『ガンダム バトオペ コードフェアリー』開発者が語るポイント。骨太な設定やキリーの立ち位置、機体に注目

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 11月5日よりバンダイナムコエンターテインメントより配信される『機動戦士ガンダム バトルオペレーション Code Fairy』。その開発者インタビューを掲載します。

 本作は、操作やゲーム性は『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』を踏襲しつつ、魅力的なキャラやオリジナルストーリーのミッションに挑むシングルプレイ用のバトルアクション。キャラクター原案を田中将賀さん、メカニックデザインを瀧川虚至さん、アニメーション監督・演出・絵コンテを吉沢俊一さんが担当しています。

 配信に先駆けて、プロデューサーの藤山賢彦さん、ディレクターの菱沼雄允さんに質問。ソフトを配信することになった経緯や物語のポイント、ゲームシステムや作品のこだわりなどをお聞きしました。

  • ▲左が菱沼さんで、右が藤山さん。

 なお、インタビュー中は敬称略。

『Code Fairy』を遊ぶことで『バトオペ2』のきっかけになってほしい

ーー今回、配信というスタイルでのリリースを決めた経緯は?

藤山:配信タイトルはパッケージタイトルと違い、発表から短い期間でリリースすることが可能です。興味を持っていただいた鮮度のいいタイミングから、可能な限り早く配信することを実現したいと考えました。

 最近はダウンロードタイトルが増えていて、その市場も活発です。さらに、配信タイトルである『バトオペ2』との相性もいいので、配信形式の一本に絞って展開することを選びました。

ーータイトルを分割して配信されるのは、なぜでしょう。

藤山:配信を複数回にわけているのは、プレイの隙間を作って『バトオペ2』をやってもらうことを前提にしているからです。連動開放要素があるので、『バトオペ2』もプレイしていただきたい。

 一度にゲームプレイを終わらせるのでなく、ある程度のスパンで遊ぶスタイルを考えました。各2,000円(税別)なので、ちょっと気になった際にお試しで遊べるのもポイントです。

ーーゲーム性やキャラデザインから、『バトオペ2』を遊んでいないユーザーをターゲットにしていると感じました。

藤山:『バトオペ2』が好きな方に喜んでいただける要素はもちろんありますが、ターゲットには、『バトオペ2』未経験ユーザーや『バトオペ2』から離れているユーザーも含まれます。

 このタイトル単体で楽しんでもらったうえで、最終的に『バトオペ2』をプレイしてもらいたいというのが、実は本タイトルの狙いです。

菱沼:『バトルオペレーション』シリーズが始まり、もう9年になります。シリーズが長く続いていくと、どうしても先細りしていく……いま遊んでいただいているユーザーを大事にしつつ、新しいユーザーを入れることが運営タイトルでは非常に大事です。

 その際に無理矢理ゲームを遊んでいただくきっかけを作るのではなく、気が付いたら『バトルオペレーション』をやっているようなきっかけを与えるのが理想だと考えました。「『ガンダム』のオンラインゲームはハードル高そう」と感じているような人でも、気軽にやれるようなイメージです。


 例えば、普段アニメを観ている人にも一目で「何か気になる」と思ってもらえるように、キャラクター原案を『君の名は。』などで有名な人気デザイナーの田中将賀さんにお願いしました。また、テーマ曲はさまざまなアニメのテーマソングとして非常に格好よい歌を歌われている黒崎真音さんにお願いしています。

 心がけたのは、“とっかかりやすさ”です。新しく遊び始めた人や、以前にやっていた人が遊びやすいように、アクションやシステムのチュートリアルや説明をいろいろと入れています。

ーー具体的にはどういったところに気を付けたのでしょうか?

藤山:『Code Fairy』で味方と連係するアクションを、“チェイン”というシステムとして組み込んでいます。この『Code Fairy』を遊ぶことで、『バトオペ2』でも自然に連係できるようになることを目標として入れました。

 また、仲間と一緒にプレイする楽しさを『バトオペ2』のように疑似体験できるように、戦闘中に僚機のミア、ヘレナを中心にひっきりなしに無線の会話が飛び交う戦場にしました。

 いたるところで女性の会話が発生する状況は、単純なアクションゲームに留まらず、とっかかりやすくも独特な世界観が出せたと思っています。

 すでに『バトオペ2』を遊んでいただいている人でも、長い期間プレイしているとどうしても新鮮味が薄れてくると思います。『Code Fairy』はストーリーがあるので、『バトルオペレーション』とは異なるプレイ感を味わえます。

菱沼:特にチュートリアルが拡充されているので、新規ユーザーは遊びやすいと思います。また、1話ごとに要素が入ってくるので、とっつきやすいかと。

 アニメのようなキャラデザやストーリーのあるゲーム性などは、『バトルオペレーション』をプレイしている人にも刺さってくれたらうれしいです。

 個人的には、『バトオペ2』の熟練ユーザーが『Code Fairy』の難易度“HARD”をプレイされて、どのような反応をされるのか、興味があります。

ーー遊ぶサイクルについては、どのようなことを想定されていますか?

菱沼:本作はスタンドアローンのゲームです。まずはシナリオに集中してもらって、詰まってしまった場合には他のモードでカスタムパーツなどを取得して再挑戦。そんなプレイサイクルを想定しています。

 『Vol.1』では5話までのシナリオを楽しめて、『バトオペ2』との連動要素が一部あります。『Code Fairy』を遊んでいただき、『バトオペ2』をプレイしていただくことで、ちょっとお得になったり、要素が開放されたりする仕組みです。

 1回クリアするだけで成立しないので、ノルマを意識したり難易度を買えたりして遊んでいただき、『Code Fairy』をしゃぶりつくしてもらったら、自然と『バトオペ2』に興味をもっている。それがコンセプトとなっていて、そのようなサイクルを目指しています。

ーー『Code Fairy』をプレイすると、『バトオペ2』で何機を入手できるのでしょう?

藤山:公式サイトで公開しているのですが、『Vol.1』をプレイしていただくことで“ザクII[狙撃型](HH)”と“Code Fairy機体【ザク・ハーフキャノン(MB)】”の2機が入ります。他にも、『スタンダードエディション』や、3本がセットになった『デラックスエディション』の購入特典で機体を用意していて、最大で8機体が入手できます。

 『デラックスエディション』には、『バトオペ2』で使えるDPや31トークンもついているので、『バトオペ2』ユーザーであればかなりお買い得な内容になっています!

戦争を描いた骨太なストーリーが展開。『外伝シリーズ』とのニヤミスも!?

ーーストーリーが気になるのですが、言える範囲で見どころを教えてください。

藤山:女性部隊を描いたストーリーで、アニメ調のキャラデザですが、いわゆる“萌え”が強い作品ではありません。アナウンス動画でお伝えしたように、シナリオは徳島雅彦が担当しています。1話では和やかな日常のシーンや笑えるようなシーンもありますが、戦争を描いているため、全体としては骨太なテーマ、シナリオになっています。

 一年戦争時の北米大陸が中心となるため、戦況が変っていく中、彼女たちが戦争とどのように向き合うのかを見ていただきたいです。

 公開されているシーンや1話で笑いを誘うようなシーンから、「いつものガンダムっぽくない」と感じる方はいると思うのですが、第4話のように空気がひりつくようなシーンは随所にあり、『機動戦士ガンダム』という作品が好きなコアな方にも「遊んで楽しかった」と言っていただけるようなものになっていると感じます。

ーーそれは楽しみですね。

藤山:戦記物としてだけでなく、『外伝シリーズ』の1作品としても楽しんでいただけるように作っています。過去のタイトルに出たキャラも出てくるので、ファンは期待してください。

菱沼:発表時から「北米大陸で、このタイミングだったらあのキャラがいた!」などと予想されている方もいるようです。個人的には“ニヤミスは大事”だと考えていますし、脚本の徳島もそういった点を意識しています。濃いファンならニヤリとできるようなマニアックな部分もあるので、各Volの発売ごとにそういったところも注意深く見て、考察しながらも楽しんでいただけるとうれしいです。

 特に、“キリー・ギャレット”の立ち位置をシナリオ上で丁寧に描くことは、初期から重視していました。もともとMSVのキャラで、かつてエースだったのですが、政治をして生き抜いていくことを選んだキャラです。

 他にも、田中さんに描いていただいたイアン・グレーデンが出てきます。このように、さまざまな繋がりを感じられるタイトルとなっています。

ーー最後に、配信を楽しみにする読者へのメッセージをお願いします。

藤山:『バトオペ2』に繋がる要素を軸に作ったタイトル。そのうえで『外伝シリーズ』のファンも喜んでもらえるような内容に仕上がっています。

 先ほどもお話しましたが、『バトオペ2』との連動はかなり充実しています。『デラックスエディション』では、ゲーム中のクリア条件を満たせば、すでに登場しているものではなく、オリジナルの機体を最大8機体入手できます。

 『Code Fairy』を遊んだら『バトオペ2』で乗ってみたい……そう思ってもらえるとうれしいです。お試しでバラバラで買う、セットで少しお得に買う、ガッツリ遊ぶために一度に買うなど、多数のラインナップを用意したので、特典などを踏まえて検討してください。

 長い年月かけて、サンライズさんとガッツリ手を組んだタイトル。スタッフも豪華なメンバーが集まり制作できました。アルマたちの物語をぜひ楽しんでください。

菱沼:ゲーム的なところでは『バトオペ2』のようなアクションをしつつ、ストーリーを楽しんで頂くゲームになっています。プレイ時間の半分くらいは、ストーリーを見ていただく構成です。

 ただし、単に“『バトオペ』+シナリオ”という作りではなく、しっかりと展開のある1本の物語を用意できたと思っています。

 シナリオに関して、徳島と共に作り上げていくうえで大切にしたのは、本作は戦争という特殊状況下での少女たちの青春群像劇であり、戦記ものであるということです。大人とは違った感受性と純粋さを持ち、厳しい状況下でも諦めることなく、仲間と笑ってアイディアを出し合い、逞しく生きぬいていく少女たちのドラマであり、それを支えるキリーやイアンのような大人たちのドラマでもあります。

 田中さんに生み出していただいた瑞々しく感情豊かなアルマたちを好きになってもらえたら、とてもうれしいです。

(C)創通・サンライズ

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