新美南吉作品を初めて朗読して感じたことは? 『文アル』朗読CD、村瀬歩さんインタビュー

電撃オンライン
公開日時
最終更新

 文豪転生シミュレーションゲーム『文豪とアルケミスト』(通称:文アル)より、キャストによる朗読CD第6シリーズが2021年10月27日に発売されます。

 第6シリーズは「夏目漱石(声優:鳥海浩輔)」「新美南吉(声優:村瀬歩)」「井伏鱒二(声優:武内駿輔)」の3タイトルで、キャストによる作品の朗読や3人の掛け合いによるミニドラマ「緊急座談会」を収録しています。

 CD発売を記念して、出演陣より収録後の感想が到着しました。今回は村瀬歩さんのインタビューをお届けします。

「文豪とアルケミスト」朗読CD 第6シリーズ 第17弾「新美南吉」 村瀬 歩さんインタビュー

●インタビューにあたり、朗読CD第6シリーズの文豪や作品の選択理由。

 今回は「夏目漱石」を含めた3名の文豪で発売したい、というところから企画開始になりました。そして、様々な組み合わせにて検討した結果、「動物が物語の主軸やテーマである作品」という括りで文豪と作品が決定しました。

──朗読された「本編CD」の作品それぞれについて、ご感想をお願いします。

 長い収録を無事に終える事ができて、ホッとしているというのが正直な感想です。

 『ごん狐』は、もともと、国語の教科書に載っているくらい有名な作品を自分が朗読させていただけるというのがとても誇らしくありがたい事だなぁと思いました。

 ごんは賢い狐であるのだけれども、人間界の事をすべて把握していた訳ではなかった故の失敗を起こしてしまうので、動物からの視点でのお話として納得ができました。

 とても切ない面もあるのですが、いわし屋さんの件(ごんに盗まれた鰯が兵十の家にあった為、兵十は盗んだ犯人だと思われ、いわし屋に殴られてしまう)では、ごんが兵十を助けようとした画策とは反対になってしまったのには「そうなるんだなぁ」と思いました。

 『手袋を買いに』は、この作品もすごく親しまれている新美先生の有名作品ですが、『ごん狐』とは少し異なり温かいお話であり、人間の世界の中に狐の世界がフィーチャーされていて、読んでいてポカポカする感じがしました。その辺りの温かさを聴いてくださる方にも伝わるように考えながら、読まさせていただきました。

 『のら犬』は、少し不気味なお話でしたね。最後は狐に化かされたような感じだったので、自分でも余り掴めないままでした。自然や動物のかわいらしさだけではなく、恐さであったり、異質な感じがすごい描かれているようで、賢く生きているのは人間だけではないんだぞと言われているようでおもしろくも感じました。

──声をご担当されているキャラクターの魅力を、改めて教えてください。本作で担当されているキャラクターにつきまして、収録時、どんなことを意識・大切にされていますか。こだわりや、醍醐味・難しさなどをぜひお聞かせください。

 キャラ作りで意識しているのは、この『文アル』内で精神年齢を何歳くらいに設定しているのかというのを考えて、何歳か明言はせずにやらせていただいています。

 南吉は純粋なところもあれば、不気味さやほの暗さみたいものを抱えていて、作品から受けるイメージとたまにハッとさせられる哲学的なセリフとか、『でんでんむしの かなしみ』のような作品からフィードバックされた一面を持ち合わせていて、演じるのにやりがいがあります。見た目がかわいらしいところもいいですよね。

──朗読された「特典CD」の作品について収録のご感想をお願いします。

 『でんでんむしの かなしみ』は、すごい哲学的なお話でした。なぜ、全部平仮名で書かれているんだろうという事から入って、とても不思議な感じがしました。言う事は簡単ですけれど自分はこんなに考えているんだって言うのは、自分自身が死んでいる事にそんなに美徳を感じていなかったのかなぁという事を思いました。

 『飴だま』は、少しクスッとする作品でした。新美先生は他の作品も含めて作中で人物のギャップを描くのがお好きなのかなと思いました。お侍さんが姿かたちの描写では怖い人なのかと思いつつも、刀を出した時に「あぁ、きっと飴だまを割ってくれるんだろうな」と思えて、オチを読んで「やっぱりそうだった」とほっこりしました。

──読者のみなさまへメッセージをお願い致します。

 この『文豪とアルケミスト』という作品はありがたい事に長い間、声を担当させていただいていまして、いよいよ新美先生の作品の朗読を初めて行わせていただきました。朗読は、なかなかにハードでしたが、「日本という国で生まれたので、美しい日本語を発声しなくては」という、声優としてある意味いい体験ができました。日本語は普段でも大事に使わないといけないなという思いを持ちながら読ませていただきましたので、ぜひCDをお聞きして楽しんでいただけましたらうれしいです。

商品紹介

●タイトル:「文豪とアルケミスト」朗読CD 
発売日:2021年10月27日発売(3巻同時)
発売元・販売元:フロンティアワークス
通常盤:税込3,300円
アニメイト限定盤:税込4,400円(アクリルスタンド付属)
※特典CDは、アニメイトでの3巻同時購入者特典になります。(1枚に3名の朗読を収録)

<収録内容>
・第17弾「新美南吉」
【本編CD】「ごん狐」「手袋を買いに」「のら犬」、オマケドラマ「緊急座談会」
【特典CD】「でんでんむしの かなしみ」「飴だま」



©︎2016 EXNOA LLC

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら