『ウイニングイレブン 2020』プロデューサー細田氏インタビュー。『ウイイレ』最新作の進化とは?【電撃PS】
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KONAMIより9月12日に発売されるPS4用タイトル『eFootball ウイニングイレブン 2020(以下、ウイイレ2020)』。本格的なサッカーを体験できるのはもちろん、クラブチームの運営やオンライン対戦にいたるまで、どこまでもリアルさが追求されている点が魅力となっています。
本作は、元スペイン代表で現在はJリーグのヴィッセル神戸で活躍中のアンドレス・イニエスタ選手のアドバイスを反映し、よりリアルさに磨きをかけての発売にいたった。今回の記事では、本作を手掛けたプロデューサーへのインタビューと好評配信中の無料体験版から進化に迫ります。
プロデューサー・細田氏に訊く『ウイイレ2020』
タイトルに“eFootball”というワードが新たに追加されたシリーズ最新作。シリーズファンが気になるポイントを『ウイイレ2020』のプロデューサーである細田真規人氏に直撃した。
――本作ではタイトルに“eFootball”の文字が確認できますが、このタイトルを付けた理由をお聞かせください。
細田真規人(以下、敬称略):2018年あたりから、eスポーツの規模が世界的になり、日本でも競技化のおかげで認知され始めたと思います。“アジア競技大会”でデモンストレーション競技として採用されたり、今年ですと茨城国体の文化プログラムで行われる“全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKI”などで取り上げられたりしました。
eスポーツの活動を活性化しようとしたときに、我々としては「どのように楽しんでいただくか?」を考え、その結果「対戦して楽しんでほしい」という結論にいたったのです。我々の考えとeスポーツの盛り上がりがタイミングよく重なったのも一因です。社内やチームでも「対人戦やeスポーツを遊びの軸にしていきたい」という声もあり、“eFootball”と名付けました。
eスポーツと聞くと、どちらかといえばプロ選手がメインになりがちですが、我々が目指すのは初心者も上級者も楽しめるというものです。その思いもあり“eFootball”という名称を掲げさせていただきました。
――たしかにeスポーツと聞くと、プロ選手が活躍するというイメージですね。
細田:自分もそうなのですが、腕が足りない人は同じ力量の人とプレイするだけでも楽しいじゃないですか。そこで盛り上がれるし、実際のスポーツでもプロ選手だけが楽しむというより、草サッカーでもしっかりと楽しめる。まさに、初心者も上級者も楽しめるサッカーを作っていくとう意味も込められているんです。
――茨城国体では“少年の部”もあり、全年齢で楽しめるという印象を受けました。
細田:スマートフォンで楽しめる『ウイイレ』で“eJリーグ”というものを開催し、アンダー15などのカテゴリー分けをしました。プレイが上手な20代の大人と小学生が戦うと、どうしても実力差が出てきてしまうんですね。
――本作のアピールポイントとは?
細田:アンドレス・イニエスタ選手の監修によって、新たにドリブルやプレシジョンキックなどのサッカー的な表現が拡張できている点です。キックのミスの表現もあり、この表現が入ることでサッカー的な駆け引きがより分かりやすくなっています。従来ですとボールが選手にくっついているような表現だったように思いますが、イニエスタ選手に協力をいただくことで、ボールを選手の左右に動かす表現ができあがりました。
また、密集地帯でのスラローム的なドリブルでのかわし方やプレシジョンキックでのシュートなど、正確かつ気持ちのいいアニメーションも魅力です。
――イニエスタ選手のアドバイスが生かされているということでしょうか?
細田:現在イニエスタ選手は日本でプレイされていますので、アドバイザリーとして参加していただけるかと思い、お声がけをしたんです。イニエスタ選手自身もゲームが好きで興味を持っていただけました。インタビューを含めてゲームに触れていただき、どのような考えを持ったのかと取材をしました。今後はモーションも撮り、新しいドリブルの制作も行う予定です。
――より表現に磨きがかかったように思います。
細田:現在のPS4もそうですが、映像の表現が向上すると今度は粗が目立っていくのです。アニメーションがギクシャクしていると、リアルじゃないという……。ですから制作側は必死です。長い間、制作するうえでは辛いですけどね(笑)。
――“eスポーツ”や“eFootball”を意識した作りになっていると思うのですが、ユーザーさんが積極的にこの2つに取り組んだり、興味を持ってもらえたりするモードはあるのでしょうか?
細田:まだ概要しか発表していませんが““Matchday”というモードを搭載しています。まさしくこれが“eスポーツ”を意識したモードで、発売当初はどちらかの勢力に分かれて試合をし、最終的に最も成績のいいプレイヤー同士が1VS1で試合をします。そして、それをみんなで観戦することになります。
ただ、上手な人しか勝ち抜けないということがないよう、オンラインのレーティングを使って、初心者の方であればこちらで試合をするといったように、レベル別の“Matchday”を設けます。こうすることで、初心者も上級者も楽しめるようになっています。
――マンチェスター ユナイテッド、バイエルン ミュンヘン、ユヴェントスの世界的なビッグクラブとパートナーシップ締結をしました。この3チームの魅力やゲーム内での注目ポイントを教えてください。
細田:すべてのチームに3Dスキャンを行い、選手のリアルさやタトゥーも含めて再現度を上げています。ホームスタジアムにもこだわり、とくにバイエルン ミュンヘンのホームであるアリアンツ アレーナですとドイツ代表の試合の際は白く、クラブチームで試合を行うときは赤くなるという演出も再現しています。そのようにこだわっているので、ファンの方には、ぜひとも注目していただきたいです。
また、AIも進化しており、選手の個性表現の幅も広がりました。パスの得意な選手がボールを持っていたら、それに合わせて走り出したり、ドリブルの得意な選手であればスクリーンアウトしてドリブルの道を開けてくれたりします。こうした新しい要素によって、チームの個性は今後も出てくると思います。
――チーム作りにも大きく影響しそうですね。
細田:とくに選手の個性が生きているのではと考えています。ゲームプラン画面で戦術を決め、自分のやりたいサッカーのスタイルを保ちつつ、そのポジションにハマる選手を配置すれば、より有効となります。本作では前述したミスなどの表現もあるので、より際立ってくるのではないでしょうか。体験版をプレイしていただいたときに、「どちらの足で蹴らなきゃ」といった操作感を感じてもらえるとうれしいんです。
メッシ選手を左足で蹴らせたかったら、プレイヤーが操作中にそれを意識してプレイしてほしい。利き足が左の選手を使って右足でクロスを上げても、なかなかいい結果にはならず、利き足によって戦術が変わるんです。ただ、複雑な操作は増やしたくはなかったので、今までの操作の中で今回は多彩な戦術がとれるようになっています。
――楽しみにしているユーザーさんにメッセージをお願いします
細田:新しいライセンサーが増え、また『ウイニングイレブン』に賛同していいただいたことは非常にうれしく思っています。そのライセンサーの方々とともに作っていく“eスポーツ”や“eFootball”の取り組みに、ぜひ参加していただければと考えています。初心者から上級者まで楽しめるゲームになってますので、ぜひプレイしてみてください!
待望のビッグクラブに触れられる体験版!
アメリカで開催された“E3 2019”のアワード“Game Critics Awards:Best of E3 2019”にて“Best Sports Game”を受賞するなど、世界的にも高い評価を受けた『ウイイレ2020』。その片鱗に触れられる体験版が好評配信中となっています。
この体験版ではマンチェスター ユナイテッド、バイエルン ミュンヘン、ユヴェントスの3チームが早くも使用可能となっています。ビッグクラブとのパートナーシップ契約により、ヨーロッパの強豪チームに触れられるのは、ファンならずとも大きなよろこびとなるでしょう。なお、体験版で使用可能な13チームは以下のとおり。
●『ウイイレ2020』の体験版で使用可能なクラブチーム
・アーセナル ・FCバルセロナ ・バイエルン ミュンヘン ・ユヴェントス ・マンチェスター ユナイテッド ・ボカ ジュニオルス ・コロ コロ ・コリンチャンス ・フラメンゴ ・パルメイラス ・リーベル プレート ・サン パウロ ・ヴァスコ ダ ガマ
体験版では対人戦やCOM戦のほかチーム戦が楽しめる“ローカルマッチ”、共闘が可能な“CO-OP”、オンラインを介してほかのプレイヤーと対戦できる“クイックマッチ”の、主な3つのモードをプレイ可能。体験版である以上、触れられるモードは少ないものの、操作感やプレイの楽しみは従来のシリーズと同様です。
操作を覚えられる“チュートリアル”に相当するモードはないので、初心者であればまずは“ローカルマッチ”でCOMと対戦し、プレイに慣れるといいでしょう。プレイ中にOPTIONボタンを押して“ヘルプ”画面を開けば、細かい操作を確認することも可能。サッカーのアクションを覚えられます。
体験版からすでに熱い!
オンラインマッチは待ち知らず
シリーズの経験者はもちろん、とにかく対人戦を楽しみたいというプレイヤーは、迷わず“クイックマッチ”を選ぶのがオススメです。体験版ながら、全世界のプレイヤーと対戦が楽しめます。ランク別のマッチングではないため上級者と対戦することもありますが、初心者であれば腕試しのつもりでプレイするといいでしょう。また、前述の“ローカルマッチ”で、ある程度の操作感やテクニックを磨いておきましょう。
なお、クイックマッチのマッチングは、プレイヤーが多い(8月22日現在)こともあり、比較的早めに対戦相手が見つかる。マッチングでの待機中のストレスはほとんどなく、プレイできたのはうれしかったですね。また、筆者は本作の腕前は低いものの、たとえ負けたとしても、向上心を持って次戦に挑めました(オンライン対戦が好きということもありますが……)。
対戦自体はマッチングの速さも手伝ってか、対戦相手の決定→ゲームプランの設定→試合を含めて、およそ20分前後のプレイ時間で手軽さも要因だったと思います。短時間で終わるからこそ気持ちを切り替えて次戦に挑めますし、軽くヘルプを見直してからすぐに対戦に挑むといったこともできます。
もし、これから『ウイイレ2020』の体験版を始めたいと思っていたら、ローカルマッチ→クイックマッチの順でプレイしてみてください。正式リリース後は、初心者から上級者までがオンラインで試合を楽しめるモード“Matchday”が搭載されますので、ぜひとも今のうちから腕を磨いて経験値を積んでみてはいかがでしょうか?
スタジアム、選手、ボールコントロールは見ごたえ抜群!
モードのことばかり語ってきましたが、『ウイイレ2020』はもちろん見た目や演出もバッチリです。収録されているスタジアムの再現度は高く、選手への高精度の3Dスキャンを行っており、リアルフェイスが実現されています。バイエルン ミュンヘンのホームスタジアムであるアリアンツ アレーナは、クラブチームとして試合を行う場合はスタジアムが赤くライトアップされるといった演出面も再現。
また、試合開始前の緊張感ある選手の面持ちのままスタジアムへ向かっていく姿や、観客の熱狂ぶりなどを見ると、プレイヤーとしてもついテンションが上がってしまいます。なお、体験版では以下の3つのスタジアムを選んでプレイ可能です。
●選べるスタジアム
・アリアンツ アレーナ ・アリアンツ バルケ ・ノイ ゾネ アレナ
次にプレイ中のボールコントロールですが、従来のシリーズ以上にテクニック系のプレイヤーが重視された印象です。これはアンドレス・イニエスタ選手の協力により生まれたボールコントロールで、狭いエリアで生きる“フィネスドリブル”や相手選手の意表を突くパスの“キックチェンジ”といったテクニックが実現している。どちらも“見ごたえがある”と言うよりも“してやった感”が強いが、成功時は快感です。
後者はオンライン対戦でこそ輝くテクニックなので、ぜひとも練習しておきたいところ。またフィネスドリブル→キックチェンジといった合わせ技もできるので、新たなボールコントールを習得することで、戦術は無限に広がっていくことでしょう。
ほかにも、“ノータッチコントロール”や“インテンショナルファウル”といった、新たなテクニックも使用できます。覚えることは多いですが、1つずつ習得して実戦で使用してみましょう。
グローバルで注目を集める本作の発売日まで、あと1カ月を切っています。この体験版をプレイして、来たる正式リリースの日まで心待ちにしてはいかがでしょうか。
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(C)Konami Digital Entertainment
※記事中に使用している画像は、体験版のものです。
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『eFootball ウイニングイレブン 2020』の公式サイトはコチラ!
eFootball ウイニングイレブン 2020 スタンダード エディション
- メーカー: KONAMI
- 対応機種: PS4
- ジャンル: スポーツ
- 発売日: 2019年9月12日
- 希望小売価格: 7,600円+税
eFootball ウイニングイレブン 2020 レジェンド エディション
- メーカー: KONAMI
- 対応機種: PS4
- ジャンル: スポーツ
- 配信日: 2019年9月12日
- 価格: 9,600円+税
eFootball ウイニングイレブン 2020 スタンダード エディション(ダウンロード版)
- メーカー: KONAMI
- 対応機種: PS4
- ジャンル: スポーツ
- 配信日: 2019年9月12日
- 価格: 7,600円+税