映画『アイの歌声を聴かせて』の吉浦康裕監督が明かす制作エピソードと楽曲への想い

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 絶賛上映中の映画『アイの歌声を聴かせて』の“スタッフトークつき上映会”オフィシャルレポートが公開されました。

 以下、リリース原文を掲載します。

『アイの歌声を聴かせて』の劇中歌の制作秘話を語る!

 ポンコツ“AI”とクラスメイトが織りなす、爽やかな友情と絆に包まれたエンターテインメントフィルム『アイの歌声を聴かせて』が10月29日(金)全国公開いたしました!

 監督は「イヴの時間」、『サカサマのパテマ』などで海外からも注目を集め、アニメーションの新たな可能性を切り拓いている吉浦康裕。

 自身が得意とする「AI」と「人間」の関係というテーマを、高校生の少年少女たちが織りなす瑞々しい群像劇という形で描写し、圧倒的なエンターテインメントフィルムとして仕上げています。

 キャラクター原案には、気鋭の漫画家・紀伊カンナ、共同脚本には、『コードギアス』シリーズや「SK∞ エスケーエイト」の大河内一楼が参加。

 また、劇伴・劇中歌は「SK∞ エスケーエイト」の高橋諒、「プリパラ」「ドリフェス」の松井洋平が作詞を担当。

 ちょっぴりポンコツなAIの主人公・シオンを土屋太鳳が演じ、多彩な楽曲たちをエモーショナルに歌い上げます。

 また、もうひとりのヒロインであるサトミを福原遥、幼馴染のトウマを工藤阿須加が演じ興津和幸、小松未可子、日野聡に加え、大原さやか、浜田賢二、津田健次郎ら実力派声優が集結しました!

 10月29日(金)に公開を迎え、公開初週の満足度調査では、満足度97.3%(10/29-10/31 劇場出口調査)、Yahoo!映画ユーザーレビュー4.13(11/1付)ほか多くの映画サイトで絶賛され話題となりました。

 SNSでも「“歌う”ことにこれほど意味を持たせた展開と土屋太鳳の声の健気さに涙腺フルオープン」「温かな歌声が奇跡を起こす終盤に泣く」「土屋太鳳さんの歌声も最高。『突然歌いだす』という行為が何重にも意味があって発明の域!」などと楽曲についても絶賛の声が上がっています。

 そして11月8日(月)絶賛公開中の映画『アイの歌声を聴かせて』のスタッフトークつき上映会が、新宿ピカデリーで開催された。

 本作上映直後、興奮が冷めやらない満員の観客を前に、吉浦監督、音楽の高橋諒、作詞の松井洋平が「ユー・ニード・ア・フレンド ~あなたには友達が要る~」のBGMと共に登場すると会場から大きな拍手が。

 吉浦監督は「今日はこんなにたくさんのお客様にお越しいただき嬉しいです、初めての音楽スタッフクロストークで楽しみです。」と挨拶し、作曲・編曲担当の高橋は「話したいことがたくさんありうずうずしている」と高揚感を隠せない様子。

  • ▲吉浦康裕監督。

  • ▲高橋諒さん。

 そして作詞担当の松井は「みなさんの上映終了後の拍手が伝わってきて、とても温かい気持ちになりました。」と挨拶した。

  • ▲松井洋平さん。

 今回はシオン演じる土屋太鳳歌唱の4曲について掘り下げていく。土屋はトレーナーをつけてタイプの異なる4曲の楽曲ごとに表情を演じ分け、シオンというAIロボットが成長していく過程を彼女自身が歌で表現してくれていたと監督から制作エピソードが明かされた。

 ミュージカル要素を取り入れた作品の方向性は明確で、脚本よりも前に楽曲制作がスタートしたという。そして4曲の制作秘話を深堀りする3人のクロストークはさらにヒートアップした。

 「周囲の人間を置き去りにして突然歌い出すシオンが印象的な楽曲でした。」という監督の話から始まった1曲目『ユー・ニード・ア・フレンド ~あなたには友達が要る』トーク。

 「ストレートに“めっちゃいい王道ポップスミュージカル”にしてください。」という監督からの指示に、高橋は制作過程で「親しみやすさ」を常に意識したと言う。

 松井は、「『ともだち、ほしい~!!!!』と締める曲は少し恥ずかしくも感じたが、AIロボットのシオンだからできる。コメディソングにならない程度の、気持ちよく歌える曲作りを意識した。」と明かした。

 続けて監督からは「周りは置き去りになるが、ミュージカルの突飛さとシオンというAIロボットのキャラクターがリンクする曲」と完成度の高さを満足気に語りつつ「でも、土屋太鳳さんはこの曲を初めて聴いて、さいごの歌詞『ともだち、ほしい~!!』にずっこけたそうです(笑)」とエピソードを明かし会場の笑いを誘った。

 2曲目の『Umbrella』はバラード調で、1曲目と大きく雰囲気も変わるラブソング要素のある楽曲。

 「この歌がきっかけとなり、シオンが人間の気持ちを学習するきっかけになるので、それをうまく歌詞に表現するのが難しかった。」と松井。

 高橋は「バラードというと音の流れも緩やかなことが多いが、AIシオンが歌う曲ということで、ロボットとしての高音や跳躍感のあるサウンドを入れるなど工夫した。」と紹介。

 「歌のチカラで登場人物たちの心が変わっていく。シンプルにまっすぐ響く良い曲になった!」と満足げな松井に、監督も納得の表情。

 3曲目の「Lead Your Partner」はTikTokなど、SNSのクチコミでも非常に話題になっている曲。歌と柔道とダンスのコラボレーションは今までに見たことないエンターテインメントだが、松井はこの曲が一番歌詞を作っていて楽しかったと語る。

 監督の着想や楽曲や歌詞のイメージについて聞かれると、監督は「実は当初はもっとムーディなイメージでオーダーしていたので、高橋さんから少し気まずそうに提案されました(笑)」と明かした。

 高橋は「監督に最初に聞いてもらうとき、ムーディとは正反対のビックバンド調のアグレッシブな曲だったのでハラハラした。」と答えた。

 さらに高橋は「柔道の技が決まる瞬間に合わせて、ドラム音を入れたり、足さばきをリズムタップで表現したり、社交ダンスの映像と、ビックバンドらしい音色と、柔道と。すべてが異色のコラボレーションでありながらも絶妙にマッチし、それがストーリーの高揚感やサンダーの胸の高鳴りにもマッチした。」と熱く語る。

 松井は「最後のシオンが、アンドゥトロワ!と言うところがポイント!」とシオンの小悪魔的な可愛さを歌詞で表現したとコメント。

 そして最後4曲目の「Youʼve Got Friends ~あなたには友達がいる~」は作中で1番ミュージカル然とした楽曲。いわゆる1曲目の「ユー・ニード・ア・フレンド あなたには友達が要る~」のアンサーソングである。

 監督は「BGMではなく、全部その場で主人公が歌っている曲として、映画を観ている人も登場人物と一緒にその気持ちになって歌えるような感覚が得られるのが魅力」と語った。

 高橋は「バラードとしても成立するように深みのあるメロディを意識した。」と答えた。

 松井は「この4曲目の『あなたには友達がいる』というサブタイトルを決めてから、1曲目にもサブタイトルをつけようと思い、『あなたには友達が要る』とつけた」と秘話も語った。

 イベント終盤で高橋は「自分自身もいろいろな挑戦をさせてもらえた。監督と皆様に出会えたこと嬉しいです。」と話し、松井は「歌のウエイトが重い作品。歌ってこんなに素敵で、伝わる力がある、響いているんだと心が揺るがされた思いです。皆にもっと知って、聴いてほしいです。」と思いを伝えた。

 最後に、監督は「この作品は本当にいろいろな想いを込めて作った。この想いを観客の皆様のクチコミで広めていってほしい。」と観客に感謝の思いを語り、イベントは幕を閉じた。

《映画『アイの歌声を聴かせて』スタッフトークつき上映会 概要》
■日程:11月8日(月)
■時間:20:45~21:15
■会場:新宿ピカデリー スクリーン6
■登壇者:吉浦康裕(原作・脚本・監督)、高橋諒(音楽)、松井洋平(作詞)


© 吉浦康裕・BNArts/アイ歌製作委員会

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