれません。パーティーに1人いるとありがたいはずです。

――エトワールがいると、何かしらの効果がパーティー内に付与されるといった感じなんですね。ユーザーさんからは力のヒーロー、技のファントム、守りのエトワールといった声もありましたが、まさにそういう感じなんでしょうか?

 そうですね。自分自身の守りのアクションも豊富に用意しています。今回公開した映像では、そのあたりには触れずにあえて攻撃面に特化して紹介させていただきました。“エトワール”というクラス名ですが、ファントムという名称はすんなり決まったんですが、実はすごく苦労して名付けたんですよ。

――あとは新クラスの紹介でキャストが前面に出てくるのは珍しいなと思いました。

 今までキャストを推したクラスというのはありませんでした。エピソード6はSFへ回帰したところもありますし、『ファンタシースター』といえばキャストという面もありますので、ここにきて満を持してキャストをエトワールのメインキャラクターとして採用しました。

 もちろん、エトワールの人型キャラクターも用意していますが、メインとして推していくのはキャストにしようと決めました。ファントムでも人型とキャストを用意していましたが、エトワールでもキャストと人型を用意して、対比させたイメージです。

 カラーかぶりを避けなければならないので、今回はクラスのテーマカラーの部分でも悩みました。ファントムは黒と青でゴシックSFというのがテーマでしたが、ではキャストがメインのエトワールはどうしようかなと。ファントムが黒なので白という案も出たのですが、閃機種などの敵側のカラーとかぶってしまいます。

 その次は緑という案もあったのですが、あまり強そうなカラーには見えてこなくて……。何パターンか候補を出したうえで、やっぱり金が一番しっくりきたので、映像のようなデザインになりました。今後、設定画が公開されるとわかると思いますが、シルエットが星っぽいデザインになっているんですよ。

――あと気になるのが操作難度と火力面ですが、このあたりはいかがでしょうか?

 操作難度としては、ファントムより難しくはならないもののやりごたえはあるようにしているつもりですが、開発チーム内では「慣れてこないと、ファントムよりもわかりづらい部分もある」という声もあるので……。10月5日に開催予定の新クラス“エトワール”先行体験会での、ユーザーさんの意見も参考にしたいですね。

――後継クラスとしては、ヒーローは3つの武器を切り替えながら戦う、ファントムは1つの武器でも切り替えても戦えるといった性能でしたが、エトワールはどんな戦闘スタイルに?

 エトワールは、より1つの武器に特化するような戦い方になると思います。ファントムも現状ではアサルトライフルとロッド、カタナとロッドなど、2種で戦うスタイルの方も見かけますが、エトワールはやり込んでいくうちに1種で戦っていくんじゃないかなと。

――ということは、それぞれの武器で特徴が大きく異なってくる?

 パーティーへの支援という意味ではどの武器でも変わりませんが、自分の武器でのアクションや立ち回りといった部分では大きく異なってきます。その異なるというところが、わかりづらさにつながりそうな気も多少しています。

――ちなみに、ウォンドは現在法撃力を上げて使っている人もいると思いますが、武器はそのまま使えるのでしょうか?

 法撃力特化で作っていても、参照ステータス的な意味ではとくに問題ありません。今ある武器を作り直すようなことにはならないと思いますが……細かい部分は10月5日の体験会でお伝えできると思いますので、今しばらくお待ちください。

――体験会、楽しみにしています。さて、もう1つの大きな発表としては、TVアニメ『ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラクル』の続報がありました。まずは、主題歌『Destiny』ですが、どういったテーマで制作したのでしょうか?

 これはTVアニメ制作チームから聞いた話ですが、だいぶ悩んで作ったとのことでした。前回のアニメは『PSO2』ユーザーだったら絶対に楽しんでもらえる、オンラインゲームに親和性が高い人なら楽しんでもらえるという物語でした。『PSO2』をアピールするため、広めるための作り方をあえてしたんです。

 ですが、今回の『エピソード・オラクル』はアニメとして一般のアニメファンにも楽しめるものにしたいというところがスタートだったそうです。そのうえで、オープニング主題歌をどうするかを考えました。一般的なのアニメだったら著名アーティストを使ったタイアップなどもよくありますし、それも考えたのですが、『ファンタシースター』らしくないことをやって成功しても、それは意味がないかなと。

 なので、『PSO2』ユーザーに喜んでもらいつつ、アニメファンにもささるものをと模索していくなかで、「やっぱり英語の歌というのが『PSO2』だよな」という結論になったようです。それが『ファンタシースター』のよさですし、そういうところで勝負しなければ埋没してしまう可能性もありますから。

 曲作りに関しては、やはりシリーズの楽曲といえば小林(秀聡氏)なので、オープニング主題歌の制作をお願いしたそうです。テーマに関しては、アニメの橘監督からもご意見をもらいつつ、冒険感があるものに仕上げました。監督にも過去の『ファンタシースター』シリーズの曲をあらためて聴いていただき、その中で方向性を詰めていく中で、明るめの曲に舵を切ったという感じです。

――ストーリーは25話ありますが、エピソード1~3をおさめようとすると、だいぶ駆け足になってしまいそうですよね。

 以前のインタビューでもお伝えしましたが、一部登場しないキャラクターがいたり、惑星ごと削ってしまったところもあります。ただ、人気のあるエピソードは組み込んではいるつもりです。単純にカットしてスカスカになっているといったことではなく、アニメ独自の設定だったり、ゲームではあまり語っていなかったバックボーンやアークスたちの生活といった部分に関してはしっかりと描いています。

 エピソード1~3は、ゲームでは描き切れていないんですが、歴史が嘘の世界だったり、ルーサーに騙され続けている世界だったりと、シリアスな設定が多いんです。ダーカーという未知なる脅威と戦っていくということ自体、リアルだったらかなりシリアスな内容ですよね。そういったところを踏まえつつアニメの制作をしている、ということです。

――本日公開されたアニメの映像では、ザウーダンを激しく殴ったりと、かなり過激な表現になっていたのも印象的でした。

 ゲームよりはそういった表現がしやすかったもあります。そのため、過激なところはだいぶ過激な表現になっているかもしれません。

――1つのSF作品として、『PSO2』に触れてない人にも楽しめるといった部分は意識されているのでしょうか?

 はい、そこは強く意識しています。ただ、今のアニメ市場ではSF作品は、主流とは言えないかもしれません。ですが、SFならではの魅力って絶対にあると思いますし、『ファンタシースター』のよさでもありますから、そこを強みを生かした作品作りをしています。なので、あまり意識して作ってはいないのかもしれませんが、結果的にSF作品が盛り上がっていたときの雰囲気を思い出させる作品なっているじゃないかなと思っています。

――TVアニメの放映にあわせ、新スクラッチ“アニメ化記念!オラクルコレクション”が配信されると発表がありました。スライドにはまだ登場が発表されていないキャラクター(パティエンティアとイオ)の姿もありましたね。

 会場の反応はすごくよかったように感じました。実はアニメ中コスチュームは登場しても、キャラとしては登場しない場合もあるので、PVやスライドで紹介されたキャラクターが全員出るというわけではないです。あと反応が大きかったもう1つの理由として、今はもうスクラッチなどでの排出はないため、ゲーム内での相場も上がってしまっているので、最近プレイを始めた方には需要があるのではないでしょうか。

――エピソード6が『PSO2』シリーズの集大成的な立ち位置なのもあって、アニメの話はエピソード1~3を選んだのでしょうか?

 前回のアニメを放映したあとに、「ゲーム原作のアニメもやってほしい」という声が多かったのが、やっぱり大きな理由ですね。あと、エピソード5の時にオムニバスクエストを実装したことがあったじゃないですか。これはエピソード1~3のディレクターズカット的な内容となっていて、一部削ったり不足していた部分を足していたんですが、これがユーザーさんに受け入れられるならアニメでもできるのではないかと思ったんです。そういう狙いもあって、試金石的な意味も含めて実装したんですよ。

――その反応を見て「イケる」という判断ができたんですね。

 そうですね。ほかにも2018年のアークスニューイヤーカーニバルのイベントで“EPISODE1~3ベストシーン総選挙”を実施したんですが、実はこのイベントでユーザーさんが大事にしているイベントを確認したかったという面もあったんです。実際に結果を見て、「やっぱりここなんだな」とか、「このシーンはより大事にしよう」などの判断がしっかりできたのではと思っています。

――クーナが登場すると判明した時、喜んでいるユーザーさんも多かったですよね。クーナのエピソードはまるごとカットしやすい気もするので、登場が確定するまではユーザーさんもやきもきしたでしょうね。

 たしかに制作の都合だけで考えれば、一番お話としてカットしやすいのはクーナのエピソードかもしれません。しかし、クーナのエピソードについてはカットどころか、ゲームでは描かれなかった設定なども語られるようです。

 実はアニメオリジナルで増やしているエピソードもたくさんあるとのことで……。25話におさめなくてはならないのですが、聞いているところによると、ゲーム原作と同じエピソードは全体の6~7割ほどで、残りはオリジナルの要素になっているとか。お話としてはリメイクに近いのかもしれませんね。

――ありがとうございます。では、ここからはそのほかの気になる部分についてお聞きいたします。まずは、今日のアップデート内容の紹介にて、ようやくエピソード6の新ストーリーである2章が配信されることが発表されました。こちらについても簡単に教えてください。

 ようやく2章を実装できます。今日の映像ではクーナの新しい衣装やコ・レラの小さくなるシーンなど、いつもだったら伏せておくような印象的なシーンも出してはいますが、ストーリー的な盛り上がりのシーンは全然出してはいないんですよ。

――アップデートロゴにショートカットの女性のシルエットが描かれていましたが、これは誰なんでしょうか?

 んー、誰でしょうね(笑)。いろいとと予想しているユーザーさんもいましたね。正解は新ストーリー配信後に確認してみてください。

――解式PAの詳細も発表されましたが、こちらは専用のゲージを消費して放つものですが、使用後にリキャスト時間は発生するのでしょうか?

 必要なゲージがたまれば使えて、リキャストは発生しませんが、複合テクニックと比較するとゲージはたまりづらいです。

――感謝祭の神戸会場で公開された新4人用クエスト“潜入調査:敵艦破壊工作”ですが、こちらの続報はいつごろ公開予定でしょうか?

 現状は東京ゲームショウ2019の時にステージでの情報公開を予定しています。このクエストは個人的に『ファンタシースターオンライン』や『ファンタシースターポータブル2』のような、どこか懐かしさを感じるクエストになっていると思っていますので、続報に期待していただければと思っています。

(C)SEGA

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