ちょっとのジャンプミスでどこまで戻るの、あがががが。ルールは簡単なのに超高難度な鬼畜ゲー『ジャンプキング』、知ってる?【電撃インディー#119】
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電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はPikiiから配信中のNintendo Switch版『Jump King』のレビューをお届けします。
なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
ジャンプを駆使して頂上を目指せ
本作の目的は、大小さまざまな足場で構成された縦に長いステージを、左右への移動とジャンプを使って登っていくだけ。
左右への移動とボタンによるジャンプだけが行えると、ルール、操作ともに非常にシンプルです。
ジャンプはボタンを押す長さによって高さや飛距離が変化するので、近くの足場に飛び移るときはボタンを短く、遠くの足場に飛びたいときは長く押すといった具合。
アクションゲーム定番の、離れた足場をジャンプで移動するという要素だけに特化したタイトルという印象ですね。
段差があったり、穴があったりと下に落ちることはありますが“ここから落ちたら力尽きてしまう”というようなゲームオーバーにつながるものはなし。
ひたすら上へと登っていくことが目的となります。
頼れるのは己の感覚だけ。ジャンプの道は険しい
非常にシンプルなルールなのですが、手ごたえがないかと言われるとむしろ逆。本作は、かなり難易度の高いゲームになっています。
その要因の1つが、ボタンを押す長さによってジャンプの飛距離が細かく分かれている点。
“ボタンを押したかどうかわからないくらいで指を離す”と“押したと確信したらすぐ離す”で、もうジャンプの軌道が違います。
しかも、ゲージや効果音といった事前にジャンプの勢いがわかるものはいっさいないので、どのくらい高く長く飛ぶかは自分の指先の感覚だより。思ったとおりに飛べないのは日常茶飯事です。
さらに、一度ジャンプしたら着地まで一切の操作は不可能。ジャンプ中に方向キー入力したり、空中ジャンプや二段ジャンプをしたりして軌道を調整することはできません。
そういったジャンプでの移動をサポートする要素がいっさいないので、一回一回のジャンプが真剣勝負。
ちょっと押した、もう少し押した、そんな感覚だけを頼りにジャンプを繰り返すこととなります。
失敗すれば、よくて同じジャンプの飛び直し。穴に落ちるような大失敗をすると、場合によっては2画面、3画面と一気に下の方まで落下することに……!
アクションに限らずゲームでは、失敗するとペナルティがあるのは当然です。敵にやられて残機を失う、選択肢を間違えて好感度が下がる、ゲームによってさまざまなペナルティがありますよね。
そんな中でも“進むこと”に失敗したペナルティが“戻ること”という本作の作りは、進むことに特化したゲーム性と相まって非常に心に来ます。
シビアなジャンプに成功して成功して、やっとたどり着いた初めての場所。そこでのジャンプを大失敗すると、それまでの数回分のジャンプの成功まで台無しに。
積み上げた積木がガラガラと崩れていくような感覚はかなりのショック。落ちた先にも、当然これまでに踏破してきた足場があるので元の場所に戻るには、またシビアなジャンプを繰り返す必要があります。
もちろん、元の場所まで戻ろうとする際にジャンプに失敗するとさらに下の方へと落下。と、一度の失敗をきっかけにどんどんと元の場所への道が遠ざかっていきます。
難所をクリアするごとに達成感はありつつも、クリアしたから大丈夫ということはなく、失敗するとまた難所に挑まなくてはいけないかもしれない。
そういう感覚が進めば進むほど積み上がっていくので、どんどんと次の失敗が怖くなり、また、失敗を繰り返すと段々心が折られていきます。
失敗しやすく、失敗に対するペナルティが重くなりうるゲーム性なので間違ってもストレスのたまらないゲームとは言えません。
ただ、登って落ちて、また落ちてと同じシーンを繰り返しているうちに「ここは、ボタンを一瞬だけ押す」、「こっちは最大ではないけれども気持ち長めのジャンプ」と、次第に頭の中で描いた軌道どおりにジャンプが成功するシーンが増えていくことは間違いなく快感。
ルールは簡単でクリアは難しい。本作は、そんな言葉がとくに似あうタイトルだと感じます。
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